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umibe no resort de satsujin wo
Kindle Unlimitedにて読了。
ミステリーとBL要素がバランス良く、とても面白かった!
ネタバレなしに読むのがおすすめ。
おとなしい内気なタイプの受けがあまり好みでないので、最初は進みが悪かったのですが、コミュ強の攻めにも助けられw徐々にお話の世界へ…。
ライトミステリーではありますが、真実の背景は切なく悲しく考えさせられました。終盤にはご都合主義な面もありますが、全体的にとても楽しく読めたので神評価としています。重すぎないので、今後もまた折に触れて読み返したくなるミステリーBL!
真実が明らかになった後の受けは好きでした!幸せになれよ…
皆さんの書かれているように、オチは書かないとして…
ミステリー仕立ての恋愛小説として読むと、ちょっと違和感が残ります。というか、コレが男女ものだったとしてもそれなりに面白いんでは?と思ったからです。
それくらい、違和感なく物語が進んでいくんです。
登場人物の背景や設定、BLであることの意義?みたいなものが(最終的に受けと攻めはくっつくので、一応あるんですが)薄すぎて。
ちょっと安易に男性同士モノにしましたよ、という印象を持った作品でした。
瑞樹が男性である必然性、もしくは阿久津が男性である必然性、が欲しかったなと。
ミステリーものとして評判が良いようなので期待して手に取りましたが、真相にガッカリしました。以下個人的な辛口感想になります。
真夏の豪華リゾートツアーに参加したら、事件に巻き込まれて…というよくあるライトミステリーものです。参加したメンバー達は現実にもいそうなアクの強い人ばかりで、掛け合いは面白かったので、後半まで合間に入るソフトなBLではダレつつ、それでも事件の結末が気になって読み進めましたが、まさかこんなエンディングが待ち構えていたとは。。
途中過程で他のメンバーに比べて、主人公や恋人候補と思われる相手の影が薄かったり、クローズドサークルものや連続事件ものとしては緊迫感も無いところは気になったり、一部のキャラが意味深に匂わすシーンもありましたが、「まさかそんな展開では無いだろう…」とたかを括っていたら、そうだったので驚きました。展開が読めると、ミステリーとしての面白さは半減してしまって…。
真相はミステリー好きなら、どこかで見た設定のオンパレードだし、トリックはITで説明されると面白くないです。種明かしの全容に拍子抜けしました。
ミステリーとしての派手な手法が使用されるほど、作家さんの力量によって出来栄えが変わってくるなーと感じました。目新しさのないよく使われる手法でもあるので、余計に物足りなかったです。ミステリーを普段見ない、読まない人や苦手なライト層向けだと感じました。
作家さんが描きたかったであろうテーマも、社会問題提起に至るほどの重みや訴えかけられるものが感じられず、個人的な悲劇と戒めで終わってしまった印象が惜しかった。描き方次第では女性としてグッとくるものがあったと思うのに。。
コロナで夏のバカンスを楽しめなかったので、本格的ミステリーを味わいつつリゾート気分を…という夢から一気に覚めてしまいました。
BLもミステリーもどっちもどっち感があり、残念でした。
少数派かもしれませんが、本格的BLミステリーが読みたいです。
すごかった!すごいミステリー略してすごミスですね。
絶対ネタバレ見ないで読んでほしい!
私も本の裏のあらすじしか見ずに読みました。
ツアー客がとんでもないメンバーばかりだな、あれ?この職業ってもしかして?と思ってたら…。
いかん!何を書いてもネタバレになりそうで。
もうグイグイ引き込まれて夢中で読んで最後の数十ページは涙と鼻水が止まらず。
初めての作家さんでしたが本当に読み応えがあったし、話としてもすごい!
