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Bon Appetit
月村先生と言えば!でよく名前を聞くこちらの作品。長らく積んでしまいましたが、ようやく読了しました。
主人公の受け葉がかなりネガティブで「俺なんて」のオンパレードですが、恵まれなかった生い立ちやこれまでの境遇で、前向きに生きるような余裕もないその心情は丁寧に描かれていたので理解できました。
攻めの瑠可やビストロの面々の陽の気と、萎れた葉っぱに毎日少しずつ水(栄養)をあげるような瑠可の食事ですくすくと育ち、イイ感じに育ったところを優しいスパダリ攻めにパクリと食べられちゃう明るく甘い素敵なストーリーだったと思います。
ずっと丁寧に葉の心情を追っていたのでアパートの鍵を渡された絶望感に(勘違いだと分かっていつつも)涙が溢れてしまいました。
ただその分、想いが通じてからの初Hが早かった…!
ちょっとずつ育っている葉のキャラクターを思うと身体の関係はもう少しゆっくりでも良かったんじゃないかなぁと思いますが、少し前の作品ですしBLあるあるかな?という気もしました。
2人の沖縄旅行も相変わらずのやり取りで、正直なところ未だに我慢して紳士でいようとする瑠可にもっとグイグイ行けよ~!という気もしました。(葉はキャラクター的にゆっくりなのは分かっているから)
まあ恋人同士は2人とも歩み寄るのが大切なのでこれで良かったのかな。
想いが通じる辺りから少し好みとは離れてしまいましたが、評判通り面白く読めました。
先生の「ロマンス不全の僕たちは」「偏屈なクチュリエのねこ活」を拝読しました。こちらは以前購入して積んでいたのをようやく読みましたのでレビューします。
不幸な生い立ちで天涯孤独の19歳の葉が、超美形のビストロオーナーシェフの瑠可に救われ、同居しながらビストロで働くことになり…というお話。
不憫受けが美形なスパダリ溺愛攻めに救われ、めちゃくちゃ大事にされるストーリー。王道だけど、どうやって二人がくっつくのか、先が気になって寝不足になりながら一気読みしました。
いつくかお気に入りのシーンやセリフがあって…。
・瑠可が葉に手ずからフリットを味見させるシーン。痩せっぽっちの雛鳥を大切に育てている感じでキュンとしました。
・「たくさん食べて、早く大人になるんだよ」
早く成人した葉との関係を進めたいという瑠可の下心を感じるセリフで、何やらエロスが感じられて好きです♡
・初めは食べたい物も言えなかった葉が、観覧車で好きな食べ物や行きたい所をたくさん言えるようになってほっこり。
などなど。
瑠可のような美形で男前な溺愛攻めは大好きなので、そこは楽しかったのですが、葉がかなり自己肯定感の低い不憫受けで、こちらはちょっと苦手なタイプでした。葉があまりにも卑屈なので、時々イライラしましたw
特に後半の、瑠可から誕生日プレゼントの部屋の鍵を受け取ったシーンと新居に向かうシーンは、葉がネガティブすぎて、コラッ!と後ろからはたきたくなりましたw
攻め視点が好きなので無いのは残念ですが、両想いになってから瑠可が色々語ってくれたので、瑠可の気持ちの答え合わせができて良かったです。
本編ラストの長めの濡れ場シーンは、爽やかイケメンの瑠可が優しく話しかけながら執拗に攻めるのが、ちょっとムッツリ感もあってエッチで良きでした♡
【いつまでもいつまでも】
お付き合い後の沖縄旅行の短編。
こちらも受け視点で、瑠可も葉もお互い気を使いすぎてもだもだ。
葉が瑠可の元カレと瑠可に、『二人で飲んできて』と譲った時は、「これは後でエッチなお仕置きくるかな♪」と期待したけど、どこまでも優しい瑠可だったw
不憫でピュアで可愛い葉が、年上溺愛男前攻めの瑠可によって幸せになる、シンデレラストーリーみたいなお話でした。ちょっと疲れてる時など、優しくて甘い小説を読みたい時にぴったりかと思いました。
とても優しくてあたたかいお話。嫌な人物、苦しい描写、ひとっつもありません。
受けの葉はちょっと不憫で、だけどひねくれることなく健気な頑張りやさん。苦しいことが続いて、命を終わらせてもいいと思っていた最後の晩餐で、攻めの瑠可に救われ、好きになっていく…というお話。
