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いや〜、シリアスなストーカー事件が絡むのに、笑えちゃう、という!
中原先生のシリアスと笑いのバランスが素晴らしい、(時々面白)事件解決ヴァンパイアものでした◎
事件の犯人に刺されたものの、死にかけのところを吸血鬼に救われ、吸血鬼になっちゃった刑事 × バーテンダー。
大学時代から「ニコイチ」と言われていた2人のカプです。36歳同士、渋い男の魅力がたまらない感じ…!
小野浜こわし先生の硬い感じのイラストがすこく作品に合っていて、色気たっぷりでした。
犯人探しのミステリーでそっちも面白いんですが、やっぱり 沖野のお母さんに棺桶の蓋を開けられ、家に戻ったら菊池が干からびてたシーンがもう、笑えて笑えて仕方なかった…!
いや、沖野泣いてるし笑っちゃいけないんですけども。…うん、今思い出しても笑える。
そしてラスト。感動の涙の…になるかと思いきや!思いきや!その顛末も笑えて仕方なかった〜面白すぎますꉂꉂ(๑˃▽˂๑)
先生のあとがきによると、この作品を書く前、ヴァンパイアものは売れない、と担当さん?に言われたとのこと。
中原先生節の吸血鬼×ミステリー、個人的にはかーなーり!面白かったので、もしまたチャンスがあるならぜひ読みたいなぁと思います。
ミステリー好きさんにも、おじさま萌えの方にも、笑いを欲してる方にもおすすめの、こちら。ぜひ!
中原一也先生は大好きな作家さん。
ですが最近はファンタジー系が多くて、ファンタジー苦手なもんですっかりご無沙汰でした。
でもファンタジー系の作品群の方が得点数も高いですよね。先生はヤクザもオヤジもファンタジーも何でもイケるんですね。
さて、本作。
吸血鬼ものとは知って読みましたが…
正直、この冒頭。というか吸血鬼ものとしての始まり方に驚きました。
何のひねりも世界観もなく、いきなり日常に吸血鬼が。
元々好きな中原作品だし、BLだから、という事で読み進めました。
読めば面白いですよ。
私が従来好きだった男臭さ系のエッセンスが色濃かったし、さすがのエンタメ度で一気に読ませてくれます。
エロシーンも相変わらず良かった。
血を欲しがる渇望と性的な欲求が絡まるような描写も良かった。
しかし……
ファンタジー系の根幹が私の好みじゃないんだなぁと再認識したかも。なんで吸血鬼でなきゃいけない?とか思っちゃったもん。
これはBLで、結局は菊地と沖野がエロいことしちゃうよ!っていう期待があるから読める、というか。
中原先生の物語運びの巧みさに対しては感服です。
作者買い。
中原さん大好きですよv
正直私個人としては、オヤジ系はあまり得意ではないのですけれど、
中原さんの書かれるオヤジ供は皆可愛い。
……というか、私の中では三十代はオヤジに入りませんから!
オヤジというか、ビジュアル的にキラキラしたイケメンではなく、
男臭い男達とでも申しましょうか。
今回の二人も実に男臭い!
そして小野浜さんのイラストがそれに拍車をかけている!v
甘い雰囲気もラブラブもございませんが、
男の色気満載ですv
ストーリー自体は、
吸血鬼物と言ってしまうのを憚られるようなハードボイルド
……と言ってしまうにはちょっと甘めかな。
一つ一つのエピソードは面白くて上手く繋がっているのですが、
全体的に見るともうひと盛り上がり欲しかった気も。
それでも、男同士の友情を超えた繋がりと、
恋愛になりきれないもどかしさがハラハラしますし、
シリアスとちょっと笑える感じのミックスも絶妙。
せっかくの吸血鬼設定ですし、
誘拐されたおじさん(?)も気になるので、
シリーズモノになるといいのになぁと期待しつつ、
評価は「萌×2」で!
