この想いは慈愛か劣情か

紅椿

akatsubaki

紅椿
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神114
  • 萌×236
  • 萌21
  • 中立5
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
25
得点
782
評価数
181
平均
4.4 / 5
神率
63%
著者
三田六十 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
マージナルコミックス
発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN
9784575380576

あらすじ

孤独な青年・佐吉が拾ったのは鬼の赤子。アカと名付け育てるが、アカの将来を案じ山に戻す。しかし時が過ぎても心の中で燻る想いから、佐吉はアカを探しに山へ、そこで出会ったのは…。人と鬼の言葉の通じぬもどかしさと深まるふれあいを描いた人外BL草紙。

表題作紅椿

混血で疎外されている孤独な男
佐吉が拾った鬼の子

その他の収録作品

  • 二〇一九年十二月ー描き下ろしー

レビュー投稿数25

盛大に泣かされた(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

赤い髪に薄茶の瞳で鬼の子扱いされて生きてきた青年が、山に産み捨てられていた本物の鬼の子を拾って育てるお話。

ショタ鬼かわいー♡って萌えるつもりで買ったんです。
ところがいざ読んでみたらこれがもう心の琴線に触れまくるお話で、一読では読み終われなくて、昨日からノンストップで何度も読み返してしまいました。
LoveよりもAffection寄りのお話ですが、刺さる人にはきっと私のようにバカみたいに刺さるんじゃないだろうか。
解り合えないから、相手のことを尊重しようとするさまが歯がゆくて、やさしくて、何度も泣いてしまうお話でした。
※この先、後半部分にネタバレを含んでいるので未読の方はご注意ください。


このお話の心打たれるところは、鬼のアカに人の言葉が理解出来るようにはならないところだと思います。
鬼は鬼。鬼の子は人には決してならない。
なり得ないものにはなり得ないのだ、としっかり断言して、それを否定しないとてもやさしい物語が紡がれていきます。
やがてアカが人とは違う「食事」をしはじめた時、佐吉は10年育てたアカを鬼の住処である山に還すことにします。
「何を喰ったっていいんだぞ そのためにお前を自由にしたんだ」
佐吉のこの言葉が私にはどうしようもないくらいに胸の深いところまで刺さりました。

Affection寄りだと冒頭で書いたけど、アカの為を想って一度はアカと別れた佐吉がアカに会いたい気持ちを募らせていくくだりからはしっかりLoveのお話かなと思います。
会いたいと思い、ずっと一緒にいたいと望む。欲の愛。Loveでしょう。
佐吉はアカに伝えたい想いを言葉にして伝え、アカはそんな佐吉を静かにじっと見つめる。
途中で、あ、これは言葉ごと伝わったのかな?と思う描写があるのですよね。
「アカ 俺はお前の事を……」の先はきっとアカの耳にアカの言葉に変換されて届いたんじゃないかな。

この作品が描いているのは、言葉が通じない2人がどう解り合っていくかってことじゃなくて、相手が自分とは違うということをどう受け止め合えるか、だと私は思うのです。
アカが言葉を話せるようにならないというのは、あくまでも「アカは人にはならない」ってことを分かりやすくする為のもので、佐吉の気持ちがアカに伝わっているか伝わっていないかはさほど重要じゃなくて、言ってしまえばきっと概ねは伝わっていると思います。だって人と犬猫なんかもそうでしょう?
解らない相手を勝手に解った気にならない。自分の当たり前を押し付けない。そんな佐吉とアカが尊いです。

佐吉の愛は、自分とアカを繋いでいた紐を切ったことだと思います。

アカの愛は・・・


アカの愛は、待つことでした。
佐吉がアカとずっと一緒にいたいと望んだように、アカはアカでずっと佐吉と一緒に生きたかったけど、人と鬼じゃ寿命が違う。
自分の肉を佐吉に与えて不老不死にすることは出来るけど、それは人の佐吉にとって幸せなことだろうか。
佐吉が鬼のアカにとっての幸せを考えてくれたように、アカも考えてみる。
出た答えは「人の一生分待つこと」。

2人が一緒になれるまでの道のりにはシリアスなことがあり過ぎて、歯がゆくて仕方なかったです。
それでも描き下ろしの最後の一コマを見たらすべてが吹き飛びました。
幸せそうに生きている2人の笑顔が何よりです。

