ふたりのベッド

futari no bed

ふたりのベッド
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神63
  • 萌×239
  • 萌16
  • 中立5
  • しゅみじゃない10

--

レビュー数
25
得点
524
評価数
133
平均
4.1 / 5
神率
47.4%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784403525056

あらすじ

深水の暮らすぼろアパートの隣の部屋に、家庭教師先の元教え子・入江が引っ越してきた。実はかつて入江に告白された深水。丁重に断ったのに、入江は今でも深水を好きだと言う。好きな気持ちは意志ではどうにもならないと――。入江に節約生活のコツを教えるうちになし崩しに突入した半同居状態は、想像以上に楽しかった。けれど入江の真剣な想いに触れるたび、深水も気持ちを返せないことが苦しくなってきて……?


表題作ふたりのベッド

深水の隣に越してきた理工学部の新1年生
実家近くの安アパートに住む大学3年生

その他の収録作品

  • あなたのベッド
  • あとがき
  • 新しいベッド

レビュー投稿数25

年下一途健気ワンコ攻めの努力と執念に涙…

いや〜〜〜、ちょっと時間を置きながら数日かけて読み終わったのですが、めちゃめちゃ萌えました。。
まだ読み終わりたくないよー、この2人の同棲編を見せてー!!という気持ち。
安西リカ先生に脱帽。

ここのところ立て続けにファンタジー作品を読んでおり、大学生×大学生のお話は久しぶりでしたが、やっぱり日常系のお話っていいですね。。グッと胸に迫るものがある。

もうね、「ノンケに恋してしまったワンコ系一途男子(攻)」の切なさが、ぎゅぎゅぎゅぎゅーーーーっと濃縮100%で詰まってます。健気すぎて泣けるほど。

高校生の時から想い続けて、告白してもダメで、大学生になってからは受けの隣の部屋に引っ越して、「先生(受けは攻めの家庭教師をしていたので)のことが好きだから」ってさりげなく(さりげなく言ってる風だけど、毎回、攻めの気持ち的には全力。それが書いてなくても分かっちゃう)伝えるも。
攻めにとってはなんと”好き”と言われることが「毎日の天気予報とかゴミ出しの日」みたいに当たり前のこと、忘れてはいけない日常のルーティンに、なっちゃってるんです。残酷。

でもでもね。受けの気持ちとか態度に、私はなんだか共感というか、理解できちゃうというか、そうだよねえ、と思える部分が多かった。

だって仮に自分の同性の元カテキョ先の生徒から「好きです」って言われたら心の底からキョトンとするし、黙って隣に引っ越して来られたら、普通にちょっと怖いと思うし引く。かといって、話も合うし一緒にいれば楽しい相手を、全力で拒否して関係を絶つのも、自分にはできそうにないな、と。。

「欲しい欲しい」って言っていれば、何でも手に入るわけじゃない大人の世界。
そんな現実を突きつけられる感じが、なんだかすごく考えさせられて、深くて、良かった。。

BLではあんまりない展開だと思うけれど、この2人が最後までくっつかなくても、それはそれで別ルートの神作品として私は捉えられただろうなーって気がします。

いやでもくっついてくれて本当に嬉しいんですけどね!

読後、きゅんとしたシーンを読み返していたんですけれど。

名前を呼ぶと呼び返してくれることが嬉しくて、
「先生」
「なに」
「先生」
「だから、なに」
って繰り返すところ。ここ、好きだなあ…って思いました。
付き合うことになってからの、なんてことない日常なんですが。
入江(攻)の幸福感が伝わってきて、泣きそうになりました。

あと、口絵の草間先生のイラスト!!
ここ、物語の鍵を握る重要シーンの部分なんですが。
眠る深水(受)に、入江がどんな気持ちで繰り返しキスをしたか…
もう、本編を読んだ後に口絵を見ると、なんとも言えない気持ちで胸がきゅーって締め付けられます。

入江君の粘り勝ち。本当に良かったねと言いたい。

私の中で、大好きな攻め様たちの1人になりました、入江君。

0

健気は受けだけのものではない。

「先生」
ずっと先生呼びな年下攻めに、こんなにも切ない気持ちにさせられるなんて…。

前2/3ほどは受けの深水目線で、残り1/3が、想いを通じ合ったあとの2人の話で、攻めの入江目線となるこの作品。
受けがね、途中までダメでした。
イライラしちゃって。

深水が家庭教師をしていたその教え子が、入江。
叶わない想いと知りながら告白し、断られてもなお、諦められず「先生」「先生」と。
この入江のケナゲさに、あーーもうっと、息苦しくなるほど気持ちを持っていかれました。

深水の無神経な言動にムカついたあまり「もうこんなヤツ、やめとけよー」と入江に(雑な)アドバイスをする友だちポジになりたいとすら、思いました。
のほほんとイイ人のフリした酷い男だよ、深水。

まぁ、友人(この場合は生徒)と思っていた同性の相手から肉欲込みの恋愛感情をぶつけられたら、と現実的なことを考えると無理もない話なのですが、これはBLなので!!

