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alpha no koibito
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
こちら、辛い過去に囚われている主人公が、悩んだり迷ったりしながらも幸せを掴むまでを、時に切なく、そして優しく綴った作品になります。
攻めのですね、大きな愛に救われるんですよ。
主人公が再生する過程に、もうボロボロ泣けちゃいまして。
とても素敵な作品でした。
内容ですが、αの区役所職員・西森×Ωの学童保育施設職員・幸人による主人公再生もので両片想いものです。シリアス寄りです。
天涯孤独の青年・幸人は、過去の悲惨な経験から発情期が来なくなっています。
そんなある日、勤めている学童保育施設に通う子供・岬を交通事故から庇った事により、怪我を追う幸人。
日常生活に不便をきたす彼の為に、岬の叔父・西森が世話する事になりー・・・と言うものです。
「きみはぼくのつがい」のスピンオフになりますが、今作だけで問題無く読めます。
まずこちら、受けの幸人がかなり不憫な青年だったりします。
中学二年で唯一の身内である母親を亡くした彼は、養護施設に引き取られるものの、そこでαの職員達にオモチャにされる日々。
また、甘い言葉に騙され、施設を飛び出して共に暮らすようになったαの青年から、更に酷い扱いを受ける・・・。
暴力をふるわれ、見知らぬ男の相手をさせられ、仲間うちでの遊びによって輪姦されと言った具合に。
これ、幸人の追憶と言う形で、サラッと書かれてはいるのですが、やっぱり痛くて仕方ないんですよね。
で、オメガ保護区のシェルターで3年をかけてゆっくり傷を癒した彼は、現在学童の先生として働いている。
彼はなんとか日常生活を送れるまでに回復しただけで、今現在もトラウマと戦っています。
ひたすら辛い過去に囚われ、その場で足踏みしてるような幸人が痛々しくて仕方ない・・・(TдT)
そんな幸人が出会う、αの青年・西森。
関連作である「きみはぼくのつがい」では、主人公の弟だった青年です。
彼はですね、とにかく包容力があり器が大きいんですよね。
αどころか、大人の男性自体に強い怯えを持っている幸人に対して、それこそ壊れ物のように繊細に接する。
西森が自分を傷付ける事は決して無いと、臆病な幸人が少しずつ少しずつ警戒心を解いてゆくー。
そして、優しくあたたかい彼に惹かれてゆく。
この過程が丁寧に書かれ、心を和ませてくれます。
実のところ、二人はわりと早い段階でくっつくのです。
が、この作品が凄いのは、くっついてゴールじゃ無い所なのです。
西森の大きな愛情に支えられ、ずっと足踏みしていた所からやっと一歩を踏み出した幸人。
しかし、まだ西森に、自身の過去を打ち明ける事は出来ないんですよね。
彼の心の傷ですが、生半可なものでは無いんですよ。
また、そんなおり、突然幸人に発情期が戻り・・・と言った感じになるんですけど。
この作品に強く心を動かされる理由ですが、主人公である幸人が、これほど傷付いていても前に進もうと努力する事なんですよね。
こう、劇的に立ち直りはしないのです。
一歩進んで立ち止まり、また一歩って感じなのですが、丁寧に綴られる主人公再生の過程に胸が熱くなるんですよ。
また、西森の深い愛情が、そんな幸人の背中を支えるのが素敵なのです。
幸人が過去を打ち明けるシーンなんか、もうボロボロ泣けちゃって。
実のところ、何故西森がこれほど幸人に強い想いを向けるのか不思議だったんですよね。
が、ここで語られるエピソードで、納得すると共に深い感動を覚えるのです。
幸人、本当に頑張って来たんだねと。
自分は弱いとずっと自身を責めてきた幸人だけど、本当は誰より強いんだよと。
幸人を弄んだαからはめられ、外す事が出来ないままのプロテクター。
これが外せると分かった時、そしてその時の西森のセリフにも、感慨深いものがありました。
もう、過去から解放されて、これからは幸せになるために生きなきゃね。
あとですね、こういう作品でエロがどうのこうのって言うのはなんか申し訳ないんですけど、このエロが萌えちゃうんですよ。
どうしても不安で怯えちゃう幸人に「俺を見て」とかき口説く西森のセリフがキュンキュンなのです。
それと、個人的にですね、受けが無意識の言動で、攻めを煽っちゃうと言うのが好きなのです。
優しくしたいのに~と言う、西森の心の叫びが聞こえてくるようなエロでしたよ。
と、深い感動を貰える、素敵な作品でした。
作家買い。