何度でも読みたくなる、尊い愛の物語でした。


本当はもっとアカへの萌えも叫びたかったけど、ストーリーに対して書きたいことが多過ぎて長くなってしまったので最後に一言だけ。
アカのツノはどうしてこの形にしようと思われたのかな。このツノが可愛くて仕方ないです。
裏表紙のアカもめちゃくちゃ可愛いなぁ♡

25

涙腺崩壊しました

マージナルは個人的に外れの無いレーベルで、今作品も綺麗な表紙と「マージナル」というレーベルに惹かれて購入しました。

これまたすごい作品だな、というのが読後の感想。

容赦なく、圧倒的な質量をもって心に食い込んでくる。
凄い。
凄い作品です。

紅い髪を持つことで、村から外れ人里は慣れた地で独りぼっちで暮らす佐吉。
そんな佐吉は、ある日赤子を見つける。
へその緒が付いたままで、今にも息絶えそうなその赤子の頭には角が生えていた―。

鬼の子であることから産み捨てられた子。
今にも消えそうな命。

自身の孤独とすり合わせ、どうしても放っておけなかった佐吉はその子を拾い、アカと名付け育て始める。

だが、いつまでたっても言葉を覚えず、カラスを喰らうその子の姿を見たときに、自分の手元に置いておくことがアカの幸せかわからなくなり、アカの手を放すことを決心するが。

佐吉が紅い髪を持っている理由。
独りぼっちで生きている理由。

まず、そこから涙が止まらない。
何も持たなかった佐吉が、唯一懐に入れた存在がアカだったわけで、そのアカの手を離すということがどれだけ佐吉を哀しませたかと思うとやり切れない。が、佐吉は、自分のため、ではなく、アカの幸せのために彼の手を離すことにした。深い愛情ゆえに。

けれど、佐吉の出征の秘密を村の老人から聞いた若者たちと、佐吉は心を通わし始めるのも、これまた良し。切ないとほっこりのバランスが絶妙でした。

で、今作品の主人公である「アカ」。
普通は、と言っていいのかな。
こういう展開の場合、アカは少しずつ言葉を覚えて、佐吉と仲良くなる、というのが定番の流れかと思いますが、今作品はその予想を大きく裏切り怒涛の展開を見せます。

アカはいつまでたっても言葉を話せない。
人の食事ができない。なぜなら、アカの食事は人間だからですね。

佐吉の葛藤と、孤独が、「アカ」という存在を介して読者に一気に流れ込んできます。

そして、一度は手を離したはずのアカへの愛情も。
言葉を理解することができないはずのアカの、佐吉への愛情も。

どんなに時が流れても、色あせることの無い二人の深い愛情に、最後涙腺が崩壊しました。二人寄り添い歩く姿は多くの腐女子の心を鷲掴みにすること請け合いです。

帯に、

この感情は親愛か、劣情か。

の一文があります。
紛れもなく愛情なのだと、私は声を大にして言いたい。

「人外」は数多くあれど、ここまで人外設定を上手に生かした作品もないと思います。人外がお好きな方はもちろん、あまり好きじゃないという方にこそ手に取ってほしい。

神を超えた神評価でした。

素晴らしい作品に出合えたことに感謝を込めて。

14

人外設定のシンドイところを抉られました。

人外モノを今まで楽しんできた者として
かなりシンドイところを抉られた気分でした。

私が今まで楽しんできた人外とは180度違う視点で、
種族がまったく違う現実に手が震えるほど切り込まれました。
そして抉る部分が容赦無くて読んでいる間中、辛かった。

それを踏まえても良い作品を読んだ充足感あってとても良かったです。
強く心に焼き付けられて、きっと私はこの作品を何年経っても忘れられないと思います。


先の姐様も書かれていますが、
この本のポイントは互いの言葉が通じない部分です。
2人は手探りで、目で、心で、感じ取っていくのです。

このお話は人間である佐吉(攻め)視点のお話で、
佐吉の言葉をアカ(受け)がどう捉えているかが全くわかりません。

佐吉は鬼の子を拾い、"人として"育てようとしました。
大切に慈しみ、食事も躾も人の子と同じように…。

里の人間から"バケモノ"と蔑まれ育った佐吉だから
人から愛されるよう、人に受け入れられるよう、願ったのかもしれません。
アカが自分と同じ扱いを受けないように守りたい気持ちが見えました。

