ふばば
fusaide
本編後、恋人関係となった設楽と栄の会話劇。
多分設楽のマンションで。
多分事後で。
どんな夜を過ごしたのかはわかりませんが、本編から推察するに、設楽は甘く接し栄は照れ隠しもありつつ素っ気ない感じ?
それは事後ともなるともっと顕著で、栄の口の悪さ、態度の悪さ、喧嘩腰。
同じく設楽ののらりくらり、聞き流し、やり過ごし。
こんな2人でもうまくいってるんですね…(私には正直お似合いとも思えないのですが…)
設楽はもっともっと先の人生も栄込みで生きようとしているし、栄も表面上はともかく深い所で受け入れている。
理想のリタイア人生までもっと働かなければ、という設楽に、なら彼の資産を削らなければ、と思う栄。つまりは設楽にはもっとずっと自分と同じ職場でいい仕事をしてほしいから、なんでしょう。
だけど栄。愛は生きているうちに。
設楽を愛する気持ちがあるのなら表に出したほうがいいんだよ。それが弟を喪った奥の教訓。
夜、設楽のマンションで過ごす栄。おそらく事後なのでしょう。栄のジーンズが床に放り出されています。
設楽のパソコンの履歴に熱海のリゾートマンションを本気で探す気配を見た栄は、理由を問いただします。
自分が五十の頃には栄に番組(ザ・ニュース)を全部任せられるだろうから、早期リタイアも悪くないかな~って、と冗談めかして話す設楽。どうやら、五十の頃には頭にキレが無くなるから、がっかりされる前に引退しようかな、ということらしいです。
これには、ちょっと胸を突かれました。どこまで本気か分かりませんが、互いの才能に惚れた恋の賞味期限を気にするなんて。設楽さん、可愛いです。
設楽が、俺が編集した奥のVはどうだった?と自信ありげに聞いてきて、栄が、AVの面接みてえ、とぞんざいに返したものだから、じゃあ(栄の)初体験の年齢から聞いていこうかな、と話があらぬ方向に。二人が初めて体を重ねた11年前に触れることになってしまいます。離れていた間、女とどれだけ遊んだのか探り合ううち、設楽の顔が真面目になってきて、栄は逃げようとしますが、背後から抱きしめられてしまいます。
「離したら帰っちゃうだろ、栄はつめたいから。」素直に甘える設楽が、またまた可愛いです。
奥と向かい合い続けた設楽の思いを聞き、栄は、いつも黙って損な役回りを引き受ける設楽の優しさをかみしめます。そして、設楽が本当に疲れて引退したいと願ったときは賛成してやるべきなのだろう、と。
でも、素直じゃない栄は、「リゾートでもリタイアでも好きにすりゃいいけどさ。うっかり(ザ・ニュースに)戻りたくなっても、入れてやらねえから。」と突き放します。
設楽にぜいたくな要求をしまくって資産を削らなければ、と算段する栄の本心は、ずっと一緒に働きたい、ということなのでしょう。設楽は分かっているのですね。「悩ましいな」と言いながら栄を愛撫する仕草に、嬉しさが滲んでいます。
分かりやすい本音では話さない二人ですが、きちんと通じ合っているのが、不思議で、微笑ましいです。