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途中まで、顔の絵の“美”をもっと削れば少年漫画でもいけるんじゃ?
と、思うほどラブシーンなかったです。
読んでて普通に面白くて、ふむふむ、それでそれでって感じした。
だけどなぜか突然、ホント突然、舎弟の一無良と若頭がキッス!
しかも、その後ほとんどそのことに触れられていない。
メインのカップル以外にも、
組のメンバーは男でも女でもどっちでもっぽいヤツが出てくるし、
そもそも組長自体が男色家なので、そういう世界と思えば不自然じゃないかもですが。
この先どうなんでしょうという感じです。
結局なんだかんだで、ホモの方が沢山出てきました。
話の流れはわりとヤクザヤクザしていて、
経済ヤクザに変化したい派と、昔ながらの極道武闘派との内部抗争が描かれています。
作品が世に出たの一応平成みたいだけど、
昭和の香りがムンムンで、私はそこが気に入りました。
良いヤクザものです。
「仁侠ものやりましょう!!」と担当さんからのリクエストで始まった、鹿乃しうこ先生初めての連載長編漫画。まだ初田の頃の作品です。先生自身が「ものすごく未熟だし「ありえないだろ」の連続ですが、その青さがなければ漫画として成立しなかったと思う」と後に語られていて、こういうキャラを描くのが楽しいんだなとか発見があった作品だそうです!
確かにキャラたちがとても個性的です。頬に傷跡のある一見強面の主人公の葵は「男はハッタリだ」というじーちゃんの口癖そのままに生きる、実は小心者のヤクザ。葵を預かることになった若頭の崎也は38歳の設定ですが雰囲気はまるでアラフィフで、昔ながらの人情ヤクザ。4代目組長の花菱はホモで、葵に並々ならぬ感情があるようです。
組長の花菱と崎也たちとの間の内部抗争を軸に話が進むのですが、葵は崎也の瞳に過去の自分を見て、崎也は葵と言う名に思い入れがあり、惹かれあっていてキスはしたものの進展せず。
彼らよりもずっとBLだったのは、崎也の同期で親友のちひろとその舎弟の準紀です。準紀は報われない思いをちひろに抱いていて、その思いを持て余して敵対するグループの男と体の関係を持っています。この男が『苦い果実』に収録の『月さえも狂う夜』の主人公の東です。『月さえ』でも『花仁』でも「あんまり(涙)」な東なのですが、同人誌でちょっと良い目にあっています。機会があったらそちらもレビューしたいです。
タイトルの通りまさに「仁侠」ものです。崎也も「俺たちは暴力団じゃない。極道だ」というちょっと懐かしいお話が先生の濃ゆい絵柄にピッタリです。