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純粋な王太子×恋に臆病な薔薇の精。官能童話第4弾!
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不倫クズ王に騙された薔薇王フィセが、その息子に癒され、なんだかんだあって真実の愛の薔薇を咲かせるお話。余韻の続く終わり方がとても好きだった。
フィセは健気な善い子。未熟さが無垢ともいえる、BL小説の定番人気な受け。
オーレリアンは子供のころから描かれていて、フィセに一途な王子様。父を反面教師にしながらも、なんとなくあの親の子だなあといった顔が見え隠れする。帝王学と環境のせいかもだけど。
序盤はとにかくスペンサーの気持ち悪さがすごい。不倫がバレ、国外に出ようとしたフィセを捕らえて幽閉したうえで、まだ自信満々に迫る傲慢さ。このスペンサーは最後の最後まで悪役を貫いていて、嫌悪感がこちらの許容量を超えていた。
心を閉ざしてからのフィセは、オーレリアンに対する言動が女性的に感じる。心理描写は考えの甘いウジウジ系で、謙虚なようで自己防衛に優れる様子にがっかりする。妖精だから仕方ないとも思えず、悲観的で読んでいて疲れる。
そしてオーレリアンが長い眠りにつくきっかけが……。刺した直後のフィセの描写はそれだけ?と戸惑う。決定的な何かが足りていないような。タイトルに関わるエピソードなので、すとんと納得させてくれる何かが欲しかった。
二人が引きこもってからは泣けるエピソードの連続。フィセの献身とオーレリアンの真っ直ぐさ。悲しいながらも楽しみに読めたのは、スペンサーの遺言の影響力をどう調理するか期待していたから。なのに結末はあれ?という状態で混乱してしまった。
ストーリーはとても良かったし、細かいところを気にしなければ楽しめたと思う。個人的には伏線かと思っていた件が何の意味もなかったのか、と拍子抜けするところがいくつかあり、読み応えを感じづらかった。
全体の流れやキャラクターの描き方はとても好き。主人公フィセは苦手。終盤、立て続けに分からされるオーレリアンの愛はめちゃくちゃ良かった!フィセのオチも、これからの物語が確実に幸せなものになると思えて好き。
読後感の良い作品だった。
『人魚姫の弟』から続く犬飼さんの官能童話シリーズ、そのうちの一冊となる。
もしも見目麗しい王子さまキャラを探している人がいるならばこのシリーズを推したい。
鍵を握るヒロインがBL仕様として男性キャラに成り代わる訳だが、物語ごとに恋に落ちる王子さま達の麗しさや憂い、執着心に悶えるだろうと思う。
さて、2020年刊のこちらは童話モチーフでありながらも、犬飼さんが書き起こした薔薇の妖精王・フィセと生まれて間もない頃からフィセに惹かれていた王子・オーレリアンの純愛に魅了されたのだった。
慈愛に満ちたフィセは、オーレリアンの父王によって騙されていたショックから、香り高く富をもたらす白薔薇を咲かせることができなくなってしまう。
トワイダルは一気に寂れた国となってしまった。
そこから始まるフィセの長い苦悩の日々として、彼の心を映すように咲き誇る黒薔薇、白薔薇が物語を彩る。
それにしてもオーレリアンの幼少期、「ばらおうしゃま」ってフィセを慕う姿の可愛いこと。
やがて己の美しさを全く鼻にかけずに聡明で思いやりある王子に育ったのは、ひとえに恋するフィセに認めてもらいたい一心からだろうが、父王との不和もあって自惚れるどころではなかった背景も伺える。
これは自分の勝手な想像だが、トワイダル王国は何らかの執念に取り憑かれる一面を持つ血筋なのかも知れない。
オーレリアンの祖父にあたる先代の王は(恐らく政に関係なく)死後も後妻の再婚を許さない遺言を残したらしいし、父王オズワルドのフィセへの執着心は読んでの通り。
オーレリアン王子もまたフィセに恋焦がれる余りに…となるところを己の精進へ傾ける事ができたのは何より幸いだった。
ところで今回のこの物語、元の童話の鍵となる糸紡ぎの紡錐が出てこないのが意外だった。
ヨーロッパ伝来の童話は一説では性的な揶揄が多く含まれているらしいとの事で、紡錐や眠りにつく経緯にもその手の意味合いが有るらしいのだが。
"官能童話シリーズ"と呼ばれる由縁のその辺りを削った事を踏まえると、犬飼さん独自の脚色が強い仕上がりとなっている。
最初に挙げた通り、薔薇の妖精王・フィセの回りで咲き誇る薔薇は彼の言葉よりも雄弁だった。
長年の心の痛手を抱えていたフィセが最終的にオーレリアン王子の求愛をどう受け止めたかは、薔薇の返事が物語っている。
官能童話シリーズ5作目
妖精で薔薇王のフィセは上級騎士からの求愛を真実の愛だと思って受け入れてしまう。
しかし実は彼は、薔薇王と人間が真実の愛を育くめば不老長寿の奇跡の薔薇を手に入れられると知ってフィセを騙していた国王だった。そのこと知ったフィセは深く傷つき、兇器のような棘のある黒薔薇を咲かせてしまう。
そしてフィセに執着する国王に北の塔に幽閉されてしまう。
人間なら心の傷もある程度の時間や経験で癒やされますが、妖精のフィセはずっと抱えたままです。そしてその傷はいつまでも血を流し続けるのです。
それがすごく悲しくて切ない。
黒薔薇も咲かせたいわけではないのに、フィセの心に呼応して咲くので、傷ついたまはまのフィセにはどうすることもできない。
しかし希望はあります。国王の一人息子、オーレリアンは幽閉されたフィセを深く愛し、毎日会いに来ます。
頑なに心を閉ざすフィセが、真実の愛に目覚める時がくるのでしょうか。
と、ここにきて、はた、と「親子どんぶり」??