けれどある日、里の者が家に押しかけてきてーーー。

アカを守りたかったのに、結局アカもバケモノ扱いされてしまった。
このとき佐吉の心がプツリと切れたように泣く姿。
佐吉に触れようとするけれど傷つけるのが怖くて躊躇するアカの涙。
これはもう涙腺崩壊でした。

人とは?鬼とは?
人の心とは?鬼の心とは?
佐吉が訴えかけてきます。

けれど救いもありました。
その一件をキッカケに差別心の少ない里の若者と交流が始まり、
アカが鬼の子と知っていても皆と仲良くする暮らしが始まるのですね。
佐吉が望んだ"人らしく"生きる幸せです。

けれどアカは鬼の子。人の子には到底なりえない。
その辺りを容赦無く突きつけてきます。

佐吉はアカのためを想い「山へ帰した」のか。
はたまたアカは再び「捨てられた」のか。
ここもキーポイントになってくるかと思います。
私は後者に感じてしまいすごく辛かったです。

アカの感情が言葉として表現されないのが非常に不安でした。
伝わるものもあるんですよ?でも言葉じゃないと伝わらないのも事実あるわけで。
これがもぅもどかしくてシンドイのですよ…!!!

そんでもって言葉が通じないだけじゃない。
佐吉とアカは本来被食者と捕食者なのです。
だから2度目の出会いはアカが佐吉を里へ帰したんだなと思いました。
と同時に、その時「山へ帰した」佐吉の気持ちが通じたのではないか…と。

最初は佐吉がアカを、次はアカが佐吉を。
言葉が通じなくても相手を想って同じ行動をするのが
とにかく心に刺さったと表現出来ない自分の語彙力が憎い。

言葉がなくても種族を越えていくのですよ…。
(みみみ。様の素晴らしいレビューに同意しかない)
(ウンウンと心でいいね連打しました(^///^)b)

ずっとアカの感情は言葉として紡がれることがなかったのですが、
最後の最後に聞くことができます。
ツライツライと何度も書きましたがちゃんとハッピーエンドですよ!

「言葉が通じたら言いたくてたまらない言葉があった」

この一言の余韻がとても良かったです。

13

人外の深さに感動、描き下ろしが秀逸です。

表題作と描き下ろし、人間×鬼のシリアス人外BL。
数ページでもカラーで見たかったと思うほど、豊かな色彩を想像させる素晴らしい作画です。
鬼は人にはなれない、言葉の通じない鬼と疎外されてきた人。
アカを慈しんで恋しがる佐吉の姿と、佐吉を待ち続ていたアカに胸がかきむしられ泣き通しでした。

分冊版の1話目からハマり最終話の紅椿ロス、
直ぐにコミックス発売されると知り、描き下ろしが読みたくて待ちきれなかったのですが、
これぞ描き下ろしの醍醐味と言わしめる内容で、三田先生のあとがきも胸に響く…
是非、コミックスで描き下ろしまで読んで欲しい作品です。

人を喰らう鬼が住むと言われる山で、村人から疎外され暮らす孤独な佐吉が、
紅い髪と眼をした鬼の赤子を拾いアカと名付けて育てる。
昔話の雰囲気で、孤独だった佐吉を癒す、ほのぼのさせる佐吉の子育て描写に愛しさが増します。

赤子のアカがおチビになり、村人にアカが見つかると二人共バケモノ呼ばわりされ、
泣く佐吉をどうにかしたいアカですが、
鬼の手で壊してしまうかもしれない手を見つめ、どうしていいか解らず泣くアカ。
二人で大泣きしているこの場面は、も~何度見ても泣く。

村人とも蟠りがなくなり10年の成長と共に、
言葉も通じぬ肉食の鬼は人にはなれないと突きつけられた現実。
鬼であるアカの幸せを想い、自由になれと山に帰す佐吉の心の強さに胸を打たれる。

それでも、7年経っても巡る季節の中で幻のアカを追い求めてしまう佐吉。
もしかしたらアカが戻るかもしれないと、ずっと山暮らしを続ける心情描写が繊細で、
恋しいアカの幻を追う、壊れかけている佐吉を見ているだけで涙が止まらない…。

