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ただお前を守りたい―― 神話世界の魔狼の一途な恋!
taiyou wa marou ni tandekisu
作家買い。
鹿嶋さんは個人的にあまりハズレがない作家さまなのですが、今作品も超面白かった。鹿嶋さんの新刊は鹿嶋さんがお得意とするファンタジーもの。北欧神話がベースになっていますが、北欧神話についてさほど知らなくてもきちんとわかる展開になっています。
という事でレビューを。
主人公は大学生の太陽。
太陽、と書いて「ひなた」と読む。
彼は高校生までサッカーに明け暮れていたが、怪我が原因でサッカーをやめ、現在はごく普通の大学生として日々過ごしている。
そんな彼はある日、凄まじい美貌を持つ男性に声を掛けられる。
その男・スコールは太陽を「ソル」と呼び、さらに「ヴィ―ザルがお前を殺しにやってくる」と告げる。何を言われているのかわからない太陽はその場を逃げるが、スコールの言葉を裏付けるように違う男に襲われて―。
というお話。
序盤、太陽とスコールの関係が分からず、スコールが太陽の味方なのか、彼が太陽をソルと呼ぶのはなぜなのか、そういったものが分からず頭の中に「?」マークが飛び交うのですが、
太陽が時々見る夢。
スコールに対して「懐かしい」と思う感情。
そしてスコールが太陽に向ける優しさ。
そういったものが少しずつ見えてきて、それに伴い二人の関係もわかってきます。
過去にスコールが「ソル」にしたこと。
「ソル」が太陽になった過程。
そして、何千年にもわたって、スコールが太陽を守り、そして愛し続けてきたこと。
鹿嶋作品の受けさんは、とかく男らしい、っていうのかな。
口が悪かったり、性格的に豪胆な受けさんが多い気がしますが、今作品の受けさんもなかなか(性格的に)男前です。
スコールは太陽を守るために抱きますが、それをすんなりと受け入れることが出来ない。
ある意味、非常にリアルで、でも、そうであっても一途に太陽を想うスコールが健気でカッコいいのです。
主人公は太陽で、でも彼の目を通して見えてくるのはスコールという男性の太陽に向ける愛情の深さ。いつでも、どこでも、何度でも、太陽を守るためだけにスコールは存在している。
そんなスコールの想いの深さに萌えが滾って仕方なかった。
そして、スコールは魔狼。
という事で狼なわけですが、もっふもふです。
太陽がスコールの毛皮にうずもれるシーンがたびたび登場しますが、
もっふもふ。
です。
羨ましい!私もモフモフしたい!
と悶絶しました。
序盤から、ソル、そしてヴィ―ザル、ルーン魔術、という言葉が出てくるので、北欧神話をすぐに思い浮かべますが、それらを全く知らなくても全然問題ありません。ただ、知っている方だとヴィ―ザルとスコールのどちらを信じればいいのか悩むかも。文中でも太陽が悩むシーンがありますが、太陽とともに、読者も、物語が進むにつれ、スコールの男気と一途さに少しずつ絆され、そして信じていく展開になっていて、ストーリーにどっぷりと浸ってしまう。
この展開の仕方が非常に鹿嶋さんらしく、お上手でした。
ストーリー自体非常に面白いのですが、特筆すべきは円陣さんの描かれた挿絵。
これが、
めっちゃ綺麗。
です。
表紙でKOされる方も多いんじゃないかなと思うのですが、中の挿絵も文句なしの美しさです。
サブキャラは何人か出てきますが、その中で群を抜いて魅力的なのがスコールの一族の長であるハティ。
ヴィ―ザルとの最終決戦に備えて、太陽を護衛してもらうためにスコールが呼んだ同胞ですが、彼もまたクッソカッコいい。円陣さんのイラストが、萌え度を確実に上げています。
表紙は肌色率も低いですし手に取りやすいイラストですが、カバー捲ってすぐの口絵はがっつりエロいので、本屋さんでカバーを掛けてもらう派の腐姐さまは注意された方が良いかもです☆
鹿嶋さんの描かれたあとがきによると4Pものにする想定もあったとか。
それも良い…!