オヤジとショット・バー存分に堪能しましたよ。
36歳のオヤジカップル。
攻めは刑事。猫背気味で無精髭のジゴロな雰囲気、でも脱いだらすごい体で。
受けはバーの雇われマスター。カウンターの中でカクテルを作る彼はとても美しく魅力的で。
大学の時からの腐れ縁の二人でしたが。
ハラハラしながら読みました。
吸血鬼になってしまった菊地。長居するつもりはないって毎回言って。ずっと沖野を好きで沖野のストーカーに殺されても捕まえる為に吸血鬼になって蘇って。
犯人探しはなかなか進みません。もしかしてノーマークの田中とか?と思いましたが違いましたね。
体を繋ぎ自分の中の愛を知りでも別れの時は迫って。
そしてとうとうお別れの時が。
お願い!また戻ってきて!と願いながらエピローグのページを読み進めました。
良かったです。どんなことをしても一緒に生きる道を選んでくれて。
今回もハラハラドキドキとオヤジを堪能しましたが、萌えがもう少し欲しかった。
菊地の愛情に沖野も溺れていくのはとても良かったです。口が悪い沖野、デリカシーのない菊地。いいカップルです。
刑事が惚れてる相手を守る為に事件に巻き込まれ吸血鬼になるなんて
そんなとんでも設定あります??と思いながらも
読ませてくれるのが中原さんなんですよね。
常連客から熱のこもった目で見られるバーテンダーの沖野、
あしらい方も大人で慣れてる……。
素は結構ガサツで不摂生というのもギャップがあって良いです。
そんな彼を大学時代から憎からず思い続けている刑事の菊地、
こちらも36歳にして負けず劣らずな渋さを持っていながらも
男くさいっていうかオヤジくさくて楽しいww
沖野の血を欲するワイルドさ、
吸血鬼という本能以上に沖野自身を貪りたいような妖艶さが魅力的でした。
沖野も「悪友だから」とかなんとか言いながらも
本音は好きだからその身を差しだしてしまうわけで。
時にムードのないようなセリフも、そういう二人だから白けないし
逆にリアルな感じがしました。
小野浜さんのイラスト、かっこよすぎる!!
中原さん作品にドンピシャだったので今後も是非描いていただきたいです!!
耽美なヴァンパイアものではない、中原さん流ヴァンパイアな今作。
あらすじと表紙の印象から、シリアスものなのかな?と思い読んでみると…コミカルかつ読みやすく、笑いあり涙ありのとてもバランスの良いお話でした。
中原さんの書かれるオヤジたちはどうしてこんなにも愛おしいんでしょう。
学生時代からニコイチな親友2人ならではの、夫婦漫才のような掛け合いも楽しいですし、スタンダードなヴァンパイアものではまずあまり見られないような2人のやり取りに思わずクスっと笑ってしまいます。
愛する稔の血を飲んで、あまりの高コレステロールっぷりに空腹は満たされるものの具合が悪くなる啓介(笑)
設定はシリアスなはずなのに終始楽しく読めてしまう…
ギャグもありつつ、純愛あり、ミステリーあり、ベッドシーンは色気あり、そして切なさもあり…これだけ沢山の要素が詰め込まれているのにもかかわらず、すごく良くまとまっていて、読後感もすっきり。
楽しくてページをめくる手が止まらなかったです!
カクテルについての描写も、読みながらどんな味なんだろう?と想像してみたりと、とても楽しめました。
ショットガンスタイル、大人でかっこいいですね!
啓介の後輩・田中くんや、啓介を助けた吸血鬼・加藤さんもなかなかにキャラクターが立っていて良かったです。
中原さんの作品はサブキャラクターも魅力的ですよね。
今作もですが、こんなに可愛くて楽しいオヤジたちは中原さんにしか書けないと思っています。
これからの作品も楽しみにしています!
小野浜こわしさんの挿画も作品にぴったりと合っていて素晴らしかったです!
個人的に最高のタッグでした…!!
年齢よりも少しくたびれたオヤジたちのコミカルなやり取りに癒され、色気のあるシーンとのギャップで悶絶したい方に特におすすめの1作です!