ということですね。それが生理的にムリ!!な方はご覚悟を。
童話シリーズはそれぞれのテーマに沿ったキャラや内容ですが、それだけに治まらないのが流石でございます。
作り込まれた世界観とフィセの健気さ、オーレリアンの一途さに身悶えしました。
そしてラスト! そうきたか! 初回限定ペーパーで続きが読めますが、二人のイチャイチャをもっと読みたいっっ。ので、ぜひ続刊をお願いします。
夢のような美しい薔薇の咲き乱れる王国で恋人との逢瀬を楽しみに暮らす妖精フィセ。
しかしその恋人だと思っていた騎士に扮した王に裏切られ卑劣なたくらみを知ったとき、絶望し香しい薔薇を咲かせることが出来なくなり囚われの身となります。
薔薇を咲かせられなくなったことで自分を責め悲しみに沈んでいくフィセがかわいそうでかわいそうで…
非道で自己中な王の憎たらしいこと!
そんなにっくき王の一人息子の王子オーレリアンは天使のように愛らしく純真でした。
幼い王子と出会ったフィセが少しずつ癒されささやかな幸せのひと時を過ごしていたころ、幼いながらもフィセへの執着が見えて先が楽しみになりました。
タイトルを見たとき眠りにつくのは受けで攻めが口づけて目覚めさせてくれるのかと思ったていましたが、さすが犬飼作品!一筋縄でいかないものだと感心しました。
眠れる王を目覚めさせるのは口づけよりももっと素敵な愛溢れる行動で大変萌えました。
物語に引き込まれてしまって一気読みしました。
薔薇王フィセと太陽の王子オーレリアンの関係が哀しくも美しくて、先生のアイデアと物語のどこにも余分な文章が無い筆力に脱帽しました。
ノリに乗ってる作家さまはこうも違うのかと思いました。
フィセが前王に謀られた絶望から黒い薔薇を咲かせて城の塔に幽閉されてから、幼いオーレリアンがフィセを慕って再び白薔薇が咲いて、これでフィセは救われるのかと思いましたがそんな訳はありませんでした。
父王から塔の鍵を奪った17歳のオーレリアンとフィセの逃避行と、離宮に着いてから眠った振りをするフィセを抱くオーレリアンの描写に滾りました。
ようやく愛を信じられて一歩を踏み出す事が出来そうな矢先に、フィセがオーレリアンの無邪気な言葉に咄嗟に薔薇を心臓に突き刺した時には、何で?ってなりました。
でもフィセが全身全霊でもって3年かけて、オーレリアンを死の淵から甦らせる下りには涙しました。黄金の悠久の薔薇の秘密の何と残酷なことかと…
永遠の若さと美貌や命なんてフィセが居なければオーレリアンにとっては意味は無いのです。賢王になってからも誰とも番わずに、フィセの復活を離宮で待ち続けるしか無かったオーレリアンがとても切なかったです。
ほのぼのとした甘さは皆無な作品でしたが、身を切る愛情と言うものを嫌というほど訴えて来た作品でした。
巷に沢山BLが溢れて気軽に読めるようになり、読者にはありがたい世の中になりました。ただその中に良書は少なくなって来ており、犬飼先生を初め良作を生み出してくれる作家様の作品をこれからも買い続けたいと切に思った作品でした。
犬飼のの先生の有名童話をモチーフした官能童話シリーズ5話目。
BL小説というより、完全に大人向けのグリム童話風でした。
文章が美しく、内容はディズニー映画のように色々な要素が盛り沢山で豪華で、ストーリーにメリハリがあり、なおかつブラックユーモアもきいていて面白かったです。
ターゲット層はなかなか難しい小説だと思いました。「真実の愛」を夢見る若い女子には、なかなかシニカルな主人公像だし、フィセの気持ちがわかる、私のように夢見る頃を遠く過ぎた層には、あるのか無いのか分からないような真実の愛より、重きがある物がある場合もあるだろうし。その中で、童話であるからこそ、リアリティーが無くても俯瞰して楽しめるのがいいですね。
まるで薔薇セラピーかのように読んでいて、薔薇、薔薇でロマンチックで何だか安らげました。薔薇の香りが部屋に充満するような気分になりました。
妖精フィセならではの、ファンタジックなBLシーンも新鮮でした。フィセが恋すると丸分かり、な設定は面白過ぎましたw 本人からすると想いが筒抜け状態はいたたまれないだろうけれど…。フィセはヒロイン度高いね。国も巻き込みまくるし。
フィセが中性的な妖精だったので、正直男っぽい受けが好みの自分にはBL萌えは余り無かったですが、童話としての完成度が高かったので楽しめました。エンディングもなかなか粋でした。