最後まで読むと、あの時のあの台詞はそうなのか!とかやたら姿を消してたのは…とか納得です。
はぁ、レビューも見ないで読んで良かった。
最後まで面白く読了しました。
皆さんはどんな評価かな~と覗きに来て、低めの評価もそれなりで、どれどれとチェックした所、なるほどねえと納得できる内容でしたw
これね~、ミステリーが好きで、ミステリーに一家言持っていて、ミステリーとして読んだらあまり評価高く出来ないのも仕方ないと思います。
リアルで考えて有るか無いかで読むと、「ちょっとどうかね~」って部分あるんですよ確かに。
でもミステリーとして読まずにですね、
2時間のサスペンスもので、結構現実的に考えるとオカシイ所あっても楽しめちゃったりする感覚とか、水戸〇門とか必〇仕〇人みたいな「情がめちゃくちゃ幅効かせてる」タイプだったりとか、あるいはT〇ICKのような「変な部分も楽しんじゃう」という感じで読むと楽しめると思います。
それか、アメコミヒーロー好きな人も楽しめるんじゃないかな?ヒーローは悪人に対して何をするでしょうか。そしてその後日常には戻れるんでしょうか?というね。
あとね、どこがとは言いませんが、「手のひら返し感」があるんですよこの話。
その時はテ〇ム・〇ートンの映画ぽいなとも思いました。〇ィム・バー〇ンの映画って登場人物自体は全く何も変わってないのに、周りの評価がある事をきっかけに180度変わったりするんですよ。そりゃもう人間不信になるぐらいw
昔は何でこんな極端な群像描写するんだろう?と思っていたのですが、もしかしてティム自身が手のひら返しを受けた事があるのかもしれないな、等と考えるようにもなりました。
話ずれすぎた。
とにかくですね、正統派ミステリーを期待して読むとがっかりするかもしれませんので、その点気を付けると良いと思います。
ミステリーBLと思って読み始めましたが、話としては面白かったのですが、これをミステリーというのはちょっと違うかな。
ミステリーとサスペンスの間って感じ。
盛大なネタバレになってしまうので、手法については書きませんが、犯人当てはやりづらいと思います。
太平洋に浮かぶ三日月型の島を買い取りリゾート開発されたホテルのオープニングキャンペーンに参加することになった相良瑞樹(受け)。
友人と参加するはずが急遽一人参加になってしまいます。
人付き合いが得意ではない瑞樹は何度もパンフレットを読みシュミレーションしてドキドキしながら参加するのですが、他の参加者は癖のある人ばかり。
そんな中、このキャンペーンを取材するためにやってきた阿久津昇平(攻め)と親しくなり行動を共にするようになります。
そんな時、殺人事件が。
犯人は誰なのか、瑞樹を守ると言ってくれる阿久津の真意は、事件は続くのか‥
このオープニングキャンペーンの参加者は曲者ぞろいです。
男尊女卑がひどく妻を小間使いのようにこき使う裁判官の木島。
横柄で権力をひけらかすような態度の元警察官僚の久住。
パワハラしまくりの雑誌編集長の綿貫。
人にものを頼むことを当然と思っている看護師の南野。
自分の欲望に忠実で叶えられるのが当然と思っているお坊ちゃんな銀行員の若松。
話の中で阿久津や瑞樹が何度も「嫌な人たち」と表現していましたが、なんでこんな人たちがのうのうと生きてるのかと思ってしまうくらい嫌な人たちでした。
読んでいてイライラします。
だからこそこの中の誰が死んでもおかしくないなと思いながら読んでいました。
瑞樹は早くに両親を亡くし、自分のために頑張ってくれた姉も幸せを掴んですぐに亡くしとても孤独です。
姉のことが吹っ切れていないようで、終始鬱々しています。
瑞樹視点にもかかわらず何を考えているのか半分くらいしかわからず、叙述トリックがちりばめられていることもあり、犯人が分からない状態で話と事件は進んでいきます。
瑞樹も阿久津も意味深な行動や言葉を使うので最後のほうまで真相がわからずどきどきします。
バッドエンドかメリバエンドを覚悟した最後の最後のどんでん返しにはびっくりしました。
瑞樹に家族以外に自分を大切にしてくれる人を見つけたことは本当に良かったです。
二人の話はめでたしめでたしでしたが、私はほかの人達のことが気になって気になって。
このオープニングキャンペーンに参加していた全く関係のない他の参加者とホテルの支配人以下従業員の人たちは本当に気の毒でした。
せっかく当たったオープニングキャンペーンのセレブなリゾートホテル1週間の旅だったのに、殺人事件に巻き込まれて恐怖でほとんど楽しめなかったと思います。
そして、事件の後は後片付けは大変だったと思います。
その辺りは省略されていましたが、全く関係なく巻き添え食らった人たちの苦労を考えて気が遠くなりました。
でも、加害者たちにはこれから惨めな未来が待ってると信じてます。
全体的には面白かったけど、この話はBLにする必要あったか?と思いました。