村人と打ち解ける切っ掛けになった与助が、人と佐吉との繋がりで、
いつしか与助に息子が生まれ、成長する様子で佐吉とアカの年月が解る描写、
再会したアカとの蜜月で恋に浮かれた佐吉が、初雪から消えたアカを探しまわる。

言葉の通じない幼いアカは、成長してもずっと言葉が通じないまま、
それでも、何か伝えようとする佐吉を見つめるアカには、伝わってると感じさせる。
ずっと佐吉がアカを求めて続けて、成長したアカはフワフワ漂う幻想のようですが、
アカの強い愛を感じさせる描写で、後半は一気に畳みかけてくる迫力でした。

人の人生の短さや不老不死の概念も考えさせられる、
自分では想像もしなかった規格外な設定に救われました。
瞬間の燃えるような恋ではなく、慈愛から情愛へと育て長く愛し続ける…永遠の愛に近い二人。

三田六十先生の描く、柔らかい線で色気のある作画が大好きなんですが、
アカの儚げで透き通るような美しさに、うっとりし通しでした。
長い年月を感じさせる巡る季節、山の風景描写も美しくて素晴らしい。
肉を喰らう鬼で、血の赤が多い作品ですが、少しだけでもカラーで見たい。
それ位、内容と画が一体化した作品で、感動でずっと泣き通しでした。

そして、驚いたのが描き下ろしです。
タイトルを見てもしや…と思いましたが、そのもしや。
描き下ろしでまたひと味もふた味も違う作品に仕上がっています。

※Renta:修正はなし。解り難いトーン描写です。

10

優しい紅椿をありがとう

新しい人外BLをみた気がします。
今までの人外ものの概念を覆されました。

主人公は鬼と人間のハーフ・佐吉と鬼の紅(アカ)です。
鬼の赤子を拾い、紅と名付けて育てる佐吉。
何年経っても人の言葉を理解しない紅ですが、
ゆっくり「人間」に近付いていけばいいと思っています。

いずれ言葉を理解し、人間との共存につながっていくのだろう……と思いながら読んでいましたが、
私の固定概念はことごとく覆されました。

紅は言葉を理解せず、動物をとって食べるようになります。
「人間」らしさを求める事が紅の足枷となるなら……と、
紅を山に返す佐吉ですが、数年経っても紅の事が気になり遂には探しに出るのです。

久々に再会した紅は美しく、
二人は身体の関係にまで及びます。
佐吉が紅に魅せられていると思いました。

大人の鬼に襲われた佐吉を守って消えてしまう紅と、
紅からもらった命を全うする佐吉……

この物語は人と鬼の愛の物語です。
言葉が分からなくても種族が違っても、
愛する相手を分かりたいと思う気持ちは同じです。

愛する人のためなら自己犠牲も厭わないし、
いつまでだって待てる……
深愛、親愛、色々な意味の愛が詰まった物語です。
そして、ハッピーエンドです(言い切る!)

ラストはジンと目頭が熱くなるような、
何か込み上げてくるものがあります。
描き下ろし、あとがきまで含めて一つの作品です。

素晴らしい愛の物語、ぜひ沢山の方に読んでいただきたいです。
素敵な作品を、ありがとうございました。

9

性行為は必要だったのでしょうか?

読後感、これは神作品だと思いました。けれどどうしても一つだけ、ひっかかるところがあります。それはこの物語に性行為は必要だったのかというところ。
そう感じたのは、その描写が唐突に表れたからだと思います。

序盤、まだ赤ん坊だった時の鬼のアカを拾い、大切に愛情を込めて育てていたのが読み取れます。
ハブられていた佐吉にいろいろな要素が重なり心が溶かされていたところで突き付けられた、アカのどうしても人間にはなれないという現実。
そこから一度アカを手放してしまうも、忘れられず彼の幻影を追う佐吉。

再会後、アカと交流を交わすうちに、もしかしたらアカと共にいられるのかもと身体を重ねます。
この部分、正直???と疑問でいっぱいでした。
なぜ共にいられるかもしれないなら、性行為をするの?
この部分まで、佐吉の気持ちは愛情や執着だと思っていたので、急に劣情に変わりゾッとしました。