思い起こせば、当方の長いオタク人生の始まりを飾ったのが、子供の頃に読んだグリム童話全集やアンデルセン童話全集でした。とても懐かしい気分になれた一冊でした。
今回は雪の王国の太陽の王子と薔薇王と呼ばれる薔薇の妖精のお話です。
初恋の騎士に裏切られた受様が攻様によって真実の愛を知るまで。
凍てつく山脈と果てしない森に包まれた王国は、夏ですら暑い日が少なく、
1年のほとんどを雪に囲まれています。しかしかの国では薔薇王と呼ばれる
薔薇の妖精によって季節を問わず香り高い白薔薇が咲き誇り、薔薇の香水を
筆頭に薔薇産業が王国を潤していました。
当代の薔薇王である受様はこの世に誕生して2年ほど、先代から王国の守護
を任されてまだ1年しかたたない少年王です。先代は受様に薔薇王として最
低限の事だけを教えると、仔猫の妖獣だけを残して望んで香気に還ります。
受様は聖域とされる山脈の東側の小宮殿を住まいとします。麓より先に人
が踏むことは許されていませんが、2月前に1人の勇敢な騎士が茨に囲われ
たこの地に迷い込んで以来、受様は騎士に夢中でした。
受様は騎士の雄姿と自信に満ちた笑顔に一目で恋に落ち、その日のうちに唇
を奪われ、次の夜には純潔を捧げます。彼に愛されるごとに受様の胸を満た
す愛が白薔薇を生み続けました。
薔薇王が人間を愛し、真実の愛で満たされた時、永遠の命と若さ、輝きを与
える悠久の薔薇が咲くと言われています。受様騎士のために薔薇を欲してい
ましたが、騎士が受様に近づいたのは、正にその薔薇を得る為だったのです。
それは国王に待望の王子が誕生の洗礼式と祝いの宴が催された日に発覚しま
す。なぜか薔薇王である受様に招待状が届かず、訝しみながらも向かった城
の大広間で受様が対面した国王こそが受様の愛した騎士だったのです。
当代王は大陸一の国土を誇る宗主国の王家から嫁いだ美貌の王女を妻にした
男であり、今受様が薔薇の祝福を授けた王子の父親だったのです。あろうこ
とか国王は王妃に受様が招待を断ったと伝えてさえいたのです。
受様は自身の愚かさを嘆き、国王の過ぎた欲望を拒絶するために、妖獣とと
もに王国を去ろうとしますが、国王の国益となる白薔薇を咲かせる受様の
逃亡を許すはずがなく、受様は囚われて塔に幽閉される事となります。
そして受様が幽閉されて以降、王国に白薔薇が咲かなくなり、代わって鋭い
棘が多く、微塵も香らない黒薔薇が国土を覆うようになります。そしてそれ
は王国に経済的な危機をもたらすことになるのです。
受様は民が貧窮に喘いでいると懇願されて哀れに思っても、勘違いが甚だし
い国王が受様だけを愛していると囁いても、受様には白薔薇を咲かす事も
黒薔薇を生まないようにすることもできませんでした。
そうして3年が過ぎたある日、国王は3才になった王子を腕に抱いて受様の前
に現れるのです。屈託のない輝くばかりの笑顔を称えた王子こそが、今回の
攻様になります♪
受様は無邪気な息子を使って懐柔しようとしてる国王の卑怯さに腹を立てま
すが、攻様は父親の思惑とは別に真っ直ぐな心根で受様に対します。受様は
そんな攻様と罪なき民のために少しだけ薔薇が咲く事を望み・・・
官能童話シリーズの最新刊は眠れる森の美女をモチーフに薔薇の妖精である
受様を中心に繰り広げられる時に甘くて、時に切なく、ロマンチックであり
ながらもエロスも堪能できる愛憎劇になります♪
フルール文庫『人魚姫の弟』からルビー文庫『白雪姫の息子』へと続いた
官能童話シリーズも本作にて5作目になります。
童話の揶揄する人物と設定を踏襲しつつも、洒脱なアレンジが効かせた展開
にいつもハラハラ&ドキドキさせられます。今回は初っ端からラブラブで
エロ満開と思ったら、受様が不幸のどん底に落ちてしまう展開でもう頁を
繰る手が止まりませんでした (>_<)
攻様は健やかに賢く成長し、病に侵されてもなお民を顧みず自身の利を求め
受様を独占するために幽閉し続ける父王から、受様を解放したいと望むよう
になります。
受様も一途に自分を慕う攻様に徐々に絆されていくのですが、妻子ある国王
を愛した過去を知られる事を恐れ、それによって黒薔薇しか咲かせられない
己を深く憂いていて、攻様に勤めて冷たい態度を貫きます。
そして17才となった攻様は受様を解放すべく父王との体面を望むのですが、
受様に深く執着する王は受様と自分の過去を語り、塔の鍵を暖炉に投げ、
瞬間的に火の中から鍵を手にした攻様に殺意さえ向けるのです!!
