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pocketban warawanai ningyo
作家さんの新作発表
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こちらの作品、コミックス版・文庫版・ポケット版とあって、表紙も全部違います。
私が持っているのはポケット版で、髪をなびかせた男性と漂う魚、背景的に大きくうねる鱗の背…のような絵柄になっています。
内容は4編の短編の収録。
「笑わない人魚」
失踪して7年たつ叔父の家をどう処分するか。相続者は叔父の飼っていた人魚…
幻想的な話と思いきや、実は叔父はヤクザ者で逃げているのだし、人魚ならぬ青年はいつまでも叔父を想って心が囚われている。
「ザ・今市子」的な揺らめきが、プールで泳ぐ人魚のイメージと、叔父の恋人かもしれない青年に揺れる心に重なって、ナイーブな魅力となっている。
「廻遊魚の孤独」
「笑わない人魚」の続編。
洋介はリーマンになっている。人魚の見城さんと付き合って、喧嘩して、またくっついて、バレて別れさせられて、でもまだ恋してる。
その年月が、洋介にどこかセクシーな影を落としてる。
「真夏の城」
愛人の子として縮こまって生きてきた浅田。父の葬儀に久々に故郷に戻り…
かなりの短編なのに、彼の抱えていた孤独、秘密、罪、そしてそれらの昇華と真実。少年の不安とその解消までぎっしりと完結している。
これから素直に新しい恋に向かえそうな浅田を応援したいです。
「青髭の友人」
三度の結婚と三人の妻の死で財産を築いた男。
男の友人で、偽装パスポートを作るカク。
カクに依頼をする高校生のハルヒコ。
三人目の妻の死の真相、捻くれたハルヒコの傷ついた心、カクと青髭の本当の関係性とカクの本心。
全てを終わらせてしまう一発の銃弾…
ドラマチックなんだけどどこか静かな「今市子節」が感じ取れる一編。