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koi ni kogareru kemonotachi
「愛を与える獣達」シリーズで子供達世代のお話になります。
世界観なんかは作中で説明されてますが、登場人物がたくさん共通して出てくる為、気になった方はシリーズ一作目から読まれる事をおすすめします。
で、こちら、文庫程度の長さがあるお話が書き下ろしで二編、あとweb掲載作に加筆した短編が一編と言う構成になってます。
私は元々、チカ達の子供である「ヒカル編」が目当てで購入したんですけど、新キャラで語られる「フィシュリード国編」が思いがけずツボでして。
あのですね、愛する人とは決して結ばれる事が出来ない、哀しい運命の種族ー。
そして、その一族である、健気で心優しい美人受け!
もう、哀しくて切なくて仕方ないお話なんですよ。
また、ラストがめちゃくちゃ感動的で泣けちゃって(TдT)
そう、愛しあう二人は、離ればなれじゃダメなんだよ!
一緒に生きて、幸せにならなきゃダメなんだよ!!
と、すごく心を動かされちゃって。
ところでですね、こちらのお話、受けの正体がキモになると思うんですよね。
また、「主人公の正体は何だ?」と、読者の好奇心や不安を上手い事煽る形でストーリーが進むんですよ。
伏線なんかも巧みに張られていて。
が、これ、裏表紙で主人公の正体がアッサリ明かされちゃってるんですけど!?
これ、明らかにダメだろー!
作者さんの頑張りを、こういう形で台無しにしちゃうって、一番やっちゃダメだろーーー!!
と、強く思うんですけどね。
人物紹介ではちゃんと正体がボカされてるのに、なんでここでやらかしちゃったんでしょうね?
「零れる涙と祈りの旋律」
フィシュリードの大店の次男坊で犬族の青年・ディラン×「ヒト族」として海辺の小さな村でひっそり暮らす青年・イリスによる、切なくもどこかロマンティックな両片想いものになります。
海産物を加工して、大店である「マーフィー商会」に卸す事で生計を立てているイリス達の一族。
商品を売りに来たイリスが、アニマの獣人に絡まれている所を助けに入った事で、ディランと知り合う所からお話はスタート。
二人は徐々に距離を縮め、互いの思いを確かめあって結ばれるんですね。
しかし、イリスには何か隠している事があってー・・・と続きます。
で、まずこちら、イリスが健気で控えめな美人受け。
そして、ディランが包容力がある好青年になります。
商品を売りに行く度、穏やかで優しい青年・ディランに会える事を楽しみにするイリス。
そして、よく気が付き、いつも控えめなイリスが来る事を、心待ちにするディラン。
こちら両視点で進みますが、互いに惹かれあって行く過程が丁寧に綴られ、二人の甘酸っぱい恋愛を存分に楽しめる感じでしょうか。
が、ここに影を落とす、イリスの一族の秘密ー。
実は彼の種族には、愛する人の子供だけ授かり、その後は姿を消さなくてはならない掟があって・・・と続きます。
イリスの種族が何故、愛する人と結ばれてはならないのか。
「ヒト族」ばかりでアニムスしか存在しない彼等の正体とは。
そして、海でケガをした者の命を奪う、謎の風土病ー。
えーとですね、色々と謎が多くて、読みながら不安を煽られるんですよ。
また、ディランを心から愛しながらも、子供だけを思い出として離れる覚悟を決めているイリスが切なくて切なくて・・・(TдT)
ここに、チカ達の子供であるスイと伴侶のガルリスが風土病の研究をしに来てと絡み、更にディランが例の風土病で命の危機に陥りと言う流れです。
死に瀕したディランの為に、イリスが取る行動ー。
そして、居なくなってしまったイリスの行方・・・。
いやもう、切なくてですね。
愛しあう二人は、離ればなれじゃダメなんだよ~(TдT)
と、かなり切ない思いはさせてくれるんですけど、その分ラストでは感無量。
もう、二人が再び巡りあうシーンなんか、泣けちゃって泣けちゃって。
いや本当、良かったよ~と。
あと、ヒカル達が主役となる「秘めたる思いは獅子王と共に」。
周囲が「特別な存在」ばかりである「普通な」彼の、葛藤や成長が綴られと言った所でしょうか。
う~ん・・・。
まぁ、いつものほのぼの甘々テイストで、シリーズファンには楽しく安心して読めるって所でしょうか。
若干引っ掛かるのが、ちょっとクドクドしい部分がある事と、これは個人的な好みの問題なんですけど、主人公モテモテ状態が好きでは無い・・・。
それと、これも個人の感覚になってくるんですけど、ヒカルといいスイといい、両親の床事情を何かと引き合いに出すんですよね。
ヒカルが初めてテオドールに抱かれる際、「母さんだって、大きく逞しい父さん達を受け入れてるだから大丈夫」みたいな。
なんか嫌だなぁって感覚を持つのって、私だけですかね?
