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孤高の竜騎士×竜を惹きつける体質の青年の、ファンタジーラブ
ryukishi wa saiai wo sasageru
作者さんのデビュー2作目になります。
デビュー作がどストライクだった為、新作も楽しみにしてました。
で、前作でも、そのしっかりしたストーリーに唸らされましたが、今回もかなり面白かったです。
いや、設定がすごく萌える上に、後半で明かされる驚きの事実と、まさにどんでん返し。
また、山場での起死回生が痛快でしたよ。
いや、攻めが愛に血迷っちゃって、無謀な行動に出たんだとばかり思ってたから。
やるな!って感じで。
ちなみに、これまた前作でも溺愛が楽しかったんですけど、今作では更にパワーアップしてました。
攻めの溺愛っぷりが半端ないよー!
受けにもうメロメロでして、彼は常に理性との戦いを強いられてるんですよね。
好きすぎて、ちょい情けない事にもなってるし。
どうも、プロットの段階ではもっと暴走してたらしくて、担当さんから「攻めを!もっと!かっこよく!!」との叱咤激励が入ったらしいです。
そっちの攻めもちょっと読んで見たかったけど。
ザックリした内容です。
竜を惹き付ける匂いを持ち、「竜殺し」と呼ばれる一族のリク。
病の母親を助ける為に、竜狩りに加担するんですね。
しかし、捕まった竜が傷つく姿を見て罪悪感にかられた彼は、竜の国に助けを呼びに行く事に。
そこで出会った騎士団隊長・アルヴィンとの時間に安らぎを覚えますが、自分が竜殺しの一族だと告白する事が出来ずー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤は超甘々&ほのぼのから。
竜の国・エルレアルに来たばかりのリクですが、危ない所を大きな青い竜に助けてもらうんですね。
で、実はこの青い竜ですが、アルヴィンでして。
これ、他国の人間に竜が人にもなれると言う秘密を知られるワケには行かないアルヴィンは、この事実を隠してただの人間としてリクに接するんですよね。
ところがところが、リクは竜を惹き付ける甘い匂いを発している・・・。
こちら、アルヴィンとリクの両視点で進みます。
騎士団隊長としてリクの面倒を見るアルヴィンですが、リクの真っ直ぐな所、勇気がある所、抱えている寂しさ。
そういう全てのものに惹かれるんですよね。
まぁそんなワケで、彼がリクのそばでデレデレとヤニ下がったり、匂いに欲情しちゃって理性を総動員させてたりするエピソードなんかがこれでもかと綴られ、読者は読んでて楽しくて仕方なかったりする感じでしょうか。
いや、一緒に竜に乗れば股間を固くしちゃってそそくさと姿を消し、「時間をとらせてすまなかった。ちょっと緊急に処理する事があった(キリッ」みたいな。
もう、格好よくしてもらってこれって、前はどんだけ暴走してたんだよ!と。
彼はですね、堅物の隊長って感じなんですけど、妙な可愛さがあって応援したくなっちゃうんですよ。
恥ずかしそうに「外国の姫(←リク事を言ってるつもり)を守る騎士に、ずっと憧れてた」とか言い出して、リクを大笑いさせたり。
おいおい、隊長、可愛いな!って感じで。
また、リクの母親ですが、竜殺しの一族のみがかかる病により、亡くなっています。
その病を癒すには竜の血が必要であり、その為に竜狩りに加担したんですよね。
ところが、逃がした竜と共に戻ると、既に母親は事切れていた・・・。
自分のした事に強い後悔を持ち、深く傷ついているリク。
そんなリクの痛みをそのまま受け止めて、そっと寄り添うアルヴィンが格好いいのです。
と、こんな日々を過ごすうちに、アルヴィンに惹かれてゆくリク。
しかし、自分が竜殺しの一族であり、一族が自分達の体質を利用して竜を狩っていた事をアルヴィンに知られてしまうんですね。
更に、竜殺しの一族の、意外な真実が分かり・・・と続きます。
えーと、竜殺しの一族ですが、懸賞金扱いの罪人なんですよね。
ところが、ここでどんでん返し。
悲しい真実が分かる。
また、竜であり弟が竜狩りで捕まっているアルヴィンにとって、リクの隠していた事実は耐え難いものだった。
そして、自分がリクに惹かれる事自体がただの本能なのかと、強い怒りや混乱を覚える。
スレ違いです。
これ、両者の気持ちが分かるだけに切ないです。
ただですね、ここでアルヴィンの出す答えが、めちゃくちゃ格好いいのです!