間に少し阿久津が瑞希を口説くようなシーンや最後の絡みはありましたが、無くても全然話は成り立つし、読んでいてこれはBL?と思いながら読んでいました。
何度も言うけど、面白かったんですけどね。
ただ、萌え要素があまりにないので、中立にしました。
ミステリとしてもとてもいい!というレビューに後押しされて読んだのですが…
ほんとにごめんなさい。
BLだから許せるという感想しか湧いてこない。
美しいリゾート地、通信が隔絶されて密室的になった島で、次々人が死んでいく…
主人公は姉が何か自殺なのか事故なのか、それとも殺人なのか、という状況で亡くなっている青年で。
他の体験ツアーの客たちは、まぁ〜癖の強いイヤなヤツばかり。
そんなわざとらしい設定と、おとなしめ受けとさっぱりと能動的な男らしい攻め。
BL部分は正に王道で、ミステリ部分を邪魔しません。
だから余計にミステリ部分の無理やりさが…
さて、犯人なんですけど。
悪い意味で意表をつかれました。
犯行のやり方などを種明かしするんだけど、えー………って感じ。
あんまり酷評したくないんでもうやめときます。
ラブシーンは良かったです。
初心な受けの心の高鳴り。可愛かった。
あと、イラストも良かったです。
ミステリBLとしては大成功だし意外な展開と真相、結末でした。
しかし私はちょっと引っかかりました…
ネタバレありのレビューですが極力ネタバレしないようにふんわり書きますが…
罪を犯した者には正しい方法じゃなくても裁きを与えるのは物語上ではアリだと思っています。そんな過去に罪を犯した人は簡単には改心しないと思うんですよね…長年生きてきてその人になっているわけですからそんなに簡単には変われない…なのにその辺あっさりと自分が悪かったと認めていきなりいい人になったようで違和感が…あの特定の登場人物です。ちょっとご都合主義かな…と。
タイトルで敬遠してたんですが、評価が高くて気になってたので読んでみました。
結果とても面白かったです。詳しくは他の方がレビューされていたので感想を。
まず冒頭の阿久津の意味深な電話のやり取りから怪しい人物かと思っていました。しかし怪しい人や問題有りの人物多数で、かなり惑わされてしまいました。
思わせぶりな阿久津のセリフから、電話の相手が犯人ではと思ったり。
でも最後の最後に思わぬ人物が犯人で、ミステリーとしては成功したと思いました。
ただ真犯人を関係者が許す点はちょっと出来過ぎな感じはしましたが、わたしはBLはファンタジーだと思っているので問題無かったです。
瑞樹の姉を追い詰めた悪者達が社会的に抹殺出来たのにもスカッとしました。
ただ最終章の阿久津視点の回想で、親友の日野が瑞樹のお姉さんにずっと片想いしてようやく恋人同士になった話しを知り、とても悲しくなりました。そちらに気を取られてしまい2人の初エッチの印象が殆ど無くなりました。
甘さはほとんどありません。
大のミステリー好きなので気になっていた作品。
私は情報を入れずに読みたい派なので、軽く作品あらすじのみ見て購入しました。
(あ、薄目でエロ度だけはしっかりチェックした…)
ミステリーの場合感想だけでもネタバレになり得ると思うので、以下ご注意下さい。
東京から船で12時間のリゾート島「アーバンシーズン美波間島」にモニターとして招待された男女20名。
通信手段が断たれた絶海の孤島で巻き起こる連続殺人事件…。
というクローズド・サークルもの。
本格ミステリー好きとしては設定だけでたまらんのに、+BL要素ありとか有り難すぎるわ。
友人の代理としてツアーに参加したサラリーマン瑞樹と、取材として参加したイケメンライターの阿久津。
何やら裏がありそうなツアーで出会った、これまた過去に何か抱えていそうな2人。
ツアー客の連続死というアクシデントが起こる中、2人がどのようにして恋に落ちるのか??
謎解きと恋、どちらも気になります。
癖のある登場人物たち、ミッシングリンク、散りばめられた伏線と回収…等、まずは普通にミステリーとして楽しめます。
タイトルから受ける印象どおりライトな読み口で、序盤は事件にドキドキ、恋への発展にドキドキ、という感じ。
しかし中盤からなにやら嫌な予感がぷんぷん漂い始めて…。
「嫌だ!頼む!予想よはずれてくれ!」
という願い虚しく予感的中!?
終盤はかなり重く苦しい展開もあります。
こういうミステリーには付き物なんですが、信じられないほどムカつく登場人物がたくさん出てくるし、胸糞悪いエピソードも出てきます。
でも、最終的にはハッピーエンドでよかった。
「え?マジで?やめてくれー!」というショックな展開から強引にハッピーに持っていった感もあるんだけど、BLだもん、これでよし!と私は思いました。
結果、愛の力が一人の人間を救い、悪を懲らしめるという、スッキリな勧善懲悪モノに仕上がっています。
攻めの阿久津が、最初から最後までかっこよかった。
終盤まで「これエロになりえなくね?」と思うような展開が続くのに、しっかり優しく甘く幸せなエロにまで行き着いたのがすごいや。
楠田先生に感謝です!