栗城作品の「きみはぼくのつがい」のスピンオフ。「きみは~」の受けの遥の弟くん・都が、今作品の攻めさんになります。「きみは~」を読んでいなくてもこの作品単体で読めますが、作品で描かれているバックボーンは「きみと~」と同じなので、前作を読んでいた方がより話が分かりやすいかもです。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は19歳の幸人。
両親はなく、そのため施設で育ったΩ。現在はバイトで学童保育施設で職員として働いている。
彼が住む地域はΩに優しく、差別を受けることもなく、手厚い保護がある。他の地域に住むΩと比べ恵まれている自覚はあるが、それでも彼は生きづらさを感じつつ生活している。
彼は、働く施設の幼児たちの両親、もっとはっきり言うと「α」が苦手なのだ。
理由は彼の過酷な過去にある。
子どもたちは可愛く、懐かれて、日々平穏に働いているが、中でも岬という男の子にはひどく懐かれている。ある日、岬が事故に遭いそうだった時に助け、その時におった怪我のサポートという名目で岬の叔父の西森と急速に近づくことになるのだけれど…。
というお話。
この西森という青年が、「きみは~」の遥の弟。
そして、岬が嗣英×遥の息子です。
西森くんは嗣英の友人であり、そして遥との関係も良好なので、たびたび嗣英×遥の2人も登場します。
幸人の過去の過酷な体験は、早々に幸人自身の回想という形で描かれています。
これが、めっちゃ胸糞です。
痛い話が苦手な方はちょっときついかも。
幸人がαが苦手になっても仕方がない、というくらい、きつい描写で描かれています。
そんな幸人をひたすら愛し、守るのが西森くん。
まさにスパダリ。
まさにわんこ。
めっちゃドストライクな攻めさんでした。
常に幸人の感情を最優先してくれる。
なぜ、西森くんがそこまで幸人に惚れているのか、という理由もきちんと存在しているために、話が上滑りしておらず話に重みがある。
「きみは~」でも登場していますが、遥と西森くんの両親という人たちはΩに対する根深い差別がある。そんな両親に対してもきちんと対応する西森くんが、クッソカッコいいのです。
西森くんという青年に出会ったことで、幸人の人生は時が再度動き始めた、という感じがしました。
かつて、彼がαたちにされた外道な仕打ち。
それによって、彼の精神も、肉体も、一度壊されてしまった。
が、西森くんという青年に出会い、愛され、すべてを受け入れてもらったことで、彼は人として歩みだすことが出来たように思えてなりません。
幸人に酷いことをしたαが、徹底的に制裁されないのが若干残念ではありましたが、コテンパンにやられてしまわないからこそ、この作品の、優しく温かな空気感が損なわれることなくいるのもまた事実でしょう。
そして、コウキ。さんの挿絵が、これまた良い。
この作品の持つイメージにぴったりで、萌え度は確実に上がりました。
スパダリ×薄幸受け、に激しく萌える性質なのですが、この作品はまさにスパダリ、そして薄幸受け。
これを神作品と呼ばずなんと呼ぼう。
とにかく素晴らしい作品でした。
文句なく、神評価です。
あらすじは他の方が丁寧に書いてくださっているので、内容に触れつつ、感想のみを。
本当に本当に辛い思いをしてきたΩの幸人の、救済と再生の物語です。
受けがかなり肉体的・精神的に酷い目に遭っているのですが、本編の中では具体的な行為の数々は描写されておらず、サラッと触れられている印象。
そういった行為描写が苦手な方でも読める内容ではないかと思います。
やー…もうね、読みながら、泣きました。2度ほど。
特に、偶然以前の「飼い主(←本っ当に嫌な言い方!( º言º))」に出会ってしまい、幸人(受)が酷い言葉で罵られ、侮辱されるシーン…胸が痛くて悲しくて、涙がこぼれました。
そこで毅然とした対応を取り、手を捻り上げてくれた攻め様、期待通りの行動で胸熱です。個人的には「もっとやってしまえ!」なんて思ったり。//
23歳(新卒ですよね!?)ながらスパダリ要素満載の攻め様、都のふんわり包み込む優しさに、幸人と共にもう、じーん…と。
過去のトラウマから、αはもちろん成人男性全般が苦手で恐怖心を抱くようになってしまっている幸人に、決して無理はさせることなく寄り添ってくれるんです。触れることにも許可を取り、綿菓子のように甘く優しく包んでくれる…
幸人が少しずつ心を開き、都に惹かれていく様子がとても自然に描かれていて、なんだか自分まで一緒に恋してるような気分になりました(〃ノдノ)
BLあるある、オメガバお決まりでもある「Ωの突発ヒート時に自分の体に噛み付いて必死に我慢するα」も描写もとっても良かった…!
