邪竜の番

jaryu no tsugai

邪竜の番
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×218
  • 萌8
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
7
得点
123
評価数
34
平均
3.7 / 5
神率
14.7%
著者
真宮藍璃 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784815532338

あらすじ

警備員の圭は、夜勤中の港の倉庫で瀕死の少女から竜の卵を託され、腹に埋め込まれて異世界・レシディアへと飛ばされてしまう。
竜人に追われていたところを「邪竜」と恐れられる片翼の竜人・マリウスに助けられるが、
月の出と共に淫猥な欲望に襲われ、悶絶することに。
マリウスはそんな圭に、かりそめの番となって竜の卵に子種を注いでやろうと言ってくる。
竜を孵して元の世界へ戻るため、圭はマリウスの提案を受け入れるが……。

表題作邪竜の番

レシディアの邪竜,竜人
竜の卵を託された警備員,日本人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数7

竜の卵を孵す方法がエロ過ぎる

真宮藍璃先生の作品は複数、拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
ファンタジー 4
エロ 3
竜 3
子育て 2
な感じだと思います。

夜勤中だった警備員の圭は、瀕死の少女から竜の卵を託され、異世界へと飛ばされてしまう。少女の助言から、邪竜と呼ばれる竜人のマリウスに助けを求めるが、腹に埋め込まれた竜の卵の所為で、月の出の間、劣情に悶絶してしまう。この状態を解消するには、竜人の子種を注ぎ、竜を孵すこと。その為マリウスが番になると提案してきて…。

人間の圭が飛ばされた異世界のレジディア。そこには竜と竜人と人間が存在している。しかし上界と下界に分けられ、下界は死の海の影響で劣悪な環境となっている。しかしそんな環境でも集落を作り竜人同士助け合って暮らしているマリウス達。仲間の為に人一倍働くマリウスだが、何故か上界の竜人達からは邪竜と恐れられている。更には片翼が無い理由は…。

男だけど、腹に竜の卵を埋め込まれてしまった圭。月の出の度にマリウスに子種を注がれ、ついに孵化した竜のノア。感動と愛しさと誇らしさで喜ぶ圭。マリウスと共に母親としてノアにいたずらしちゃダメだろ、と教えたりするシーンにほっこりします。クゥと鳴くノアが可愛いです。竜ですが、子育て要素も良い塩梅で書かれています。

しかしノアが上界に連れ去られてしまったり、圭を見逃してもらう為に、マリウスが残っている翼を自ら切り落としたり、その所為でマリウスが暴走してしまったりと少し悲しいシーンもあります。しかし今まで助けてもらっていた圭が、今度はマリウスやノアの為に頑張る姿が格好良いです。そして最後は勿論ハッピーエンドになります。ノアも連れ去られてしまいますが、辛い目には遭っていません。

人当たりが良いマリウスの過去や上界下界の格差、竜の個体を管理する理由など様々な思惑が絡んで、それが徐々に紐解かれていくので、最後まで目が離せない展開となってますので是非とも読んでほしいです。

1

竜の托卵

小山田先生のイラストが、とても綺麗で魅力的。

圭:警備員。
警備中の倉庫で、龍族の少女ユタから突然托卵されて、異界へ移転。
マリウスから、托卵された卵を、胎内で育成、孵化させたら
元の世界に戻れると説明を受ける

マリウス:片翼の邪竜の長

移転先の異界レシディアは、身分差の線引きが厳しい社会。
片羽のマリウスは「邪竜」と呼ばれて、上流から忌まれている・・というのが鍵。

圭が托卵された卵から産まれた子竜と、約束を守るマリウスの物語。
面白かった。

0

読み応えありのファンタジー

単純に世界観がとても魅力的。子を孕むために番として子作りに励むという王道設定に、様々な付加価値を付けて他作品との差別化により非常に面白い事になっていました。

子供を孕むと言っても、腹には竜の卵が宿っていて竜人と交わる事で卵を孵し、竜を産む事が目的という設定が基本。つまるところ受けは代理出産の母なのです。
攻めの竜人もただスパダリよろしくな存在ではなく、下界に落とされた片翼の竜人という過去に一悶着ありの心優しい攻め様。
二人のBLエンタメは王道な流れですが、それを支える世界観が面白かったです。

