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nemuri no mori no kataomoi
今回は、霊媒とか降霊という変わったテーマが主人公2人を繋ぐストーリーです。
読者によっては、しゅみじゃないと思われる方もいるかもしれませんが、最初こそちょっとした違和感はあったものの読み進めていくうちに笑えてきて、ちょっと泣けてしまうお話でした。
受けの値賀は健気で真面目なロングスリーパー、優しい姉はこの話のちょっとした鍵になります。
値賀が一目惚れした攻めの紀州は、今は亡き恋人を忘れられずにいます。というより忘れてはいけない、自分は人を好きになれない幸せにはなってはいけないと自分を責めています。
自分では気付いていなかった値賀だけど、本当は霊媒体質で霊を自分の体に降ろすことができ、それがこの話の肝になるのです。
忘れられずにいる、忘れてはいけないと自分を戒めて生きて来た紀州が好きになった値賀。2人のことを応援してその幸せを望む人こそが、紀州が忘れられずにいる元恋人。
すでに亡くなっているその恋人が値賀の体を借りて語る過去は読んでるこっちも赤面してしまうような内容に苦笑してしまいます。でも、この男らしい彼のおかげで2人が結ばれるわけですが、そのやりとりに泣き笑いしてしまうのです。
ちょっと変わったお話ですが
私はこんなのも有りかな…と思います。
安西先生の作品は、どれも大好きなので
作家買いではありますが、これもまた好きな作品になりました。
レビュータイトルが他の方と少し被りましたがこのままでいきます。
帯文は「片想いでもかまわない。彼の救いに、僕はなりたい。」です。
主人公は代々続く降霊者のいる家系の、少し霊能力を持つ姉がいる、霊能力が無い森谷値賀(もりや・ちか)。
値賀は名前も変わっていますが、キャラクターも面白いです。
ご祈祷の時の白衣に袴が似合う涼やかな美貌ながら、少しぽやんとした優しい青年です。
値賀がゲイなのを近しい人は知っていて、あの人素敵だな、と思っているとそれもばれているといった具合。
睡眠時間が平均10時間というロングスリーパーです。
大学卒業後、就職せず地元へ帰ってきた値賀が出会うのは、東京から仕事で出張してきた紀州充亮(きしゅう・みつあき)です。
地盤調査の会社の社員で、ご祈祷に参加したことで値賀と対面し、値賀が素敵な人認定します。
紀州は仕事ができて部下にも慕われており、急遽アルバイトで仕事をお手伝いした値賀はどんどん惹かれてしまいます。
紀州は3週間の出張期間が終われば帰京します。その前に値賀は告白するけど振られてしまいます。
22歳の値賀と紀州の10歳の年の差。
地方と東京に離れた生活基盤。
紀州は降霊などの現象をつい疑ってしまう性格で、値賀とは考え方も違います。
値賀を可愛がる様子はあるのに、紀州が恋愛を拒絶する理由。
値賀は紀州への片想いを大事にするけど、単なる「押せ押せ」ではないんです。
話の展開が面白いです。
2人の恋愛は値賀の片想いというよりは、隠れ両想いだと感じました。
ゲイでロングスリーパーな為にこれまで恋愛さえ憧れ止まりだった値賀の初めては一大事です。
初心な値賀に余裕が無くなる紀州の様子は読みどころです。
恋愛経験もあり、優しいだけじゃない大人の男性は素敵です。
このお話は、ぜひ読んで楽しんでほしいので肝心なところは内緒にします。
設定がちょっと変わってるな~と思って、好きな作家様なのに、なかなか手に取れずにいたのですが、読んでみたら不思議さもひっかかりなく読めて、ほのぼの楽しめました。
”杜”というので、勝手に東北の地方都市を思い浮かべました。なんといっても受さんの設定が面白いんですよね。地方の名家に生まれてしまって、さらにその美貌もなんだか霊験あらたかな雰囲気だったりするから、周囲から色々期待されちゃったりして…という、非凡な見た目で平凡な内面をもつ受さんのコンプレックス、生きづらさの描写に感心してしまいました。ロングスリーパーっていう設定もなんだか新鮮。たまたま仕事で街にやってきた攻さんに一目ぼれした受さんが、玉砕覚悟でアタックしていく姿勢が健気で可愛かったです。素敵なひとに恋した思い出は片想いでも価値のあるものなんだ~という、作家様の視点が素晴らしいな~と思いました。んでもって、初心な受さんのピュアッピュアな気持ちを注がれる攻さんも、それにふさわしい素敵な大人なんですよね。受さんが負い目に感じてるところに、美点を見出してるところが愛だな!と思います。
そんな素敵な大人攻さんが、途中から露呈する意外な性癖がだいぶ好きでした( *´艸`)優しく、紳士的に意地悪する年上攻は好物です。若いころのハードスケベの様子が元カレに語られることによって、時間の経過や攻さんの成熟を感じられてw、受さんとの出会いはこの上ないタイミングとご加護があったんだな~よかったよかった~と思えるのでした。
こちら、ほのぼのハートフルなゴーストもの!
