ハイクオリティーな短編作品が3つもつまった単行本です。
3作品ともカラーが違っていて、すごくおもしろい内容になっています。
描き下ろしもたっぷりで、本当に豪華です!
まず表紙がかっこいいです!
あと、コミックスを買った方はぜひカバー下をご覧ください!
電子書籍じゃ見られないですよ!
「NightS」は大人の男同士のじりじりとした駆け引きがおもしろいです。とにかく会話が
かっこいい。
「感情スペクトル」は勘違いから始まる高校生男子のピュアで初々しい恋のお話です。最後のシーンとせりふにキュンと来ました。
そして「リプライ」―。私はこの「リプライ」が特にお気に入りです。
普通の大人の男の人同士が恋に落ちていく過程を丁寧に描いていて、いちいち胸が苦しくなって大変でした。前編は関くんの感情に同調していたんですが、後編から高見さんに
同調するようになって、もう切なくて切なくて…。
コミックスにはリプライの描き下ろしが収録されていて、雑誌掲載分の話のその後の2人が読めるので本当に大満足でした。「NightS」の描き下ろしも入っていますし、ペーパーでは感情スペクトルの4コマが読めます!
本誌で読んでいた人も楽しめるコミックスだと思います!
おすすめです!
…発売からずいぶん時間がたってしまいましたがレビューさせてください。
まず私はこの単行本の表紙のかっこよさに飛び跳ねました。
この作品を雑誌で追いかけていたのもあって、矢代さんの人物像と作品の世界観にぴったりすぎて鳥肌ものでした。この表紙を店頭で見たら、たとえ作品を知らなくても手に取ってしまっただろうと思います。
作品の大まかな設定はヤクザもの。主人公がドMで変態、淫乱―。
こうして主役の矢代さんはかなり振り切れた人物設定ではあるけれど、
どうしてかその存在に違和感がない。
矢代さんは欲望に忠実であけっぴろげなようでいて、本音を隠して生きている。
そこに空気を読まないむき出しの百目鬼くんが触れてくる。
このふたりのやりとりが不器用でせつなくて、どこかあたたかい。
この作品を読んでいると一つ一つの言葉や、台詞のない“間”を大切にしているなと感じる。互いの言動で揺れ動く感情をすごく大切に描いているなと思う。
だからこそ、その緊張感やゆらぎに同調してどうしようもなく感情を揺さぶられるのだと
思う。
また「漂えど沈まず、されど鳴きもせず」も本当にすごい。
冒頭の“人間は矛盾でできている”という言葉から、高校生の矢代さんが淡々と自分を語りながら物語が進んでいく。
すべて自ら望んだものと受け入れているように見せていても、ごまかしきれない矛盾した
自分の存在―。
最後のシーンなんて、もう一緒に泣くしかなかった。
この「漂えど~」と「Don't stay gold」がリンクすることで
「囀る~」はより深みを増しているなと感じます。1冊で全部読めて本当にうれしかった!
本誌でも読んでいるんですが、2巻が非常に楽しみです。
次の表紙はどんな感じになるのかな~♪と、わくわくしています(^^)
書店で見て、表紙の絵が素敵だったので思わず購入。
中身の絵も、シンプルな力強い線で描かれた色気のある絵で気に入りました。
学生ものの作品も収録されていますが、全体的に大人の雰囲気。
個人的には表題作の「嫌煙家のテーブル」と「はつこい」が気に入りました。
しかし、他の収録作と比べても「嫌煙家のテーブル」は、異質な感じがします。
相手の「口」に対するフェチズム的な要素を描きながら話が展開していくところが、
私は「新しい!」と思いました。
食事を食べるシーンが印象的に描かれていて、ついつい2人の口元に目が行ってしまう。
特に津川さんが指をしゃぶりながら寝ているシーンには度肝を抜かれてしまいました。
いいおじさんの指しゃぶり…思いのほかエロくてかわいかった…。
あたらしい萌えをいただきました。
全体的には恋の手前の駆け引きを描いた作品が主体です。
甘々な関係を求めている方には少し物足りないかもしれませんが、
等身大の男性の姿や関係性の中にふわりと漂うBLの雰囲気を味わいたいという方には、
おすすめかも知れません。
でも、表題作はなかなかおもしろい作品だと思うので、ぜひ読んでいただきたい。
表題作のその後の描き下ろしも収録されています!