攻様はなんとか受様を解放し、逃れた受様と官能的な初めての夜を過ごすの
に、翌朝の攻様が発した言葉がかつての初恋の騎士である攻様の父を彷彿と
させ、受様は攻様の胸に薔薇を突き刺してしまうのですよ (ӦvӦ。)
えぇぇぇぇ!? どうなっちゃうの!?
受様と父王、受様と攻様、攻様と父王、奇妙なトライアングルはそれぞれの
思惑と戸惑い、憎悪と嫉妬、独占欲と愛によって様々な面を見せながら進み
受様が攻様の手を取るまで幸せからの不幸、不幸の中の幸せと山あり谷あり、
先が見えない中でのもしっかりエロあり、ハピエンだろう事しか予想できな
い展開だったのに、その最後すらもさらに予想の先を行くもので、びっくり
の連続で、たいへん楽しく読ませて頂きました♪
葛西先生の美麗なイラストがまた物語をより素敵に彩っていて最高でした。
シリーズがまだまだ続いていく事を願っています (^O^)/
皆様のレビューを見て、私が好きそうかな、と購入。
ビンゴー。
とっても好きなお話でした。
以下、ネタバレ込みで愛を語らせてもらいます。
受け様のフィセは生を受けて2年の薔薇の妖精。
前薔薇王に代わって薔薇王となって1年。
騎士を名乗るスペンサーとの初めての恋に幸せで、芳香な白薔薇をたくさん咲かせている中、トワイダル国の王子誕生のお祝いに登城して、そこでスペンサーが騎士ではなく国王であることを知る。
そして、国王が欲しかったのはフィセの愛ではなく、不老不死を与えるというフィセの真実の愛が咲かせるという゛悠久の薔薇゛であることに気付く。
こんな時でさえ、国王を恨むわけではなく、自分が悪かった、と自分を責めて鋭利な棘を持つ黒薔薇しか咲かせなくなるフィセが切なかったです。
攻め様は、トワイダルの王子であるオーレリアン。
ともかく幼い時からフィセ一筋。
フィセが大人の男が苦手だと知ってからは、少しでも長く一緒に居られるようフィセの前ではことさら子供っぽく振舞ったり、フィセの気持ちを慮ってひっそり頑張ってる健気で一生懸命な年下攻め様。
かわいくて、めっちゃ応援したくなりました。
城の塔に国王によって幽閉されているフィセを連れ出して離宮へと逃げてた甘い一夜。
自分から受け入れることはできなくて、寝ているふりをして受け入れるフィセが、最後にはしっかりオーレリアンの顔を見つめながら、名前を呼んでいて、フィセにとって、これが愛し合う行為に上書きされたのを願いました。
翌朝、一面に咲き誇る白薔薇の中に、フィセの真実の薔薇を探すオーレリアンの言葉にスペンサーの姿が重なり、無意識の内に手にしていた薔薇を突き刺してしまう。
死を前にしても、最後までフィセを気遣うオーレリアンに目頭が熱くなりました。
3年の間、フィセが自分の妖力を与え続け、最後に消える覚悟で繋がってようやくオーレリアンが目覚めた時は、涙。
やっとなのに、幸せな時間を過ごせたのに、すぐに訪れた別れ。
今度は切なくて涙涙。
攻め様の焦燥やら慟哭やら、大好物なので、もう本当にやられました。
今度はフィセの復活を願って待ち続けるオーレリアン。
目覚めた彼の横に横たわる眠っている少年の姿に、私も一緒になってドキドキして、息をつめて見守りました。
本当によかったーーーー。
最後まで涙です。
そして、笠井先生のお話を彩るイラストが美しいです。
ラストシーンの挿絵は、もう素晴らしすぎで、ため息ものでした。
この官能童話シリーズ、私はこの「眠れる森の王」が初めて読んだのですが、他のお話も読んでみようかな、と思いました。
童話シリーズ最新作。グロさをあまり感じず、お話として、とてもとても好きだったので神にしました。本編260Pほど。攻め受けとも本当に忍耐強いお話と感じました。何回読み返しても泣いてしまう。早くも上半期ベスト5の一作になる予感。
この世に存在するようになって2年、雪の王国トワイダルの守護を先代から任されて1年ほどの薔薇王フィセ。最近はあふれんばかりに白い薔薇を咲かせています。というのも二月ほど前にフィセのいる聖域に一人の凛々しい騎士が迷い込んできて、フィセと恋仲になってしまったから。フィセは恋心を抑えることができずに白い薔薇を咲かせ、その薔薇を資源として国民は香水、オイル、石鹸等を作り、国はとても潤っていたのですが・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ラウニス(受けの側にいる、黒猫、しゃべる)、攻めの父母(国王・王妃)ぐらいかな。ラウニス、有難う、功労賞差し上げたいです。
