本格ファンタジーBLの書き手・鴇六連が贈る鳥もふBL!

黒鳳凰の愛する小鳥

kurohouou no aisuru kotori

黒鳳凰の愛する小鳥
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×230
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
17
得点
402
評価数
100
平均
4.1 / 5
神率
51%
著者
鴇六連 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
黒鳳凰の愛する小鳥
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784041078020

あらすじ

美しいばかりで鳳凰としての力がない玻璃は、伽を求める他の鳳凰への憤りと自身の不遇を嘆いていた。だが千年に一度生まれ、禍を招くという黒い鳳凰の孵化に居合わせた玻璃は、懸命に生きようとする雛鳥に惹かれ、命令に背いて命を助ける。烈と名付けた雛は日毎に成長し、玻璃は幸せな時を過ごすが、一方で先行きへの不安が募る。ある夜、玻璃は見知らぬ男に押し倒されるが、その正体は驚異的な成長を遂げた烈だった。烈は「玻璃はおれのだ!」と上位鳳凰たちに宣戦布告をし!?

表題作黒鳳凰の愛する小鳥

凶禍を喚ぶとされる黒鳳凰,0~6
美しいが力を持たない鳳凰,18~24

その他の収録作品

  • 凶禍の記憶
  • あとがき

レビュー投稿数17

神仙界の鳥モフBL 一途やんちゃ攻めの愛に酔いしれる

「不朽の名作BL小説100選」、”ロマンチックな恋”部門を見ていて
とても気になり、手に取りました。
Kindle Unlimitedにて読めると知り大歓喜。

レビュータイトルどおり、やんちゃ一途攻めの愛に酔いしれてうっとり、
最高の読書時間を味わうことができました✨

神仙界を滅亡させるという凶禍の黒鳳凰。
雛鳥を殺せー
そんな命令に背き、秘かに自らの手で育てた烈(攻め)が
急激な成長を見せ、やがて求愛行動をとるようになり…

という、育てた子に求愛される鳥モフBLです。

羽純ハナ先生による表紙、口絵、イラストが全て
言葉を失う美しさため息が出ました。
特にお気に入りは、雛鳥時代の烈の人間(子ども)姿!
額に鳳凰の証をつけた、大きな紫紺の目の烈。
そんな彼が「玻璃(はり・受)ちゃん」「玻璃ちゃん』と言って
慕ってくるのです…
こんなのもう、庇護欲掻き立てられてたまらないよー…!

鳳凰の仔として生まれながら、額に蓮花印を持たず、
瑞獣たちとの戦に耐えうるような大きな体や力にも恵まれず、
”出来損ない”の鳥として扱われてきた玻璃。

そんな彼が、守るべき存在を得て心弾ませながら
幼い烈との蜜月を過ごす様子はなんとも甘く、心くすぐられる描写でした。

自分が守るべき、小さくてか弱く可愛い存在だった烈が
たった一晩で大きくなってしまい、「求愛行動はしたから次は交尾だ!」と
意気揚々と玻璃を抱こうとする場面には、思わず「おいおい!」となりつつも。

烈の行動原理全てが、一途ひとすじ・シンプルに
「大好きな玻璃ちゃんを喜ばせるため(&悲しませない・泣かせないため)」なのが良い…!
(大きくなってから思わず出ちゃった「玻璃ちゃん」呼びシーン、萌え転がりました)

可愛かった烈が急に体も態度も変わってしまい、
自分の知る烈ではない…!と戸惑い怯える玻璃。
すれ違いが切なくもあるのですが、やがて烈の様々な行動から、
その心は幼い頃から少しも変わっていないー

ということに気づいてゆく描写に、胸が熱くなりました。

「れつ、つよい!はり、ぽた、ぽた(=涙)、なくていいよ」

辿々しくそう告げた雛鳥の頃から、何一つ変わらず
一途に愛を捧げる烈の姿に、読みながらなんだか泣けてきてしまって仕方なかった。。

作者様のあとがきにあるように、

「玻璃との愛の巣作りを邪魔する奴は許さん!」
「玻璃の喜ぶことをする!」

この二点だけが彼の行動原理の全てで、
オラオラオラー!と突き進む様、読んでて本当に気持ち良かった!✨

玻璃視点の本編のお話だけでも文句なし!の「神」ですが、
書き下ろしなのかな?烈視点に切り替わった終盤のお話がまた、
最高に良かったです。

黒鳳凰として生まれ落ちた烈には、やはり生まれた時から
「神仙界を滅ぼせ」と語りかけてくる、ダークな内なる声が聞こえていたのだな、と..