の幸人の突発ヒート時には幸人を鍵のかかる場所に避難させ、自分の手を噛み縛り付けて欲望を抑え込む姿が胸熱すぎる。
一点気がかりなのが、攻め様の母親の態度ですね。。
突然都の部屋を訪れ、その場に一緒にいた幸人を罵る母親。
都は幸人をかばい、母親を追い払ってくれたけれど。
きっと母と息子の考え方はこれからも変わることはないのだろうな、歩み寄ることはないのだろうな、と思うと寂しい気持ちになりました。
それは幸人にとっても辛いことだろうから…
とはいえ、読後は心地よい幸福感に包まれます!✨
その名のとおり、幸人よこれから幸せになって…!
攻め様との出会いの秘密が明かされたり、「飼い主」との望まぬ再会とそこからの救済、甥っ子くんからの受け様への可愛い求愛…と、ジェットコースターのようにハラハラドキドキの展開に萌えが素敵に絡み合い、一気に読めてしまう面白さでした◎
今回は学童保育施設に隣接する区役所職員と
学童保育施設のアルバイトのお話です。
受様が過去と決別し攻様との未来を選ぶまでと
受様がプロテクターを外す後日談を収録。
有性生殖の生物には男女、雄雌がありますが
そのうちのヒトにのみ第二の性と
呼ばれる分類があります。
それはアルファ、ベータ、オメガの分類で
アルファ性は女性も雄性生殖行為が可能、
オメガ性は男性でも雌性生殖機能を持ち
出産も可能です。
オメガは二次性徴で発情期を迎えると
性フェロモンを分泌、
アルファとベータの発情期は
オメガに誘発されてのみ表面化する為
古来より第二の性は二次性徴で
ようやく分類できるとされましたが
近年は血液検査にて出生時に
判別が可能となります。
受様の母はオメガのシングルマザーで
受様は父について今も何も知らず
その母が交通事故死した中二の時に
受様は施設に預けらるのですが
その施設はアルファの職員が
オメガの子供達に客を取らせるという
とんでもない「接待」をしていたのです。
数少ないベータの職員は
彼らの凶行に何も文句が言えず
発情期を迎えていた受様も
妊娠させられる様な決定的な事以外は
一通りさせられてしまいます。
中二も終わろうと言う頃
受様は級友のアルファの兄に助けてやると
その施設から連れ出されて
男が住む都内の一軒家へと移り住みます。
連れ出した男は受様の「飼い主」となり
鍵付きの金属製プロテクターを与え
受様を可愛がるのですが
それは新しい「おもちゃ」としてでした。
それは受様の思い描いた幸せとは程遠く
男の気まぐれで殴られたり
見知らぬ男達に抱かれたりした挙句に
卑劣なゲームの駒にされた受様は
体も心もボロボロになり
救急搬送される事態となります。
その結果「飼い主」の所業は
彼の親の知ると異なり
受様は多額の口止め料とともに
オメガ特別保護区のシェルターへと
移される事となるのです。
受様はシェルターから通信制高校に通い
先日卒業したばかりです。
病院に保護されて以降受様には
発情期が来なくなり
アルファっぽい職員やボランティアを
見るだけでパニックになりました。
3年かけてやっと
パニック症状は落ち着きますが
あいかわらず発情期は訪れません。
それでも卒業を期に
オメガ専用住宅へと移り
保育施設のアルバイトを始めます。
受様は施設の仕事にやりがいを感じ
やっと前向きな考えが持てるようになり
施設職員にも資格取得を勧められていますが
アルファ性の人達への強い恐怖心を
拭うことができるにいて
性別で苦手意識を抱く自分自身にも
嫌気がさしていたのです。
そんなある日
受様は保育施設で特に受様に懐く
アルファの男の子を庇って
バイク事故に遭ってしまいます。
受様は怪我は腕のヒビと足の捻挫で
通院や職場までの送り迎えをさせて欲しい
と男の子の叔父から提案されます。
この叔父こそが今回の攻様です♪
攻様はアルファで保育施設に隣接する
区役所の職員です。
もともとは兄夫夫に代わって
甥を迎えに来た攻様が繋いだ手を放し
飛び出してしまって事故にあったので
攻様は受様の辞退を受付ません。
オメガを兄に持つ攻様は
受様が接してきたアルファ達とは
まったく違う考えを持ち
アルファが苦手て距離をとる受様も
徐々に警戒心が薄れていきます。
そして受様の怪我が完治した日に
攻様に告白されるのです。
少しづつ距離を縮める2人でしたが!?