入江目線になると、どれだけ深水のことだけをずっと恋い焦がれてきたのかという、想いの重さと深さに、胸を打たれまして。
恋人になってもその関係性に不安を抱く入江の執着っぷりに、思わず苦笑いですよ。
こんなにケナゲな愛情を、受け入れてくれてありがとう、先生。
…と、いつの間にか私も先生呼びになり、やっと深水の無神経さを容認できたのでした。

というわけで、入江目線の話がなければ、深水にモヤモヤしながら終わったと思います。
評価も違ったでしょうね。
最後に載ってたお姉さんのイラストで、更に加点されましたけど(笑)。

3

ノンケの残酷さ

攻めは超一途な年下攻めで、年下攻め&ワンコ攻め大好き人間としては大好物なはずなんだけどあんまり刺さらず、レビューするのは難しい……と読んだきりだった作品を再読。

再読してもまとめるの難しいけど、一言で言えば、BLでたまに出てくるノンケ特有の残酷さってのがギャッ!となるほど描かれてる作品だなぁと。
「好き」をなぁなぁにして、いつしかゴミ収集日と同じような扱いとか、ほんと酷い。

でも、なんかわかる気もするんですよね。
「「勝手に恋愛感情ぶつけてきた」という受けの言い分に、確かに!と思ってしまうし。
というのも「一度振られてる受けの隣の部屋に引っ越してくる」って、メンタル強の執着攻めとしてはアリだけど、この攻めはそういう路線でもないし。

そして深水も相手が女の子だったら、「俺と付き合うのは絶対に無理」と釘さしつつ、友達として親しくするなんてこと絶対にしなかったと思う。
だけど根っからのノンケだからこそ、男同士の気楽さの感覚が捨てきれないというのかな。
おまけに、肝心のことになるとやり過ごす性格で……。

あと攻めについて。
本来ならこういう一途で健気な年下攻め、死ぬほど好きなはずだけどこの作品はちょいと痛々しくて読んでいられない。
というのも、睡眠剤飲んでるというくだりで、Oh……!となってしまいまして。

深水の受け入れてやりたいけど、でも…みたいな気持ちもわかるし、睡眠剤ないと眠れなくなってしまったほどの入江の思い詰めようもOh……!だし、困ったなぁ、と。

だってさー、自分に置き換えてみて、いい子だなと懐かれて仲良くしてた後輩(同性)から好きです、好きです!言われたらどーするよ?とつい想像してみたら、深水の苦悩も理解できるし。

可哀想な攻めやら攻めの苦悩やら、健気で一途な攻めは大好物だけど、あくまで健全な状態を保ってるというのが大前提であって、お薬が必要になるほど追い詰められるのはアウトなんだな、エンタメとして楽しめなくなってしまうんだなという自分の分水嶺を知ることが出来た点では良かったです。





1

一念、岩をも通す

レビューも多いので、感想/印象だけで。

骨子としては、同性の年下から恋心を寄せられて、応えられないのにどうすればいいんだ…となる大学生、のストーリーと言えるわけですが。
主人公の深水は残酷だ、と言われてるけど。ならどうすれば良かったんでしょうね。
恋愛が絡むと「0か100か?」ですか?
この辺、男女の友情は成立するか?みたいな命題と似てるような気もしました。
男同士で、もとより「友情」が先に立ってるはずなのに。
一方が恋心を抱いていて、もう一方が「その部分」に応えられなければ全て切り捨てなければならないのか。
難しい主題だな〜と感じました。
確かに深水は間違えた、とは思う。睡眠導入剤のくだり。
なら一見健気な片思いマン・入江はどうなの?
「先生、先生」と捨てられた仔犬みたいにいつまでも縋ってくるから深水が離れどころを見失ったのでは?