そう、なぜ好きかなんて、重要では無いのです。
一番大事なのは、共に居られて幸せかどうかなのです!
その体質も含めて、全てがリクなのです!!
格好いいよ!
アルヴィン、めちゃくちゃ格好いいよ!!
他、竜狩りに絡んだ驚きの事実だったりと、まだ隠し球がありますよ~。
リクのピンチに、またまたアルヴィンが格好よすぎる姿を見せてくれますよー!
いや、アルヴィンがヤケになっちゃったかと心配したんですけど、ネタバレでニヤリとさせてくれて。
まぁそんなワケで、ファンタジーがお好きな方はぜひ。
特にファンタジーが好きじゃ無くても、溺愛攻めがお好きな方はぜひ!
今回は騎士団隊長と竜を惹きつける「竜殺し」の一族の青年のお話です。
竜狩りで負傷した竜を助けるために竜の国を目指した受様が、攻様との
出会い、自らの出自と恋と幸せを掴むまで。
受様の一族は竜の国から懸賞金を掛けられている「竜殺し」の一族です。
母の昔語によると一族は竜と仲良く暮らしていましたが、ある時仲違い
して国を出たのです。以来国を持たずに様々な地を渡り歩いく一族とな
ります。
一族には彼らだけが罹患する病があり、父が罹患した事で親子はある森
に定住することになります。やがて父が亡くなり、数年後母も病に倒れ
ます。受様は母の話から竜の血がいいらしいと知り奔走しますが、やっ
と見つけた闇市でもそれはとても高価なものでした。
受様は事情を知った店主から竜狩りを紹介されます。国外なら狩りが認
められているという彼らの言を信じた受様は竜を狩る囮となる事で竜の
血を得ようとします。受様の一族は竜に好かれる体でもあったのです。
竜狩り達は子供の竜を囲っているらしく、近頃森に現れている青い竜を
狙っていました。受様を囮とした作戦は上手くいき、件の竜は捕まりま
すが、逃げないように翼の根元を傷つけられ鎖に繋がれる姿に受様は母
のためとはいえ胸が痛みます。
夜中に龍の様子を見に行くとなんと龍は言葉を発して受様を責め立てま
す。しかし受様の母の事を知ると彼も弟を探しに来たと言い、自分の血
をやるから逃げるのを手伝えと受様の助力を求めるのです。
受様達はなんとか森の家まで辿り着きますが、受様の母は既に鬼籍の人
となっていて、竜も傷が開いてしまいます。そこで受様は竜の助け手を
求めて竜の国エルレアルに行く事にします。
受様は今度こそ助けたいとなんとか国境に辿り着きますが、賞金首の受
様には自身の証明書はなく、頼みの綱は竜に託された金のプレートだけ
でした。しかし、楼門で竜が頼れといった騎士団隊長の名を告げると、
怪しまれて塔の小部屋で尋問さてしまうのです。
挙句に竜を惹きつける体臭とこの国では珍しい容姿から受様は身の危険
を感じる事態に陥り、塔の窓から逃げ出す羽目になります。終には隊長
の目に留まればと堀に落ちる覚悟までしますが、青い竜に助けられる事
となります。
その竜は森で待つ竜と同じ理性的な目をしていた事から、受様は自分が
来た理由と第5部隊の隊長を探している事を訴えます。思った通りその竜
も言葉を話す竜で、間もなく受様は探していた人物と対面する事ができ
ました。人こそが今回の攻様になります♪
実は攻様は受様を助けた青い竜で、受様が関わった竜は攻様の弟でもあ
りました。エアリアルの竜は人に変化できる竜と、知能は低く竜体のま
ま一生を過ごす竜がいるのです。エアリアルでは竜については厳しい
守秘義務があり、攻様は受様に自分が竜だという事ができません。
受様は竜狩りに加わった経緯を悔恨と共に語り、竜を匿う場所まで案内
すると申し出ますが、エルレアルは外国人の出入国を厳しく制限してい
て、攻様の弟の為に捜索隊が組織され、受様は騎士団の保護下に置かれ
る事になります。
果たして攻様は弟達を無事に取り戻すことができるのか!?
