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妖精はふたたび、愛しい海賊の運命を狂わせる
Changeling
妖精の取り替え子「チェンジリング」をテーマとした、海洋ファンタジーで壮大な愛の物語です。
ヨーロッパの民話で、ケルト神話の世界です。
ところで、沙野先生と言うと、受けがわりかし酷い目に遭うイメージなんですけど。
今回の受けも、いつもに負けず劣らず酷い目に遭ってます。
精神的にも、肉体的にも、痛い痛い。
攻めと受けの両視点で進む為、彼の真意と言うのは早々に分かるのです。
もう、切ない・・・!
めちゃくちゃ切ない!!
いや、ここまで過酷な運命を背負わさなくても・・・!!
と、受け贔屓の私は悶えちゃいましたよ。
内容ですが、「海の冥王」と恐れられる海賊・ゼイン×妖精の取り替え子で「災いの預言者」ルカによる、チェンジリングをテーマとした壮大なファンタジーです。
妖精の取り替え子として協会で暮らすルカ。
そんな彼の唯一の友達・ゼインは、ルカの策略により追放の身となります。
そして11年後ー。
海賊となったゼインは、無惨な遺体が転がる商船でルカと再会しー・・・と言うものです。
まずこちら、黒髪で生まれた子供は「妖精の取り替え子」として協会で育てられると言う設定になるんですね。
で、その中でも、災いを予言するため「災いの予言者」と言われ、周囲から疎まれていたルカ。
そして、そんな彼と唯一友情を築いていた少年・ゼイン。
二人は確かに心を通わせていたのに、ルカが大司教に「ゼインから乱暴をされた」と嘘をついたため、ゼインは追放の憂き目にあってしまう。
また、「海の冥王」と世界に名を馳せる海賊となったゼインと、海商として船を与えられ、航海に出ていたルカとの再会ー。
ゼインですが、自分を裏切り陥れたルカに、強い憎しみを抱いているんですね。
その為、再会した後は、海賊船に監禁して凌辱しと、その憎しみをルカにぶつける。
で、そんなゼインに対して、従順に振る舞いつつも更に憎しみを煽るような言動を繰り返すルカ。
一体、ルカの真の狙いは?
そして、幼い頃のあたたかい関係から、ねじまがってしまった二人の運命はー?
と言うのが、作品の見処になるんじゃないでしょうか。
繰り返しになりますが、こちら両視点で語られる為、ルカの真意と言うのは早々に分かるのです。
これが、めちゃくちゃ切ない!
彼には実は、とある使命があり、その為に悪者にならざるを得ないんですよね。
また、性的に搾取されと、痛々しい彼の過去。
いや、ここまで不憫な受けって、なかなか居ないよ!?と。
それなのに、ただただ目的に向かって前に進み続けと、めっちゃ痛々しいよ!?と。
と、ここから、ルカを痛め続ける事が出来ず、態度を軟化させて行くゼイン。
二人の間には、つかの間の優しい空気が漂ようんですね。
そんな中、強大な威力を誇る大砲を備え、立ちはだかる海軍。
ルカはゼインに、とある提案をし・・・と続きます。
これ、面白いのがですね、かなり終盤になるまで、ルカの真の狙いと言うのが分からない所だと思うんですけど。
いや、ルカの行動と言うのは、本当に裏切りとしか思えないものばかりなんですよ。
彼のゼインへの想いが分かっていても、何故こんな行動をずる必要があるの?と、読者も振り回されるんですよね。
また、ルカの狙いが明かされると、今度は彼の一途さに強く心を打たれちゃうんですよね。
くっ、一人でこれだけのものを背負ってきたって・・・!
そして、彼がこの運命を選んだ本当の理由に、思わずホロリとしてしまう。
切ないなぁ。
運命って、過酷だよなぁと。
とまぁ、かなり切ないお話ではあるんですけど、その分ラストは感無量だったりします。
ところで、裏テーマが「萎え萌え」。
えーと、性的に虐待を受けていたルカはですね、エッチ時にチ○コが反応せず、萎えたままなのです。
そう、要はうしろでしかイケない!