表紙に惹かれて読んでみたらとても良かった。
思い人のバーテンを守るため、吸血鬼になってまで戻ってきた刑事。
バーテンを狙い、刑事を殺した犯人を捕まえるまでの期限付きでこの世にしがみつくことを決めた刑事が格好いい。見た目もワイルドなジゴロ。
バーテンが刑事に対して素っ気ない態度を取る度に、別れが迫ってるんだからもっと優しくして!と思ったが、
その本心も察して愛し続ける刑事さんの包容力が凄い。何という男前。
バーテンに言い寄ってくる常連客達を調査していくシーンも緊張感があって面白かった。
酒を作る描写が良くて、バーテンの仕事中に帯びる魅力と相まって格好良かった。
このバーのカウンターの隅っこでずっと仕事姿を眺めてみたい。
この作品で一番好きだったのは、バーテンも男前だったところ。
この手の話だとバーテンは女性と見紛うような麗しい美人だったりするけど、こちらもしっかり男性で男女の恋愛とは違った気持ちの展開があって面白かった。
学生の頃から友情とも愛情とも意識せずずっと共にあるものだと思っていた刑事が突然いなくなって初めて自分の気持ちを意識してからの、バーテンさんの心の移り変わりが良かった。
対等な関係のオヤジ同士、特に受けが攻めをどつくような力関係が好きな方にはオススメの作品です。
沖野(受)の視点が多めですが、菊池(攻)側もあり、分かりやすくドラマの様な臨場感があります。
冒頭で菊池が殺されて吸血鬼になって、沖野の前に姿を現します。
朝日で灰になるという吸血鬼のセオリーを抑えつつ、沖野の血がまずいという予想外さに加えて、軽快なやり取りが楽しいです。そのくせ、事件が解決したら消えるという菊池の決意が切なさを漂わせてます。バランスが絶妙です。
好きかと問われて照れるのでなくはぁ?と怒る沖野や、いびきをかく部分も好きだと笑う菊池が個人的なツボでした。ニンニクが嫌なのはアナフィラキシーショックのようなという説明も分かりやすかったです。
小野浜こわし先生のイラストを私は初めて見たのですが、とにかくカッコイイ!隙なくどれも素敵!
表紙イラストでは菊池に押され気味の沖野ですが、口絵や挿し絵では沖野の男前が際立っています。
真っすぐな背中で綺麗な筋肉がうかがえますし、電話で挑発する半裸の菊池も色っぽい。そのくせ、映画で号泣する二人は可愛らしいです。色っぽいオヤジの魅力満載でした。
購入特典でイラストカードが付いていたのですが、いままでは余程好きな先生でないとイラストカードって特典としての魅力を感じなかったのですが(SSの方が嬉しい。)、表紙イラストと同じだけど、肌の色や月など色味が違うのがまた魅力的で、すごくいい!って感じました。
オヤジのカプものでしたが、何とも楽しく、可愛い人達でしたw
こんなに萌えるとは…。究極のエンターテイメントで癒されました。
ヴァ○○○○ものですが、流石、中原先生だけに、独自路線で進まれます。
ストーリーがどちらへ向かっていくのか未知数だし、ユーモアのあるストーリー展開で面白かったです。終盤にかけて、ストーリーがとても盛り上がり、映画やドラマを見ているような爽快感が味わえました。終わり方も良かったです。
ヴァ○○○○要素も、オヤジらにかかれば、薄れるほど、オヤジ個性が濃厚でした。でも、ちゃんと萌えもありますので、ご安心を。個人的に両方が男臭いカプが好みだけに、ツボにハマりました。
あとがきを読んで中原先生が、売れる路線か、独自路線かで悩まれる事もあるようですが、先生の持ち味、個性を、これからも活かした執筆を続けていかれる事を望みます。ついていきますw
こちら、どうも読む方によって印象が違ってくる作品なんじゃないかと思うんですけど。
個人的には、コミカルな純愛ものだったりして。
主役二人が共にオヤジになります。
二人ともオヤジにしか出す事が出来ない渋い魅力の持ち主です。
二人とも、人生経験は人並み以上に積んでるのに、恋愛に対してはとても不器用です。
そして、なまじその人生経験があるだけに、そんな本心を隠す術にも長けているー。
そう、中原先生だからこそ書くことが出来る、愛すべきオヤジ達なんですね。
で、この二人やりとりなんかが大変面白い。
「ほら、帰るぞ」
「そうだな、帰って血でも飲むか」
「おい、寝酒でもするみたいに言うな」
これが、吸血鬼との会話なんですよ。
で、ことごとく吸血鬼もののセオリーの真逆を突いてくる。
沖野(受け)の血を飲む菊地(攻め)。
すると、「なんて甘い・・・」と夢中になるのでは無く、「まずい」と胸焼けを起こす。
そして、血のあまりのまずさに「血栓とかできてんじゃないか」と心配する。
なんか、こんな感じのギャグがしょっちゅうブッ込んでありまして。
設定だけみるとかなりシリアスなのに、ひたすら笑って読んだと言う読後感なんですよね。
いや、面白いよ!