そして「竜殺し」の一族である受様の運命は如何に!?
佐竹さんの2作目は人間に変化する竜と竜を惑わす一族の青年の恋を
描いたもふもふ(!?)ファンタジーになります♪
前作のデビュー作も独特な設定の世界観としっかり読ませる構成でたい
へん楽しく読ませて頂いたのですが、本作も物語としてはキャラも展開
も王道路線ぽいのですが、独創的な世界感で不思議設定も説得力があり、
違和感がなく楽しく読ませて頂きました。
物語は受様視点と攻様視点で進むのですが、攻様は変化した竜体をべた
褒めしたり、竜を惹きつける匂いで無意識に攻様を煽ったりする受様か
ら目が離せません。
しかも受様の自覚はない匂いは攻様ばかりか、護衛の若手や竜体しかと
れない竜も惹きつけるので、攻様は受様に出会って以来、受様への溺愛
とヤキモキが止まりません♡
そして受様がエアリアル国に入国した事で、今まで間違って流布してい
た一族が賞金を掛けられていている理由や竜狩り達の背後に人に変化で
きる竜を求める人物がいる事が徐々に明らかになっていく怒涛の展開に
頁を繰る手も止まりません!!
2人がお互いの手を取るまで正にジェットコースター並みのアップダウン
でハラハラ&ドキドキ、とっても面白かったです (^O^)/
ファンタジーの世界設定は世界観がしっかりしていないと引っかかった
分だけワクワク感が目減りすることが多いのですが、トンデモ設定でも
キチンと理由付されていれば、多少強引な設定や展開でもそれが世界の
既定路線だと違和感少なく納得できます。
本作も人になれる竜の誕生方法はかなりトンデモな設定だなと思いまし
たが、物事は多くの側面を持ち、それらは見る人によって見る側面によ
って様々に変わると言うのが本作のテーマの一つでもありました。そう
いう意味でも魅せる作家さんだなと思います。
次作も楽しみにしています♪
初読み作家さまでした。
作家さまのオリジナリティ溢れる設定が散りばめられていて、とっっても面白かった!
良いファンタジーBLを読ませて頂きました。
竜が住まう国の騎士団隊長×竜を惹きつけてやまない香りを持つ一族の青年という組み合わせの今作。
全体的に甘々な雰囲気のまま、ラブあり、ほのぼのあり、後半からの怒涛の展開ありと、盛り沢山の内容なのですが、テンポも良くストーリーがしっかりしているのでサクサクと楽しく読めるかと思います。
ファンタジーや溺愛攻めがお好きな方におすすめしたい1作です。
あらすじは割愛し、読後の感想を。
あまり人と関わらず純粋なまま育ったせいか、たどたどしい言葉で無自覚のどストレート豪速球褒め殺しをするリクと、そんなリクにベタ惚れしてしまい、常に理性との闘いを強いられているアルヴィンの姿がなんとも言えずクスっとなりました。
目の前に本人(竜)が居るとは知らず、竜になった姿のアルヴィンをべた褒めするリクに悶絶しているシーンがとんでもなく可愛らしくて大好きです。
このシーン、挿絵もとっても可愛いんですよ〜!
両視点で綴られている中で、噛み合っているようで噛み合っていない2人のやり取りが本当に面白くって。
徐々に関係を深めて行く純情な2人の恋の行方に終始和ませてもらいました。
今作は受けのリクも一生懸命な頑張り屋で大変可愛らしいのですが、個人的には攻めのアルヴィンが…!