その事実を知らないゼインにですね、散々責めたてられちゃうと言う。
ここ、楽しいです。
沙野さん×奈良さん、という神コンビゆえ読む前からテンションMAXで発売を心待ちにしていました。
沙野作品はここ最近ずっと新刊が出ている気がしますが、このペースで刊行されていて、しかもそのどれもが素晴らしい神作品。単純にすごい才能だなと感心します。その神作品を享受できて、私は幸せです☆
沙野さんはファンタジーものも多く書かれますが、新刊もファンタジーもの。これが、もうたまらん世界観を紡ぎだしている作品で、萌えが上がり切って降りてきません。
さて、今作品は「チェンジリング」。
妖精が人の子をさらい、その代わりに妖精の子を置いていく、というヨーロッパ民謡がバックボーンになったお話です。
主人公はゼイン。
かつて住んでいた地を追われ、今は「海の冥王」と呼ばれる海賊。荒くれ物の海賊たちを束ね、日々命を懸けて生きている。
そんなゼインはある日、破壊されつくした船を見つける。その中にひっそりと佇んでいたのは、かつて自分を陥れた「災いの預言者」・ルカで―。
というお話。
人の子を浚い、その代わりに妖精の子を置いていく。
人の子は金髪碧眼であるのに対し、妖精の子は黒髪を持つ。そのため誰が「取り替え子」か一目でわかる。ゆえに取り替え子は迫害されてきたが、大司教が変わったことで彼らは普通に生活できるようになる。
ゼインは教会に行くたびに複数の取り替え子たちと出会うが、中でもルカという取り替え子にひどく惹かれてしまう。ルカは予言をするが、そのどれもが不吉。そしてその予言通りに事が進んでいってしまうことから「災いの預言者」と呼ばれ人々から避けられていた。
が、ふとしたことがきっかけで、彼らは友人になり、ともに行動することも多くなるけれど。
ある日、ルカの虚言によってゼインは国を追われ、陸では生きていけず海に出た。辛酸を味わい、けれど今ではたくさんの仲間もできた。
そんな過去を持つ彼らが再び出会う。
ルカがゼインの前に姿を現したのは、ゼインを助けるためか、それとも再び陥れるためかー。
現在と過去。
そしてゼイン視点とルカ視点。
そういったものが交差し、少しずつ全容が見えてきます。
ルカはゼインの味方か否か。
何が正しく、そして何が間違いなのか。
過去に、二人が訪れた地で、本当は何があったのか。
とにかく沙野さんの文章力、そして構成力、そういったものが非常にお上手。時系列も視点もころころ変わるのに、それが文章を読むうえで何の障害にならないどころか圧倒的な質量をもって読者に迫ってくる。
二人の関係は非常に危ういバランスの上に成り立っている…、ように見えて、実は根っこのところは彼らが子供の時から何一つ変わっていない。
お互いが、お互いを愛し、そして信頼しきっているのだと。
それが時に暴力的な言動があったとしても、透けて見えてくるんです。
二転三転する展開、けれど、その奥に必ず光が見えている。
終盤、やっと真実が明らかになった時には心の底から安堵しました。
で。
これってシリーズものだよね…?
終盤に行くにつれ、え、これってどんな結末?と思うのですが、うんうん、これはまだ続きがあるよ。
1冊で完結じゃないんだ!
と分かった時、
それなら「続きもの」ってわかるように先に書いておいてほしいな。
と思う作品と、
続きがあるなんて嬉しすぎる!
と思う作品の2パターンに分かれますが、今作品は圧倒的に後者です。
この世界観の作品が、まだまだ読めるなんて嬉しすぎる…!
ルカの、ゼインに対する贖罪の想いと、それに付随する深い愛情に、気の毒でなりませんでした。愛した男にああいう枷を自らの手で嵌めなくてはならなかった、彼の心中に。
けれど、それをしてでもゼインとともに生き続けたい。
そんな深い愛情に落涙しました。
ゼインも。
ルカを憎みつつ、けれど憎み切ることができなかった。
彼の心の中に、ルカへの愛情と信頼が無意識のうちにきちんと根付いていたんですね。
受けさん、あるいは攻めさんが不憫、というストーリーはよくあれど、この作品は攻めさん・受けさんともに不憫。不憫なのですが、いや不憫だからこそ、そこから這い上がり共に生きようとする二人の深い愛情がとても素敵でした。
そして忘れちゃいけない奈良さんの挿絵。
今作品もめっちゃよかった…。
表情一つ、しぐさ一つで、彼らの想いが手に取るようにわかる。
奈良作品は綺麗なのももちろん萌え度を上げますが、登場人物たちの「内面」を描くのがとにかく秀逸だといつも思います。
特に子ども時代の挿絵が…!