こちらでレビューを読みまして「面白いミステリならば!」と即購入。
確かに面白かったです。
サスペンス色の強いミステリで、もうお話の始まりからの不穏な感じが素晴らしいんですよ。初読み作家さんですが、空気感を作るのがお上手だと思いました。
(注:寝て起きてから初読み作家さんでないことに気づきました。楠田さん、好きな作品がある方ではございませんか!ボケています。誠に失礼いたしました)
無人島に作られた開館前のリゾートホテルにモニターとして行った人たちの中で殺人事件が連続して起き、おまけに通信手段が断たれてしまうという、いわゆる『クローズド・サークル』ものです。このジャンルって面白いんですよね。超有名な『オリエント急行~』を始めとして『ヘイトフル・エイト』とか好きなものですから、読んでいてかなり盛り上がりました。
犯行の動機等もなかなか唸らせるものがありまして、とても面白く読みました。
……「じゃあこの評価は何故?」と言われるかもしれません。
結末を言っちゃいけない本なので、とっても書くのが難しいんですね。
ここから先は「ミステリでもネタバレO.K.」という方のみお読みください。
いや、要は『犯人』の処罰のされ方に違和感を感じてしまったのですよ。
犯行の動機に大きな同情の余地があったとしても他者を殺めるために行動をしてしまったら、罪の有無や罪状について判断するのは司法の仕事だと思うんですね。司法の手にゆだねずに関係者だけで判断してしまうのってまずいんじゃないかと。
特に色恋がらみの人がそれをやっちゃうのは一番ヤバいと思うんです。
もしそういうことをすると決めたなら、それをやった人は『お天道様の下を大手を振って歩いてはいけない立場の人』にならねばならんと思うんですよ。
なので、個人的には『罪を償う』か『助けた奴はアンダーグラウンド社会に潜る』のバッドエンドの方が納得がいくんです。犯人が『普通の感覚』を持っている人であれば、殺人の決意というのはやはりそれくらいのものと引き換えにして行わなければならんのではないのか、と思うから。
私の『ポリコレ魂』が頭をもたげてしまった結果、このような評価に。
大層面白いお話だと思いますので、私の様な『ポリコレ野郎』じゃない方には、大声でお勧めしたいと思っております。
以前から楠田雅紀先生のファンで、今回の新刊も心から楽しみにしてました。
新刊のタイトルが出た時に「次はミ、ミステリー!?」と驚いた覚えがあります。
ストーリーの方は……正にハラハラドキドキの展開でした。
ちゃんとBLなのに、ミステリー。
そしてページが進むにつれて、どんどんどんどん引き込まれていきます。
他の方も先にレビューで仰ってるように、ラストは衝撃でした!
全ての点が繋がる感じが、とても気持ち良かったです!
次の作品にも期待しています。
レビューで評価が高かったので購入。確かにBLは置いといてミステリーとして面白い。タイトルも映画のタイトルをもじったみたいで素敵です。リゾート開発した無人島とか豪華客船とか、このご時世自由に旅行もできないのでゴージャスな旅気分もちょっと味わえて素敵なサマーミステリーでした。
プロローグである人物の復讐による殺人計画?のような事を匂わし、登場人物もいかにも復讐されそうな嫌な奴ばかり出てきて「さっさと殺されてしまえ!」と思いながら読み進めました。
でも話が入りくんでるのでBL要素は薄いです。普通のミステリー小説として面白い感じ。でも最後にちゃんとおまけとしてBLカップルが結ばれる部分も入っています。
先月発売のキャラ文庫は全作読んで全作レビューしてました。やはりストーリーで読ませるキャラ文庫という感じがします。エロ多めのレーベルもそれはそれで好きですが。
今回は取材参加のフリーライターとモニター参加の会社員のお話です。
リゾートホテルのモニターツアーで起こる殺人事件の顛末を収録。
受様は中学生の春に両親を交通事故で亡くして以来、5才年上の姉を保護
者代わりとして育ちます。姉弟2人の暮らしは決して楽ではなく、大学を
でて就職してもプライベートで遠出をする事は有りませんでした。
そんな受様が休暇を取って旅行に行く事にしたのは、太平洋に浮かぶ無人
島をリゾートとして開発した「アーバンシーズン美浪間島」のオープン
前のモニターツアーに当選したからでした。
受様は内気で人見知りで子供の頃から身体よりも頭を使う方が好きなイン
ドアタイプですが、高級リゾートをうたうアーバンシーズン美ハ浪間島は
ホテルステイだけでも十分楽しめそうです。
ツアー初日、受様は東京湾沿いにある客船ターミナルに着きますが、内心
ドキドキでした。実はこのツアーの参加枠はペアで受様は当選した友人に
誘われての参加でしたが、彼は仕事で参加できなくなり、権利譲渡不可の
ために受様は他人名義で参加しようとしていたのです。
受様は不自然にならない様に緊張しながら受付を済ませます。参加者は
専用客船で12時間かけて美波間島に向かうのですが、1人でいた受様は
旅行雑誌の取材で同行するというフリーライターに声を掛けられること
になります。このフリーライターが今回の攻様です♪
