灼さんのレビュー一覧

あおに鳴く 初回限定版 コミック

 

日常に紛れ込んだ生と死の交錯する非日常

初めて灼先生の作品を拝読しました。
白日夢のような浮遊感ある空気に非常に魅入られてしまいました。
生と死の揺らぎが曖昧な世界観と、それと共に進む食事や洗濯などの淡々とした日常生活のコントラスト。
本当に素晴らしい作品です。

現実世界で起きたお祖父さんの死、そしてそれを追うように突如現れたストレンジャー、菊さん。
主役である司朗くんが身を置いている世界では既に死はいつも傍にあるのですが…

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イルカの耳骨 コミック

 

”大切”が辛い。

信頼関係、そして言葉の大切さと頑丈さ(良くも悪くも。)が強く繊細の描かれている作品。
コミュニケーションとは、言葉数、表現、また、それを受け取る人。全てのバランスが整った時に正しく伝わるのだと最実感させられました。普段から行っているこの行為がいかに奇跡なのかも。
もしかしたら自分の「言葉」を信じてもらう為の魔法が、人との信頼関係なのかもしれません。でも、その魔法は、かけるのが難しいと共に、解く…

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イルカの耳骨 コミック

 

言い出せなかった願い事

作家い買いしました。
灼先生の作品は、世界観が広く、空気感が綺麗な印象があります。
久しぶりの新作、タイトル、表紙が、ちょっと不思議で綺麗で読む前から楽しみでした。

子どもの頃の家庭問題、母親の言葉、経験から、自分には価値がないと感じており、自分が必要な存在だと思われたい、思われなければならない、と、あらゆる周りの人たちの世話をし、求めに応じている浅見。
狡猾さがあるわけでも、計算して…

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イルカの耳骨 コミック

 

浅見に寄り添って読むとこちらまで揺らいでしまう

それくらい感情移入してしまう作品でした。
さすが灼先生というべきか…

人から必要とされていたくてみんなに良い顔をして、でも時折り自分である必要性のなさに虚しくなって、必要とされたい人に不要とされることに怯え、確実に必要とさてくれる人と共依存に陥ってしまう。中々に地獄のループだと客観的にはわかるのに、どこか共感してしまう浅見の感性。
なかでも必要とされたい千晃と無くすことが想像もできないほ…

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イルカの耳骨 コミック

 

「その執着で 俺を生かせよ」

灼先生の新刊、楽しみにしていたんです。
食事すら疎かにして執着がない攻めと必要とされたい受け。ずっと攻めのお願いを聞きたくて、でも求められてないと思っている受け。そんな受けには王様の様にお願いする幼なじみもいて。
攻めの千晃の真っ直ぐだけど分かりずらい愛が刺さります。そばに居てくれればいいんだと心から思っているのに、何もお願いしてくれないと捉えていた浅見。そして宝の浅見への複雑な気持ちがぐるぐ…

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イルカの耳骨 コミック

 

耳骨をちょうだい

灼先生、久々の新刊でしたが…
やはり期待を裏切らない1冊でした~!

どちらかというと静かで派手さはないけれど、
感情がぐつぐつと湧き上がってきて、最後は感動が押し寄せます!

大学生の浅見は無欲な友人兼セフレの千晃に密かに想いを寄せています。
そんな彼の琴線を探す浅見ですが…。

この、千晃、何を考えているかちっともわかりません。
放っておけば食事は抜くし、マイペースだし、

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イルカの耳骨 コミック

 

愛情を持つのは価値か存在か

役に立つから価値があると認められ好まれる。役に立てなければ価値がなく存在意義がない。そう思わされがちですよね、親や学校や社会全体から。それはまるで洗脳のように。「こいつ使えな〜い」と平気で言う人いますしね。ちなみに私もよく母親から「役立たず」といわれました。なので浅見の気持ちがよくわかります(私は奉仕癖はないですが)
浅見の宝への奉仕癖を見抜いてイルカの耳骨を千晃が引き取るのがやさしくて聡明だと…

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イルカの耳骨 コミック

 

ストーリーテラーな灼先生の新刊!!

最初にこの新刊の発売を知ったのは、メイトの予約コーナーでした。

「イルカの耳骨」とはどんな作品かな??
と、興味を持ち作者を確認したら、灼先生。
これはもう、買うしかないでしょ! と小冊子付きを予約。
からの、書影が上がってきて唯一無二な空気感に、かなり期待大へ!!

そして購入し、帯に書かれた「三つ巴ラブ」を目にして知った、3人のボーイズが絡むラブだという事実。(さんぴーではない…

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イルカの耳骨 コミック

 

奥深さに惹かれる

何気ない日常の中にある近しい人たちとの関わり合いや恋愛への悩みなど、大学生のごく普通の日々が描かれているお話だけれど。
それぞれの心の内側を知るほどに表情を変えていく、そんな奥深さのある展開にものすごく引き込まれました。

何事にも無欲な千晃に欲を持って欲しくて
咎める素振りで口を出し、あれこれと身の回りの世話を焼く浅見。
ここだけ見ると"無頓着な千晃に手を焼いている浅見&qu…

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イルカの耳骨 コミック

 

味わい深いからこそ何度も咀嚼したくなる

正に”骨の髄まで味わい尽くす”ようなストーリー
読めば読むほど、三者三様の視点で見直せるストーリー
凄く作品の個性と雰囲気がしっかりとある1冊です

みんながみんな決して人付き合いが得意なタイプではない3人
得意な訳じゃないから出来ない訳では決してない
相手によって「素の自分」が出てしまうからこそのもどかしさ
他の人なら上手くかわす事も出来るけど、大事な人だからこそ嫌われたくない、本…

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