キュートすぎて悶絶しました。
沙野作品ならでは、と言っていいでしょう。
シリアスだし、人を殺めるとか、子どものころから性的搾取に遭うとか、人によっては地雷になりえる描写はてんこ盛りです。
が、だからこそそこから見えてくる深い愛情と希望の光に萌えが滾る。
この作品は忙しい時に読んじゃいけません。
読み始めたら最後、この作品の世界観に一気に引き込まれページを捲る手が止められなくなります。
表紙に一目惚れして購入したものの、
世界観が難しそうだなぁと…と積んでしまったのですが
BLアワードにノミネートされていたので開いてみました。
「チェンジリング」も「ケルト神話」も知らない私でも
わかりやすく展開されていてとっても面白かったです!
詳しい内容は素敵なレビューが沢山あがってますので
ファンタジー慣れしてない無知な視点で感想を。。。
さて。メインになる2人。
現代風に置き換えると「幼馴染みの両片想い」です。
(大好きなやつやー!!!ヾ(*´∀`*)ノ)
出会ったのは幼い頃。
ルカ(受け)は予言する力を持っていて、見た相手の未来が見えてしまう。
深くフードを被って誰とも顔を合わせないようにしていたけれど、
ガキ大将なゼイン(攻め)は興味本位で顔をのぞき込んでルカに一目惚れ…!
それから何度もちょっかいかけるようになるのです。
ゼインの家庭環境が変わりルカと会う機会を失うのですが森の中で偶然再会。
2人は同じ捜し物をしていたので協力しあい、度々会うようになります。
これがですねー。
「夏の晩に片想い相手と過ごす」って状況にすごく萌える…////
ゼインの高揚感が伝わってきてニヤニヤニヤニヤが止まらないのですよー!
子供なりに好きな子を一生懸命助けようとする正義感が可愛くて可愛くて(∩´///`∩)
しかしある晩を境にゼインの運命がぐるりと変わり…。
大好きだったルカが憎しみの対象になってしまうのですね。
それからゼインは泥水を舐めるような生活に身を落とし、そこから這い上がって、
今は海賊を率いて「海の冥王」という名を轟かせるほど成長します。
そんな中、いまだに憎んでいるルカと再会しーーーと展開していきます。
「海の冥王」は残虐な人で知れ渡っていましたが、
生身のゼインは幼い頃のガキ大将の面影が。
仲間を守って、信頼を置いて、また仲間からも信頼されて。
すご~~~~~~くイイ男なんです…!
ビジュアルも満点で長髪の編み込みと髪飾りが男の色気と合わさって似合う。
そんな男気があるゼインがですよ?
今もルカを恨み続けて信用しきれないままガッチリ側に置くのが個人的にツボ…!
ルカを憎んでる・信用出来ないと言いながらキスして抱きしめて体を貪るのが萌えるのですよ。
心のどこかで恨みきれずに初恋が燻ったままの男の不器用さにキュンキュンしました。
ルカもゼインに恋をしていました。
しかし運命の境目になった晩に、辛い運命を選択します。
お話はゼイン視点が多いのでルカが何を考えているのかわからない部分もキーとなります。
妖艶な雰囲気も、ゼインと同じぐらい酷い目に遭ってきた結果だと思うと…やるせない…。
ゼインを好きだと心に秘めながら裏腹な行動を取らなければならない苦しさがありました。
そのいじらしさが切なくて辛くて…(;ω;)
ルカの本音が見えにくいのでゼインの感情は振り乱されるばかり。
誤解・すれ違い・拗らせ・不穏さが絡んでくるからシンドイのですね(;///;)
長年絡まった糸が解けた時はジンワリとホッとしました。
ファンタジー部分は(これが本筋なんですが;)
ゼインとルカには世界の命運がかかってきます。
長く辛い時を過ごし頑張ってきたけれどまだ戦わねばならない。
世界の為に、愛する人を護る為に、共に生きる為に。
まだ解消されていない部分があるので続編が決定したようで良かったです。