真面目でかっこよくて頼れるスパダリ系の攻めなのかな?と思いきや、リクが好き過ぎるあまりに褒められる度に照れて悶えたり、竜に乗っての移動中にリクの香りに酔ってしまい、あたふたと誤魔化しながら颯爽と森に消えて自身を慰めに行ったり…(笑)
草食ゆえに大きな体で小さな実をちまちま食べたり、見た目と肩書きとのギャップがなんだかたまらない。
ちょっぴり情けなくも可愛く、思わず応援したくなるような攻めでした。
甘々に甘々で甘々な感じで進んでいた中で、アルヴィンがリクに暴言を吐いてしまうシーンがあるのですが、そこだけ少し気になってしまって…
けれど、これまでの姿を挽回するかの如くかっこいいシーンもありましたし、ちゃんと己の非を認めて謝れる攻めだったので良かった。
この一連の出来事をきっかけに、ユニノの民への誤解も解け、エルレアル国に少しずつではありますが変化が訪れます。
これから先、どちらの種族も搾取される事なく、自由で平等に暮らせるような改革がされると良いなと思います。
そして、子供の作り方が斬新で驚きました。
お魚的な感じなのでしょうかね…?!
子沢山になったようですし、これは今後の2人も気になるところです。
続編があればとても嬉しい。
ところで、鎧に見えていたものは鱗だったという事は…
アルヴィンはずっと全裸だったのでしょうか…?
気になって眠れません…
リクの秘密は「竜殺し」。
アルヴィン達が、リクの臭いに反応していることに、気付かない。
リクの匂いに反応するアルヴィン達と 無自覚なリクの様子を描いた場面が面白かった。
---世界観設定---
●「竜殺し」:懸賞金付き、伝説の「龍を惑わす妖精」の末裔
一族特融の熱病の薬は「竜の血」
リク:22才 黒髪 妖精風の美貌 竜殺し
捕縛を避けて仲間と各地を移動、両親の発病で森の奥に定着
母の為に竜狩りに参加。狩りの最中に母は孤独死
自分のせいで捕獲された竜のビリエルを助ける為、アルヴィンを探しに行く
アルヴィン:26才 エルレアル共和国の騎士団長
リクが一目惚れした「かっこいい青い竜」
「竜殺し」と知らずリクを保護する
●竜は「金の神殿」で誕生・・魚の産卵と似た感じ。
種族別にエルレアル国を警護
ブルードレイク 南部のグラース森林
レッドドレイク 北東の砂漠地帯
ゴールドドレイク 首都メリン
ワイバーン グウイン州の自警団
・・儀式を介さない竜は、人語で会話できない
二日前に佐竹笙先生の『有翼の騎士の一途な求愛』を読んでどハマりし、先生の作品をまとめて購入( *´꒳`* )
あらすじは他の方が丁寧に書いてくださっているので、内容絡めた感想のみを書きます。
こちらの作品は竜の出てくるお話。
ラブに細かな設定や陰謀、策略が絡み合った、壮大なストーリー!
広げられた風呂敷が徐々に徐々に、しかし綺麗に回収されていくのは本当に見事、としか言いようがなく…!
(ただ、風呂敷が思ったより大きくて自分の理解が追いつかず、何度か読み直したり設定を確認し直したりした部分もあります;)
なんといってもですね。攻めのアルヴィンの魅力よ!✨
もうね、もうね、攻めが受けの可愛さ・匂いに負けまいと葛藤する様子とか、半分以上負けてて文字どおり”とろ〜ん”となっちゃってるのが、ツボに入りすぎて萌えすぎて、深夜に一人心の中でジタバタしました。
本当にめちゃくちゃ笑えます。…………あ、ちゃんとかっこいいです。(念のため)
もうリクのことが好きになっちゃって好きすぎて、褒め言葉がおかしなことに。
詩人のように褒め称え、鈍いリクには「騎士は詩の素養もないとだめなんだなあ」とか思われてます。笑
これ、激萌え設定なのが、リクが”竜を惹きつけてやまない香りを持つ一族”だということ。
リクのことを好きになるも、それは一体、竜の本能からくるものなのか?
自分の想いは、香りに群がる他の竜たちと同じなのではないか?
と悩むアルヴィン。
モテモテ状態のリク(デニスには「ぺろぺろちゅばちゅぱしたぁい」とか変態めいたこと言われてて笑った〜!)を他の竜たちから引き剥がし、なんとか自分の好意を伝えようとあれこれ頑張る姿に萌え転がっちゃいました。
そしてラブ面以外にも、ずっしり、重厚なテーマが。
-自分たちが生き延びるために、他民族の自由を奪い、犠牲にするのは許されるのか?