作品のそのままの雰囲気を引き継ぎながら、少し甘い2人のやり取りがほほえましくて
おもしろかったです。
雲之助先生の作品は、かわいくて切なくて胸をキュウキュウさせられる。
恋っていいなぁと思わせてくれる。
好きな人を想うこと、好きな人に想われることの幸せ。
好きな人に好きという気持ちを示すことの尊さ。
そんな風に”心”を通わせ合うことの素晴らしさを感じられる作品ばかりです。
先生の描く涙は、その感情や体温が伝わってきそうなほどあたたかくて、
先生の描く笑顔は、彼らの幸せな気持ちをありのまま伝えてくれる。
ギュッと抱き合う彼らが切ないほどに幸せであることを感じられるのは、
その表情や台詞で彼らがどうしようもなく惹かれあっていることがわかるからでしょうか。
この作品集の中の3作は、すでにコミックスとして刊行されています。
「幸せになるのさ!」、「きみに注ぐ」、「男の子と恋」はどれも素敵な作品です。
私は今回の1冊の中でこれらの作品の番外編が読めたことが幸せです…!!
とにかく、この一冊をきっかけにこの3冊はぜひ読んでいただきたい。
そうすると、よりこの一冊の素敵さが倍増すること間違いなしです!
間違うことで初めて気づけることがある。
理性だけでは制御できない気持ちがある。
すれちがっていても今伝えなければ後悔する想いがある。
小説版の橘高さんとサガンさんも含め、
それぞれ別の人生を歩み、別のものを背負って生きている4人が、
ぶつかり合いながら離れては、またどうしても惹かれあう姿がもどかしくもあり
恋とはこういうものだよなという想いを起こさせてくれる物語です。
英と淳平らしく、ほんわかとしてあたたかい気持ちになる告白シーンは必見。
これまでの展開がすれ違いだらけだった分、やっと誤解が解けたときは
”本当に良かったね”と思わず祝福の拍手をしたくなりました。
ふたりの偽りのない素直な言葉が、とても彼等らしくて素敵です。
描きおろしでは甘々なふたりを含め、素敵なお話が描かれているので、
本誌で読んでいた方にもぜひ読んでいただきたいなと思います。
本当にあたたかい余韻の残るお話でした。
嶋二先生は、ちょっと切なくてかわいいお話を描かれるイメージがあったんですが、
この作品はけっこう先生の作品の中ではエロい…気がする。
一郎くんは女王様受けと言うよりは、天然淫乱受けではないかと…。
のんびりした口調が、とってもかわいいです。
藤くんも一郎くんに振り回されているようで、決めるところは決めてくれます。
ギャルソンロングエプロンと黒髪ロングが男っぽくてよかった。
一郎くんの口元のほくろとか、藤くんのギャルソンエプロンとか、
萌え要素が含まれていて、それなりにエッチシーンも…。
余裕のない二人がなんだかかわいく見えました。
互いの独占欲におぼれていく二人が楽しめるのではないかなと思います。
この作品をBLというジャンルの中だけにおさめていていいのだろうかと、いつも思います。
私がBLを読み始めた初期の頃に出会ったいくつかの作品の中の一つが、この作品でした。
普段、漫画を読んで感動することはあっても、泣いたことはなかった自分が
初めて漫画を読んで本気の涙を流しました。
同性愛者が、人を愛することによって伴わざるを得ないつらい葛藤や罪悪感、劣等感…。
同性愛者である嶋君が、外川さんの告白に素直に応えられない理由もよく伝わってきます。
そんな風に頑なな嶋君に対する外川さんの想いは、切実で、まっさらで、胸を打ちます。 特に後半は怒涛のように感情の波がやってきて、
ふたりの立場に立って感情移入しながら、胸の痛みにこらえきれずに涙してしまいます。