そんな本能をも打ち砕く、玻璃への強い想い。

生まれた数時間も経たないうちに、”凶禍の鳥を産んだ”とされた母鳥を殺され、
自分の境遇と重ね合わせた玻璃の涙が、闇落ちしてもおかしくなかった
烈の運命を変えたのかー

と分かり、さらに胸が熱くなるお話でした。

で!

とっても気になる脇キャラ、鶂己(げいき)。
美しい彼のスピンオフも出ているとのこと、
しかもそちらもアンリミにて読めるとのこと!嬉しすぎます・:*+.

スピンオフの方も、じっくりと読み込みたいと思います。

一途やんちゃな攻めの愛に酔いしれる、
ロマンチックで素敵な神仙界の鳥モフBLでした。

0

子の成長を喜ぶ親にしか……

どうにも不快感の強い話だった。鳥だから仕方ないが人権軽視の酷い扱いが公然と行われる世界観なのと、殺されても自業自得としか思えない愚かな主人公、この組み合わせがキツい。烈はただただ可愛かった。

詳しい内容は微妙にボカした書き方だったが、搾取する側とされる側がハッキリしており、玻璃はされる側。逃げ道があるのにわざわざ戻り、自ら底辺の扱いを受けに来たも同然なのに、なんか愚痴っていて呆れる。知ってたやろっていう。

烈を育てるシーンは可愛くて癒やされた。でも危ないことが分かっていて何の策も考えられない玻璃は、親代わりとしてどうなんだろう。当然のように捕まった後は、玻璃の愚かさの報いを烈が受けているようで、見ていて気分が悪かった。

ずっと自分の育てた子の成長を喜ぶ親目線だった玻璃の中で、いつ烈への気持ちが恋に変わったのか分からなかったが、まあ鳥だから良いのかな。ヒトだったら、玻璃は母親にしか見えず心理的に無理だったと思う。

巻末の烈視点の短編は、一族の長として烈の殺処分を命じる判断は正しかったと思えるもので、少々モヤモヤが残った。また千年後に黒鳳凰が生まれたら、どうなるのかな。

子供の可愛さとか、烈の一途さとか、萌えるところはある。ただ全体を見るとマイナス感情の方が強く残った。

0

攻めのキャラクターが好みわかれるかも

攻めのキャラクターが他にはない感じで、個人的にはすごくツボでした。
一昔前のジャンプの主人公のような直情型で、その情は一心に受けに向いています。
一方でスマートさやスパダリ感は皆無。戦闘能力が高く、外見もイケメンですが、言葉や行動は好きな子にお花をあげつづける小学生みたいなイメージ。
私はそれが本当にツボで、楽しく読みました!

受けは母性があるクールビューティーって感じ

作中の登場人物は鳥として過ごす時間も多いので、もふもふ要素も楽しめます!

特に攻めが小さい頃の子育てシーンがすごくかわいくて、受けのこと「はりちゃん」って呼ぶのが本当に可愛かった…

逆に、スマートな攻めを求める方や、鳥が苦手、人外の恋愛に萌えないって方にはおすすめしません

0

No Title

鴇先生のあとがきによると「黒鳳凰が大好きな小鳥のためにせっせと愛の巣を作る」お話とのこと。
うん、たしかにw
壮大な世界観をこのひと言にまとめた鴇先生の潔さよ(´∇`)
生まれにより戦いの第一線に立てないことに苦悶する玻璃が、いわくつきの黒鳳凰の雛を育てることにより自分を確立していく…
色んな人と関わっていくんだけど、梟の師匠衆とのやり取りがとても好き。

それにしても、あんなに可愛かった黒いフワフワの雛鳥が一晩でがっつく狼になっちゃってw玻璃と同じく私もびっくり( ºロº)

羽純先生の絵も美エロで素晴らしいです。
特に玻璃が傷付いた烈を抱いて暖めるシーンと、ふたりがキスするところの玻璃が♡♡

1

設定がいい

鳥モフBLってことで、鳥が主役のCPです。

凶禍と言われる黒鳳凰のヒナを殺すよう命じられた玻璃が命令に背いてこっそり育てるお話です。黒鳳凰だからか、玻璃を守るためか、烈と名付けたヒナは普通では考えられない速度で成長して、玻璃を番にしたいと迫るようになります。
子供の頃にお世話をしていた子が成長していつしかお世話する側が逆転するって好きなんですが、このお話はそこに鳥設定が効いていました。玻璃から烈へ口移しで給餌するが子育てから、烈から玻璃への求愛行動へ移行していくんです。
そんなこっそりとした生活がいつまでも続くわけがなく…ってところからがまた面白いわけですが。

0

鳥姿も可愛い!