ただ展開に無理があるなと感じる場面がちらほら。また匂わせたものを最終的に未回収で終わるのはなんとも味気ないといった要素もあるので、物語の随所に雑さを感じてしまうのが勿体ないと感じました。
そうは言っても、ファンタジー好きな方は楽しめると思いますし、なんと言っても可愛い竜の赤ちゃんも見所の一つです!ファンタジーに抵抗がない方には本当にオススメしたい作品です。

2

託された希望と想い

今回は邪竜と呼ばれる方翼の竜人と竜卵を託された警備員のお話です。

界渡りした受様が攻様の協力で孵した竜を助けて世界を変えるまで。

受様は民間警備会社の警護員です。その日、受様は東京湾の某所の倉庫の
警備の夜勤についていました。

誰かが暴れているようだと言う連絡を受けて、いち早く駆け付けた受様は
最初、倉庫の床に転がる物体が大きなトカゲか、イグアナの死骸かと思い
ます。

しかし、その頭には人間の顔がついていて、身体には衣服らしきものをま
とっいて、映画か何かの撮影でもしているのかと見回しても、そんな様子
は有りません。

そこにギイギイと言う耳障りな音と足音が聞こえてきたためにも反射的に
物陰に隠れると、先ほど見た奇妙な死骸と同じ種類の生物が数体やってき
て、当たりを物食し始め、その光景の異様さに足が震え始めます。

すると受様の隠れていた物陰のさらに奥のほうから受様に呼び掛ける声が
届き、心臓が飛び出そうになりました。その声の主は見慣れない民族衣装
の様な衣装を纏った11、2再位の少女でした。

よく見ると彼女の胸の辺りに大きな裂け目があり、真っ赤に染まっていた
のです!! 慌てた受様に向かって少女は「もうすぐ死ぬから願いを聞いて欲
しい」と頼まれます。

彼女の願いとは「大切なものをある人に届けて欲しい」と言うもので、今
わの際の言葉だとわかるだけに無下には来ません。彼女を安心させてやる
ためにもと必ず届けると約束します。

すると少女のお腹の辺りが水色に輝いた文様が浮かび、銀色に光る珠がで
てきたと思ったら、着ている制服を破って受様の下腹部に強烈な痛みと共
沈み込んできたのです!!

しかも球が沈み切ると痛みが消え、再生した皮膚には少女と同じ文様が
浮かんでいました。少女はそれを竜の卵だと言います。そして彼女は最後
の力を振り絞って受様を彼女のいた異世界に飛ばして息絶えるのです。

そんな受様が飛ばされた場所は曇天の広がる荒涼とした平原でした。そし
て受様は目覚めてから半日、ずっと爬虫類の鱗のようなもので体表を覆わ
れ、鉤爪のような手足をもつ竜人から逃げ回っていました。

お腹の竜の卵のおかげか竜人たちの言語も頭の中で意味のある言葉となり
ますが、受様は元々非科学的な事情を信じる方ではなく、平穏でありふれ
た現実がこの先も続くと信じて生きてきたのです。

そんな受様を彼らから助けてくれたのが、受様を追いかけていた竜人達よ
りもずっと大きく、精悍な顔つきで立派ながらも片翼しかない竜人でした。
この竜人こそが今回の攻様になります♪

受様を追っていた竜人達は攻様の姿を認めると邪竜と呼んで「助けてくれ」
「食わないでくれ」と逃げ出したので、受様も一難去ってまた一難か!? と
恐怖心が湧きますが、攻様は少女が頼れと言っていた人物だとわかります。

しかも、受様が託された竜の卵を孵すには精を注いでくれる竜人の番が
必要だと言れ、受様は攻様を仮の番とするのですが・・・

果たして受様は竜の卵を孵す事ができるのか!?
そして元の世界に戻れるのか!?

