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白狼の山神様×「鬼の子」と迫害される青年の、和風純情ラブ!
yamagamisama no hatukoi no tsugai
これはストーリーには関係ないセリフですが、非常に印象的なセリフでした。山神様との恋愛に戸惑う若草に向けた、鹿の言葉でした。
最初に読んだ時はめちゃくちゃ衝撃的で、一瞬思考が停止しました。ほんとに色んな可能性を秘めた言葉ですよね。この作品を読む気がない人にも、このセリフだけはどうしても読んでほしい。これがどの作品にも通じる設定ではないのは分かってるんですが、この衝撃だけは分かち合いたかったんです。すいませんでした。これで悔いはありません。
若草(受け)と山神様(攻め)がお互いに心配しあったり救われたりして、お互いにとって唯一の相手になっていくのが最高なお話でした。
山神様は若草にとってまさしくヒーローで、若草は山神様にとって救いの光という感じです。
若草と山神様と若草のかかさま(お母さん)がとてもいい人で、特にかかさまの話はもうほんといい話ばかりで感動しきりでした。森の動物たちとすごく仲良し(?)で、ついディズニー映画に出てくるお姫様を連想してしまいました。山神様のいる森に住まわせてもらっていると考えているからか、かかさまは動物の肉を一切食べません。
若草は純粋で無垢な感じで、あのお母さんに育てられたのを思えば納得なぐらいにいい子です。特に動物に対する優しさがそっくりです。
あと、山神様の使いみたいな動物が登場します。鹿と猪と烏で、彼らは若草が危ないこと(とか)をしようとする度に必死に止めるんです。何度か若草が山神様のところから家出(ではないけど)した時に、必死になってとめるんですよね。
イラストについては普通に満足でした。ケモミミな山神様が好きで、5枚目の水もしたたる感じの山神様が特にお気に入りです。
嫌な人間も登場しますが、でも主人公サイドのキャラクターたちで心が浄化された気持ちなので満足です。
かかさまの蜜柑の木の話はうるっときてしまいましたし、幸せになった後のイチャ甘が読めたのも嬉しかったです。
お気に入りのセリフは、山神様が若草に言った言葉です。
「人間だが、愛しい人間だ。いや、人間というより若草だ。」
このセリフを最初に読んだ時、すごいグッときました。この少し前からが、恋愛部分で一番感動したシーンです。若草だけが特別、というのがこのセリフからものすごく伝わってきて胸に響きました。
きっと山神様にとっては若草だけが色づいて輝きを放ってるようなものではないでしょうか。
私の個人的なイメージとしては、人間に恨みを持ってから怒りに染まった赤色の世界で、それがどんどん孤独で灰色に染まっていくイメージでした。灰色の世界に慣れてしまった山神様にとって、若草は色んな色にきらめく光のような存在だろうと思ったのです。
電子書籍(BOOK☆WALKER、本編の本文 6p〜250p、電子限定特典の本文 255p〜268p、イラスト 270p〜278p)
BL版もののけ姫風?
とっても良いお話でした。
かかさま〜!若草を良い子に育ててくれてありがとう(泣)
優しい山の獣たちと山の恵みで、かかさまを亡くした後も一人で生きていた若草。
誰も恨まずでもこっそり泣いて。
泉の神様を心の支えに。
とにかく若草が可愛くて良い子で、獣たちとのやりとりも面白くて。
みんなに見守られて。それも全ては泉の神様もとい山神様のおかげで。
村人たちとの出来事や鬼蜘蛛の襲来などハラハラドキドキでした。ちょっとジブリっぽかったですね。
物語としてはとっても良いお話なんです。
が、萌えるかとなると…。
相手は元は狼の山神様でずっと一人ぼっちで、大嫌いな人間だけど若草は特別で愛しくて番にしたいと。
若草も山神様が大好きでずっと一緒にいたいと。
やはり神様の番になるには中出しで長寿で…と。
そんな数分で決めて大丈夫なの?というか本当に若草理解してるの?
そして山神様に雄味をあんまり感じなくて。男と言う前に神様って感じで。
若草はとっても性に無垢で何も知らなくて。
本当にいいの?とついつい心配してしまいます。
まあ村人よりも山の獣たちとの時間が長かったしね。
これで山神様も寂しくないね!