脇に発生しそうなCPもいましたし、クソな大司教が安穏としてたら嫌だし。
今後の展開に要注目ですヾ(*´∀`*)ノ
「後に計り知れない苦難が待ち受けると知っていたら、果たして人は禁断の果実を食べるのか――?」
妖精の取り替え子というヨーロッパの伝承チェンジリングをベースに、そうした命題を背負わされた二人の愛の編成のファンタジー。
個人的には沙野作品の中で1.2を争うかも。というか主役二人が本当に好みな上、全編通して緊張感と切なさがつきまといずうっとハラハラし通しだった。
妖精の取り替え子で災いの預言者として忌み嫌われてきた孤独なルカと、ルカに人生をねじ曲げられながらもルカへの愛に捉われ続ける海賊ゼイン。
苦境と重責の中にいるルカにとってゼインの存在だけが希望にも関わらず、その希望こそが愛する当のゼインを苦しめると分かっている苦痛はどれほどのものだろう。
どん底の人生から這い上がった荒くれ者のゼインが、裏切り者であるルカに心惹かれながらもまた同じ苦しみに涙する失意はどれほどのものだろう。
ルカとゼイン両視点が交差して綴られているので、それぞれの苦しみに共感できる。それでいて、ルカの本意が見えそうで見えない。ルカの葛藤を知る神視点の読者でありながら、ゼインと共にルカに翻弄されてしまう抑えた筆致が何とも心憎いよ。
自分が持つ沙野作品への勝手なイメージだけど、心の底に芯の強さを持つ受けと、恋や愛というよりも惚れているという言葉が似合うような攻めの組み合わせってのがある。
恋や愛と惚れるは何が違うのかと言われると説明が難しいのだけど、否応なしに惹かれてしまう本能的な欲求と、相手の心の有り様や生き方を認める理性的な愛、その両方を持ち合わせているイメージと言えば伝わるだろうか。
立場や境遇に差があっても、心の中では互いに相手を認めているから精神的にはどこか対等さを感じるんだよね。
その極致がまさにルカとゼインだった。しかも初恋同士。たまらんわ。
過酷な境遇の中でも犠牲精神に逃げないルカ。愛憎に揺れながらも、結局は誰よりもルカの人となりの理解者であるゼイン。
二人の愛は、運命であるがゆえに分岐し、運命であるがゆえに再び巡りあう。ただしその運命は禁断の果実という与えられた選択に対して二人が自らだした答えでもある。
運命を題材にしながら、自分の意思で運命を掴むという力強いアンチテーゼが、この作品が大好きな理由だと思う。
ちなみに沙野読者なら毎度楽しみにしている裏テーマ、ルカに申し訳ないと思いつつも過去一レベルで萌えました。結果的には、ある意味最高の初めてをゼインは手にしたんじゃ。よかったのぅ…。
主役を変えての続編と、作者HPにはショートストーリーもあるので、未読の方は今すぐGO!
海賊王ゼインと妖精の取り替え子ルカが結ばれるまでの長い物語。
ゼインは身に覚えのない罪で国から放逐され11年の歳月を経て海賊の王にまで成り上がりました。
「勘違いするな、……なだけだからな」のツンデレ攻めです。
ルカは生まれた国にはあり得ない黒瞳黒髪から妖精の取り替え子だと言われている美貌の公爵令息です。
過酷な試練の中で耐えるだけの健気な妖精ちゃんではなく、体をも武器に自ら運命を切り開き戦う漢気に惚れ込みました。
聡明で気が強い一面と迷いと後悔に苛まれるもう一つの顔があります。
崩れ落ちそうな気力を、愛しく思う男と共に戦う未来のために孤独に戦った歳月を思うと、底辺から這い上がる苦労をしてきたゼインとはまた違った苦労を一人で背負ってきたその不憫さに泣けてきます。
世界を救うためとはいえ一人の人間それも好きになった人の運命を狂わせ不幸に陥れる道へと導くルカの行動にやや違和感を感じながらも最後まで読みきるとその理由がわかってなるほどとは思うのですが切なすぎます。
さあ、これで戦う用意はできた!