瑠可はいわゆるスパダリ。自分の店を持っていて、そこで葉を働かせながら見守ります。葉に罪悪感を持たせないように配慮しながら、葉を支えていきます。
葉の自己肯定感が低すぎて、誤解したり、思い込んだり…はありますが、しっかりハッピーエンドです。かわいい恋が好きな方にはオススメしたいです。
イケメンシェフと、天涯孤独のフリーターとのお話です。
天涯孤独の葉が、人生のおわりにおいしいものを食べようとして訪れたお店で、バイトをすることになてしまい、いつしか、葉はシェフに惹かれるようになっていくというストーリーです。
BLの王道のようなお話ですが、ストーリー設定やキャラ設定がしっかりされているので、たのしくよむことができました。
不遇な「受」が、幸せになっていく様子が描かれていて、よんでいて、幸せな気持ちになれるすてきな作品だとおもいました。
ものすごく、ものすごーーく良かった。。
月村先生の作品を読むのは『ロマンス不全の僕たちは』『恋愛小説家は恋が不得意』に続き3作目なのですが、こちらの『ボナペティ!』が一番私好みでした。
とにかく不憫な葉が救われてくれ〜…!と願いながら読み、瑠可に保護され(←ちょっと表現おかしいですけど;)、体も心も文字通り救われていく様に、胸がじーんと震えました。
設定、キャラクター、月村先生の文体、木下けい子先生(←大好きです。。)のイラスト、文庫本のちょっと白っぽい?紙の色まで…全てが完全に調和していて、大切に大切に何度も読み返していきたい一作になりました。
なんといっても、受けの葉くん(の境遇)が本当に不憫で不憫で…
私自身は「その日の食費もない…」というほどの経験はしたことはないのですが。
「なんとかして稼がなきゃ!」と必死になっていた頃が自分にもあり、それを思い出して勝手に葉くんと重ねてしまい、ページ最初の方からうぐぐ…と涙を堪えながら読みました。
「ありがとう」よりも先に、いつも「ごめんなさい」が出てしまう葉くん。
幸せは勝手に転がり込んできたり、急になくなったり、自分ではどうしようもないもの、コントロールできないものだという思いから、幸せだと感じても、常にどこか不安に思ってしまう心。
そんな葉くんの考え方・心に、終盤で瑠可の言葉が新たな風を吹き込んでくれるシーン。
そうだよー!幸せは自分で選びとっていいんだよー!と、うるうるしながら一人ガクガク頷いていました。
そして年上ビストロシェフ瑠可の、さりげない気の配り方(行動も言葉選びも)の素晴らしさといったら…
大人で小粋でスマートで、読んでいて本当にうっとりしました。
これぞスパダリ様・:*+.
作品のタイトルどおり、瑠可の作る美味しい料理と、幸せな毎日を、これからもずっとずーっと”召し上がれ!”と葉くんに言いたい。
はぁ…甘く幸せなこの気分を噛み締めて、今夜は心地よく眠れそうです。
Bon appétit!、
「appetit(食欲)」なので、「良い食欲」=「たらふく食らえ」という意味。
食欲に溢れている人に対して使う「召し上がれ」で、フランスの上流階級では下品だと嫌って使わないそう。
花井瑠可:ビストロ・ルカの美貌のオーナー、実はゲイ。
花井瑠偉:心臓病で亡くなった瑠可の弟。葉に似ていた。
有村 葉:19歳,父が病死。中卒で就職して以来ずっと不幸続き。
田畑 由麻:瑠可の幼馴染、産休に入る。
高橋健太郎:アルバイトの大学生。
大和:瑠可の元彼、ビストロの常連客。
・・作品の紹介文が、凄く哀れっぽい。
葉は自殺を決意。「最後の晩餐」の為に瑠可の店に入る、
でも食べる前に栄養失調で失神、料理の支払いは所持金不足で出来ない。
家賃延滞で大家に強制退去をされていた。
訳ありの葉を、瑠可は強引に住み込みのバイトとして雇い入れる。
最初は戸惑っていた葉は、瑠可の亡くなった弟の事を知り、
受けた親切を無駄にしたくないと、瑠可の為に生きる=死ぬことを止めることにする。
瑠可は、店をのぞき込む痩せた葉が、ずっと気になっていた。
美味しい食べ物で太らせて、食べごろになった葉の心を手に入れる。
本当に死にたい人は、最後の晩餐を思いつかない。
葉は、心では諦めても、本能で「生きたい」と思っていたんだと思う。
ハピエン。
作品の中で主人公葉くんの恋を友人が「おとぎ話のような」と例えているけど、確かにそうだなと思いました。
スタートはなんでこの子がこんなに不幸なの?