神さまとの異種族婚姻譚。
不憫受けが不憫な時間が過去ではなく現在進行形である場合、その時間が長いと消耗してしまって物語を楽しめないのですが、この話は絶秒な塩梅で調整されており純粋に話を堪能できたと思います。
不憫でありながらも甘やかしてくれる存在が身近にいることで癒され、母の愛の深さに何度も泣いてしまいました。
<あらすじ>
異国の血が混じっていると思われる母親に似た若草(受け)は白い肌に淡い茶色の髪に青い目を持つ少年でした。
若草は身重の母親を助けてくれたという山神様(攻め)の話を聞くのが好きで、二人は山神様が自分たちを見守てくれていることをよすがに山の中にひっそりと暮らしてきました。(実際は監視だった)
黒い髪に黒い目を持つ人しかいない山奥の村では二人は受け入れられなかったのです。
若草が10歳になったある嵐の日、母親は大けがをしてしまいます。血止めの薬を求めて村へ行ってもだれにも相手にされず、最後に山神さまを頼るのです。
山神さまは蜜柑を一つ若草に渡します。
母親は山神様が若草の前にも現れたことを知り、感謝しながら亡くなってしまいます。
翌春から、母親と貰った蜜柑を埋めた場所に若草にしか摘めない不思議な蜜柑が年中なるようになります。若草はそれを遠くの町へ売りに行き、懐いてくれる動物たちに見守られながらひっそりと暮らすのでした。
昔話に出てきそうな山奥の村。
自分たちと見た目の違う母子は鬼だと信じ村八分にし、自分たちに都合の悪いことはすべて鬼の仕業だと思うことで平静を保つ閉鎖的な村です。
それでも若草は母親の愛に包まれて穏やかに山の恵みに感謝する優しい子に育ちました。
それなのに、村人たちはそっとしておいてくれず、村を襲った鬼(実は蜘蛛の化物)は若草の仕業だといって怒り狂って襲ってくるのです。
危機一髪で山神様に救われるのですが、村の被害はどんどんひどくなり憎しみを若草が一心に浴びることになってしまいます。
山神様は人間に皆殺しにされた狼の生き残りで人間嫌いな神様です。
そのため、村を助けようとはせず、むしろ村が滅びて丁度いいと静観の構えなのですが、それを良しとしないのが若草でした。
村人のことは嫌いを通り越して憎んでいましたが、唯一若草母子を陰ながら助けてくれていた村長の母親だけは助けたいと山神様の反対を押し切って鬼蜘蛛のことを教えに行くのですが、話を聞かない村人に捕まってしまうのです。
村人たちの勝手さにはムカついて仕方ありませんでした。
昔の日本の集落にはきっと実際にあったあろう出来事なんだと思うと辛いです。
自分の境遇を甘んじて受けていた若草でしたが、最後に村人に対してちゃんと怒りをぶるけることができたことは良かったと思います。
村人たちには若草と密かに若草を助けていた老婆のおかげで自分たちの村が助かったという事実を絶対に忘れないでいてほしい。
一つ疑問だったのは村人たちは隠形している山蜘蛛が全く見えなかったのに、若草だけは眼だけは見えていたのはなぜだったのだろうか。
若草のように眼だけでも見えていればもう少し被害が少なかったかもしれないと思うと不思議に思いました。
山神様に何度も危機を助けてもらい幸せになる若草お話でもありますが、長く一人でいなければならない孤独な山神様が救われた話でもありました。
孤独な二人が幸せを見つけられてよかったと思える昔話でした。
時々ひゃあという展開になることがある月東先生。ドキドキしましたが!
攻め受けとも無事でした~良かった。山神様が大変可愛らしいお話、「本編230P弱+あとがき」です。街子先生の挿絵がこれまた素敵でして♡それと母の愛に敬意を表して萌2にしました。
母と二人、沢の側の山小屋でひっそりと暮らす若草。母子とも髪や瞳の色が他の村人と異なっているので、「鬼の子」と忌み嫌われているのです。母も亡くし一人山の獣たちと生活していた若草のもとに、ある日村人たちが「鬼の仕業だ」と押し掛け・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
鹿(ナイス!)、烏(しゃべる)、イノシシ、ウリ坊、子ザル、村人たち等々。鹿がいいです(笑)
**可愛い山神様について
最初はぶすーっとした偉そうな印象だったんですが、なんだかだんだん可愛くなってきて(笑)
しっぽがふっさんふっさん揺れるころにはトドメ刺されました、もう可愛いんだよー
(てか私がしっぽ好きすぎるのがいけないんだけど)
耳ぴるぴる系描写はあまりなかったのですが、しっぽでの感情表現は後半特にありますので、しっぽ好きな方はお楽しみになさってください!