攻様は若く活動的な雰囲気の男性で、一見して自分とは正反対なタイプに
見えます。攻様は参加者の感想も記事に盛り込みたいから話を聞きたいと
言い、名刺を渡されて名乗られては挨拶しない訳にはいかず、あわてて名
乗ります。
ツアーの参加者は10組20人と聞いていますが、1人参加は受様だけのよう
です。受様は同じく1人で参加する攻様に受様が迷惑でなければ食事を
一諸にと誘われます。1人旅を覚悟していた受様はびっくりしますが、
攻様の申し出を受ける事にします。
船に乗船した受様は全てが物珍しくてワクワクしますが、ツアーの説明の
ために集められたシアターハブでは扱いに不満を漏らす元警察官や、フリ
ーライターが取材する事を揶揄する元裁判官や雑誌編集長やら、癖のある
客のせい、受様は出足をくじかれたような気分を味わいます。
その上夕食時には攻様に恋人に仕事を紹介して欲しいという看護師に同席
されてしまい辟易する受様でしたが、攻様は「権威を笠に着て偉ぶる人は
多いよ」と言い、「天罰を信じているから、彼らにいちいち腹を立てない」
とまで言うのです。
そんな事がありつつも、ツアーのメインであるリゾートホテルはまた素晴
らしく、受様はスケッチをしたり、攻様と島を遊歩道を歩いたりと楽しい
時間を過ごしますが、その日の夕食後、プルーで泳いでいた看護師が溺死
する事件が起きた上、美浪間島のネット通信が不通になるのです!!
果たして看護師の死は偶然の事故なのか!?
外部との通信手段が断ち切られたのは不運なアクシデントなのか!?
受様と攻様が参加したリゾートホテルのモニターツアーで次々と参加者が
不審な事故や殺人事件に巻き込まれていくミステリーになります♪
楠田先生のお話はキャラクターの性格や言動がとっても独特で、普通の
会社員同士の恋物語でもいつも思いもかけない展開が待ち受けていて、
いつもワクワクいっぱいで手にしています。
今回は先生初のミステリーという事で、さらにワクワク倍増しで読み始
めたのですが、まさか? まさか!? まさか!! な展開でとっても楽しく読ま
せて頂きました♪
かなり作りこまれた推理モノなので、何を書いてもネタバレになりそう
なのですが、読み始めから微妙な違和感は有ります。状況説明には齟齬
はないものの、何となく座りの悪いような微妙にムムムッ!?となるよう
な台詞がチラチラしていて何かが妙に引っかるのです。
頁が進むと被害者が増えていくのですが、彼らが狙われる理由が判らず
犯人の影がなかなか見えません。疑心暗鬼に陥っていく参加者達に迫る
犯人は想像がついても、なぜこんな行動に出たのかに行き着く読者は
そういないと思います。
更に犯人が明かされると、読者にはますます終着点が見えなくなってい
くので、どうやってハピエンに行き着くのか、最後の幕が引かれるまで
ハラハラとドキドキが止まりません。
そして全てを読み終えて再読すると、○○故の××だと思っていた事が
実は◆◆故の××だった事が判って、もうスゴイしかなかったです!!
気になった方は即入手してサクサク読んで、楠田先生が今回の為に作ら
れたツイッターのネタバレ垢にご参加下されて、ぜひ裏事情までお楽し
み下さい (^-^)v
楠田先生の新刊だー、と嬉しく思いつつ、え!?殺人事件なの?こんなめっちゃ海辺リゾート感満載のステキな表紙で殺人事件!?とちょっと躊躇してしまっていたのですが…。
皆様の愛あふれるレビューを見て、それなら読まなければ、と手に取りました。
うん、とってもステキなお話でした。
孤島に開発されたリゾートホテルのオープニングキャンペーンに当選した10組の面々。
その中で、当選した友人が参加できず、1人で参加することになったのが今回の受け様である瑞樹。
そして、旅行誌の取材で参加のライターである阿久津が攻め様です。
この参加していたメンバーが、なかなかな人達で。
地位や権力をひけらかしていて、それで自分は特別であり、言い分が通ることが当たり前であると信じている人達のなんとまぁ見苦しいことか。
何度も瑞樹と一緒になってムカついて、内心こんにゃろーって悪態ついてました。
そして、時々あらわれる瑞樹の暗く苦しい心情。
彼が何を抱えているのか、気になりつつ、実際に起こってしまった殺人事件の犯人が誰なのかもとっても気になる。
先が気になって、ちょっとさわりだけ、のつもりが結局読み終わるまで寝れませんでした。
ミステリーも面白かったのですが、もちろんBLの部分も面白かったです。
阿久津が瑞樹を抱きしめながら「君を守るから!!」ときっぱり告げるところ、瑞樹の手をしっかり握って離さずに走り回るところ、きゅんきゅんです。
行動力のある、いい男。
瑞樹も真面目で思慮深く、自分の事なら我慢するのに、阿久津の為なら怒れちゃう、そんなかわいさを持つ子でした。
この事件を乗り越えて、恋人同士になった2人が迎えた美しい朝。
そんな毎日が当たり前として過ごしていけるよう、幸せになってね。
静かな気持ちで、なんだかジーンと胸に来たのでした。
楠田先生の新作、ずっと楽しみにしていました!今回も泣かされた〜!!先生の大きな愛に包まれた〜!!!