***好きだったところ
攻めが赤子の時に初登場、3歳ぐらいの時の舌ったらずな喋りで、まず私は撃沈(あゆみ先生の挿絵がこれまた天使!羽根生えてるに違いないっ可愛すぎっ!!!!!!)。
17歳手前の若さゆえの無謀さは残念だけど、3歳の時に既に私は陥落しているので、愛おしいというバイアスかかった視点でしか見れなくて、薔薇と共に眠りにつくシーンでは号泣(1回目)。
復活かなった後の忍耐強さにこれまた撃沈。なんて素晴らしい忍耐力。鉱山探して国を盛り立て、宗主国から養子を迎え、いつでもフィセを迎えられるようにと頑張る10年には参る。感服。
攻めさんは、強気とか傲慢とか押しの強さというものはあまり感じず、ひたすらフィセに恋焦がれ待ち続ける洋犬バージョンの忠犬ハチ公だと思います。大好き。
受けがこれまた脅威の忍耐力、素晴らしい。若かりし頃の過ちにより人を愛することを恐れるようになった所はとっても沁みるし、やらかしてしまった事態をどうしても取り返したいと頑張るシーンは涙無くしては読めなかったです。(号泣2)
そしてこれまた復活を遂げた時の、なんとも可愛らしい、でも出来立てほやほや柔らかいトゲを持っていそうな、はにかんだ様子がもうハートに突き刺さって。最後のモノクロ挿絵は必見だと私は思うのです。(号泣3)
いやほんと童話シリーズの中で一番好きです。ラウニスが寄り添ってくれて、むっちゃくちゃ重くなりすぎないところもナイス!全ての塩梅が私にはちょうど良く、本当に先生に感謝申し上げたい心地のお話でした。ファンタジー大丈夫な小説読みさん皆さんに読んでいただきたい・・
犬飼のの先生の官能童話シリーズ第4弾。
(人魚を入れると第5弾)
のの先生のファン,読者は大好きなシリーズの一つですよね。
私も発売されると決まってから読める日を心待ちにしていました。
読み始め…冒頭からの展開に胸が苦しく、切なく…
(言い表すとすれば捨てようとする紙を手のひらで
グシュッとするような…)
涙も滲みました…。
流れ出なかったのは、読みながら
「(2人はきっと幸せになる)」…
そう信じていたからだと思います。
切ない苦しいとばかり言いましたが
今は違います。
2人の想い合う優しく温かい気持ち…
(好きな人と目が合った時に感じる温かさに
似ているような…)
そんな温かさに包まれているかのように幸せです!!
読了してから数日が経ちました。
今でも目を閉じればオーレリアンやフィセ…また、
ラウニスなどがいる景色…情景が浮かんできます。
そして今日、レビューさせて頂く4月6日は
犬飼のの先生の誕生日。生誕祭!!
多くの素敵な作品をありがとうございます。
印から下は(濃ゆくはありませんが)
ネタバレも含まれていますので
未読の方は是非、作品のご購入を
全力でお勧めいたします^^
↓
↓
↓
読み始めてすぐ→
「え、エンドロール?フィセに…
もうすでに…いる!?」と
言いたくなるような状況で、最初から
渦に飲み込まれるかのように彼らの世界に
自動的に入り込み、驚き戸惑いました。
始まったばかりなのに脳内ハテナが
いっぱいの状況なんです。
ですが…私は名前を見たときから
「ん?誰?」と思っていました。
フィセに叫び伝えたくなる展開で
『もう既に面白い』と、
数十ページで思いました。
私は幼少期から「眠れる_」を
どれより何よりも1番多く観てきました。
「眠れる_」は有名童話でご存知の方も多く、
私も含め絡み合わせて読む方もいらっしゃると
思います。でも一回転するぐらい違うのです!
いや…違っていないと権利的に大変ですが
本当に面白さと感動と…全速力で走った
後のような動機を感じ味わえる作品でした。
笠井あゆみ先生が描(えが)いてくださった
オーレリアンとフィセも作品とピッタリ合い
とても美しいので見どころです!
読むことでき本当に良かったです。
作家買い。
犬飼さんの描く官能童話シリーズの最新刊です。「人魚姫の弟」→「白雪姫の息子」→「シンデレラ王」→「赤ずきん王子」に続く第5作目。「人魚姫の弟」はフルール文庫から出版されているので公式には4作目、ということになるのかな?でもKADOKAWAさんから出版されているので第5弾ということで良いかなと思います。
童話をベースに犬飼さんらしいエッセンスとエロスをぶっ込んだ今シリーズは笠井さんが絵師さんを担当されているということもあって個人的に大好きなシリーズなのですが、中でも今作品が一番好きかも。
とにかく攻めさんの健気さと一途さに萌えが滾る!