本作は栗城先生の初オメガバースである
「きみはぼくのつがい」のスピンオフで
既刊の受様の弟の恋物語になります♪
栗城先生のガッシュ文庫は
脇キャラのスピンオフにてシリーズ展開
っていうリンク作が多いのですが
今回、既刊のスピンオフとは全く気付かず
新刊を手にしました (^-^;
並べてみたらカバーイラストも
雰囲気似せてましたね(笑)
受様が噛まれてる構図が
オメガバースのお約束を彷彿としてて萌♡
オメガバースの世界観も
キャラの相関関係も難しくないので
単巻でも楽しめるお話だと思います。
もちろん、
既刊を読んでいれば
攻様の家族関係を脳内補足できるので
兄夫夫のやりとりなどに
ニヤっ♪してたり出きて楽しさ増し増し
な事は請け負いますよ~ (^-^)v
攻様に告白されてのお付合いでしたが
受様も無自覚ながら攻様に惹かれていたので
2人のお付き合いは順調に進むのですが
中学生の受様を保護施設から連れ出して
良いように扱った元「飼い主」と
再会した事から一波乱!!
受様が封じていた過去を攻様に打ち明け
攻様と共に生きる新しい未来に向き合うまで
受様の恋がどうなるのかハラハラし通しでした。
オメガ特区で生まれ育った攻様は
アルファながらもオメガ性に理解が深く
特区外で虐げられていた受様のほうが
特区でのオメガの特権を
不思議に思っていたりします。
オメガである受様は
アルファやベータより格下で弱い存在であり
守られる代償を払う事が当然であった事が
とても胸が痛かったです。
声を上げる事が出来なかったために
壊れてしまった受様。
そんな受様を見ているしかできなかった
アルファの攻様もまた深く傷つき、
それ故に受様が発情した時でも
己にすら受様を傷つける事を
許せなかったのでしょう。
己のためではなく誰かのために
優しくあろうとする気持ちこそが
人とを強くするのだと思います。
過去に繋がるプロテクターという
鎖から解き放たれた受様が
攻様と幸せな未来を歩みますように。
次回は甥っ子の恋か
松永夫夫の恋バナを激しく希望!!
今回は不憫系のオメガバースで
秀香穂里さん『オメガの純潔』は
いかがでしょうか。
こちらのオメガはけっこう積極的です。
どちらかというと苦手なオメガバースですが栗城先生だしと購入。栗城先生らしい、超絶思いやりあふれるアルファの一作と感じます。関連作未読でしたが、これ単独でも読めました(もちろん関連作読んでた方が幸せ感倍増だと思う)本編180P弱+その続き36Pほど+あとがき。じわーっと幸せ噛みしめるお話でしたので神より萌2にしました。
幸人(Ω)は、3年前にΩ特別保護区に引っ越してきてアルファ恐怖症とでもいうべき症状がようやく落ち着き、子供たち相手に区営学童保育所のアルバイトをしています。一番懐いてくれている岬が叔父の西森(アルファ)と帰ったその日、ファミレスから出てくる二人と出会って走り出した岬を庇い、骨折&捻挫した幸人。岬の両親と西森の申し出により、送り迎えなどのフォローをしてもらうことになり・・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
佐古岬(攻めの甥、αの幼稚園児)、岬の両親(関連作のカプ、α×Ω)、受けの元飼い主(くそ)、後半に岬両親の友人(鍵師)等。
**良かったところ
攻めの西森が格別にエライ。アルファなんだけどオメガを大切にして(多分前作ではオメガの兄を大切にした模様)、ちゃんと訳ありの幸人の気持ちを待ってあげて、すんごく忍耐強くひたすら待っていて、おみゃー、なんて偉いんだべ。と尊敬の念です。こんな風に大切にしてもらえるんだもん、アルファ恐怖症の幸人もゆっくりながら気持ちを通わせていくのは納得で、本編最後「幸せになろう」と言われたあたりではぐずぐず(涙)です。
後半の方では、長年取れないと思い込んでいたプロテクターの問題が無事解決することにより、幸人の心も解放~と気分すっきり満点、幸せ満点で読み終えることができました。
いいお話だー。オメガが手酷い目に合う設定ですが、アルファの忍耐強い愛情にめちゃくちゃ癒される一冊です!