いつもの安西先生らしく、丁寧に描写された主人公の恋する気持ちにキュンキュンさせて貰えました。
ところで安西先生と言うと、地に足のついた日常系のイメージが強いだけに、ゴーストと来てちょっと驚いたのですが。
で、素直に感じた事を言わせていただきますと、このファンタジー部分が何だろう・・・。
もうちょい掘り下げてもらえるか、いっそ無しで普通の年の差ものの方がいいんじゃ無いでしょうかね・・・。
なんか中途半端なんですよ。
あと、安西先生にしては展開が急で驚いたりもする。
とは言え、十分可愛くて好みの作品である事は間違いないのですけど。
で、内容ですが、東京から地質調査に来た穏やかなリーマン・紀州×祈祷師の家系ながら霊感ゼロの青年・値賀による両片思いものです。
32才と22才と言う年の差ものでもあります。
霊感はゼロながら、自身の神秘的な容姿を生かして祈祷を担当している値賀。
お祓い先で出会った東京のリーマン・紀州にほのかな恋心を抱きます。
ひょんなキッカケから、3週間と言う期間限定で紀州の仕事を手伝う事に。
共に過ごすうちに、ますます紀州に惹かれて行きますが、苦い過去を持つ紀州は値賀の想いに応えられず・・・と言ったものです。
片思いの甘酸っぱさなんかの描写がお上手な安西先生らしく、今回も丁寧に書かれた主人公の恋する気持ちにキュンキュンさせて貰えます。
主人公の値賀ですが、個人的にめちゃくちゃ好みのキャラなんですよね。
見た目は近寄りがたいクールビューティーなのに、中身はごくごく平凡で夢見がちと言いますか・・・。
紀州の前では恋する乙女みたいになっちゃってるのが可愛いのです。
で、彼はかなりのロングスリーパー。
生まれつき長い睡眠を必要とした事や、その容姿から強い霊能者としての才能を期待されていたのに、実は霊感ゼロだった。
自分は期待されていたのに、実際は長く眠るだけの役立たず・・・と、このへんの葛藤なんかが丁寧に書かれていて、キャラクターに深みなんかも持たせてくれてます。
で、そんな値賀のコンプレックスをこそ、逆に魅力だと新鮮な見方をしてくれる紀州。
彼は包容力がある大人の男性です。
値賀視点でありながら、紀州も値賀に惹かれているのが良く分かるのです。
こう、明らかに期間限定の現地アルバイトに対する甘やかし方では無い。
しかし、自分のせいで恋人を無くしたと言う過去に囚われている彼は、値賀の気持ちを受け入れる事が出来ず・・・と言った感じで。
これ、普通に面白いのです。
霊感ゼロだと思っていた値賀の本当の能力。
そして、紀州が囚われていた過去の真実-。
ゴーストものでありながら、優しく心あたたまる結末で。
う~ん・・・。
しかし、このファンタジー部分の掘り下げが甘いと言うか・・・。
どうせならもっと劇的なものしてもらえるか、いっそシンプルに普通の年の差両片思いもので、その分二人の恋愛部分を増やして欲しかったと言うか。ちょい中途半端な印象です。
あと、あの心あたたまるシーンの後で、エッチに突入しちゃったのがなんか残念。
値賀が小悪魔系の魅力を発揮して、萌えるエロなのです。
ただ、あの彼との優しい別れの直後だとなんか嫌だ。
二人が軽薄に感じられてしまう。
好みの問題だし、ページ数の都合もあるとは思うんですけど。
とは言え、十分面白くて萌える作品なのは間違いないので「萌」です。
キャラクターなんかはとても好みなだけに、ちょっと勿体ない印象でした。
今回は土地開発会社の調査技師と
降霊術を生業とする家の長男のお話です。
受様が秘めていた力で攻様の過去を払拭し
2人で共にいる未来を掴むまでと
攻様からみた本編裏事情を含む後日談を収録。
受様の生家は代々交霊術を生業とし
祖先から降りてくる「お触れ」で
地域を自然災害から守ってきました。
普通の人には視えないものが
視える体質の者を「護杜さん」、
その中でも死者の口述まで出来る
強力な霊能力者は先祖のあやかり
「加賀さん」と呼ばれていました。
一族がみな霊能力を持つわけではなく
霊能力の顕現は性別によりませんが
血を引き継ぐのは女子のみで
代々婿養子のためか
「加賀さん」は滅多に現れず
力は確実に弱まってきていて
「護杜さん」も減っていく一方です。
受様は驚異のロングスリーパーで
子供の頃は1日の大半を寝て過ごし
22歳の今も10時間は寝る体質で
幼い頃は「加賀さん」なのでは!?
