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erotic psycho
韓国の作家さんで初読みです。
スッキリしたシンプルな絵柄で好みは別れるかもしれませんが、読んでるうちに慣れるしストーリーに合っていてより魅力的に見えてきます。
そして韓国作家さんだけあり手や筋肉で魅せるのが上手い。
連続殺人鬼×事件の収集癖がある記者、というかなり攻めた組み合わせ。
どのキャラクターもパンチが効いていて魅力的ですが特に受けの造詣が他になくて新鮮でした。
この立ち位置になる人物は分かりやすく正義感に溢れてたり平凡だったりと、なるべく読者が感情移入しやすい設定なのがセオリー。
それを敢えて境界線の境にいるような人物造詣にしたことで読み手側も常に緊張感を持ちながら先の読めない展開を追うことに。
駆け引きや犯罪心理に踏み込んだ描写が万歳でサスペンスとして十分に読めます。
ところどころコミカルなシーンもあって(この作家さんのギャグツボりました)グロ要素はほぼないので苦手な方でも大丈夫かと。
BL要素もしっかり効いていて呑み込むはずが呑み込まれて受けに執着していく攻めの描写が堪りませんでした。
時折攻めの精神が幼なげなのが可愛くて可哀想で、でも怖い…
この作者さんにしか描けない世界観がしっかり築かれていて作品としての完成度が高いです。
気付いたら全巻買って読み終えてました。
特にクライマックス!容赦なく描かれる因果応報。
それぞれの傲慢さが招いた負の連鎖…しばらく登場人物に感情移入して切なさややるせなさを感じてしまいました。
ストーリー重視な方、攻めと受けの駆け引きが見たい方、今まで読んだことのないタイプの作品に触れたい方にお勧め。
決してハッピーエンドではないんですが、それを踏まえても多くの方に読んでもらいたい作品です。
個人的お気に入りキャラクターは班長!憎めない!
バッドエンド苦手な方はとってもご注意、でも良作品でもありますよというレビューです。
●サイコパスサンド…?三角関係
記者(サイコパス?)佐藤…悠が好き、神谷の次のターゲットになりそうな悠を守りたい
連続殺人事件の犯人(作家・サイコパス)神谷…矢印は佐藤に向けつつ佐藤が守ろうとする悠に嫉妬
神谷のカウンセラー(神谷に片思い中&佐藤と別れたり復縁したりな特別な存在)悠…神谷が好きで佐藤に嫉妬
えーとつまり
神谷→佐藤→悠→神谷
綺麗な直線ダナー
カップリング的には
1、神谷X佐藤(神谷からの矢印はあるけど佐藤は前半は情報をもらうため、中盤は悠を守るため、後半はだまし討ちで復讐するために抱かれている?神谷は毎度嬉しそうでワンコっぽさもあるのですが佐藤は淡々としてクールです。濡れ場に色っぽさはあまりないです)
2、佐藤X悠?(元々付き合っていたけど別れている…/悠は神谷X佐藤の肉体関係を知り嫉妬…涙)
<ネタバレ>
●哀しいけど誰の想いも叶わないんだなあ
悠…神谷に殺されてしまいます
神谷…佐藤に「嫌いだ」とはっきり突き付けられて報復されて死にます
でも作中の空気感というか、とてもアーティスティックで綺麗なんですよね
高尚な感じ?芸術的な感じ?