作者様買いです。ただ、この作者様のオメガバースの話(私が読んだ中で)はオメガが不憫なことが多く、別レーベルの作品では不憫すぎてハッピーエンドだったにもかかわらず読了した際のダメージが酷かったため、ちょっとびくびくでした。
実際、とても不憫な受け様だったのですが、今作は酷い目に会っていた時期が現在進行形ではなく過去の出来事として語られるにとどまっていたため大丈夫でした。
アルファによって搾取され続け壊れてしまい、リハビリを経た後トラウマは解消されないまでも一般社会で頑張っているったオメガの男性が包容力のあるアルファの男性と巡り合う話。
「きみはぼくのつがい」のスピンオフですが、前作を読んでなくても大丈夫な感じで書かれています。
時系列的には前作ラストから一年後くらい。
前作の受け様の弟が今回の攻め様で、前作カップル(特に受け様)もがっつり絡んできますし、前作の受け様の友人夫婦も登場するので前作を読んでいるほうがより楽しく読めると思います。
<あらすじ>
天涯孤独でオメガの片瀬幸人(受け)は過去にアルファからの酷い扱いを受けたため心に傷を負ってしまいました。発情期が来なくなりアルファを極端に恐れるようになってしまったのです。
オメガ特別保護区というオメガへの補償が特別手厚い地区のシェルターで3年かけてのリハビリを終え、学童保育のアルバイトとしての仕事を得、なんとか日常生活を送れるまで回復しました。
ある日、仕事先で特別幸人に懐いてくれる子供・佐古岬を交通事故から庇った際、怪我をしてしまいます。岬の両親(前作カップルの嗣英・遥)と岬の叔父で遥の弟の西森(攻め)は治るまでのサポートを申し出、特に自由がきく西森が送迎することになります。
アルファを恐れる幸人は最初は息苦しくてたまらないのですが、西森は絶対に不用意に触ったりせず幸人を気遣ってくれるので西森に対しては居心地よくそばにいられるようになるのです。
幸人は中学生で一人親である母親を亡くし、施設に送られてからは常にアルファの玩具として搾取され続けてきました。
施設を逃げ出してからは、親切そうに寄ってきた同級生の兄が「飼い主」となりさらにひどい目に会わされます。
さんざん弄ばれた結果壊れてしまった幸人は病院へ収容され、オメガへの福祉が行き届いた区へと異動することができるのです。
シェルターへ保護された時はアルファが傍にいるだけでパニックを起こす酷い状態でしたが、リハビリを経て会話ができるようになり笑えるようになりと少しづつ回復していきます。
オメガは搾取されて当然という差別の酷い保護区外からきたせいで、保護区での手厚い福祉を受け一人の人間として扱ってもらうことに戸惑う幸人が気の毒でなりません。
そのため、アルファ至上主義の西森の母親と対峙したときも、その扱いのほうが自分には慣れた対応だと平然とし、いつかは西森の手を離さなければと思う幸人が可哀そうで辛いです。
それでも、最後は西森と一緒にいることで傷つくことひとがいたとしても手を放さないと決めたときは本当に良かったと思いました。
西森兄弟のクソ両親は相変わらず健在でした。
前作で遥に対しても酷いと思ったものですが、放置されていた遥と違い、構い倒され職業や結婚にまで口を出される西森もかなり気の毒に思いました。
彼らは子供を何だと思っているんだろう。子供のためと言いながら自分たちの価値観を押し付けるさまは醜悪でした。
この母親に対してきちんと反論できる西森には拍手でした。
そして、クズ飼い主との邂逅にはどきどきしました。
一度服従させられた記憶に引きずられせっかく回復した幸人の心が壊れるのではと心配しましたが、それまでたっぷりと西森に癒されたおかげか震えながらも抵抗する気力を持てたことに喝采しました。