と悶絶しつつ、ハティメインのスピンオフも読んでみたいなと思います。
北欧神話をモチーフしたストーリーで、ルーン魔術や神や狼とかたくさん出てきました。
受けの大学生太陽の性格は人間味があって、結構好みでした。
攻めのスコールもかっこよくて、寡黙だけど、言動に深い愛情を垣間見えるから、
この二人にこれからずっと幸せになってほしいです。
イラストにつられて購入したのですが、ストーリーにも大満足です。
表紙だけでも心を捕まられたけど、
どの場面の挿絵もきれいで、本当に素晴らしい一冊でした。
今回は北欧神話の神を殺した魔狼と
北欧神話の神に命を狙われる大学生のお話です。
攻様と神の因縁に巻き込まれた受様が
攻様の番として幸せを掴むまで。
受様はごく普通の容姿で
ごくごく普通の暮らしをする大学生です。
大学入学で親元を離れ3ケ月、
人恋しさからあわよくば彼女をと
ゼミの飲み会に参加します。
しかし恋愛下手な受様の成果はいま一つ、
それでもいい気分でアパートに向かっていると
突然見知らぬ男に声を掛けられます。
やっと見つけた、俺のソル
男は179センチの受様が見上げる長身で
わずかに褐色かがった肌に流れる銀髪、
瞳までも銀とイケメン過ぎて
しばし受様も見惚れてしまうほどでした。
この美丈夫こそ今回の攻様です♪
受様が攻様の不審な態度に声を上げると
いつの間にか集まっていた白い大きな蛾が
まるで受様の声に反応するように
近づいてきたのです!!
受様がパニックに落ちかけた時、
攻様が逞しい腕をすっぽり抱きこまれ
次の瞬間、蛾がいきなり燃え上がり
次々と炎に包まれていきました。
それを見た受様の心臓は激しく拍動し
恐怖で足が竦んでしまいます。
受様は火事に遭遇した事も大火傷の経験も
トラウマもないはずなのに
なぜか子供のころから炎が苦手なのです。
炎を怖がる受様をなぜか攻様は訝しがり
"ソル"という知らない名前で呼ばれた挙句
不気味な言葉を発します。
もうすぐヴィザールがお前を殺しに来る
受様は自分を見返す無表情な攻様が
不気味過ぎてその場から逃げ出します。
部屋に戻って落ち着いた受様は
スマホで攻様が発した気になる言葉を
検索してみると
"ヴィザール""ソル"は北欧神話の神々で
受様にはほとんど知識のない分野で
受様は眠気に負けてしまうのです。
翌日も攻様の言葉が気になりつつ
大学に向かった受様は大学構内で
金髪碧眼の美貌の男を見かけます。
その場は何事もなく通り過ぎますが
受様はバイトの帰り道で
その男に襲われてしまうのです!!
スコールがあなたを食い殺しに来ますよ
そう言いながら男は
自身の爪をまるで剣のように長く伸ばし
受様の心臓めがけて繰り出しますが
受様の正面に光の盾が出現し
受様を護るように攻様が現れるのです。
攻様は男を"ヴィサール"と呼び
男を退けるのですが
男は受様達にさらに意味深な言葉を残して
去っていきます。
その狼…スコールに
生きながら喰われたいのですか?
神話を信じるなら
"スコール"は太陽の女神をのみこんだ狼で
スコールは"ヴィサール"が父の仇と殺した
フェンリルの子孫です。
受様を殺そうとしているのは
"ヴィサール"と呼ばれる男なのか?
"スコール"と呼ばれた攻様なのか!?