との期待もされていましたが
受様に睡眠時間が長いだけで霊感ゼロ、
受様の姉は霊視能力がありますが
力に波がありました。
また受様は、
凛々しいイケメンのために
装束を纏ってお払いに赴くと
それだけで場が引き締まる為
高校生の頃から祈祷やお祓いを
担当していました。
受様は大学進学時には
卒業後は自立して就職することを
目指していましたが
ロングスリーパーという体質故に
残業や出張のある会社員生活は
とても過ごせそうもなく
卒業後は実家に戻っていました。
そんな中で引き受けた
温泉施設建設前のご祈祷で出会った
土地開発会社の調査技師に
淡いトキメキを覚えます。
この調査技師こそが今回の攻様です♪
受様は祈祷後の食事会にも誘われ
攻様を眺められたらと参加しますが
思いがけず隣の席となったために
緊張からようよう話もできず
攻様の悪印象を与えてしまいます。
そんなこんなで落ち込んだ受様は
若い男性霊に憑かれてしまいますが
霊感のない受様には特に支障もない為
姉にも様子見と言われてしまいす。
翌日、
攻様の誤解だけは解きたいと
攻様達が宿舎を訪ねていくのですが
そこでつい寝こけてしまうのです(笑)
しかし、災い転じで
攻様の誤解が解けた上に
攻様が事務処理などをしてくれる
アルバイトを探している事を知り
3週間の短期ながらも
攻様の傍で働くチャンスを掴みます。
その日々で受様の憧れは
恋心へと育っていくのですが
攻様には忘れられない人がいて…
受様の片想いの行方は如何に!?
霊能力者の生まれる一族で
期待されながらも霊力がなく
更にロングスリーパーという体質故に
自信が持てず独り立ちもできない
コンプレックスを抱えた
受様の恋物語になります。
受様のコンプレックスや
攻様が引き摺る元カレの死、
受様についた男性霊との意外な関係等
こう来るか!?的な展開で面白かったです。
受様は冴えた月の様と言われる美貌ですが
超常現象も普通とする霊能一家に育った故か
中味はほわほわな天然君です。
一目惚れした攻様を知りたくて
いろいろと一生懸命な姿は
とっても可愛らしいです。
そんな受様に攻様も癒されて
惹かれていくのですが
攻様は恋人を亡くした過去に
囚われていて受様の手を取れないのですが
受様に憑いていた霊が
実は攻様の失くした恋人だった事から
受様の秘めていた力が開花して
攻様を新しい恋へと向かわせる終幕まで
とても楽しく読めました。
日常の中に違和感なく
非日常(霊)が存在する生家か基盤で
受様に霊能力がない(封じられている)ので
ファンタジックな要素は強くなく
受様が一喜一憂するシーンが山、谷位で
大きな急展開なシーンが無かったので
ハラハラとかドキドキとかは
無縁だったのが残念ではありますが
日常に根差した生活感あふれる世界で
恋を描く安西先生らしいお話かな
と思います。
あとがきの後の攻様視点のSSが
一番萌えたよ (^_^)v
今回はギャップのある受様繋がりで
小中大豆さん『時甘えたがりなネコなのに。』は
いかがでしょうか。
年の差あるのも共通点かな。
作家買い。
安西さんは甘々~な作品を書かれるイメージの作家さまですが、今作品もそのイメージを損なうことのない甘くて優しいお話でした。
主人公は値賀。
祈祷を生業とする家の長男でありながら、彼自身にはその素質は全くなし。さらにロングスリーパーという性質を持つため、外で働くことが出来ず自分は役立たずだと感じている。
そんな値賀ですが、クールビューティーなルックスを生かし、時々祈祷も行う。ある日、祈祷を介して紀州という男性に出会い―。
というお話。
値賀の家業は「お祓い」という事で、霊視とか、値賀に憑く若い男性の例の存在があったりしてバックボーンはシリアス寄りながらも、物語としてはほのぼのハートフルもの。ホラーな雰囲気は皆無です。怖い系が苦手な方でも問題なく読めます。