不幸は不幸を読んでしまうものなのかなと思うくらい。栄養失調状態で、この子が本当に素敵な受け様になれるのか心配したくらいです。
無事に攻め様と出会ったあとは少しずつ健康になり幸せになっていくところや、全ての人に感謝したりする所がすごく純粋でおとぎ話のようだなって思います。
幸せが続いて不安が付きまとう気持ち、よく分かります。今まで不幸だった分、余計に不安だったんじゃないかな。
おとぎ話のように読後感が凄くいい。幸せな気持ちになれます。
月村先生のお話には木下先生のイラストが良くお似合いです。さらに温かい気持ちにしてくれました。
葉くんには、もっと幸せになってもらいたいですね。
帯にある「このBLがやばい2019年度版 BL小説ランキング2位」をみて、期待して読みました。
たしかに、瑠可(攻)がつくる美味しそうな料理、ビストロの優しいスタッフ、葉(受)に対して優しく接する瑠可など、気持ちがあたたかくなる部分もたくさんあり、最後はハッピーエンドでホッとしましたが…。
しかしながら、それ以上に、天涯孤独で貧乏で、それなのにあるトラブルでバイトをクビになってしまい、あまりにも不幸だらけな葉が可哀想すぎて、読むのがしんどくなってしまいました…。
ずっと憧れだった瑠可のビストロで人生最後の食事をしようと決意して店に入ったものの、全財産でも食事代が足りず、挙げ句の果てに栄養失調で倒れてしまい…。
この辺りで、葉の惨めな気持ちが伝わってきて、読んでいると苦しくなってしまいました。
皆さんおっしゃるように、素敵な作品です。
だけども、心が疲れているときに読むのは向いていないかも…と、私は感じてしまいました。
人生の終わりに食べ物の施しに救われる話というのはいくらでも泣けるのです。
このお話自体も登場人物たちの言動もシンプルながらおいしい料理のように優しく、幸せな気分になりました。
もとから主人公の葉くんは感性が良く素直で、不幸に生きてきた疲弊や自虐的な思考が、食べ物で変わる体型と同時に、出会った人々によって考え方や哲学のようなものが豊かになるのがポジティブで良いです。
それでも惹かれた瑠可にはいじらしく好きと言えずグルグルする展開はとっても美味しい…
窓を覗く男の子(葉)が可愛いと思っていた瑠可、いつも自分の作った料理を涙をこらえて食べる葉はとても愛おしく、痛々しくも可愛かっただろうなと思います。
瑠可のプレゼント内容は理由を打ち明けられてもオイオイと突っ込むしかないですが…笑
行為シーンは恥ずかしがりで大好きな瑠可に感じ過ぎていきすぎる葉が可愛すぎて滾りました。
挿絵、もっと体型や顔つきの差を出して欲しかったです。
ごめんなさいと連呼する葉。私は葉ほどの不幸はないけれど、この自己肯定感の低い考え方はかなり似ているものを持っています。
実際に似たようなことを言った経験もあったので、それが痛いほど共感できて泣きながら読みました。
葉が優しく受け入れられ、また新しい考え方(自分で選択するということ)を与えられていくことは大切な人が出来ることと同じくらい、生きていく上で重要です。
心底優しいお話に、読んでいるこちらも心を解された気分になりました。
買ったままずっと読んでいなかった作品です。
読み始めてみると、受け・葉の境遇が辛過ぎて、初っ端から涙が出てしまいました。
中卒でバイトを転々とし、雇い主には蔑まれ、怪我をして不当に解雇される。
日々の食事にも困るほど貧しく、菓子パンは高価だから主食は食パンて……
あまりにも不憫すぎやろ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
現代社会でこれはないよ……
月収十万未満で家賃4万五千円てーー生活保護の方がイイよ。
あまりの救いのなさに涙が出て、ページがめくれなかった……
人生を諦め、最期に憧れのフランス料理屋に入るのですが、
そこで運命の相手ともいえる瑠可と出会います。
結論から言うと、瑠可はずっとバイトに行く葉を見て気にかけていました。
そして、葉を雇って店の上に住まわせます。
ここから葉の人生が一転し、優しい人々に囲まれた穏やかな日々が始まります。
何もかもが初めての葉は可愛く、瑠可が葉を心底可愛がっているのが伝わってきます^^
でも、葉がネガティブ過ぎる。
多くを望んだら、幸せが減ってしまうと思っています。
でも、それって葉が悪いわけじゃないと思うんです。
もう染み付いたもので、幸せに慣れてなさすぎる。
優しさに慣れてなさすぎる。
わたし、いつも思うんですけど、裕福な人ほど優しい。
友だちも知人も皆んなそう。
余裕がある人ほど優しいんです(偏見かもですけど)
だから、きっと葉の周りには心が狭くて優しくない人が多かったんだろうなと思うんです。
そんな後ろ向きな葉に、美味しい食べ物と優しさと愛情を注いでいくゲイの瑠可。
瑠可がとってもいい人なんだけど、葉の事を自分なしでいられない様に甘やかしてる?なんで思いました^^;
部屋を与えて、ナチュラルに自分から離れないようにしてるように感じました。
まぁ、それが功を奏するんですけどね。
とっても優しくていい男なんですけどね。
で、葉も瑠可を好きになって、両想いハッピーエンドです♡
後半はふたりの沖縄旅行編ですが、お互いに気を使いすぎてるんだよね。
なんかギクシャクしていた関係を、最後の最後に修復します。
不憫な境遇で生きてきた葉でしたが、瑠可に出会って変わっていく。
だから、不憫受けではないんだろうな。
意外とHが好きそうな葉も、結構ねちっこそうな瑠可も良かったと思います!