……なんだか、現実世界で今まさに起こっている紛争のことを想起させられるなあと。。(悲)
現実世界の問題は解決の糸口さえ見えない闇ですが、こちらの作品では希望の光を見ることができ、救われた思いがしました。
神評価と本当に本当に迷ったんですが、、、
受けの魅力、という点で「有翼の〜」ほどではなく、”(肉体的/精神的に)戦う受け・強い受け”君が好きな私にはちょーーーっとだけ物足りなかった。
あとね、リクが隠していた事実を知り激昂してリクに酷い言葉を浴びせる攻め様も、(仕方ない状況とはいえ)変わりっぷりが恐ろしくて勝手にガッカリしちゃった、というのもあり。
神寄り…の「萌え2」とさせていただきました。
固有名詞やからくりやしくみや背景や設定やら難しくて覚えられないし、毎回混乱するし、え?結局どうなんだっけ?となったり。わかったようなわからないような…。
アルヴィンがリクにメロメロで匂いに引き寄せられたり、リクに竜姿の自分のことを褒められ照れたり。
リクも友人もおらず両親としかほとんど話をしたことがなかったのに、どんどん饒舌になっていき。
リクの一族の扱われ方や竜殺しの一族の由来、竜狩りなど色々ありましたが、アルヴィンがリクの匂いや容姿だけじゃなくリクだから好きなのだとはっきりしたのが良かったです。
なんだか二人のキャラが安定してなかったような気もするんですが…。
エッチの前口上でのアルヴィンの言うことが、そんな男前なのになんてこと言ってるの!と笑えました。
竜に好かれる体質を利用した囮として竜狩りに参加したリク(受け)は自分に惹かれてやってきた竜が捕まったのを後悔し、人間の言葉を話す竜ビリエルを助けるために竜の故郷エルレアルへやって来ます。
ビリエルに頼るようにと言われた騎士アルヴィン(攻め)に会い、事情を説明すると救出部隊を出してもらうことになり、見つかるまでエルレアルで一室に軟禁されます。
1番世話をしてくれるのは隊長アルヴィンです。
保護していた家からいなくなっていたビリエルを探すのに時間がかかっている間に絵本や絵の具を用意してもらい充実した毎日を過ごします。
リクは竜が好む匂いを出すユニノの民と言われる一族ですが、固有スキルとして一度見たものを記憶する能力を持っており、この異質な能力を一族から気味悪がられ遠巻きにされていました。そのうち父親が一族特有の病気になり儚くなり、いままた母親が同じ病気にかかります。薬になるのは竜の血。竜の血を探すリクは竜狩りの手伝いをすることになるのです。
結局母親は助からなかったこともあり竜狩りに参加したことを後悔し、捕まった竜を逃そうとします。
外国人の出入国は厳しく制限されているはずなのに誘拐されてしまった竜のこと、ワイバーンの取引がひんんぱんにされていること、ユニノの一族が懸賞金がかけられている理由、謎がたくさんあるのですが、全てがつながっています。
かわいそうなのは何も知らなかったと思われる犯人の上司ですね。部下の不始末の責任は取らされるだろうし、いけすかないやつではありましたがちょっと気の毒の思いました。
元はと言えば繁殖の仕方の問題で国の在り方が一番の問題。
今回のことで国の在り方が変わることになりそうです。落ち着くまでにはまだまだかかると思いますが、これが竜にとってもユニノの民にとってもいいように変化していくとよいですね。
竜殺しの一族であるリクが騎士団隊長のアルヴィンに出会うところから始まります。
竜狩りに加担したリクが自身の罪を償おうと頑張る姿が健気で好感が持てました。
アルヴィンがリクの体質に惹かれたのではなく、リク自身に惹かれたのだと自覚するところは良かったです。
二人の恋の行方に国の行く末までついてくる壮大なお話でした。
しかし、竜狩りに捕らえられた竜を救うまでにかなりの日数がかかるので大丈夫なの?と心配になってしまいました。
アルヴィンがリクに酷いことを言ったのにリクがあっさりと許してしまうので、それで許せちゃうのかとモヤモヤが残ります。
子供がたくさん出来て幸せなハッピーエンドでしたが、これから内乱が起こらないよね?と気がかりです。
平和になった世界で仲良く暮らす二人が見たかったです。