彼等の戦いはまだまだこれから…っというところでエンドマークです。
黒幕との戦いはどうなっていくのか、アンリ王子と騎士の関係も、妖精王の話も気になることだらけです。
とりあえず第1章『完』として続きも是非読ませていただきたい。
この世界観をここで終われせては困ります。
期待いっぱいで待っていることをCROSS NOVELS編集部宛に感想文を送りたくなった作品です。
ケルト民話や海賊との海戦から松岡なつきさんの『FLESH&BLOOD』を、妖精王のファンタジーから夜光花さんの『少年は神の花嫁になる』シリーズを思い出しました。
ストーリーに類似も関連性もないのですが、これらの作品がお好みでしたらきっと気にいると思います。
や〜〜っと読みました。そして評判通り良かった♡
詳しい事は他の方が書かれていらっしゃるので感想を。
ゼインが自分を陥れたルカを憎んでいて再会した当初は酷い扱いをしているんですが、ルカ視点でも書かれているのでルカは何を隠しているのかと思いながら終盤まで進むのです。
時間が経つに連れてルカはゼインに好意を持っているだろう事も、ゼインが恐ろしいだけの海賊では無い事も分かるものだから2人の気持ちがいつ一緒になるのかと気が気じゃなかったです。
最後にはルカが苦渋しなかわらゼインを陥れた理由が分かるのですが、それがまた秀逸なのですよ。妖精界も妖精王も勝手に恐ろしいと思い込んで読んでいたので、本当の敵を知って驚きました。
ルカの真名を知っても嫌がる事を強制しないゼインが愛情深い人物で奈良先生のイラストも相まってとても素敵でした。ルカが小さい時から酷い目に遭って来た中で、ゼインが全てになったのが分かるような気がしました。
続巻の王子と聖騎士も登場していて、ますます面白くなって行くシリーズ物に期待が強くなりました。
艱難辛苦を乗り越えて、隣にいる今がある。
とは言え、苦しすぎだよ〜(。´Д⊂)
受け様は、取り替え子としてだけではなく『災いの預言者』としての周囲から異端視されているルカ。
攻め様は、『海の冥王』と呼ばれ恐れられている海賊の頭であるゼイン。
2人は幼なじみでもあって、妖精の輪を探して探検した一夏の思い出がキラキラしていて甘酸っぱい。
でも、その思い出は、苦い思い出となる。
誤解とかではなく、はっきりとしたルカの嘘に、どうして?何の意図があって?だったのですが。
2人が、再会してから、動き出した運命の流れ。
再会してからも、ルカの思惑がわからなくて、ハラハラでした。
ルカを憎んでいると言い張るゼインの、憎みきれない気持ちが、とってもきゅんです。
そしてルカの切なく苦しい想い。
なんでここまでの苦難をルカに与えたのよ、妖精王!くそー、と歯噛みしたくなりますo(T□T)o
最後までドキドキハラハラしっぱなしでした。
本当に、なんだか海賊王とかの映画の前章をみてるみたい。
自身の運命を選び掴んだ2人の「お前と共に生きる」と甘く力強い姿に感涙です。
ゼインとルカ達の物語を最後まで見届けなきゃ(つд;*)
イラストの奈良先生。
表紙の美しさよ(*´∀`)
ゼインとルカの成長過程も見れて、嬉しいです。
沙野先生のダークファンタジー・「チェンジ・リング」シリーズの一作目。
童話を読んでいるかのようなファンタジー色溢れるダークで美しい作品でした。またもや主役のカップルに過酷な運命が投じられていました。。それも二度も、、。途中展開がしんどくもありましたが、続きが気になり一気に読み終えました。ファンタジー描写も丁寧で、映像化したらとても映えそうです。
裏切り、虐待、残虐描写等の痛ましい展開の根底にあるのは、意外にみずみずしい純愛ファンタジーでした。読後爽快な気分になれました。後味の悪い作品も好きですが、こういうピースがぴっちりはまるエンドもいいですね。続編の騎士と暗黒王子の話も期待です。
ゼインとルカの子供の頃や少年の頃の描写が可愛くて萌えました。
海賊の長でありながら、小学生のままに大人になったような意外にピュアな心のゼインも良かったし、か弱げでありながら、肝が据わっているルカも良かった。2人に共通しているのは芯の強さです。要するに似た者同士だねw なんてったって世界の命運を握っている2人ですから…。
海賊を取り上げる作品では、「今日を精一杯生き、明日の事は知らない」
という「俺たちに明日は無い」的な生き方が描かれる事が多いですが、コロナ禍やテクノロジーの発展等で目まぐるしく変化していく今を生きる中、将来設計をあまり考えず、その日その日を生きる生き方もあるんだ…と逆に励まされます。世の中想定外の事が多すぎて、ままならない事が多いし、、。この物語の主人公達のように、それを一つ一つ克服していくのが人生の醍醐味かもしれませんが。
沙野作品は、多作で試みが多い中で完成度が高く、いつも感心しているのですが、先生の創作活動のモチベーションの維持の秘訣は裏テーマなんですね!今回もあとがきを読んで「あー。そうか(笑)」でした。裏テーマのために(?)これだけの盛大な設定とストーリーを盛り込んでくる沙野先生がやっぱり好きだな。