面白過ぎるよ!!
そう、ギャグあり、推理サスペンスあり、そして不器用でジレったい恋愛あり、おまけに心をふるわす切ない展開ありと、とても読み応えのある作品なのです。
人によってどの部分が強く響くかで、印象が変わってきそうな。
これだけ盛りだくさんの内容なのに、最後はしっかり感動で締め括られてるのも、また素敵でした。
それにしても、年齢を重ねた男にしか出せない色気ってありますよね。
ちょっと、くたびれてるからこそ出せる。
沖野の色気がまさにこれ。
絡みシーンの艶っぽさには悶絶しました。
中原先生なので購入。先生がおやじおやじと呟いておられたのは把握していましたが、片方は無精ひげあり、ややくたびれた感のおやじでした。吸血鬼のせつない話は大好きで、やっぱり先生お話凄いなあと思うのですが、無精ひげおやじが得意ではなかったのを思い出したので申し訳ありません、萌です。
36歳、雇われバーテンダーの稔。美形って訳ではないけど、白いシャツに黒ベスト、黒ボウタイという装いでバーカウンターに立ちシェイカー振ると、なんか醸し出すものがあり、吸い寄せられる客は複数。ある日開店前に、大量の血痕を残して行方不明となっていたため、もう生きていないと思っていた菊池(刑事、大学時代からの悪友)が血まみれで現れ「俺は吸血鬼になった」と告げ・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
菊池とコンビ組んでる刑事、受けの店の常連客複数、吸血鬼道を指南してくれる先輩吸血鬼ぐらいかな。
謎解き話でもあるので、登場人物はまあおられます。
**おやじ内容について
ちゃーんとおやじ。シャワー浴びてひげをきちんと剃ってぱりっとした格好すれば、きっともっと吸い寄せられるはずなんだろうけど、いかんせんイメージが刑事コロンボ。そのため個人的萌が半減しちゃいました。「事件が解決したら俺はちゃんと死ぬ」と自ら宣言するような、潔い奴で、せつない吸血鬼ものだし、最後の最後は「えええええーーーーーーーーー」と受けと一緒に呆然としたんですがー。吸血鬼部分(血が吸いたい、でも人間でありたいといった葛藤等)は絶好調に好きなんですが、やっぱりビジュアルが効くんだわ、と個人的嗜好を再認識した作品でした。
おやじが大丈夫で、吸血鬼ものがお好きな方でしたら、おすすめです!
オヤジ×可愛い美青年という話で名作の多い中原さんですが、今回は攻めも受けも36歳同級生のオヤジです。攻めは無精ヒゲでワイルドな色気のある刑事で、受けは美形というほどでもないけどカクテルを作っている姿は美しく、常連客の男達にモテモテのバーテンダーです。
ミステリー+ホラーファンタジー要素もある話です。吸血鬼ものなので。攻めが一度死にかけてミイラ化した時に受けがキスされるシーンがあったけど想像すると結構怖い。あれに耐えられるなんて愛の力だなぁと思いました。あと受けの血が美味しくなくて、酒やタバコの不摂生でまずいっていうのがリアルな感じで面白かったです。
イラストも中原さんがリクエストしたというだけあってお話にぴったりのオヤジ絵でした。
「またしても」と言いいますか、中原さんの新作は大変驚かされました。
大変不思議な手触りの物語です。
これ、作品の『トーン』をどう言ったら良いんでしょうかね?