鳳凰の玻璃は、多種多様な禽鳥が住む瑞郷天を守ることが望みであったが、鳳凰の力がほぼ皆無のため叶う事のない夢だと諦めていました。ある日、雛を育てる職に就いた玻璃は、凶禍を喚ぶ黒鳳凰を殺すように命じられるが、烈と名付けて隠して育てていたところ…という話でした。

玻璃と烈は同じ鳳凰とはいえ、食べ物のの好みや、鳥姿の大きさとか、違いがあるのが面白かったです。口絵見たら、目白と鴉っぽく感じました。

とにかく烈が小さい頃から玻璃好き好きなのが可愛かったです。すぐ大きくなる、幸せにする、とチビ鳥の微笑ましいセリフが実は宣言でしっかり叶えていくのも良かったです。

鳥姿の烈が、人姿の玻璃の肩に止まったり膝に乗ったりしてるのも可愛いですし、一晩で成長した烈が怪力男になってしまったと嘆く玻璃も楽しかったです。序盤は哀しい過去でしたが、それを吹き飛ばす幸せなストーリーでした。

1

二作まとめての感想

漢風神話調の物語。

横暴な純血統の朱色の羽を持つ鳳凰の悪習に振り回される鳥族。
玻璃と鶂己は、離宮に隔離されて育てられている美貌の雛。
二人はよく似ているけど、鶂己にある鳳凰の印が玻璃にはない。
玻璃は、なりそこないの鳳凰の雛。

玻璃の様子を観にきているらしい、母鶯に気付いた鶂己が、
母鳥が止まる木に向かって玻璃を投げ飛ばす。
でも玻璃の母鳥は、木に止まった姿のまま既に息絶えていた。

数年流浪した後、苦労して職に就いた玻璃は、雛を育てる役職に就く。
玻璃が担当した卵は、なんと、黒鳳凰の卵だった。
「一族を滅亡する黒鳳凰」は、孵化してすぐ処分することが定められていた。
でも、たまたま卵の担当になった玻璃は、黒鳳凰に愛を注ぎ、狂暴性を削いでしまう。
・・という冒頭の黒鳳凰物語、面白かったので続編も読みました。
白鳳凰は、宮中の悪習改革物語。

「黒鳳凰の愛する小鳥」のスピンオフが、「白金鳳凰の愛しい勇鳥」
で、ファン要望を受けて、創作された「白金鳳凰の愛しい勇鳥」
玻璃と異母兄弟ではないかと思われる容姿の白金鳳凰の鶂己が、自分だけの番を得ることができた。

その短編が二つ公開されてます。
頁数の兼ね合いで、納まらなかった短編なのだそう。・・タイトルが違うけれど、同じ内容だった。

鴇先生のブログに、SSが公開されてます。
★『黒鳳凰と小鳥の冬籠もり』
http://tokimutsura.blog.fc2.com/blog-entry-138.html

★多忙な白金鳳凰の愛の巣づくり、「鳥籠の悪夢は陽光に消え」は、二か所で公開中。
カクヨム :http://tokimutsura.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
ブログ  :https://kakuyomu.jp/works/1177354054894723856

3

続編希望

読み始めはやたらと難しい漢字の名前や役職、建物の名前が煩わしくて後悔しました。

ですが烈が幼児の姿になり、玻璃が生きがいを感じて生き生きとしてからとても面白くなりました。

烈が巨大な黒鳳凰になって九尊鳳凰の元に向かうシーンにはゾクゾクしました。どちらが悪人だよと夢中になりながら読みました。

そしてしまいに軍鳥として玻璃の為に必死で戦果を上げる烈に拍手喝采してました。烈に憧れる雀達がとても可愛いし、玻璃の危機に良い働きをしてくれます。

玻璃の幼なじみの鶂己も魅力的な人物でした。何を考えているか分からないのですが、玉座を辞退した理由が与えられるものに興味がない。ボソっと真ん中を奪うみたいな発言がありました。

出来るならば鶂己を主人公とした丹天老君を酷い目に遭わせる下克上物語が読みたいです。

2

ファンタジー

表紙に惹かれ買いました。よかった。ファンタジー。言葉、漢字が、むずかしい、読めない。色々な鳥、植物、果実などが出てきて、きらびやかで、綺麗な感じが、しました。
玻璃君が、かわいい、綺麗。黒い鳳凰の烈、カッコいい、男らしさがありいい。
「玻璃ちゃんにおみやげ」
「玻璃ちゃんを悲しませない」玻璃ちゃんにつくす烈君が、男らしいと思い、萌えました。
玻璃君と烈君のHシーン萌えました。