アカとは言葉も通じない、会話を交わすことができない。のにも関わらず身体を重ねる。
もっと他に方法はあったんじゃ...と思わずにはいられません。
最終的には会話ができるようになるんですから、そのときにすればよかったのでは?
ここだけが本当に受け入れられませんでした。
言葉が通じないからというところを加味しても、あまりにも人間側の勝手が過ぎると思うのです。

人外という分類について、ハッとさせられた作品であったのは間違いないですし、言葉が通じないからこそのもどかしさなどは伝わってきました。
どうしてもひっかかってしまうところはあるものの、それでもこれは神作品でした。

9

残酷で美しい作品

ものすごく美しい作品でした。
まるで椿と血の赤と雪の白が浮かび上がってくるかのように、色彩が感じられる画面。
残酷で切ないストーリー。
すごいものを見たな…という感想です。
書きたいことはたくさんの姐様方が書いてくださってるのですが…。

独りぼっちで生きてきた佐吉と鬼の子アカ。
言葉も通じず、性質も習性も違う者同士の、親子のような夫婦のような恋人のような、名前をつけるのが難しい関係。
親子愛、性愛、いろんなものにまみれた深い愛に欲情。
人と最低限の関わりしかなかった佐吉にとって、アカはすべての愛や欲を向けられるただ一つの存在だったのではないでしょうか。

形は人間に似ていても、人間に育てられても、アカは決して人間にはならない。
思考が言語化されない。
種の違いをキッパリはっきりと描いてくださった作者様に感謝です。

素晴らしいラストには、よかった〜!と胸を撫でおろしました。心地よく読了。
佐吉は人間としての一生はきちんと失ったものを失ったままで終える。
人生って本来そういうものだから、そこをきちんと描いてくださったのが本当によかった。

胸に大きな穴をあけられたまま、涙流したまま、どっぷりと悲しみの余韻に浸るラストもよかったかも…一読目はそんな気もしたんです。
でも、鬼ならではの救済ルートがあまりに幸せだったので、再読したら「やっぱりラストはこれしかない!」と思いました。

9

指切りがたまらない

読みながらとても引き込まれたし、涙もしたし、私の中で完全に神作品です。
あとがきを読んでから読み返してもなお一層泣けました。

アカの「ずっと伝えたかった」佐吉の「言いたくてたまらない言葉」
心は通じ合っていても、やはり言葉が通じての二人がたまらなく愛おしかったです。

雪山で一旦はアカを置いて行くという決断をした佐吉にも胸が締め付けられました。
アカによって救われた命を一緒に死ぬという選択で無下にしなかった事がうれしかったです。

7

あとがきにも注目でした。

綺麗な表紙にひかれて電子版を購入しました。お伽草子みたいな世界観も好きですし、繊細な絵柄と、引き込まれるストーリー、非常に情緒のある作品でした。

皆様のレビューにもありますが、鬼のアカが言葉を理解せず、あくまで鬼のまま、というのが思いもよらぬ展開でした。中盤、佐吉がアカと再会して関係を持つと、アカへの執着が止まらなくなって、村人が止めても山に入っていく佐吉の様子のあたりはドキドキして、どうなるの~!と心配したんですが…作者さまのあとがきを読んでからまた読むと、別の感慨を覚えます。鬼のアカを不気味なものと捉えるか、美しさに魅せられて喰われるのか、それとも…?ハピエン好きのわたしは結末も描き下ろしも大好きです。

6

鬼美しい

寿命違いに問答無用で萌えてしまうので、人外系には評価が甘くなりがちなんですが、これはちょっと難しかった。
佐吉の、自分で拾って育てたアカへの、一貫性があるようでないような様々な気持ちも、どうしようもなく魅入られてしまったことへの葛藤も、絵として描かれたアカの美しさ、この一点ですべてが納得させられてしまう。
言葉では通じ合えないアカに、言葉でわかり合うことができないからこそ、アカの美しさに魅入られるように溺れていく。
そしてアカにも、言葉では伝えられなくても、佐吉への思いがあって、、。
色々端折られていてツッコミどころはままあるのですが、、、アカの美しさに降参して神です。

6

この作品が収納されている本棚

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