シリアスでもあり、せつなくもあり、ある意味痛いのですが、ほのぼのとしている部分もあって、途中でとんでもないギャグをぶちかまして(こんな処であの国民的○コ型ロボットの話が出てくるとは思わなかった)、そのくせ作品全体はダークな雰囲気で包まれ……ひょっとしたら「メリバ?」とも言える(多分そうじゃないんだと思うんだけど)。
でも、ちぐはぐにとっちらかっている訳じゃないのです。
いや、実に不思議。
それなりにたくさんのBL小説を読んできたつもりですが、まさしく『初めての経験』でございました。
大学時代から、何のかんの言っていてもつるんできた2人、刑事の菊池とバーテンダーの沖野。
冒頭でいきなり菊池が刺されて行方不明になります。
1ヶ月後、大きな喪失感を抱えている沖野の店に、血まみれの菊池が現れて「吸血鬼になった」と告白。
最初、出版社あらすじを読んだ時には「ギミックなんだろう」と思ってたんですよ。
でも、菊池吸血鬼はニンニク、十字架、日の光etc.などはお約束通りなんです。
美女(この場合は沖野ですけれども)の生き血に対する渇望もその通り。
そして「自分を刺した沖野のストーカーを捕まえたら、日の光を浴びて灰になる」と宣言します。
これが実に固い決意であることが、お話が進むにつれ明らかになります。
沖野は菊池の無念を晴らしたいと思います。
だから自分の血を採って菊池に与え(ニコチンと高脂血味で胸焼けがするみたいですが)、捜査にも協力するんですけれど、でも、それが達成したら菊池はこの世からいなくなってしまう。
終わりが解っている人との付き合いは、それぞれの本音が剥き出しになるものです。
多分こんな状況でなかったら、菊池が沖野に告白することもなかったでしょうし、沖野も菊池に対しての恋情を自覚することなく『腐れ縁の友人』のままで終わったんじゃないかと思うのです。
それがとても切ない。
だけど、2人の日常は今までと変わりがないのが、変にリアリティがありました。
ちょっとした言い合い、軽口のたたき合い。そして、それぞれの仕事に対する真摯な姿勢。
命の残りが少ないことが解っていても、こんな事件が起きる前と変わりなく過ごしています。
こっちはそれにニヤリとしたり、爆笑したりするのですけれど、その反面、心の底がつらい。
そうなんですよ、ギリギリの愛につらくなるんですよ。
煙草、ジャズ、様々な種類のカクテル及びその粋な飲み方に彩られ、小野浜画伯の奇跡の様にマッチしたイラストにも力を与えられて、オヤジスキーには堪らない物語でもあります。
何と言ってもこの不思議な読後感。
是非、他の方の感想を聞いてみたい様な、人とこの話について語り合いたい様な、なんとも言えない魅力に溢れたお話だと思います。
たくさんの姐さま方のレビューを希望!
発売を楽しみにしていたオヤジが主人公の中原作品。
今回は小野浜さんがイラスト担当と知って購入意欲が倍になりました。
小野浜さんの別名義での同人誌(某バディ)はずっと本棚にあり続ける大好きな作品の一つです。
手に取るまで「ヴァンパイアものといえば耽美でシリアス」が私のなかでは定石だったのですが、気持ちよく覆されました。
菊地(ヴァンパイアになった攻め)は無精髭で男の色気に溢れる刑事でオヤジ(といっても36歳)。
最高です。
無精髭も煙草もアルコールも、物語のなかでは登場人物をより魅力的にみせるアイテムであり、今回もその魅力に惹き付けられました。
物語の色あいはラブコメディ。
よくよく考えれば菊地の陥った境遇も今後の展望も薔薇色ハッピーではないと思うのですが、シリアスに振り切らない物語運びは新鮮であり、読んでいて非常に楽しかったです。
受けの沖野は菊地がヴァンパイアになってしまった現実を受け入れ、なんだかんだと世話を焼くある意味豪胆なタイプ。
大学時代から友人であり、恋愛関係ではまったくなかった二人が菊地がヴァンパイアになったことで関係性を変えていく過程は開き直りに近く、そこでも笑いを誘われました。
状況はこの上なくシリアスなはずなのに、菊地と沖野のやり取りがどうにもコメディでそのバランスが絶妙!