でね、可愛がる訳です、ひたすら、若草を。
お前は何もしなくていい、可愛くしてろ的発言をなさって、ひたすら若草を愛でるというか、なでるというか(舐めてたかも)(笑)色っぽいシーンは少ないのですが、そのシーンがひたすら甘くてたまらんかったです!
受けさんはまっすぐ健気さん、いい子です。それから最後に一泣き間違いなしなシーンがありますので、最後だけは車内読み要注意で。母の愛、偉大。
今回は本性は狼である人間嫌いの山神と
外見から村を追われ山で育つ青年のお話です。
人間を毛嫌いしていた攻様が
受様をただ1人の伴侶として娶るまで
受様の母は肌が白く
青い目と赤みが強い金色の髪をして
受様も葉は譲りの白い肌に青い目
金色に光る明るい茶髪です。
しかしながら
皆黒目黒髪の村の人々は2人を
「鬼」「鬼の子」と呼んで村を追い出し
母子は山奥で暮らしていました。
村の村長の母親だけはただ1人
ひっそりと差し入れをしてくれますが
受様母子は母が作る組み紐と
木の実や山菜などの山の幸を売り
何とか生計を立てている状態です。
受様は成長するにつれて
数多くの山の獣と仲良くなっていき
10才を迎える頃には彼らは
受様に果実やキノコの群生地まで
教えてくれるようになります。
しかし、ある日、
嵐に見舞われた山の中で受様を
探しに出た母が大怪我を負い
妊娠中の母を助けてくれたという
山の泉のほとりで会った神に
助けを求めます。
母が泉の神様と呼ぶ彼こそが
今回の攻様になります♪
攻様は受様の必死の願いに
姿を現してはくれますが
母の命を繋ぎとめる力はなく
せめてもと昔母に与えた蜜柑を
再び授けてくれます。
その蜜柑で母は安らかに身罷り
受様は攻様を泉の神と呼んで
お礼参りを欠かず行っていました。
母の死から8年、
受様は村人に迷惑を掛けずに
森の中で大人しく暮していましたが
村が正体不明の魔物に襲われ
鬼である受様が手引きしたのだろうと
吊るし上げにされてしまうのです。
縛られた受様は水すら与えられず
日暮れには朦朧とし始めますが
8つの赤い光がじわじわと
近寄って気づきます。
騒ぎに駆けつけた村人が
魔物の犠牲になる中、
受様にも赤い光が近づきますが
間一髪のところに攻様が現れ!?
長く生きて力を与えられた狼の神様と
村人に虐げられながらも
健気に生きる青年の恋物語になります。
攻様は本性は
純白の毛並みと金色の瞳をもつ狼ですので
もふもふファンタジーになります♡
もふもふは獣系な実態持ちのもふもふでも
見えない耳と尻尾装備でも大好きなので
ワクワクで手にした1冊でした。
攻様は受様を狙う魔物を瞬殺し
受様の怪我を癒すまでの間と
自分の神域に連れ帰ります。
そこは山神の力によって守られていて
受様は今まで助けてくれた獣たちと
話ができるようになります。
そして母と攻様との出会いや
攻様がなぜ人を嫌うのかを知り
攻様に惹かれていき
攻様もまた弱い人間でありながらも
周りに生かされている事を知る受様の
健気な強さに心を打たれるのですよ。
狼姿で受様の寝床に侵入する攻様も
そんな攻様に寝ぼけたふりで
抱きつく受様も可愛すぎるぅヾ(≧▽≦)ノ
そうして2人の気持ちが高まる中
大量の魔物達が村に向かい
村に駆けつけた受様がまたもや
村人に襲われる事態になるのです!!
受様を追ってきた攻様によって
残された全ての禍根が払拭されて
大団円を迎えるのまで
期待を裏切らない面白さでした。
受様母子を鬼と恐れ追いやった村人、
宿った命を生み育てようと決めた母、
健気な受様を手助けした獣たち、
神である攻様が傷つく事を心配する受様、
受様のためならと魔物に対峙する攻様
人間の強さと弱さの対比、
獣達が人間にむける好意と悪意等が
絶妙に配置されているので
読み始めたらもう頁を止められず
一気読みしてしまいました♡
これから受様は攻様の番として
独占欲の下可愛がられまくりですね。
街子先生のイラストも
お話の雰囲気にベストマッチで
すごく良かったです♪
今回は月東先生の既刊から
『神子と神獣の守り人』をおススメです。
本作同様もふもふモノです。
こちら、山神様と健気な少年による、昔話を思わせる優しい和風ファンタジーになります。
切ない部分あり、超甘々な部分あり、ハラハラと手に汗握らせてくれる部分ありと、緩急の付け方がお見事!
