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ou to neko no himitsu
初読み作家さまでした。
どのページを見ても画力が高く、絵がとても綺麗です。
架空の国・アステリア国を舞台にしたファンタジーな世界観の今作。
短編1作と表題作、そして描き下ろしで構成された1冊となっています。
肝心のBL要素についてですが、こちらはやや匂わせる程度かなと思います。
なんとなくどちらが受けか攻めかは想像がつくものの、はっきりと描写はされていませんので、ファンタジーBLが読みたい!という方にはやや物足りないかと思います。
が、ファンタジー好きの方や猫好きの方には間違いなくおすすめの1冊です!
以下、各あらすじと感想です。
●辺境の魔法使い
世界樹の森に住むフォルクスが王都から半月ぶりに森へ戻ると、森の入口に見慣れない子供の姿を見つけます。
危険を冒してまで森へ入ろうとしていた少年・オリバーは、ハーフエルフと人間の間に生まれた子供でした。
ある日、感情が高ぶった彼は母親を凍らせてしまい、その呪いをどうにか解いて欲しいと「辺境の魔法使い」の噂を頼りに森へやって来たと言い…?
「辺境の魔法使い」と呼ばれるハーフエルフのオフィーユと、オフィーユと共に暮らすフォルクスの2人に出会い成長した少年と、少年とその家族のあたたかな絆を描いたお話です。
前後編でとても綺麗にまとまっていて読みやすいです。
誰かを思う気持ちに共鳴して咲く花という設定が素敵。
強い魔法を使うと代償があったりと、細かな設定も興味深いです。
陽気で超絶ポジティブなフォルクスがオフィーユに求愛しては素気無くされている様子が笑えます(笑)
オフィーユは少なくとも60年は生きているハーフエルフだそうですが、フォルクスが幼い頃から一緒に森に住んでいる描写があるということは養い子ということなのでしょうか…?
●王と猫の秘宝
アステリア国の若き王・カスティオは、近頃王都内で頻発している謎の失踪事件に頭を悩ませています。
自ら事件を調査しようと城下に出向いたところ、犯人らしき人物に猫になる呪いをかけられてしまい…と続きます。
失踪した国民達は、太陽の面と呼ばれる仮面を着けた人物によって猫にされてしまっていたのでした。
猫!猫!猫!と、猫好きにはたまらない猫がいっぱいのお話です。
国王カスティオと、カスティオが密かに想いを寄せる(?)ニーオス、そして辺境の魔法使いに登場したオフィーユとフォルクスが協力して猫事件の謎を解決するまでが描かれています。
両片思いのカスティオとニーオスのもだもだ加減に、くっつくの?くっつかないの…?!となりました(笑)
ニーオスの話題を出されると弓矢がブレるカスティオが可愛い。
チェスのシーンが良い雰囲気で好きでした。
どう見ても両思いなのですが、それはこれから…なのでしょうか。
カスティオとフォルクスは双子の兄弟で、フォルクスは耳に着けた呪具を外すとカスティオとそっくりの姿に…と、普段は魔法で姿を変えていたのですね!
双子の父親である先王とオフィーユが親友同士で、フォルクスがオフィーユの元に居る事とも何か関係がありそうなのですが、ここは描かれておらず。
もうちょっと詳しく読みたかったので残念。
全体的にすっきりとまとまっていて読みやすいファンタジー作品でした。
BL作品としてというよりも、お話として面白い作品ですね。
猫がお好きな方はぜひ!
ハーフエルフである主人公が、魔術を使って様々な事件を解決して行くと言うお話になります。
コミカライズ作品で先に存じ上げていて、今回オリジナルを初めて読んでみました。
で、こちら、バッサリ言っちゃうとBLでは無いですね。
一応、クール美人であるハーフエルフの主人公と、彼が大好きなワンコって感じの人間の青年の組み合わせではあるのですが、恋愛の機微ってのは一生懸命かき集めても1ミリ程度感じられるだけです。
もう一組、カップルらしき主従も出てきますが、こちらも本当にほんのり匂う程度です。
これ、これな。
そもそも、お話自体がふんわりなんですよね。
作者さんの中では彼等の長い長い物語と言うのが出来上がっていて、そこから構成の一部を切り出して描いたのがこの漫画との事で。
どおりで、最初から意味が分からない展開の連続なワケだと。
続きもので、途中から読んじゃったのかと思いましたもん。
また、なるべく優しい世界を目指したとの事で、そのせいで全体的に中途半端だと言われればごもっとも・・・ともおっしゃられてるんですよね。
いや、プロでお金をとってるんだから、そこは「おっしゃるとおり」と頷いてちゃダメでしょと。
いや、う~ん。
これね、BLとして出されてるんですよ。
そしてそれ以前に、商業作品なんですよ。
こう、エピソードを一つに絞って、きっちり主役二人のラブを描いて欲しいし、伏線は回収して欲しい。
主人公が掛けられている呪いだったり、彼の回想に出てきた「親友」の存在。
そのまま流されてて、めっちゃモヤモヤする。
めっちゃモヤモヤする!
イラストが大変美しい漫画家さんで、特に表情一つで艶っぽい雰囲気を醸し出して萌えさせてくれる、すごい画力の持ち主なのです。
でもその武器が、全然発揮されてないじゃないの・・・。
主人公、終始無表情じゃないの・・・。
彼がちょっと艶っぽい表情をすれば、そこで一気にBL寄りになっただろうに。
この回収されてないエピソードからも想像がつくように、ストーリー自体はとても面白い作品なんですよ。
もし、少女漫画として評価するなら、星4つにはなると思う。
でも、私はBLが読みたかったからなぁ。
えーと、あくまで好みの問題なので、ふんわり優しいファンタジーがお好きな方は楽しめる作品だと思います。
でも、BLとしてのラブや萌えが欲しい方には、ちょっと合わないんじゃないかなぁ。