とても大人な作品で、良いと思います
全編通して静かな感じ
静かで美しい世界が好きな方、浸ってください
個人的にこういう作品、二次創作でキャラを幸せにしてあげたくなりますね
うわーん、幸せになってほしかった…でも綺麗なんだぁ…
Twitterでたまたま見かけて、最初は単話しかないし、1話の単価がとても高く、むー、と悩んでいたのですが、試し読みしたところで気になって仕方なくなり購入。5話くらいを過ぎるともう結末が気になって気になって、思い切って全話購入しました。けっこうなお値段…マンガの単価を超えている…。
全27話完結。主人公の新聞記者、佐藤と巷を騒がせている連続殺人事件の犯人、神谷がとあるきっかけで出会うところから物語は始まります。
佐藤の親友であり元恋人である、心理カウンセラーの村上から、自身が担当している患者(神谷)へインタビューをしてくれないか?と頼まれた佐藤。ここから佐藤と神谷の奇妙な関係が始まり、紆余曲折しながら、ラスト5話くらいから最後の結末までは怒涛の展開です。
サスペンスものなので、ネタバレせずに感想を書きます。読んでるとどんどん惹き込まれていき、どんな結末になるのか気になって仕方なくなるので、ぜひご自身で読んで確かめていただいたほうが良いと思います。
主人公の佐藤は犯罪事件を調べ、その資料を大量に保管しているというかなりの変わり者。何を考えてるのかよくわからないし、いつでも冷静でほとんど感情を表に出すことがありません。村上から自分の患者がもしかしたら連続殺人犯かもしれない、という話を聞き、インタビューをしてほしいと頼まれたとき、そこまで患者に入れ込む村上を心配しながらも、佐藤は自分の興味を掻き立てられ、それを受諾します。
連続殺人犯の神谷は、ガチなサイコパス。自分の中で殺人における一定の法則性があり、佐藤からのインタビューを受けながら、佐藤との会話や時間を楽しみます。そして、インタビューを受けるかわりに、佐藤にセックスをするよう迫ります。神谷は物語が進む中で、佐藤に強烈に惹かれていきます。
まずこの佐藤のキャラクターがものすごく作り込まれていてすごい。仄暗く何を考えてるのかまったく読めない虚ろな目をしていて、抜群に頭がよく、話の途中では、佐藤の狂気とか出てくるのかな?とか考えてしまうほど、不気味で冷静なんです。インタビューを引き受けたのも抑制し難い興味本位であったし、佐藤自身もどっちに転ぶかわからないような人です。
ただし、人間的な感情がないわけではなく、物事の判断能力や人をコントロールする能力には長けていて、物語の中盤くらいからは、神谷との関係をどうしていくのか、いろいろな策を巡らせます。
そして、佐藤はガタイもガッチリでムキムキなんですけど、受なんですよね!一見、金髪で美形の神谷が受っぽく見えるんですけど、神谷が攻なんです。このギャップもとても良き!!エロシーンとかはかなりあっさり描かれているんですけど、神谷との淡々としながらも、ときに熱いセックスシーンでは、佐藤の色気が半端ないです。
神谷は絵に書いたようなサイコパスなんですけど、可愛らしい描写も多くて、普通にしてるときに垣間見せる狂気じみた表情なんかは、怖…と思いました。目が笑ってないというか。そういった不気味さはとてもよく描かれていて、佐藤と神谷のやりとりに目が離せませんでした。
そしてなんと言ってもこの作品は会話が秀逸なんです!!佐藤って神谷に対してまったく情に絆されるみたいな描写がないんですよね。淡々と一定の距離を保った会話。でも、話が進むに従って意識的に神谷への対応を変化させたりするのですが、熱くもなく、かと言って冷たすぎず、もう、ほんと、よくあんな台詞考えつくなーって思うほど、特に佐藤の会話はめちゃくちゃ考えられていて、脱帽。佐藤の的確な指摘と冷静な分析、絆されていないけど、流してもいない神谷との駆け引きめいた会話。会話ひとつひとつがとても意味深だし、それぞれのキャラクターの性格がはっきり出ていて、とても明確なんです。
私は佐藤と神谷がベッドで交わす駆け引きのような会話や、神谷の様子を見計らって、佐藤が絶妙なタイミングで神谷と会って交わす会話がとても好きでした。コマが大割なので、細かい表情とか躍動感みたいなのを細かいコマ割りで見ていく感じではないのですが、もうこの会話ひとつひとつがミステリアスで、意味深で、物語の世界にどっぷりハマりました。とにかく秀逸で素晴らしい。
中盤、少し中だるみっぽくなったようなところはありましたが、後半はけっこう怒涛な展開で、もう、気になって気になって、途中で読むのを止めることができずにあっという間に最後まで読んでしまいました。
かなり本格的なサイコサスペンスだと思うし、普通のBLって感じでは全然ないし(たまたま男性同士のセックスシーンがあるだけ、みたいな感じ)、そもそも、ラブなのか…?って感じだし(笑)でも、ストーリーの完成度としてはかなり高いと思います。絵は好みが分かれるかなぁと。私もそこまで好きな感じではなかったのですが、ストーリーが重厚なので、まったく気にせず読めました。ストーリー重視の作品を探している方にはオススメです。とにかく、ネックは値段ですが、それを引いてもとても面白く、ハラハラドキドキもさせてもらえたので、気になっている方は、ぜひ読んでいただきたいです!!