本作においては、一途な年下攻めの入江がついに激情に駆られて深水を押し倒し。
でもそれを「レイプ」と感じさせないように描写されているので、読み進める側としては「やっと想いが遂げられたのね!」みたいに入江応援的感想になるわけだけど。
一度受け入れたら、元々ノンケの深水も入江の深い愛情が嬉しく、セックスもしたい、と変化して完全ハッピーエンディングになっていきます。
ノンケとゲイの恋という葛藤も攻めの一途さで一念通天。良かったね、という展開で読後感は良かったです。

1

先生と生徒

とはいえん、先生は家庭教師の先生です。
でもやっぱりちょっと萌えシチュですよね。

今回は年下の攻め君(入江)がだいぶん頑張り屋さんで、ずっと先生のことが好き、と言い続けるんですよね。また、先生の方も、親友がゲイってこともあって、それそのものにはなんの抵抗も偏見もない。
でも自分はノーマルだからっていう固定概念?があって、素直に入江のことも答えてあげられないんですよね。
振り向いてくれない人を好きでい続ける、諦めきれない思い、入江君の辛さって本当に可哀想だったと思う。ふくちゃんん、君は正しい!
やっぱり深見が中途半端というか(実際には入江に心が持ってかれてたからこそだとは思うけど)ひどい男です(苦笑)

それでも素直になったら、楽になれたんじゃないかな。
でも、入江は不安で仕方ない…だって今までが今までだったからね。深見はこれからも、もっとわかりやすい愛情を入江に注いであげてほしいな。

入江が就職して、稼いで、週末は掃除したり。深見は家で仕事してご飯作って。
良いバランスでやっていける感じがする良い終わり方でした!

0

塩ひとつまみ分くらいの何かが足りないような

設定も内容も面白かったです。
面白かったけど、何だろう。何かいまひとつ足りないような……って感じでした。


家庭教師の深水のことを一途に好きで追いかける入江。大学も深水と同じところ、アパートもお隣さん同士で、とにかく入江の深水大好きが溢れています。執着ワンコ攻めは大好きな属性だし、シチュエーションも好きなヤツ!なのに、完全には浸りきれなかった。。。

前半は深水の視点から。
入江に好かれて困惑する様子がありありと描かれています。入江に何度も告られては無理だと断り続けています。隣人の入江と過ごす時間に居心地の良さを感じているのに。
深水は入江を振り回しているように見えました。入江にとっては生殺し状態。深水にとって入江は一緒にいて落ち着く存在だけど、付き合って恋人同士らしいことをするのは無理だと言う。でも突き放しはしない。

深水から離れると決断したのは入江からです。一緒にいたら何をするか分からないから、と。深水視点だけど、入江の気持ちが切なくて堪らない。深水のことが本当に好きで好きで一途に想い追いかけてきて、何度も振られるけど距離は近いなんて…ツラすぎる(涙)このまま本当に2人はくっつくのかと不安を覚えました。

深水は睡眠剤を飲んで無防備な様で、しかも入江にとったら誘惑的な言葉を言うし何なの?って感じでした。これも入江のことを好きになっていたからの言動なんですけど、素直に言えよって……。言葉足らずは、読み手がシンドイです。
私としては、入江が他の男子と一緒にいるところを見て深水がガーン!自分の本当の気持ちに気づいて深水に告白する、くらいのことを期待していたわけです。つまり、深水が自分から好きだーって入江に告って欲しかったんです。入江の気持ちに甘えてるところが見え隠れしていたのが、ちょっと残念でした。深水の熱量が低くて好きの気持ちが伝わりにくいったら。深水はそういうキャラですが、あんなに好き好き言ってくれていた入江ですから、同じくらいの熱量でぶつかって欲しかったです。

「先生、付き合って」→「うん」では物足らんでした。


後半の入江視点。
本当に入江が良い子でした。彼はとことん応援したくなる。そして不憫なシチュエーション…入江を落ち込ませないで欲しいです。その後、深水の真意を知って救済されますけど、そこに至るまで邪魔ばっかりでプチイライラしました。そこまで引っ張るからには、その先には甘いラブがあるんだろうなって期待MAX。確かに深水からアプローチしていて期待通りなんだけど…もうひと声!深水が入江をガツガツに求めて乱れまくって何度も…を期待してました。あんだけ外野に邪魔されまくったんですから、それくらいの熱があっても良かったかなぁと思いました。キレイな感じでサラサラと流れて終わって…私には消化不良でした。
とにかく入江と深水の熱量が不均衡で、セックスの時くらいは熱量は同等であって欲しい!