1

壮大な中華擬人化ファンタジー


舞台は人間の踏み込むことのできない神仙界。
そこに棲む5種の瑞獣(青龍・白虎・鳳凰・麒麟・玄武)が常に領土の奪い合いをする中、鳳凰たちを滅ぼすという言い伝えのある黒鳳凰として生まれた攻めが自分を慈しみ育ててくれた受けを世界一幸せにするため、自分の本能に逆らって受けと幸せになる話。

あらすじはもう他の方が詳しく書いて下さっているので感想だけ。

鳳凰と鶯との子供として生まれたにもかかわらず、鳳凰である徴は現れず中途半端に力を継いだため鶯としても生きられない美しく孤独な玻璃(受け)。
美しいが故、力ある鳳凰たちの「慰み者」ならないよう、自分の力で切り開いていく姿はとても好感が持てます。
鳳凰たちの棲む瑞郷天を滅ぼすという黒鳳凰の孵化にたまたま立ち会ってしまい、生まれたばかりの黒鳳凰を殺せという鳳凰たちに反抗して、命がけで黒鳳凰を助け育てていく姿はすごく心を打たれます。

玻璃に烈(攻め)と名付けられた黒鳳凰ははじめからとても賢く、ひたすら玻璃に懐いていく姿がすごくかわいいです。
烈は成長がとても速く、6歳で突如青年の姿になってしまいますが、それでも本質は変わっておらず、玻璃を泣かせるものは許さないという玻璃至上主義で、勇壮なのにかわいいままです。
疲れているのに玻璃のためにせっせと愛の巣を整え、美味しい果物を集める姿がいじらしいったらないです。
烈が小さい時は、玻璃が一生懸命育てながらも、いつ見つかるかわからない緊張状態が続きはらはらしましたが、烈が青年になってからは烈が瑞郷天を滅ぼす使命を持つのにふさわしく、無双状態なので悲惨な境遇に落とされてもあまり不安になることなく安心して読めます。
玻璃は生まれてからずっと鳳凰たちに狙われる状況が続いたため地に足をつけて生きてこられなかったので、烈と番になってやっと落ち着ける場所を見つけられたことは本当に良かったです。
いままで不遇だった分これからはたっぷり甘やかされ手欲しいものです。


掌編で烈視点での生まれてからの行動や心情が語られいています。
ここで烈が実は本当に凶禍で、鳳凰たちの棲む瑞郷天を滅ぼすために生まれてきたことがわかります。
本来ならこそっと孵化して他の卵を壊して逃げ、密かに大きくなって瑞郷天を滅ぼすはずだったのに、玻璃に見つかりたっぷりの愛情を注がれた結果、何度も襲ってくる本能を抑えこみ自分の力を玻璃を幸せにするために使うことにした彼の努力がわかり、瑞郷天の本当の救世主は玻璃だったんだと思うと、玻璃を自分たちの言いなりにしようとした玉座に座る人たちに謝らせたい。
そんなことは全く玻璃には悟らせない烈の玻璃への愛の深さに感服です。


一番謎だったのが、玻璃の異父兄ではないかと思われている幼馴染・鶂己です。
飄々として自分の考えを誰にも読ませない彼は何を考えていたのか。玻璃と並ぶ美貌を持ち何度も玻璃の手助けをし、求婚もしていたようですが本気には見えないし、同じく「慰み者」になるはずだった運命を自力でひっくり返し神将まで上り詰めた彼は何を糧にのし上がったのでしょうか。玻璃のためと豪語する烈のほうがよほどわかりやすい。与えられるものには興味がないといっていましたが、最終的には瑞郷天の頂点にいるんじゃないでしょうか。烈は玻璃以外興味がないからきっと鶂己の下にずっといるんでしょうね。

壮大でとても面白かったと思うのですが、もう少し詳しく説明してほしかったところもありました。
玻璃が何度も拒絶し続けた「止まり木」は複数の鳳凰で所有し、地面に足をつくのを嫌がる鳳凰のための文字通りの止まり木の役目を負い、彼らの伽をし卵を産む役割を担っているようですが、青楼にいる伽をする遊君との違いはなんなのか。
また、飛び切り美しい玻璃と鶂己がしばらく育てられた「離宮」は鳳凰の慰み者を育てるところだとありましたが、慰み者とはなんなのか。「止まり木」も青楼で働いているものも「慰み者」であることにかわりないのでは?
玻璃はたくさんの鳳凰に求婚されていましたが、玻璃は雄なのにいいのか?
鳳凰は雄雌関係なく卵を産むのかと思ったけどそうでもないようだし。
複数で共有するから卵は他で産むからいいとかそういう感じ?
あまり本筋には関係ないけど、玻璃にとっては重要なことだったのでもっと詳しく知りたかったと思いました。

4

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