肉親のそういう場面って思い描いちゃうと、なんか萎える気がするよ。
う~ん・・・。
そんなワケで、「零れる涙~」だけなら「萌2」、「秘めたる思い~」は「萌」って感じなんですけど。
まぁ、「零れる~」がすごく好みなので「萌2」で挙げさせてもらいます。
個人的には、シリーズ中で「零れる~」が一番面白いと感じました。
私は愛を与える獣達シリーズが大好きです。
こちらのご本は愛を与える獣達の主人公だった
攻:ダグラス・ゲイルと、受:チカとの子供目線で
話が進んでいきます。
ですので、こちらを読むにあたりシリーズの
大まかなストーリーや家族構成を知っていると
スムーズに読めます。
大きな話は2話掲載されており、
…………他の方もおっしゃっているように
裏表紙がネタバレです。
話を読む前に裏表紙を見て、
あっ!人魚さんが出てくるんだ!と思い読み始めましたが、
該当の話では、人魚であることを隠しているように
進んでいくため、なんだか少し違和感とモヤモヤ感が……。
話自体は今作も面白く、ボリュームのある1冊でした。
人魚の子が出てくる話はなかなかに切なく
彼らが一族が辿ってきた歴史を考え
胸を痛めながら読みました。
しかしラストはハッピーエンドなのでご安心ください!
家族さん達、みんないい人たちばかりだな〜
と感動もしました。
愛を与える獣達の番外編になるんですかね?
本編でもいろんな人たちのお話がまとまっているので
こちらとの違いが私にはいまいちわかりませんでした。
この作品では3つのお話が入っていました。
1つめ
テオとヒカルが結ばれるまでのお話なのですが、
自分に自信のなかったヒカルが、本当の意味で独り立ちして
自分に自信を持つというお話です(*´▽`*)
この二人はチカとゲイルたちと同じ匂いがするので
すごくバカップルみたいな夫婦になりそうだなぁと全部を読んで思いました(*´▽`*)
テオに関しては初恋の相手のチカを諦めなくてはならなかったけど
そんなチカが番を生んでくれてほんとによかったね!って思いました。
生まれた時から番だと分かっていたのに
成人するまでずっと待っていた、そのテオの一途な気持ちが報われて良かったです。
2つめ
スイとガルリスのお話です。
個人的に強気受けというか、意地っ張り受けがあまり得意じゃないのでふむ…と思いました。
3つめ
イヌ族のディランと、ヒト族として生きているイリスのお話です。
こちらにはスイとガルリスが出てきます(*´▽`*)
こちらはネタバレ無しで読んでいただきたいので詳細は伏せますが
涙無しでは読めない作品でした。
ほんとに切なくて胸が苦しかったです。
ですが、最後はほんとによかった…!
欲を言えばコーレも無事豹族のカレと再会出来ますように…。
今回もすごく好きだなぁと思った作品ですが
やはり最後の作品が一番好きで胸にグッとくるお話でした。
こちらの作品が「恋けも」シリーズの第一弾だったのに、先に「恋に焦がれる獣達 2 『番』と『半身』」を読んでいた事に気が付きました。
順番が逆でも大丈夫でしたがヒカルとテオの話を読んでいれば、リョダンの街も診療所のセイル先輩の事も良く理解出来たと思うと悔しいです。
でもこちらの作品では同時収録作の、イリスとディランのお話である「零れる涙と祈りの旋律」の方がお気に入りでした。
チカさんの料理の食材に欠かせないフィシュリード国のお話でした。
イリスのディランに対する切ない思いと、ディランの真摯で一途な思いに心を打たれました。
こちらのお話ではスイとガルリスがちょっとだけ活躍してます。
毎回2段組で分厚いので時間のある時に読んでいるのですが、その度に本棚で行方不明になって読む順番がおかしくなっているので、6月の新刊は忘れずに読みたいと思っています。
これだけの世界観で登場人物も多いと、必ずお気に入りのカップルが出来るのがこの作品の魅力だと思います。ちなみにスイとガルリスがお気に入りです。