もちろん色っぽいシーンは中原さんなので大人の男の色気が溢れ返ったワイルドセクシーを堪能できます。
菊地を助けるために血を吸ったヴァンパイアの加藤も、菊地の警察の後輩である田中もいい味を出していて、つくづく中原さんは脇役の描写が上手だなぁ、と。
あっという間に楽しく読了。
小野浜さんのイラストも堪能できて、一粒で二度美味しい読書時間を過ごせました。
こ…この表紙は…!!!!
BLお仕事待ってましたよ…小野さん…(;///;)
色気のあるオヤジといえばの中原さんと小野さんのタッグがうれしい////
オヤジ好きにゴリゴリに推しておきます。
表紙の印象とあらすじでシリアス調なのかな?と思ってたんですが
攻めと受けが「ニコイチ」と呼ばれるほど仲の良い友人で軽口をたたき合うコトが多く
コミカルな印象もありました。
犯人を追うミステリー要素と、ジゴロなオヤジの恋愛と、吸血ファンタジーと、コミカル。
なんだかこう並べるとごった煮感はありますが面白かったですヾ(*´∀`*)ノ
お話は刑事の攻め・啓介が大量の血液と上着を残して失踪したところから始まります。
友人でバーテンバーの受け・稔は啓介の部下から失踪の捜査状況を聞き、啓介の死を覚悟していました。
ところがある夜、啓介が突然、血まみれの着衣のまま姿をあらわして…。
あやうく死にかけたところを吸血鬼に助けて貰って吸血鬼として生き長らえた啓介。
その目的は、稔のストーカー犯を追い、捕らえること。
吸血鬼の本能と戦いながら稔の元へ帰ってきました。
そして、長年互いに触れずにきた感情がーーーと展開します。
2人のニコイチっぷりが中々ですね~。
あけすけな言葉やキツイ言葉もバンバン言い合うけれど
何を言っても許されるし、許してあげられる、という信頼感が見えてニヤニヤ。
キャッキャとはしゃいでるようにしか見えないオヤジたちですw
過去回想では女友達GJ!でした。
息ぴったりのラブラブ(にしかみえない)ニコイチの"あーん"はめっちゃ萌えた///
アイスを分け合って食べてる学生とかホント尊い…*。゚+(大好き)
そんなこんなでニコイチな仲の良さの2人ですが「友人」の枠からは出ておらず。
1度死にかけて生き返った啓介が、今度は後悔しないようにと想いを口にするのがグッときます。
しかしこの瞬間たとえ通じ合ったところで刹那的でしかないのですね。
言われた方の稔のどうにもできない感情が切なキュンでした(;///;)
吸血鬼になってしまった啓介。
姿形・言動は何もかもが変わらないのに、味覚が変わり、血に飢える姿が…。
時折襲ってくる啓介であって啓介でない違和を感じる稔の複雑な思いも切なかったです。
オヤジのお色気シーンは多々ヾ(*´∀`*)ノ
というのも啓介のジゴロな雰囲気は立ってるだけでカッコイイ~!