北欧神話を下敷きに
神々の時代の因縁が現代日本で展開する
サイキックファンタジーです。
攻様も敵対するヴィサールも正しくは
超能力がある"人"ではないのですけど
この2人の因縁に受様が巻き込まれる事で
物語が進展します。
受様は北欧神話の時代に
攻様が食べた太陽の女神が
転生を繰り返す中での今の姿であり
攻様はヴィサールが言ったとおりに
女神を飲み込んだ魔狼です。
北欧神話では攻様が太陽の女神を
攻様の仲間が月の男神を呑みこんだ事で
地上から月と太陽が消え
ラグナロク(神々の黄昏)が始まり
神々も狼達も多くの力を失うのです。
ラグナロクを引き起こした攻様の行動は
生き残った神々にとって不安の種であり
その為に受様が狙われていると
攻様は思っているのですが
実はヴィサールが受様を狙うのは
父である大神オーディーンを殺した
魔狼フェンリルの血族である攻様に
大切な受様を殺す事で仕返しをするという
根深い私怨の憂さ晴らしなのですよ。
攻様とヴィサールの戦いの結末と
受様と攻様の恋の行方を
ドキドキ&ハラハラしながら
楽しく読ませて頂きました♪
神話モチーフ、輪廻転生、
もふもふな攻様とすごくMYツボな設定が
てんこ盛りで楽しめましたが
恋愛に疎いという受様の恋の過程には
ちょっとモヤっとしました。
受様の命がかかっているとはいえ
ヴィサールからの目隠しになるからと
強引に攻様の番として組み敷かれたり
結界があるとはいえ構内で
雪崩れ込まれて致しちゃうのは
あまり好みじゃなかったな (^-^A
最後の決戦も
受様の覚醒も絡めて
北欧神話の神々の神器も使って
大胆にまとめられてはいましたが
神が相手なので消滅不可な前提であり
"すっきり"よりは"一応"な決着なら
なぜ現世だったのか
(ここまでの年月がかかったのか)
という強い訳(意味付け)が欲しかったです。
なので今回は「萌」評価に届けます。
本作も前作同様、
全サSSペーパー企画対象です。
気になる方は早めに応募さましょう (^o^)v
今回は輪廻世繋がりで
雨月夜道さん『千年恋空―ずっと好きな君へ―』
をおススメさせて頂きます。
こちらは攻様が転生を繰り返すお話です♪
円陣先生なのでマストバイ。北欧神話ものでした。攻め受けともなぜかそんなにシンクロせず、サクッと読み終えてしまったので萌。神話の???に気を取られ過ぎたのかも。本編260P超+あとがき。
双子の姉(ソル、太陽の運び手)はスコール(狼、フェンリルの子孫)に丸のみ、双子の弟(マーニ、月の運び手)はハティ(狼、フェンリルの子孫)に丸のみ。その結果、太陽と月が消え神々の黄昏(ラグナロク)の始まり始まりー。最高神オーディンがフェンリル(狼)に食われてしまって、さあ大変となるが、オーディンの息子ヴィーザルがフェンリルを殺して、ソルが産み落とした娘が新しい太陽の運び手となり・・・という北欧神話の「ソル」が転生を繰り返して今の人間、太陽(ひなた、♂、大学生)に。ソルに恋焦がれているスコールは人間界に来てしまい、また「ソル」を飲まれたらたまらんとヴィーザルもやってきて・・ とまあ冒頭ややこしいややこしい(´;ω;`) 時系列が全くわからんがそれはそっとしておこう。
ということで、太陽、スコール、ヴィーザル、ハティ(後半出てくる!これまた超イケメン!)の追いかけっこのお話でした。
**好きだったところ
狼なんでお肉love。牛丼、しょうが焼きなんかをお気に召したシーンなんかはめちゃ可愛い。力を使い果たしたら、原型(やや小さめ狼)に戻ってすぴすぴ眠るところも可愛い。食べちゃったら無くなって寂しかったっぽくて、今回は太陽を丸のみしないと宣言するところも可愛い(食べてはいけないと学習したらしい)。そのような複数可愛いところはあれど、なんだろう、攻め受けともさっぱりぱっきりしたタイプのように感じられて、きゅーーんと感じる所が少なかった印象です。
途中、受けさんも頑張るし、終わり方もとても良かったし、北欧神話モチーフなんて珍しいのでとっても嬉しいんだけどな。もちろん挿絵は最高に好きだし。やっぱり神話が気になってしょうがなかったから萌が減ったのかも。難しい。