童話って、実はかなりブラックな内容のものって多い気がしています。
愛、というものの残酷さを描いているからなのかな、と思っていますが、「眠れる森の王」も同じ。愛というものは、優しさや、温かさだけを運んでくるものではない。
甘くって優しいお話は多くの読者の心を掴みますが、今作品は、人間の残酷さや欲深さもきっちりと描いている。甘いだけじゃ物足りない、そんな腐姐さまに激しくお勧めしたい酸いも甘いも噛み分けた作品でした。
主人公は薔薇王・フィセ。
芳しい白いバラを生み出すことで、国に利益をもたらす妖精。
そんなフィセは恋をした。自分のもとに果敢にやってきた騎士のスペンサーに。情熱的に愛をささやき、快楽を与えてくれるスペンサーに身も心も捧げてしまうフィセだけれど、実はスペンサーは…。
薔薇王として数多の白薔薇を生み出してきたフィセだけれど、スペンサーに騙されていたことを知ったフィセは棘のついた黒いバラしか咲かせなくなってしまう。白いバラを金銭に変えることで富を得ていたこの国は貧困に喘ぐようになり、フィセも侮蔑の対象となってしまう。
愛を知り、けれど裏切りも知ったフィセを救ってくれる存在は現れるのか―。
と、そこを軸に進むストーリーです。
もうね、設定が素晴らしい。
「薔薇」が、フィセの内面をきっちり描く小道具としてフルに使われているのですが、この描き方が素晴らしくお上手。無理なくこういう展開を導き出せる犬飼さんに脱帽です。
フィセはスペンサーを恨みたくはない。
けれど許すこともできない。それはスペンサーという自分を裏切った人物に対する憎悪ではなく、スペンサーを信じてしまった自分への叱咤でしかない。なので、彼の想いが昇華していく術がないんですね。スペンサー云々ではないからです。
だからこそ、彼は黒バラしか咲かせることができなくなってしまった。
そんなフィセを救うのは、スペンサーの息子のオーレリアン。
オーレリアンは、フィセに出会ったその日からフィセに夢中。他の何者にも靡くことなく一途にフィセを想う。
ワンコ攻めの鑑ですよ、オーレリアンという攻めくんは。
どんな障害も真正面から立ち向かい、自身の正義と愛を貫こうとする。
そんなオーレリアンの想いに少しずつ自分に対する枷を外していくフィセだけれど。
うーん、ハピエンになるだろう、とは思ってるんです。
最後はきちんと二人が結ばれるのだろうと。
でも、二転三転する展開にハラハラドキドキしっぱなし。
息もつかせぬ展開で、最後までページを捲る手が止められませんでした。
オーレリアンの一途な想いに萌えが滾りましたが、フィセも良い…!
彼の葛藤、苦しみ、そしてそこから這い上がりオーレリアンのために自分を犠牲にするその愛情にも激萌え。
最高か。
で、その萌えをさらにアップさせるのが笠井さんの挿絵。
美しいですね。さすがとしか言いようがない。
口絵のイラストが、また素晴らしい。このシーンを切り取るその感性に、してやられました。
設定。
ストーリー。
キャラ。
そしてイラスト。
どれをとっても素晴らしかった。
官能童話シリーズの中ではエロ度はかなり低め。が、オーレリアン×フィセの濡れ場はどれも優しく、美しく、そして温かかった。
文句なく神評価です。
『官能童話シリーズ』って、私とっても好きだわ。
「恋って楽しいだけじゃなくて、ものすごーく複雑なものなんですよ」っていうことが書かれているから、すごく惹かれるんだと思う。
シリーズが『若い人向け』ルビー文庫(偏見?)というのがちょっとした違和感を感じて来たんですけれども、今回解ったんですよ。これ、教養小説なのね。
年寄りのあたしはフィセの言動に共感しちゃう部分が多いんですけれども、年若く純粋なみなさまは「ああああああ!恋ってこういう部分もあるのねーっ」と驚愕し、実際に似たような場面に出会った時に動揺しないためのお話なんじゃないかと(またしても深読みしすぎ?)。
『眠れる森の美女』のお話って、13番目の魔女が自分を嫌った社会に対する復讐っていうか、嫌がらせの為に王女に死の魔法をかけるけど、まだ魔法の贈り物をしていなかった12番目の魔女が『死』を『100年の眠り』に変えたっていうお話ですよね(子ども時代の私は「んなら、王子のキスがなくても目覚めたんじゃね?」なんて思っていたわけなんですけれども)。
で、結構多くの少女が「この13番目の魔女はどうしてそこまで嫌われることに固執しちゃったんだろう?」って疑問を感じたんじゃないかと思うんです。
犬飼さんはそこのところを汲んでくれたと思うのですよ。
そう、このお話の主人公、薔薇王フィスはまさしく『13番目の魔女』なんです。
国民から愛される薔薇の妖精王であるフィスは何故か王子の誕生祝いに招かれません。でも、何かの手違いだろうと思い出かけていくんです。そして美しい王子に心からの祝福を与えた後、王子の父である王が、自分に愛を告げていた男だと知るんですね。薔薇王の『真実の愛』を受け取ることで不老不死の力を得る為に、名前も身分も偽ってフィスを誑かしていたことが解っちゃうんです。
騙されたことに、そして機会があったのにそれに気づかなかったことに、フィスは絶望します。そして、その絶望が彼の生み出す美しく薫り高い白薔薇を、人に危害を加える鋭い棘を持った黒薔薇に変えてしまうんです。