飽きさせる事なく、最後まで一気に読ませてくれるんですよね。
とりあえず、不憫受けが攻めによって幸せになると言うのが大好きな私は、とても楽しく読めました!
母親の愛にも泣けたなぁ・・・。
内容ですが、人間嫌いの山神×山奥で一人暮らす不憫な少年・若草によるモフモフ和風ファンタジーです。
母親譲りの青い瞳と白い肌を持つ若草。
鬼だと村人から迫害され、山奥で一人暮らしています。
そんなある日、村で人々が変死し「鬼を呼んだ」と怒り狂った村人達に引き立てられる若草。
村を襲った正体不明の化け物に食われそうになった直前、以前にも若草を救ってくれた山神様が現れ、助けてくれてー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤からかなり切ない展開です。
母親と二人、貧しくともあたたかい毎日を過ごす若草。
しかし、若草が10才になった年、酷い怪我を負った母親が亡くなってしまう・・・。
普段から親子で「泉の神様」として感謝を捧げてきた山神にですね、「どうかかか様の血を止めて下さい」と幼い若草が懸命に祈るワケです。
しかし、既に命が尽きかけている母親を助ける事は、山神にも出来ず・・・と言った感じで。
月東先生ですが、まず最初からこうしてガツンとやってくれる事が多いんですよね。
いやもう、母親にすがって泣く若草が切な過ぎるじゃんかよ。
ついでに、最期まで若草の幸せを願い続ける母親にもホロリと来ちゃうじゃんかよ・・・。
それから8年後ー。
何故か若草になつき、何かと助けてくれる山の動物達と共に、つつましく生きている若草。
化け物に殺されそうになった所を、過去に一度だけ姿を見せてくれた山神に助けられ、彼の屋敷においてもらう事になりと言う流れです。
で、ここからが超ほのぼの甘々パート。
山神の屋敷は神域であり、これまで助けてくれた動物達と会話が出来るようになるんですね。
ちょいお節介焼きな動物達からはあれこれ世話を焼かれ、かつて無いほど穏やかな毎日を過ごす若草。
彼はとにかく健気で真っ直ぐなんですよ。
人間嫌いなハズの山神が、ほだされちゃうのも納得と言ったエピソードの数々で。
で、この、二人の距離がどんどん近付いてゆくパートが萌えるのです!!
最初こそクールそのものだった山神が、若草が寝たのを見計らっては寝顔を見に来てみたいな( ≧∀≦)
山神が狼の方の姿で、ソッと若草に添い寝したりするのが可愛い過ぎるんですけど!
また、寝てるのを良い事にキスをしたりと、愛情駄々漏れなのがキュンキュンなんですけど!!
彼は最初からですね、若草に対してかなりの過保護ぶりを発揮するんですよね。
なのにあまりにクールな表情から、若草には「嫌われてる」と勘違いされちゃってたりする。
こいつ、不器用じゃないかよ!!と。
何だろうな~。
不器用ながら深い愛情を向ける山神に、そんな彼を一途に慕う若草と、もう超王道の胸キュンなのです。
で、この後、件の化け物が村を襲おうとしてる事を知ってしまう若草。
自分達親子を唯一気にかけてくれていた老婆だけでも助けようと、山神の目を盗んで村まで走りー・・・と言った感じになります。
ここ、ハラハラさせてくれると共に、人間の醜さや逆に強さなんかを感じさせてくれる、とても印象的なパートでした。
若草は鬼子扱いされてたのですが、皆が皆敵では無いんですよね。
若草がここまで真っ直ぐ育ったのって、母親の愛情と共に老婆の存在が大きいよなぁ・・・。
あと、人間達に狩られ、最後の生き残りが神になった山神。
ずっと孤独を抱えて来た彼が、若草と結ばれる事により安らぎを手に入れたー。
この事にもジンワリしました。
まぁそんな感じの、ほのぼの甘々、ちょっと切なくて最後は心があたたまる優しい物語。
母親の遺体を埋めた所から、生えてきた蜜柑の木。
これのオチにもホロリとしちゃいました。