…萌えを叫ぶのはここまで笑
気分的に、暗いけどバッドエンドには陥らないBLが読みたいモードだったので、そんな自分の要望にピッタリなお話でした。
先生の作品にはいつも愛を感じます。今作では特に強く感じました。作中、殺人事件が発生するのに、ですよ?事件の真相が明らかにされる終盤までは我慢の子ですが、全てが明らかになった時、攻めの、受けの、登場人物の、作者の、人間の、あらゆる次元から発せられる「優しさ」に触れたような気がして涙が止まらなくなりました。
読みながら、なんとなく今自分が肌で感じていることについて、作品を通してあらためて問い質されているような気持ちになりました。
自分の発言や行いが誰かの心を深く傷つけているかもしれない。でも自分には関係ないから、自分のやりたいことをやってもいいし、言いたいことを言ってもいい。それで不都合が生じたらお金や権力や立場を利用すればいい。今までそれで通用してきたから、これからもそう。本当に?自分がもしそういったものを利用されて潰される側だったら?黙って泣き寝入りするしかないの?
大切な人を亡くして七年。姉を亡くした瑞樹に阿久津がかけた言葉が、ものすごく刺さりました。先生の、人としての愛情深さを、人として大切にしていることを、そのささやかなセリフからばしばし受け取りました。わたしにとって琴線に触れた場面の一つです。他にもたくさん、たっくさんありますが、ぜひ作品で読んでいただきたいなぁと思います。
真っ直ぐで誠実さを備えた受け攻めのキャラクターも好きでした。お互いに相手を思いやる気持ちや、人間の邪な部分を恥じる気持ちが会話から汲み取れて、地味に救われます。
特に攻め様の、遠慮がちな中にも時々大胆なアプローチを仕掛けたりして、少しずつ距離を縮めていく包容力に癒されました。その二人の背後には、重くて苦しくて深い悲しみが横たわっているにもかかわらず…。
いやー、面白かったです。
実は、この本を買うかどうかで散々悩みました。
だって、BL×ミステリー、しかも〝殺人〟て堂々書いてあるじゃないですか!
正直、大丈夫なの?B級にならない?って思ってました。
いや、本当に失礼しました。
楠田先生、ごめんなさい。
伏線の張り方が巧妙で、ポンコツな私はあっさりミスリードされました^^;
最初、「刑事コロンボ」的な倒叙ミステリーなのかな?と思っていたんです。
それは、導入部分で本作の攻めである阿久津という人物が思わせぶりな、事件を匂わせるような電話をしていたから。
私はまんまとやられたわけですが、勘の良い方なら犯人にちゃんと気付けるのでしょうか?
ミステリー好きな方にこそ、是非試してもらいたいです^^
また、人物像の描き方も素晴らしくて、受けである瑞樹が気弱な割にため息つきっぱなしだったり、心の中でムカつく奴の文句言いまくってたり。
そういうところが面白くて、この子好きだな〜と思いました。
離島のリゾートで起こる殺人事件がメインですが、その裏には別の事件が潜んでいます。
実は誰かの過去が事件の影にあり、そこが事件の動機につながるというところが切なさでもあり、作品としての面白さでもあったと思います。
文章も読みやすく、どの人物も怪しくて嫌なやつ(笑)
だからこそ、誰が犯人なのか全然分からなかったです。
じっくりと読めば読むほど、楽しめる作品だと思います。
再読したら別の見方ができそうだし、今度こそ倒叙ミステリーとして楽しめそう!