受様が異界の巫女から託された竜の卵を孵すために攻様の住む異世界に渡
る異世界トリップファンタジーになります♪

攻様の住むレシディアは竜、竜と人間の血を引く竜人、人間が上界と下界
の2つの地域に住んでいます。上界は高い台地の上にあり、個体数の少なく
なった雌の竜と、脆弱さゆえに守られる人間が竜人達によって保護されて
住んでいます。

上界と「死の海」と呼ばれる毒素の強い海で分断された下界は環境が厳し
く、上界から落とされた者達が身を寄せ合って何とか暮らしています。
攻様も元は上界で暮らす上流階級の子息でしたが、「邪竜」と呼ばれる事
になったきっかけの出来事で片翼を失い、下界に落とされます。

攻様は下界に落ちた竜人達が身を寄せ合って死を待つだけだった集落で力
を尽くし、皆が貧しくともなんとか暮らしていけるに変えていきました。
受様もその集落に身を寄せ、攻様を仮の番として卵を孵す事になります。

しかし、受様が託されていたものは竜の卵のみにあらず!! なのですよ♡

卵を孵す為に攻様と濃厚な時を過ごす事で、レシディアの事を知り、攻様
の事を知っていく受様は攻様に惹かれていく心を止められません。もちろん、
攻様も受様を大切に思うようになっていきますが、攻様は自分の思いより
も受様を彼の世界に帰す事を優先して、残った片翼すらも惜しげなく切り
落とす健気で潔い男で、MYツボ押されまくりでした。

スパダリなのに健気過ぎるってどんだけいい男なんだ!!

その後、竜が生まれた事を知った上界の役人の画策によって、竜が攫われ、
受様までもが上界に連れ去られるという、えぇぇぇ!?という予想外過ぎる
展開を見せるのですが、しっかりとした世界観と細やかな伏線がきっちり
活きていて、大団円までハラハラとワクワクが止まらず、たいへん楽しく
読ませて頂きました (>_<)/

小山田先生のイラストもお話のテイストに非常にマッチしていて、物語世
界をより魅力的にしていてとても良かったです。

5

攻めさんのカッコよさに悶絶。

初読みの作家さまでしたが、小山田さんの美麗表紙につられて購入。

タイトル、そして表紙のイラストからも推測できるように、今作品は「竜」がベースにあるファンタジーもの。この世界観がすごい。複雑でダークな竜の世界ですが、きちんと細部まで設定が盛り込まれ、さらにその世界観をきちんと描き切っているために一気にこの作品の持つ世界観に引きずりこまれました。

文章の書き方って好みがあると思うのですが(技巧ではなく好みの問題です)、個人的に非常に読みやすい文章を書かれる作家さまで、読み始めたら最後、最後まで一気読みしました。

内容はすでに書いてくださってるので感想を。



警備員の圭は、仕事中に瀕死の状態の少女・ユタと出会う。異世界から来た、と説明する彼女に困惑しつつ、死の淵にある彼女の願いを聞き入れる形で竜の世界であるレシディアへと赴くことになる。

お腹の中に、竜の卵を抱えて。

ユタからその卵をマルーシャという男性に渡してほしいと懇願された圭はレシディアで竜人たちに襲われつつマルーシャを探すが―。

ストーリーとしてはかなり王道です。
自分の意志ではなく異世界トリップしてしまった主人公が、その地のスパダリに助けられ、少しずつ他の住人達に受け入れられ、幸せになる。
基本的なストーリーは、そういった「よくある」お話。

なんですが。

この「レシディア」という国の闇だったり、レシディアに住むのは、竜と、人間と、竜と人間の子である竜人、の三種類である、と言ったバックボーンが非常に壮大で面白い。やや複雑ですが、文章が読みやすくするんと理解できる文章力も素晴らしかった。

圭という人物もなかなかイケメン(ビジュアルも中身も)なのですが、攻めのマリウス(ユタにマルーシャと呼ばれていた青年)が、

めっちゃカッコいい…!

