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papa wa kiken na otoshigoro
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表紙が大人向けではない幼児向けイラストなので、今までのテーマを一掃するような作風変化があったのか!?と思ったのですが、そうじゃなかった。
高IQの頭脳妖怪のような幼児が大人を動かそうとしている、内容はしっかりBL.
不愛想バツイチ獣医×ほんわかやもめ絵本作家。
祖父母はヤクザ。
この二人を親に持つ天才5歳児の息子たち・神威/凛太郎の悪魔コンビが奮闘する恋愛騒動もの。
天才児の口調はイヌHKの名物キャラ チコちゃんと被る、ヤン風。
泣かせ所も有るギャクコメディ、笑い疲れるほど面白い。
子育てモノや、子供が活躍するお話が大好きです。なので、本屋さんで一目惚れして購入しました。初読み作家さんなので、内心ドキドキしたのですが…。
結論から言うと、面白くて大好きな作品になりました!!
とにかく、主人公のスーパー5歳児が可愛くて悶えました。NHKの〇コちゃん並みに大人顔負けでスゴいんですが、大好きなパパの前では可愛い子ぶるのもあざとくて堪りません。
そんな神威君が一目ぼれしたのが、転園してきた来夢君でした。5歳にして一生の相手と決めて(早いよ!笑)、そのコと幸せになれるように色々画策するのです。それがパパたちをくっ付ける大作戦だったのですが…。
最初はイヤな奴だった来夢パパだったのですが、段々と愛するパパを任せられる男だと神威君は確信してナイスアシストを繰り出します。それが上手なのと、このパパがホントにイイ男に育って、神威パパを溺愛して甘やかす様子にキュンキュンします。
もちろん、お子ちゃまたちの恋も可愛くて、将来が楽しみでニヤニヤしちゃいます。
パパと別離の泣けるシーンもあったり、親子の絆にホッコリしたり、大人たちの恋にキュンキュンしたりしながら、読後は幸せ気分に浸れました。また幸せ気分に浸りたい時に、読み返そうと思います。
息子×息子とパパ×パパ。
吉田珠姫先生にしては珍しく?癒やされるピュアで可愛らしいお話でした。
ママが亡くなりパパと2人暮らしの幼稚園児の神威くん。同い年で最愛の来夢くんと家族になりたいがためにパパ同士を結婚させてしまおうと企み奮闘する話です。
吉田珠姫先生は作品の幅が広くて、とんでもないゲテモノばかり書いてるイメージだったのですが、本作のような可愛らしいほのぼの作品まであるのですね。
相変わらず登場人物がぶっ飛んでますが。
冷静に「それは無理だろw」とツッコミを入れたくなるムチャクチャな展開もありましたが、それを含めて面白かったです。
パパ同士のラブラブっぷりを息子を通して見るというとんでも設定、美味しく仕上がっていて楽しめました。
作家買い。
吉田さんと言えば、エロエロ、あるいはドシリアス、執着もの。
そんなイメージが個人的には非常に強い作家さまです。が、見てください。この可愛らしい表紙を!
今作品はこの表紙のイメージと違うことのない、非常に可愛らしいお話でした。
離婚後息子を育てているイケメン・ハイスペックな動物病院院長の高円寺×妻に先立たれ男手一つで息子を育てている絵本作家の彩人、という、表紙からも推測できるように、今作品は子育てもののストーリーです。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は神威。
彼の毎日は、家の周りの点検から始まる。一緒に寝ている「彼」を起こさないようそっと起き、家の点検をし、「彼」の安全を確認するのが神威の日課。
「彼」とは彩人。神威の父親だ。
最愛の妻を事故で亡くし、以来絵本作家として日々生計を立てる彩人の懐事情は少々寂しい。諸事情により頼れる身内がいない彩人だが、彩人・神威親子は貧しくてもいつも幸せ。亡き妻、母を介し、彼らの間に愛情が満ちているから。
そんな神威は少々変わった少年。頭がよすぎて、中身は大人のそれなのだ。
それを知っていたのは、亡き母・龍子だけ。極道の家に育ち、男気と正義感にあふれた豪胆な彼女を、いつまでも彩人そして神威は愛し、心の拠り所にしている。龍子譲りの豪胆さと男気を持つ神威は、優しく綺麗な父親を溺愛し、今日も今日とて不穏な輩から父親を守るために日々奮闘している。
そんなある日、神威の通う幼稚園に一人の男の子が入ってくる。季節外れの転入生であるその少年・来夢に園児たちは興味津々だが、言葉を発せず、やられるがままになっている来夢を神威が助けたことで二人は急速に仲良くなる。
来夢が話せない理由、それは離婚後男手一つで来夢を育てている父親の凜太郎にあった。厳しく、愛情を向けることの無い父親からのストレスだと知った神威は凜太郎に直接抗議するが―。
というお話。
綺麗で、若干頼りないものの息子に深い愛情を注ぐ彩人。
ハイスペックかつイケメンだが、性格にやや難がある凜太郎。
同じ幼稚園に通う子を介し、父親同士が知り合い、そして恋に堕ちる。
そんなある意味王道のストーリー。
が。
今作品の面白いところは、今作品の視点が彩人の息子の神威である、というところなんです。神威は5歳の園児ですが、中身は非常にしっかりしていて大人のよう。名探偵のコ〇ンくんのような、と言えばお分かりいただけるでしょうか。彼の目を通して進んでいくストーリで、非常に斬新でした。
子どもたちが父親たちの恋のキューピッド役になる展開ですが、これがまた可愛いだけではない。神威が父親たちをくっつけようとする本当の理由は、来夢と常に一緒いたいから、なんですね。吉田作品はどす黒い執着心を持った攻めさんて多い気がしますが、今作品の腹黒さんは園児の神威。腹黒さんなのだけれど正義感を持ち合わせていて、さらに子どもならではの可愛らしさ(おもちゃにつられてしまうとか動物が好きとか)も兼ね備えていて、そのギャップが面白いのです。
神威と来夢もちゃんと両思いなので、彼らが成長した後のお話も読んでみたいな。
神威の祖父(龍子の父親)がヤクザもの、ということで若干シリアスになるシーンもありますが、それもちょびっとなので、終始甘く、優しく、そしてコミカルな展開で進む作品です。
吉田作品ではてんこ盛りのエロも、今作品は少なめ。正直、吉田さんが書かれたと知らずに読んだら吉田作品だと気づかないのではなかろうか。それほどまでに、既刊の吉田作品とは毛色が異なる作品でした。いつもの吉田作品を求めて手に取られる方には若干肩透かしを食う作品かもしれませんが、こんなほっこりな作品もなかなかいいなー、と思いつつ読破しました。