吸血本能が出たときのゾワッと感も鋭利な雰囲気がすごく良かった。
で、稔を抱いたあとにストーカーを煽るとこなんて噎せそうなほどの+゚。*オヤジフェロモン*。゚+
良い…すごく良い…////
稔のバーテンシーンはさすが中原さんですね。
お酒飲めないけれどすごく美味しそうな描写にそそられ、味を想像して楽しみました。
全体的にミステリー仕立ての中に
吸血鬼が登場するシーンだけが浮世離れしていた雰囲気も良かったです。
啓介を助けた吸血鬼さんはおっとりした親切な人でした(^^)
吸血鬼になってまで稔を守ろうとした啓介。
出だしが出だしだったのでどこに終着点を置くのかハラハラするのも見所の一つかと思います。
作家買い。
中原さんの新刊は、中原さんらしい、と言っていいでしょう、オヤジが主人公です。刑事×バーテンダーの恋のお話。ここ最近中原作品はツボに入りすぎる神作品ばかりでしたが、今作品もすごく面白かった。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
一人の刑事が、人気のない山奥に赴くシーンからスタート。
自分よりも大切な親友をストーカーから守るためにやってきたのだけれど、不意を突かれ犯人によってめった刺しにされてしまう―。
そんなショッキングな描写から物語は始まります。
主人公は、その刑事・菊池の「自分よりも大切な親友」であるバーテンダーの沖野。ほぼほぼ彼視点でストーリーが展開していきます。
決して美しいビジュアルではないものの、シェーカーを振る姿に独特の雰囲気と色気があり、常連客達から秋波を送られている。さらに、正体のわからないストーカー被害を受けている。当の本人は全く意に介していないのだけれど、菊池は沖野を心配し、一人捜査に当たっていたところに被害を受けたのだった。
菊池が大量の血痕を残して行方不明になったことで警察の捜査が入るが、遺体も見つからず行方不明のまま。
大学からの悪友である菊池を失った沖野は心にぽっかりと穴が開いた状態で日々過ごすようになるが、そんなある日、菊池が沖野の目の前に姿を現し―。
というお話。
死んだはずの菊池が沖野の目の前に現れた理由。
実は、菊池は殺されかけたときに、
ネタバレ注意!!
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吸血鬼に助けられ、そして彼自身、生き延びるために吸血鬼になることを選択した。
からなのです。
ああ、なるほど。
タイトルはここにかかってるわけね。と一人納得しつつ。
ヴァンパイアものって、血を吸うとか、にんにくや日光が苦手、といった従来のヴァンパイア像を否定する設定のものも多くありますが、今作品はがっつり従来の「ヴァンパイア仕様」です。
日に当たると灰になってしまうし、血を吸わないと飢餓状態に陥るし、にんにくが目の前にあると苦しくなる。
そんな思いをしてまで菊池がヴァンパイアにになり、そして沖野の前に戻ってきたのは、沖野への恋愛感情と、彼を追い回すストーカーを逮捕するため。
昔から、菊池は沖野のことが好きだったんですね。
で、一方の沖野というと。
まー、口が悪い。
辛辣なセリフはポンポン口から飛び出すし、そんな思いまでして自分を守ろうとしてくれた菊池に対しても容赦がない。
が、この二人の漫才のような掛け合いが非常にコミカルで面白いんです。
沖野を付け回すストーカーに殺された菊池、という事で、設定としてはかなりシリアス寄り。寄りなのですが、この二人の掛け合いがある事で、シリアスになりすぎずテンポよくストーリーが進んでいきます。
沖野を付け回し、そして菊池を殺した犯人はいったい誰なのか。
刑事として有能なスペックを持ちながら、「行方不明」であり、かつ「日光に当たると灰になる」菊池には、できることは少ない。そんな彼の捜査をサポートするのが沖野と、菊池の相棒だった刑事の田中くん。
ヴァンパイアものでもあり、ミステリーでもあり、そして恋愛ものでもある。
シリアスな設定ながら、爆笑必至のシーンもある。
なんともバランスのいい作品でした。
ヴァンパイアになってしまった菊池は、沖野のストーカーであり、自分を殺した犯人を捕まえた後は日光を浴びて灰になることを覚悟している。そして沖野も、そんな菊池の意思を尊重する想いを持っている。
という事で、犯人逮捕のあと、菊池と沖野が一体どうなってしまうのか、結末が気になりページをめくる手が止められませんでした。
中原さんらしい「オヤジ」を堪能しつつ、ストーリー自体すごく面白くて作品の持つ世界観にググっと惹きつけられました。
そして挿絵を描かれている小野浜さん。
失礼ながら初めてお見掛けしたレーターさんでしたが、作品のイメージにぴったりでした。特に菊池の汚い、というかワイルドな雰囲気がまさにイメージそのもので、とてもよかったです。
主要CPの2人も非常に魅力的でしたが、この作品の脇役さんたちもなかなか魅力あふれる人たちでした。
菊池をヴァンパイアにしてしまった加藤さん。
菊池の部下で相棒の田中くん。
彼らのお話も読んでみたいな。
今回もすごく面白かった。
文句なく、神評価です。