シンプルな絵と、シンプルでありながら微塵の隙もない言葉や台詞―。
独特のユーモアを含んだセンスの良さが癖になります。
作り物の世界であるとわかっていながらも、あまりにもその状況や感情が
リアルに伝わってくるので、いつの間にかこの作品の世界に飲み込まれてしまいます。
描かれていることのすべてが、結末までの伏線としてきちんとつながっていて、
読み終えた後にその事実に気付いた時はゾクゾクしました。
私の中では、読後の満足感や余韻は他にはないくらいにすごかったです。
本当に純粋に漫画として素敵な作品だと思うので、読んだことのない人がまだいるのなら
ぜひ読んでいただきたい作品です。
私はいまだに、この作品を読み返すたびに泣かされています…。
私がララ子先生を好きになるきっかけをくれた作品です。
男友達の恋人として紹介されたのは、自分が講師をしている塾の生徒の男の子だった―。
という出会いから始まり、関わり合う中でじっくりと互いへの気持ちを育てながら
いつのまにか恋に落ちていたふたり―。
淡々としている中にも、ぐっと胸に響く言葉やシチュエーションがちりばめられていて、
せつなくなったり、あったかい気持ちになったりします。
ララ子先生のやさしくふんわりとした画風がとても合っていて、とても素敵な作品だなと思います。
ふたりの恋の過程をじっくりと描いている作品なので、
過激なのは苦手…という方でも抵抗なく読める作品ではないかと思います。
おすすめです!
「onBLUE」本誌で読んでいた時から注目の作品でした。
本屋でコミックスをみつけた時は装丁のかっこよさに惚れ惚れ。
これだけでも買う価値ありです!
「女装」というキーワードをもとに、不器用にぶつかり合いながらも、じりじりと近づいてゆく八代と百瀬。
”彼らはいったいどうなっていくんだろう?”と、最後までその先の読めなさに、息をのむようにして見守っていました。
「女装男子」というジャンルは今までにもあったと思いますが、この作品の中での「女装」は、ただ男の子が罰ゲーム的に女性の格好をして楽しんでいるというだけのものではありません。
女装に対する八代のシリアスな欲望の部分が丁寧に描かれているし、そんな欲望と葛藤している八代が、百瀬の不器用さや素直さに揺さぶられて変わっていく過程にドキドキ・ハラハラさせられます。
とにかくおもしろい。
ぜひ多くの方々に読んでいただきたい作品です。
二人の関係にやっと光が見えてきたように感じられる4巻です。
巻を追うごとに、暁人くんがいい男に成長していくこの作品―。
特に暁人くんの桂木を想う一途さと健気さは胸に迫ります。
だからこそ、4巻の巻末のシーンは何度読み返しても泣けてしまいます。
現代の私たちには到底理解できないしがらみの中を生きている二人。
互いを想っていることは確かなのに、その気持ちに正直に向き合うことが許されない―。
傍にいたくてもそうできない二人が切なくて、胸が苦しくなります。
先が見えない二人の関係―。
それでもこの4巻で、暁人くんの真っ直ぐな愛が、頑なだった桂木をとうとう動かしました。
いびつながらも、想いを確かめ合った二人がこれからどうなっていくのか―。
どんなときでも朝が来るように、
憂鬱な二人にも明るい未来が待っていることを信じたい―。
そんな4巻でした。
私にとって「憂鬱な朝」は、出会えて良かったと心から思う作品の一つです。
設定も緻密で、人物の感情の揺らぎも隅々まで丁寧に描かれていて、
BLというジャンルの枠を取っ払って見ても、純粋に「漫画作品」として楽しめる作品だと
思います。
本当に、たくさんの人にこの作品を読んでもらいたくて仕方ないのですが…
どうにかならないもんですかね…。