チェンジリングといえば、連想するのは、ピーターパンですけど、
この創作ものの場合は、妖魔に近い妖精界の子と、人間の子が入れ替えられた話だった。
ルカとゼインが探した「妖精の輪」=妖精の輪が出現するのは、ハロウィンの夜。
ルカとゼインは、妖精界で妖精王と約束を交わす。
でもゼインは己で選択しなくてはならないため、記憶を消されてしまう。
三回、運命をルカによって変えられてしまうゼイン。
この巻では、二回運命をルカの裏切りによって変えられる。
残り1回は、次巻になるみたい。
--メモ:
★「プライベッターに、チェンジリングのゼイン×ルカのSS」 黒妖精は~の後日談
フォロワー限定 https://privatter.net/p/6986329
ゼインとルカ(チェンジリング)のSS「11歳」
https://privatter.net/p/5554152
ゼインとルカ(チェンジリング)のSS「10歳」
https://privatter.net/p/5545966
ルカの真名(日本語で)、ローマ字5文字
キャララフ
https://privatter.net/p/5349455
今年、ふたつのシリーズ物が完結した沙野さんですが「新たなシリーズの始まり?」と思います。
あとがきを読む限りにおいては『売れたら』なのでしょうけれども。
でも多分、大丈夫だと思うの。
だって、とても面白かったんですもん。
評価が『神』でないのは、お話の途中で示されている謎(って言うか、予言)がひとつ、明らかになっていないからです。それが気になって尾を引いたものですから、今回は『萌2』で。
タイトルの『チェンジリング』というのは取り替え子のことで、アイルランドのみならず広くヨーロッパに伝えられている妖精譚のことです。妖精は時折、人間の子どもを連れ去り、妖精の子どもと取り換えてしまうという言い伝え。取り替え子は『萎びた風貌、旺盛な食欲、癇癪持ち』などの特徴があるとされていますが、ご安心ください。この物語の取り替え子、ルカは美貌の人です。
物語世界では黒髪と黒い瞳を持つ者は取り替え子のみという設定です。
なので生まれたこともがその特徴を持っていれば、取り替え子として修道院に隔離されて育ちます。
ルカは取り替え子であるだけでなく、厄災を予言する力を持っています。それを恐れて誰もルカに近づきません。
ゼインは、はやり病で亡くなった両親に会いたくてこの世と別の世界を繋ぐ『妖精の輪』を探していますが、ルカも妖精王に自分が持つ予言の力をなくしてもらうため『妖精の輪』を探していることを知り、夜ごと行動を共にするようになります。
恐ろしい存在だと思っていたルカを知っていくほどに、彼をいじらしく大切に思い始めるゼイン。
当初の目的よりもルカに会いたい気持ちの方が大きくなっていた頃、2人は『妖精の輪』を見つけます。
しかしその後、心が通じ合っていたと思っていたルカの裏切りにあい、ゼインは故郷から追放され、海賊となります。
そして11年後、『海の冥王』と呼ばれるほどの海賊となったゼインの元に、船員すべてが惨殺された船の唯一の生き残りとしてルカが現れます。ゼインは自分の運命を大きく変えたルカに復讐をしようとするのですが、ルカの行動にはこの世界の命運をかけた、大きな意味があって……
と、いう風に物語は進むのですが、やっぱり『社会に翻弄される中で人がどう生き、どう愛するか』を書く沙野さんのお話は面白いなー、と思いましたよ。
良い、悪いという単純な話を超えて、物語の中で生きている人たちは『自分で決めて、自分でその責任を取ろうとする』。相変わらず高潔でございます。素敵。
あとね、ルカとゼインの子ども時代のエピソードがたまらなく美しい。
青空の下のスカッとした綺麗さではなく、ほの暗いのですけれども。
でも、輝くような思い出なのです。
この思い出と、再会後の複雑かつ黒い気持ちの対比が見事でした。
そしてね、結局は、世界の命運よりも何よりも、彼らを動かして来たのは互いに対する愛情だったっていうお話の持って行き方も凄かったんですよ。
新書版一冊の分量なのに、世界観の設定もあり、国を巡る大陰謀あり、子供時代の淡い恋や、再会してからの嗜虐的な関係もありで、もうあちらこちらに振り回されたのに、この破綻のない結末。
もう2~3冊読んだような気分です。
なのに疲れていない。素晴らしい。
沙野さんの本ですもの。最後にエロについて書かねば。
今回の『エロチャレンジ』は『萎え萌え』とのこと。
エレクトしないことに萌えるってのは「うーん……さすが通だな」と。
いまだ煩悩丸出しで、そこまで枯山水的ではない私は別シーンで悶えました。
黄金水とNTRです!(ああホント、煩悩だらけですみません)
次巻を楽しみにしております。