「あたらしいベッド」の内容も、最後までしないんかーい!と突っ込んでしまいました。新しいベッドってタイトルだから、引っ越し先でのベッドのことを想像してました。


深水・入江の2人の視点から読んで、どちらも入江の気持ちに寄っていた印象でした。だからか私はすっかり入江に肩入れしちゃいました。
深水の入江に対する愛情の緩急がもっとあったら良かったです。


深水や入江の家族の描写が個人的には読んでいて楽しかった!丁寧なバックボーンがあればこそですね、すっかり物語に入り込むことができました^ ^



0

攻めの一途な想いが切ない

小説も読むようになって、少しずつ作家さんも幅を持たせたいと思い始めて、でも大きくハズす事はしたくないと評価の良い作家さんから読み始めてます。
初めて読む安西先生の作品でした。
挿絵が草間先生だったのも選ぶポイントとなりました。表紙も最高です。

家庭教師をしていた生徒にこの上なく愛されて愛されて、無自覚に傷つけたりもしますが、それでも諦められないって言われたりして、とにかく一筋に思われ続ける受けのお話です。
大抵の愛され受けは絆されやすいのですが、こちらの深水はノンケで恋愛体質ではなく、性欲も少ないタイプなのでなかなか流されないです。
年下で自分の事を好きだと慕ってくる入江を可愛く思いながらも、恋愛関係にはなれるはずもないと断り続けるんですね。
それでも諦められない入江が切ない!重すぎる程の愛が切ない!

なのでこの2人の結末はホッとしましたし、涙が滲むほど嬉しい気持ちになりました。
書き下ろしでは深水の気持ちも大きくなっていて、それに比例するように性欲も増していて、イチャイチャしてくれて良かったです!
早く音を気にしないでいい部屋に越して、思う存分イチャついて欲しいです。

1

攻めの一途さ

 この本の前に別の作家の作品で大地雷を踏んでトラウマレベルに凹んでいたので、安西先生はやっぱりハズレがないなぁと実感しました。
 異性関係でモヤモヤする胸糞展開もないので安心して読めます。

 深水には恋を自覚する前に、入江の交友関係とかにもっと嫉妬して欲しかった!

1

良い年下攻め!

それもう好きになってるやつ!!!!
と読んでる方は思ってしまうのに、ノンケ深水は簡単には揺るがない。入江が好きで好きでたまらない気持ちを吐露する場面は切なくて、普段の仲睦まじさか楽しい分、好きなのに受け入れられない深水、踏み込めない入江が苦しかった~そこを乗り越えるまでがキリキリ切なかったりきゅんとしたり大変でした…くっついてからの心配ごとは可愛くて、良い溜息出ました。

健気でひたむきな年下攻めっていいな~としみじみ!!

0

攻めの好きの一心が良き

ここまでノンケ相手に叶わない恋を続けるお話は初めて読んだかも。

もう入江が可哀想で健気で。
好きの一心で深水を思い続け。
中学生の頃から深水を心の支えにしてて、高校2年の時に家庭教師として出会い。あの頃もこの頃も週2日会えるのが楽しみで。

深水は入江を好ましく一緒にいると安らぐし落ち着くし、俺を恋愛対象にしなければいいのに…と。
そしたら一緒にいられるのに。
入江の告白を受けても無理だからと言い続け、なのにほぼ同居生活を送り、平気で入江の前で下着1枚でいたり。

深水は残酷ですね。自覚がないところが余計に。
入江がどうしても深水を諦められなくて、距離を置かれそうになったら、もう変な目でみたり好きって言わないから!って縋るところとか。

やっと結ばれてからも入江は不安でいっぱいで。やっぱり無理だと言われるんじゃないかと。
でも実母と話してこれは親譲りだな!一生好きでいてやる!って思えたのがとっても良かったです。

二人とも家族関係に不満があり実家に寄り付かなかったけど、腹を割って話せて色々すっきりしたんじゃないかな?

入江のポケットの中で深水と手を繋いだり、深水をギュッと抱きしめたり。いいですね!

途中までは入江に肩入れしちゃって、深水好きになってよ!こんなに一途に好きだって言って、でも怖がらせたり嫌われないように気を使ってくれてるのに…と。

積もってた好意が突然花開いた感じで両思いになったのかな?

将来設計も立てて二人で一緒に生きていく気満々で感無量です。深水は寒がりなことを気付かせてくれた入江を自分にはこれくらい厚いコートの方が良いって。

名も知らぬ匿名の姐さん、この作品と出会わせてくれてありがとうございました。

1

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