兄弟、と呼ぶにはあまりにも不適切な関係。

蜜月の幕があがる

mitsugetsu no maku ga agaru

蜜月の幕があがる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
2
得点
9
評価数
4
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
藍生有 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784065238127

あらすじ

「お前はひどい男だな」
「自覚はあるよ。そうじゃなきゃ、兄を抱かないだろ」
舞台を中心に活躍する俳優の舟沢薫は、たったひとりの男に翻弄されていた。それは、若手国会議員の島津史弥――かつて互いの両親が夫婦だったことがある、というだけの、血のつながらない弟だった。
遡ること一ヵ月前、人気女優との結婚を決めた直後の史弥に、薫は愛を告白されて抱かれたのだが……。

表題作蜜月の幕があがる

島津史弥,28歳,若手の国会議員
舟沢薫,29歳,2.5次元俳優

その他の収録作品

  • あとがき
  • 朧月夜に溺れる

レビュー投稿数2

想う相手を手に入れるために

今回は一期目の衆議院議員と主に舞台中心の若手俳優のお話です。 

受視点で攻様の結婚を機会に2人が秘密の関係になる本編と
攻視点で裏事情が垣間見える後日談を収録。

受様は舞台を中心に活躍する俳優です。

初舞台から6年目となりますが
3年前に原作の世界を活かす2.5次元劇に出た事で
徐々に活躍の場を広げています。

受様は母が未婚のまま生んだ私生児ですが
母が国会議員をしていた男性と子連れ再婚した事で
一時期、義弟がいた事があります。
その義弟こそが今回の攻様です♪

攻様は病気で引退した父の地盤を継承し、
一期目の衆議院議員として多忙なようでしたが
突然攻様から話したいことがあると連絡が入ります。

急遽会った攻様は疲れたような様子で
何かよくない話かと思う受様でしたが
なんと攻様の結婚報告だったのです。

受様は驚きながらも祝福しますが
その相手は2人の共通の友人の恋人のだった
はずの女優で驚愕してしまいます。

その友人は2週間前に自殺していて
表向きは交通事故死として扱われたため
葬儀はひっそりと行われた事も知らされます。

さの上攻様は受様に
「家に戻って俺の秘書になって欲しい」と
突拍子もない申し出をしてくるのです!!

攻様の結婚に友人の死は関係しているのか!?
攻様の真意はどこにあるのか!?

父の連れ子の攻様と母の連れ子の受様の
恋を描いた兄弟モノになります♪

個人的にガチ兄弟モノは苦手な分野なので
あらすじで親の再婚による兄弟関係と判ったので
手にした1冊になります。

攻様は東京暮らしですが
本家は受様の住んでいた長野を拠点としています。

再婚を考えた2人の両親は
子供達の相性を見るためと攻様を夏休みの間、
攻様を本家に預けて2人を近づけたのです。

幸いにも2人は互いを良い友とし
両親の再婚後は仲の良い兄弟となりますが
攻様は受様を兄弟以上に思っていたのです。

そんな攻様事情が俎上なのですが
攻様の結婚には友人の彼女の思惑、友人の死の背景、
それに加えて受様の出生の秘密が絡んできて
受様の周りの関係には秘密の要素が色濃く

受様が攻様と生きる決意をするまで
思った以上にハラハラ&ドキドキしつつ
楽しく読ませて頂きました (^-^)v

最初に攻様が「秘書になって」といった言葉は
何のフリだったのかが判然としなくて
ちょっとモヤっていますが

芸能界も政界もスキャンダルが命取りな世界で
2人がどうやって秘密を守っていくのか
もう少し読んでみたいです。

3

設定を盛り込み過ぎな気がします

藍生さんの新刊は義兄弟もの。
なのですが、「義兄弟もの」と言い切れない様々なバックボーンを孕む作品でした。




主人公は2.5次元俳優として活躍している薫。
彼には身体の関係を持っている人物がいる。かつて親同士の再婚により、数年だけ兄弟として時を過ごした史弥だ。

が、その史弥は人気上昇中の若手国会議員。
しかも結婚報道がされたばかりの男で―。

子どもの時は夏休みに遊びに来る友人だった史弥。
それが薫の母親と史弥の大臣をしている父の再婚により『兄弟』という関係になった思春期の頃。
そして、母の死をきっかけに、再び彼らは兄弟ではなくなった。

かつて兄弟だった史弥に熱烈に口説き落とされ関係を持つに至るが、けれど史弥は美人女優と結婚するという。

んー。
それぞれにきちんと理由が存在しているんですよ。

史弥はずっと薫が好きだったこと。
『兄弟』だった時のトラブルや勘違い。
史弥が結婚すること。

が、なんて言うのかな、バックボーンが盛り込み過ぎっていうのか…。しかもそこに、薫の父親は一体誰なのか、という謎までぶっこまれています。

薫は史弥に迫られたとき、「兄弟」という枷に抵抗を感じる。けれど二人が兄弟だったのはもう数年も前までの話であって、しかも、一応は二人の間に血の繋がりはない、という前提がある。なのでそこまで「兄弟」という部分が問題になるのかな…、と感じてしまったことが話に入り込めなかった一つの要因です。

さらに言うと男同士であるといった葛藤はほぼ描かれておらず、しかも肝心の薫の史弥への恋愛感情についても深く描かれていないので、なぜ薫が史弥の想いを受け入れ、身体の関係を持つのかがいまいち分かりづらい。

史弥の結婚についても。
BL作品において、攻め受けのどちらかの結婚という展開は非常にセンシティブというか哀しみをもたらす因子だと思うのですが、今作品においてはそこは問題視されていない。

色々なバックボーンが盛り込まれていて、そこが面白いと感じる方もいらっしゃると思うのですが、個人的には話がとっ散らかって噛み合ってないなと感じてしまいました。完全に好みの問題かと思われます。

俳優仲間の恋愛とか、あるいは人気俳優のスキャンダルとか、そういったものもほんのり匂ってはいますがそこどまり。スピンオフとか続編が出るのかな…。

もう少し設定を絞って、そこに焦点を当てて描いてくれたなら、あるいはもう少し萌える作品になった気がします。

8

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