キャラ設定やストーリー、凝ったエピソードなど、さすがと思わせる作品。ただ恋愛的な盛り上がりを打ち消すタイミングでの視点変更や、子供絡みのあれこれに引っかかるところがあり、あまり楽しめなかった。
メイン二人はとても好き。主人公のリクは言葉が拙く、セリフだけだと子供みたいな印象を受けるが、目的を果たすための行動と考えはしっかりしている。素直で鈍く、世間ずれしていないのは生い立ちから納得できる。
アルヴィンは出会った瞬間からリクに甘々。普段はお堅く厳しいらしいので、そういう姿とのギャップも見たかったが、リク視点だと常に甘々。褒め言葉のおかわりをねだったり、分かりやすく嫉妬したり、好きアピールが激しい。
だがリクの一族が同胞を殺していたと聞き、アルヴィンはリクを拒絶する。その時のセリフが「生理的に無理」は違和感。こういうときに使う言葉なのかな。
そしてリクが深く傷付いたこのタイミングでアルヴィン視点に移る。すぐにアルヴィンの気持ちが分かり、良く言えばストレスフリー。でもこういうアルヴィンの感情を知らないリクが何を考えどう過ごしているかの方が気になる。
ここまでずっとリクを追ってきたのだから、リクが一番辛いであろうときこそ様子を知りたかったし、気持ちにシンクロしたかった。
先にアルヴィンが出した答えを知ってしまうと、その後に語られるリクの心情を読んでも、リクと同じだけの辛さを感じられない。大丈夫なのが分かっているから、ハラハラもない。
ストーリー的に仕方なくても、せめて先にリクの心理描写を入れてからの視点変更とか、上手いやり方で描いて欲しかったと思う。
節々で思ったのは、知能の低い子も個性として社会で育てましょうっていうメッセージを入れ込んでいるのかな、ということ。たまに説教臭く感じるところもあり、ちょっと疲れた。たぶん読み返さない作品。
八千代先生挿絵目当てにget。むっとするところと気になるところがあるし王道捻り無し+でもイケメン竜は可愛いので萌より中立です。イケメンなのに照れて真っ赤になったりトロンとしちゃうのが可愛いかったし笑えた本編230P弱+あとがき。竜好きな方でしたら良いかも。
住んでいたサーディの森から、はるばるエルレアル共和国を訪れたリク。入国時に身分証を求められたので、ある竜から託された金のプレートを示し「ユールドベック」という名前を口に出した途端、怪しまれ詰問されます。問いただしていたはずの屈強な男が「いい匂いがする・・・」と擦り寄り、だんだん体中を触り始めたもんですから我慢できず、窓から飛び出したところ、宙を飛んでいた青い竜が空中で助けてくれて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
デニス(チャラ系騎士)、ガリュー(ワイバーンの子)、ベルマン(第三騎士団団長)、バーリ副隊長、セデーン(枢機卿)、エッベ(攻めの隊の副隊長)、ビリエル、ミーケル(竜の兄弟)ぐらい。
あと竜の種族が色々あるので記載。ブルードレイク(空飛ぶ、なんと草食!)、レッドドレイク(火竜)、ブラックドレイク(水竜)、ワイバーン(白い竜、小さめ飛竜)、ゴールドドレイク(?)
++以下内容に触れる感想
攻めが怒って受けに酷いことを言うシーンがありまして。
冷静イケメンで騎士団長だし、耳まで真っ赤になるという初心な反応したり、リクの匂いに中てられてよろめいているようなシーンがあって、可愛いなあああと思っていたのですが、そのシーンではすごく直情的に怒った言葉を投げつけていたので、うーんそこは好きじゃないと思ってしまったのです。
リクは人と接触する機会が少なかったからか、気持ちを隠すということなく、裏表なく・・・という感じ?良い子なんですけど今一つ性格がぴんとせず。裏に秘めているものがあるはずなのに、そっちは諦めているのかあまり気にせず、思うままにふるまっている・・・?なのかな。
猫のマタタビよろしく、リクの匂いにクラクラする竜ちゃんたちはとても可愛かったのですが、今一つ人物描写にすんなり馴染めなかったでした。はじめましての先生だったからかな。すいません、さらなる修行を積みます・・