意地悪や嫌がらせの魔法じゃないのですよ。
フィスは何度も「こんなことは止めたい」と思うのに、心の底から湧き出てしまう憎しみを止められないの。
いやー、解るわ、これ。
気持ちっていうのは理性とは違う所から湧き出て来るからねー。
フィスから祝福を受けた王子、オーレリアンは本当に幼少の頃からフィス一筋で。
でもフィスは彼を信じられないのです。
以前、信じて裏切られたから。
好きになればなるほど信じられない。
いやー、これも解るんだわ。
裏切られた時の絶望っていうのは、その気持ちの大きさに比例しちゃうものねー。
で、拗れたフィスの感情が、更にややこしい事態を生んで、オーレリアンは仮死状態になっちゃいます。
結局、お話の行きつくところは『愛って何なのか』ということなんですよ。
一度、手ひどく裏切られて傷ついて、その後『自分のおぼこさ』を反省して知恵をつけて、だから余計に臆病になって……そんなフィスだからこそ辿り着いた結論は、マリリン・モンローの名科白と同じもの。
お若い姐さまも、経験豊富な姐さまも、私と同じ枯れかけたお友達も、納得のいく結論に感動すると思います。是非、ご一読を。
人間の王子と妖精の王が、自分たちの手で未来を切り開き、
真実の愛を見つける物語です。
ただ、マッチポンプな印象を受けしまい萌えきれなかったのも事実で……
美しい薔薇の王・フィセは愛する騎士・スペンサーとの愛を育んでいました。
薔薇王が人間を愛し、真実の愛で満たされた時、
永遠の命・若さ・輝きを与える金色の「悠久の薔薇」が咲くと言われています。
しかし、いくら愛し合っても一向に悠久の薔薇は咲かずーー…
このスペンサーが諸悪の根源といえるでしょう……
スペンサーの目的は、悠久の薔薇です。
実は国王であって王妃も王子もいるスペンサーとは、
知らず知らずのうちに不倫関係に陥っていたフィセ。
その事実に打ちのめされ、人間を信じるられなくなってしまったフィセは、町中を黒薔薇で覆ってしまうのです。
スペンサーが本当にクソ男なんです( *`ω´)
フィセを騙して悠久の薔薇を手に入れようとしているのですが、
〝真実の愛〟の意味分かる?と問いただしたくなりました。
挙句、フィセを幽閉するという暴挙!
で、幽閉されたフィセに会いに来るオーレリアンの幼少期がかっわいくて萌え萌えでした♡
「えいしょ、えいしょ」
「んー、あとねー、ちょっとよ、がんばれぇ」
と、自分を励ましながらながら階段を登ってくる(笑)
いや、これ可愛すぎでしょ(灬ºωº灬)
そんなオーレリアンは魅力的な男性へと成長し、フィセへの愛を誓うものの、恋を愚かな病と考えるようになったフィセは信じないし受け入れない。
フィセもだいぶ拗らせてますよ!
フィセと二人で逃げ出したオーレリアンは眠ったフリをするフィセを抱きます。
しかしフィセは、真実の愛を口にし、悠久のバラを探すオーレリアンにスペンサーを重ねてしまうのです。
フィセは二度と誰も信じない、自分は恋も愛も無縁の妖精だと思っていて、とても頑ななんです。
オーレリアンの事をも信じられず、疑った挙句の行動ーー
それは、薔薇の花をオーレリアンの胸に突き立て命を奪うこと……
ここは、なんでー‼︎って感じで、そのうえ今度は必死にオーレリアンを助けようと妖力を注ぎます。
うーん、この辺りの行動が自作自演とまでは言いませんが、
マッチポンプなんですよね。
何年もかけて力を注ぎ続けるフィセは健気なんですけど、
それ自分がやったことだからーーと思ってしまって( ̄▽ ̄;)
追手が迫る中フィセがとった手段は、直接オーレリアンに妖力を注ぐこと。
ここで今度はフィセによる睡眠姦が行われます。
目を覚ましたオーレリアンの命と引き換えに消えてしまったフィセ……
ここは切なかったし、傍に咲き誇る悠久の薔薇の演出も素敵でした。
今度はオーレリアンがフィセを待つ番です。
この二人、本当に健気で気が長い。
納得のラストもとても感動的でした。
運命から勝ち取った愛であると同時に、運命に翻弄された愛でもありました。
ここはとても眠れる森っぽくて良かったです。
何だかんだ、とても一途で健気なオーレリアンが素敵だったな〜
官能童話シリーズ第5弾で「眠りの森の美女」がモチーフとなります。
今作だけで問題なく読めます。
で、このシリーズ、甘く切なく官能的、そして何より美しくと、個人的に大好きだったりするんですね。
ちょっぴり(結構?)残酷な所まで含めて。
それが今回、これまでの世界観はそのままに、テーマは「真実の愛」になります。
や、これまでですけど、儚いと言った印象だったりほの暗いと言った印象なんかを受けたんですけど、今回はとにかく純愛に泣けちゃうんですよ。
ストーリーとしてももう圧巻なんだけど、何より二人の間に芽生えるこれぞ真実の愛と言ったものに、深く感動しちゃう。
こう、あまりに切なくて切なくて、胸が痛くてボロボロ泣けちゃったんですけど。
マジで、涙で文字が見えない!状態になったんですけど。
もう、めちゃくちゃ素晴らしい作品だと思う。
個人的には、シリーズ最高傑作だと思う!