そして、阿久津の〝瑞樹を守る〟という言葉が救いでした。
惹かれ合う二人ですが、瑞樹のうぶさになかなか進まないラブストーリーとしての焦ったさ。
そこもキュンとして良かったなと思います♡
BLはもちろん大好物ですが、ミステリーも大好き。
夏河さんの絵柄もめっちゃツボ。
作家さまが楠田先生。
ときたら、ええ、今作品の期待度がめっちゃ高くってですね、発売されるのを心待ちにしていました。
夏河さんの描かれた表紙がすごく可愛らしかったので、ミステリー要素もありつつの、でもBLベースの恋愛要素多い甘いお話かな?と思っていましたが。
いい意味で裏切られました。
めっちゃ面白かった…!
BLって恋愛ものなので、本格的なミステリーと掛け合わせるその塩梅が非常に難しいと思っているのですが、さすが楠田先生。そのバランスが秀逸でした。普段ネタバレ上等でレビューを書いていますが、ミステリーものなのでなるべくネタバレなしで書こうと思います。
主人公は瑞樹。
25歳の、平々凡々なリーマン。
彼は、友人が懸賞で当てた高級リゾートのオープニングイベントに誘われ、その友人の代わりに参加することになった。
彼がまだ中学生だったころに両親は事故で亡くなり、その後、年の離れた姉が育ててくれたが経済的な余裕がなく旅行とは無縁だった瑞樹。
分不相応なバカンスに気が引けつつ、けれど彼はそのバカンスに向かう。
そこで彼は、そのオープニングセレモニーの様子を記事で書くためにやってきたというフリーライターの阿久津と出会う。気さくな阿久津に声をかけられ、以降彼と過ごす時間が増えるが、一人の参加者がプールで亡くなるという事故が起き―。
というお話。
阿久津が友人とやり取りをしているシーンから物語はスタートしますが、このやり取りが不穏な空気感を醸し出してるんですね。このシーンで始まっているために、阿久津への疑惑がそこかしこにまとわりつくことになるのですが。
このバカンスに参加している人物は10組。
普通の母娘連れもいる中、なかなか癖のある人物も多い。
大手雑誌の編集長の綿貫。
すでに定年退職しているが、警察庁のお偉いさんだった久住。
我儘なナースのあかり。
良家の子息である若松。
裁判官の千葉。
横柄で、人柄に難ありの彼らとのやり取りを挟みつつ、そこに頻繁に登場するのは瑞樹の姉・菜々。
と言っても、実際にその場に現れるわけではなく、瑞樹の回想として、菜々の姿が描かれていきます。
弟を養うために、高校卒業後、若い女の子らしい楽しみは一切封印して必死で働いてきたこと。
亡き両親が残してくれた遺産は、瑞樹の大学進学のために手をつけなかったこと。
そんな優しい姉に、恋人ができてやっと幸せをつかむところだったこと。
バカンスに登場するヤな奴らと、姉のお話が少しずつ描かれていきます。
そして、彼らの間にあった「過去」も。
BL的なベクトルとしては阿久津×瑞樹なわけですが、阿久津はもしかしたら姉の関係者だったのでは?と思わせる描写もありつつ、ミステリーとしての謎解きがここにうまく絡みページを捲る手が止められませんでした。
最後の謎解きで、思わず落涙しました。
「犯人」が犯行に及んだ動機。
「犯人」を守りたかった人物、の攻防。
まー、とにかく素晴らしい。
そこかしこに撒かれた伏線を回収しつつ進み、謎が解けた状態で再度読み返すと、おお、これはこういう意味か!と新たな楽しみがあるのも良きでした。
ネタバレなしで書こうと思うと詳細が書けないのがもどかしいのですが、でもでも、とにかく萌えた。そして面白かった。
「殺人事件」がベースにあるので、苦手な方もいらっしゃるかな?