結局、悪行がばれたクズ飼い主がどのくらいのペナルティを受けたかはわかりませんが、たくさんのオメガの心と身体を食いつぶした報いを受けていることを願います。
幸人は酷い目にあったのですが、きっと同じような目に会っているオメガは他にもいるようなので、彼はそれでも運が良かった方なのではないかと思います。
オメガ特別区に来たことで心身ともに癒され、発情期も来るようになりました。幸人は妊娠しない身体だと自分を欠陥品のように言っていましたが、きっと好きな人となら妊娠することができるようになるんじゃないかと思います。
二人が幸せな家族になれるよう祈っています。
スピンオフということで前作カップルのその後の様子が読めたこともとても楽しかったです。
オメガバースの王道という感じです。
オメガであることで傷ついた主人公を、アルファの愛情でトラウマを癒していく。
周りの人も優しいし、傷ついた過去は辛いのですが、良かったね〜としみじみ思えるお話でした!
登場する人達が同性カップルのみだから安心して読める。
登場人物
・都×幸人(メイン)
・都の幼馴染?♂【α】×都の兄【Ω】(登場多め)
・↑の子供、岬♂【α】(登場多め)
・女同士のα×α(託児所に迎えにくる一瞬だけの登場)
・大柄な男【α】×都の兄の友達、松永♂【Ω】→子供、りっくん♂【α】
・元飼い主
幸人が都に出会う前に過ごしていた環境が劣悪。飼い主がゴミクズ人間! 初対面時に幸人が飼い主に抱いた可愛らしい感情からのあの酷い仕打ちに胸が痛む。
登場割合は圧倒的に少ないけど、言動も行動も非道すぎて飼い主のシーンだけは胸糞です。
あと託児所のΩ女児の行動にもイラつく。
都のスパダリ力に読んでいて安心出来る。
栗城先生のオメガバース第2弾。今作だけでも楽しめますが、前作「きみはぼくのつがい」を読むと、より楽しいです。
紳士なアルファ×薄幸のオメガのオメガバースです。
攻は、前作の受である遥の弟です。少年だったあの都が大人になってます…!対して、受の幸人は天涯孤独で過去に訳ありな薄幸の青年です。過去の話ですが、幸人が酷い目に遭っているので要注意です。
保育園で働く幸人と、その保育園に通う子どもの叔父である都が出会い、事故と怪我をきっかけに親しくなっていきます。アルファを怖がる幸人と、ゆっくりと親しくなっていけたのは都が本当に優しくて紳士だからなんですよね。前半は、ほのぼのとゆっくり近づいていく関係性を。後半で、幸人の過去の話とそれを乗り越える話を。
都の甥っ子がめちゃくちゃ可愛いです!可愛い子どもと、薄幸の受が、幸せを掴む話が好きな人はお好きかと思います。
内容の時系列に沿う発刊順の順番で読めば楽しめたのか、
・・と、「アルファの恋人」を再読して理解出来た。
①「きみはぼくのつがい」2018/05/28発刊
佐古嗣英(都の同級生)α x 西森遥(6才上の都の兄)Ω =嗣英似の岬が生まれる
②「アルファの恋人」2018/12/28発刊
西森都 α(遥の弟)x 片瀬幸人 Ω (岬が通う保育園の保育士)
Ωに偏見を持つ親。 Ωの兄を守る優しいαの都。
ストーカー対策で協力した級友の佐古嗣英は、兄と結婚。
都は甥の岬を溺愛。
甥が通う保育園の保育士・ユキは施設育ち
性悪α達の凌辱を受けた、深いトラウマを持つ。
芸能人の前カレ=「飼い主」。
都は「待てる男」、ユキが初めて出会った、傍にいて安心できるα。
オメガバース要素入り、ヒューマンドラマ。
所々ある語彙の間違いは、編集さんと校正担当のミスだと思う。