ザックリした内容です。
薔薇王として、国に利益をもたらす白薔薇を咲かせる妖精・フィセ。
彼の心は愛した男に裏切られた事で凍り付き、国には鋭い棘を持つ黒薔薇しか咲かなくなります。
そんな中、幽閉されているフィセの許を訪れたのは、国の第一王子であるオーレリアン。
自分を純真に慕う彼の姿に、次第にフィセは心を溶かして行くんですね。
しかし、17歳となってフィセの解放を決意するオーレリアンが、父王との争い果てに、フィセを離宮へと攫いー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤は、薔薇の妖精として生まれて間もないフィセが、愛する男と幸せな時間を過ごす所から。
えーと、薔薇の王であるフィセが喜びを覚えれば、国には国益となる白薔薇が咲き誇るんですね。
また、薔薇王が人間を愛し真実の愛に満たされた時、奇跡を起こす「金色の薔薇」が咲くと言われ、その薔薇は永遠の若さと永遠の命を与えるとされる。
これ、最初からなかなか切ない展開なんですよね。
想い人である騎士の訪れを一途に待ち、彼の為に「金色の薔薇」を咲かせたいと健気に願うフィセ。
しかし、彼の正体はこの国の王で、本当の狙いは永遠の命を得る金色の薔薇でしかなかった。
王子の誕生祝いに祝福を与えようと王宮を訪れたフィセは、その事実を知ってしまうんですね。
で、フィセが深く傷つくと、人々を傷つける黒薔薇しか国に咲かなくなる。
と、ここから、塔に幽閉されたまま、白薔薇を咲かせられない事に苦しむフィセ。
そこに現れたのが、裏切られた男の息子で、第一王子となるオーレリアン。
まだ幼く愛らしい彼は、その純真な姿で、フィセの傷ついた心を癒して行く。
やがて時が経ち、17歳の誕生日を目前に控えたオーレリアン。
彼はフィセの解放を願うと共に、フィセへの愛を育んでいて・・・と言う流れ。
繰り返しになりますが、今回のテーマとなるのが「真実の愛」なんですよね。
傷つき心を凍らせてしまったようなフィセと、太陽のように朗らかであたたかいオーレリアンとの交流が、丁寧に綴られます。
両視点で進むんですけど、自分を真っ直ぐ慕うオーレリアンに惹かれつつも、再び傷つく事を恐れて頑なに想いを受けれようとしないフィセ。
また、フィセの過去を知らないままに、それでも自分の全てで真っ直ぐ愛するオーレリアン。
こう、大人の男性を拒否するフィセに、いつまでも子供だと思っもらえるよう、無邪気な言動を演じたりして。
スレ違いのジレジレはあるものの、甘酸っぱくてキュンキュンのエピソードが続きます。
いや、年下ワンコが好きなんだけど、そうじゃなくとも、オーレリアンの真っ直ぐで太陽のようなあたたかい愛情に、萌えまくっちゃうんですよ。
これはフィセもほだされて、白薔薇も咲くようになるよね!と。
と、ここまでは、二人の甘酸っぱく初々しい恋模様に萌えまくる優しい展開。
が、ここから急転直下。
未だフィセに執着する王と、フィセの解放を決意するオーレリアンの直接対決が語られ、更に二人での逃避行へと続きます。
いや、こちら親子の愛憎劇でもあると思うんですけど、父王のフィセへの執着がとにかく怖い。
親子での対決シーンが、これまた壮絶で。
ただ、だからこそ、どこまでも醜い執着を見せる父王と、あくまで愛する人の幸せを真っ直ぐ願う光そのものと言ったオーレリアンと、二人の対比が印象的。
また、逃避行先で、二人はやっと結ばれます。
もう、すごく感動的なんですよ。
二人が結ばれた翌朝、辺り一面に咲き誇る白薔薇に、フィセの本心が伝わって。
ところが、ここからまた、切ない展開。
そう、ここでメデタシメデタシでは終わらせてくれないのです!
犬飼先生だから!!
えーと、二人が結ばれた翌朝、白薔薇の中に「金色の薔薇」が咲いていないか探すオーレリアン。
その姿を見て、動揺のままに持っていた薔薇をオーレリアンの胸に突き刺すフィセ。
そのまま、オーレリアンは長い眠りにつき・・・と続きます。
これ、オーレリアンはオーレリアンで、フィセの真実の愛を期待しただけなのです。
また、フィセはフィセで、過去のトラウマとなった同じ行動をされ、耐えきれない恐怖に襲われただけ。
そう、どちらの気持ちも分かるだけに、この展開はめちゃくちゃ切ない。
ただ、ここからが(私が)一番訴えたい、真実の愛なのです。
いや、二人の結末はご自身で読んでいただきたいんですけど、とにかく切ない。
切なくてボロボロ泣けちゃうのに、哀しすぎて胸が潰れそうなのに、互いを想いあう深い愛にめちゃくちゃ感動しちゃうんですよ。
胸がいっぱいになっちゃうんですよ。
真実の愛の、真相にも。
なんて、なんて深い!
ちなみに、初回限定でSSペーパーがついてきます。
ラストがすっごく感動的なんですけど、結ばれた二人その後は語られないままなんですよね。
初回限定ペーパーで、その二人が読めます。
これは絶対、手に入れた方がいい!
最後になっちゃいましたが、終盤でタイトルの意味に驚愕しました。そっちかー!
これ流石にネタバレ過ぎじゃないですか?