正義感と、男気と、優しさを併せ持ち、自分の信念を貫く強さも持っている。まさにスパダリです。

スパダリながら、彼は健気さんでもある。
圭に惹かれてなお、自分の想いよりも圭を守り、彼の意志を尊重する。

そんマリウスのカッコよさをさらにパワーアップさせるのが、小山田さんの挿絵。小山田さんの挿絵によって、萌え度は確実に上がりました。

圭のお腹に仕込まれた竜の卵を孵すために、マリウスの精液が必要、ということでエロ度はかなり高めです。高めですが、エロに特化しているわけでは決してなく、むしろ彼らの優しさだったり、愛情だったり、そういったものを表現するためのツールとして描かれているために温かさすら感じる濡れ場でした。

彼らは卵を孵すためにセックスするわけですが、ともに生活していくうちにお互いに惹かれていく過程がきちんと描かれていたのも高ポイント。ここでもマリウスという青年のカッコよさと男気が滲み出ていて悶絶すること必至です。

どこを切り取ってもストーリーに無理がなく、終盤に向かって少しずつ伏線が回収されていく展開で非常に読みごたえがありました。ストーリーも面白く、とにかく攻めさんがカッコよく萌えツボに突き刺さりました。

カッコいい攻めさんがお好きな方、ファンタジーもの大好物な方にお勧めの作品です。

7

この攻め、健気な上に哀しすぎる・・・!(TдT)

こちら、映画のような、壮大で感動的で異世界ファンタジーでした。

主人公が異世界にトリップしちゃった序盤から、感動的なフィナーレまで。
ハラハラだったりドキドキだったり、時に切なさに悶えたり。
そんな調子で、一気に読ませてくれましたよ。

それにしても、攻めがあまりに健気な上に哀しくて、心が痛んで仕方なかったわ~。
こういう、愛する人の幸せの為ならと、自身を犠牲にしちゃう攻めって弱いのです。
いや、実際には、守ろうとしてる受けの方が精神的にはずっと強くて逞しかったけど。
守るつもりが、救われたのは自分だったねぇと。
こう、ストーリーも壮大ですごく面白いのに、並行して二人の恋愛部分もしっかり書かれてるのがすごいと思う。
いずれは別々の世界で離ればなれだと思うと、より燃えあがっちゃうじゃん。
私が。


ザックリした内容です。
警備員として働く、元警察官の圭。
異世界から来た少女・ユタから、突発的な事故で竜の卵を託されるんですね。
自身の体内に埋め込まれた卵と共に異世界へと渡り、ユタから卵を渡すように頼まれた片翼の竜人・マリウスに保護される圭。
卵を渡して帰るはずが、孵化させるしか取り出す方法は無いと分かりー・・・と言うものです。

まずこちら、設定だったり世界観だったりが、かなり複雑だったりします。
こちらの世界ですが、竜人と人間、更に竜が存在していて、しかもかなりダークな社会なんですね。
上界で暮らす特権階級の竜人が富を独り占めし、下界で暮らす竜人達は「死の海」の毒に怯えつつ、原始的で貧しい生活を送る。
で、そんな中、上界から「廃棄」された身体が不自由だったり年をとった竜人達を保護し、皆で助けあって暮らす集落を作り上げたのが、攻めであるマリウスになるんですけど。

また、齢何千年と言う竜の女王のエネルギーによって成り立つ世界で、希少な竜と竜を体内で孵せる「ヒト」は、上界で竜人達により保護されているんですね。
しかし、この世界に来て早々に上界の竜人達に襲われた圭は、マリウスの下で卵を孵化させる事を決意する。
しかし、卵を孵化させるには、なんと番である竜人の子種を注いでもらわなければならない。
すると、マリウスが、仮初めの番となる事を提案して来て・・・。
と言った感じでしょうか。

まぁそんなワケで、マリウスの(仮の)番として異世界で生活を始める圭。
これ、卵が子種を求める為、番とエッチしないと強烈な発情に襲われるんですよね。
最初こそ必要に駆られてマリウスとエッチをしていた圭。
しかし、共に過ごすうちに、思いやりがあり深い優しさを見せるマリウスに惹かれて行く。

また、面倒見が良く皆の為に働きと、周囲から慕われているマリウス。
彼が上界の竜人達から、何故「邪竜」と呼ばれて侮蔑の目を向けられているのかー。
どこか自分の未来を諦観しているような彼に、強い切なさやもどかしさを覚えるんですね。
そう、彼にあたたかい「家族」を与えたいと願うようになる。
しかし、やがて自分は元の世界に帰らねばならず、更にマリウスには、翼を失い下界に落とされる原因となった想い人が存在する事を知ってしまい・・・と言う流れ。