でも、ミステリーお好きな方にはぜひとも手に取っていただきたい。
人の心の闇と、過ちを悔い改める懺悔心、そして人を想う愛情、道徳心。
そこにBL的な萌えと、ミステリー要素が絡み、めっちゃ読みごたえのある1冊でした。
文句なく、神評価です。
個人的に、ミステリは好きでは無いと言うか読むのが面倒臭いタイプですが、BLでクローズド・サークルと言うと俄然萌えちゃったりします。
閉ざされた極限状態の空間に、攻めと受けがぶち込まれてるって、最高ですよ。
しかも、それを楠田先生が書いてくれるって、もう何かのご褒美か?状態ですよ。
で、こちらタイトル通り、無人島の豪華リゾートホテルで起こる殺人事件がメインとなるクローズド・サークルものになります。
豪華客船で無人島へ向かい、リゾートホテルでバカンスを過ごすと言う体験ツアーへ参加する事になった主人公・瑞樹。
抽選に当たった友人が仕事でこれなくなった為、一人で参加したんですね。
そこでフリーライター・阿久津と知り合い、彼と行動を共にする事に。
そんな中、ホテル内で参加者が亡くなりー・・・と言うものです。
まずこちら、ストーリーとしてめちゃくちゃ面白いです。
主人公である瑞樹ですが、参加出来なくなった友人の名前を語って、このツアーを体験する事になったんですね。
大人しくて引っ込み思案と言った印象なんですけど。
で、そんな彼と親しくなるのが、この体験ツアーを取材する目的で同行したフリーライター・阿久津。
こちらは物怖じせず、明るく頼り甲斐がある印象。
これ、上手いのが、事件だけで無く二人のラブが同時進行でしっかり進んで行く所だと思うんですよ。
まずは無人島へと向かう豪華客船で二人は知り合うんですけど、これがめっちゃキュンキュン。
いや、終始瑞樹視点で進むんですけど、優しく爽やかな阿久津が魅力的に綴られ、そんな彼に瑞樹もほのかな想いを抱く・・・。
船から見た美しい夜明けだったり、明るく光り輝く海だったりと、情景描写がこれまた素敵でして。
もう、すごくロマンチックで、恋の始まりにうっとりしちゃうんですよ。
と、ここまでは超キュンキュンの爽やかな出逢い編。
で、ここからが、ストーリーとしてはシリアス展開となって行きます。
リゾートホテルに着いた一行。
このツアー客ですが、かなりアクの強い面々が揃ってるんですよね。
元警察幹部に、裁判官、雑誌の編集者にエリート銀行マン、そして看護師。
で、皆が皆、かなり横柄だったり自己中心的で、常識的な瑞樹と阿久津は勝手な行動ばかりする彼等の被害を被る事に。
そんな中、看護師のプールでの溺死、裁判官の焼却炉での焼け死にと、次々とツアー客の不審な死が続く。
更に、何故か電話もネットも通じずと通信手段が一切絶たれてしまう・・・。
そう、迎えの船が来るまで、ツアー客とホテル従業員のみで孤島へと閉じ込められた状態。
果たして、これは連続殺人事件なのか?
犯人は一体誰で、その目的は何なのか?
と言うのが、作品を読む上での見処になると思うんですけど。
えーと、瑞樹ですが、天涯孤独の青年なんですよ。
両親は事故で亡く、彼を育ててくれた姉も、何らかの不幸な事故で亡くなったと匂わせてある。
彼は最初こそ大人しく引っ込み思案なだけの青年に見えるんですけど、読み進めるうちに、何か心に重いものを抱えていそうだと分かってくるんですよね。
で、人が亡くなって強いショックを受ける瑞樹に「必ず守るから」と意味深な事を告げる阿久津。
こう、極限状態の中で二人の愛は静かに進みと、すごく萌えるんですよね。
ただ、彼も彼で何か目的がありそうと、読者としては信じたくても信じきれない状況でもある。
そう、二人の恋愛にときめき、ハラハラドキドキの展開に手に汗握り、分からない事ばかりで混乱の際に陥る。
で、読者の「どうなる?」と言う期待を溜めに溜めた所で、明かされる衝撃の真実。
繰り返しになりますが、元々ミステリは読まないタイプなのです。
その上での意見ですが、もうとにかくめちゃくちゃ面白かった。
いやこれ、犯人がですね、完全に予想外なのです。
えーと、伏線がめちゃくちゃお上手なんですよね。
こう、ミスリードを巧みに誘われるんですけど、真相が分かると「なるほどなぁ」しか出てこない。
もう本当、まさかの犯人はコイツ!
えええーーー!
すっごい衝撃なんだけど!!
てんでバラバラだと思っていたあれこれが、こうして繋がっていたか!と。
また、事件の真相がめちゃくちゃ悲しい。
ああ、彼はここまで、心に強く暗い決意を秘めていたのかと。
ただこれ、事件の落とし処がですね、めちゃくちゃ優しいんですよ。
そもそも、何が正義で誰が裁くのか?
ただ単に殺人が起こってと言う単純な事件ものでは無く、その裏に深い物語がある。
阿久津がですね、繰り返し意味深なセリフを言うんですよね。
彼は天罰を信じていて、大きな力で必ず罰は与えられるんだと。
真相が分かった時、彼が繰り返しこの言葉を言っていた理由が理解出来て、なんだかホロリと来ましたよ。
いや、ネタバレになっちゃうので語れないけど、ちゃんと神様は見ていてくれるんだなぁと。
深い愛に、救われるなぁと。
犯人はちゃんと裁かれと、白黒つけた明快な終わりでは無いんですよね。
でも、人の心の中のキレイな部分、そして救いが見れる、とても素敵なラスト。
二人の恋愛にも、とにかく萌えまくりましたよ。