こちら、主人公のこの気持ちの移り変わりがとても上手いと思うんですよね。
マリウスを愛するようになる彼の、切ない心情や押さえきれない愛しさと言うものに、強く共感してしまう。

またこれ、マリウスがめちゃくちゃ健気なんですよ。
実は片翼を切り落とされた彼は、やがてそこから「死の海」の毒が身体に回り、気が狂って理性を無くしてしまう。
そう、その狂った姿が「邪竜」の正体なんですね。
未来を諦めていた彼は、一時だけでも番としてあたたかい家族を感じさせてくれた圭に深く感謝する。
そして、圭を守る為に、残ったもう一つの翼さえ、自ら切り落とす。
いやもう、マリウス健気すぎーー!(TдT)
読みながら、心が痛んで心が痛んで、仕方ないんだけど!!

この後、孵った竜を竜人達に奪われてしまうマリウス達。
この世界とマリウスの運命は?
そして、二人の恋の行方はー?
って所でしょうか。

繰り返しになりますが、こちら、受けである圭がすごく強いし逞しいんですよ。
展開としては、この世界そのものを変革しと、すごく壮大なものになって行くんですよね。
えーと、映画を見てるようなスケールのデカい、ハラハラドキドキのシーンの連続なのです。
驚きの真実なんかも次々明らかになりと、息を尽かせぬ展開なのです。
そして、とても感動的なフィナーレなのです。

もう、何よりも、あたたかい家族や未来を手に入れたマリウスに嬉しくて。
良かったよ、マリウスが幸せになって。
そして、報われて。

ところで、一つだけ疑問なんですけど。
マリウスの体内に溜まった毒ですが、どうなったんでしょうね?
いや、今のままだといずれ狂っちゃうじゃん。
死の海が浄化されたから、マリウスの毒も消えたって事ですかね?
このへんが書かれて無い為、気になって仕方ないんですけど。
私の読解力の無さで、理解出来なかっただけなら申し訳ないけど。

11

愛は世界を変える!

うん、竜人・マリウスがとにかくカッコいい!
誰かを守るために身を尽くす献身的な男前攻めでした‼︎

異世界から来たユタの死際に偶然居合わせたケイは、
ユタの頼みで竜卵を託され異世界に飛ばされるーーという、
異世界トリップファンタジーです。
ケイはユタの遺言通り協力者であるマリウスと合流し、
異世界での生活をスタートさせます。

けっこう、トンデモ展開?と思ったのですが、
登場人物たちが魅力的なのと、〝邪竜〟とは?というミステリアスな要素が相まって引き込まれました。
〝邪竜〟と呼ばれるマリウスは、心優しく献身的な竜人。
なんで邪なの?と疑問が湧くのですが、そこはかなり後半まで明かされません。

竜卵を宿したケイと番になり、卵を孵すために月が昇るごとにセックスして精を注ぎます。
かりそめの番関係を結んだわけですが、次第に惹かれ合い、
唯一無二の存在になっていくのです。
とても細かく作り込まれた世界観の中で、二人の愛は純粋でシンプルです。
マリウスには自分に課した枷があり、自分自身をを軽んじているところがあります。
そのマリウスにケイが全身全霊をかけ、ただ一人を深く愛することを教えていくという流れにグッときます!
ケイが包容力の人でした^^
 
そもそも、異世界は『死の海』と呼ばれる毒の水によって上界と下界に分断されています。
ケイの孵した竜・ノアが世界を変える存在となるのですが、
ちょっと後半駆け足すぎたかなという印象。
マリウスや異世界の秘密を最後の最後まで引っ張ってしまったので、急にドドーッと情報が押し寄せた感じでした^^;
ここは、ちょっともったいなかったかなー
ただ、マリウスやユタの行動が結果的に異世界の革命となり、
事態が好転していく展開は面白かったです。

それにしても、竜って本当に一途なんですよね!
生涯1人の番しか持たないのに、それを隠してケイを現世に帰そうとする……
そんなところも健気で切なくて、キュンキュンしました。
マリウスとケイのHは仮初の番の時から優しさに溢れ、
本物の番となった後はそりゃもう官能的で痺れました(*//艸//)♡

8

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