ホラー系ではないのですが、「値賀に取り憑いた若い男性」の存在が、この作品の大きなキモになっています。
この男性は誰なのか。
紀州が心を残している元カレは誰なのか。
そして、値賀の持つ、隠れた力とは。
そのあたりを軸に展開していきますが、なんていうんだろうな。めちゃめちゃあっさり、といった読後でした。
値賀と紀州の恋愛といった側面も。
紀州の元カレの存在も。
値賀の、秘めた力も。
おそらく、値賀の眠ったままの能力が、この作品のタイトルである『眠りの杜の片想い』に繋がっているのかな、と思うのですが、その辺りがさらりと流されているために感情移入する間もなく終わってしまった、という感じ。
そういったものももう少し掘り下げて書いてもらえたら、あるいはもっと萌える作品になったような気がします。
特に値賀と紀州の思いが通じる部分があっさりしていて、いまいち盛り上がりに欠けた気が。
ただ、安西さんらしい、優しくて甘々な雰囲気は満載。痛い展開になることもないので、甘い作品が読みたい、という気分の時には超お勧めな作品かと思います。
文体というものはお人柄が出るものなのでしょうか?
安西さんの書く文章は読みやすいです。
そして、何故か解らないけれどじんわり来るんですよ。
優しい文章を書かれる方だなと思います。
イラストのカワイチハル画伯も癖がなくスッキリした『きれい系』。
お2人にね……良い意味で騙されました。
このお話、かなりエロティックだよ。
確かに濡れ場は少ないのですけれど、私は「ものすごーくエロいな」と思っちゃった。
主人公の値賀ちゃん(可愛いので『ちゃん』呼びを許して欲しい)はとてもピュア。
代々続く神懸かりの家に、冬の月を思わせる様な美貌とロングスリーパーという特殊な体質を持って生まれてきたが故に大きな力があるだろうと期待されちゃう。でも値賀ちゃんは霊視も降霊も出来ないのです。ただ『長く眠る』だけ。
値賀ちゃんは、そんな自分がふがいないと思っています。
出来ることを頑張ろうとしています。
でも、人より長時間眠ってしまう体質のためにままならないくて、沈んじゃうことも多い。
もう、このさわりを読んだだけでいじらしい。応援したくなります。
値賀ちゃんは、自分の住む町に仕事のため3週間ばかり滞在した紀州さんに恋をします。
紀州さんも値賀ちゃんを憎からず思ってくれている様なのですが、彼には恋が出来ない事情がありました。それが『神懸かり』と大きく関わっています。
あらすじはこの程度のご紹介で。
何がそんなにエロティックに感じたかと言えば、2人の『年の差』なんだと思うのですよ。
32歳と22歳なんですね。
で、22歳はその手の経験が全くない。
32歳は温厚で、思慮深く、周りに気遣いが出来る優秀な人。でも……夜は『単なるいい人』ではない。
そのことをとある事情で22歳が知ってしまうのですが「それでも好き」となったら、頑張ろうとしますよね?
世間ズレしていないピュアな子、あまり閨のことを知らない子が素直に頑張った時の破壊力と言ったら!
私、このシーンでは完全に紀州目線になってしまって萌え滾りました。
ピュアでいじらしくてエロいなんて、天使じゃないですか。
『眼福』ってこういうことを言うんだなぁ。
読後あとがきを読んで、この作品が雑誌の「年の差、かつ年上攻め」のお題に寄せた作品と知って、驚きました。
もし自分が「年上攻め」というお題を与えられたときに、「受けの一族は先祖代々、霊媒体質を受け継ぐ祈祷一家」とか「いかにも霊感ありそうなのに霊感皆無な受け」とか、「10時間睡眠が必須な事に悩む受け」といった背景を思いつけるかといったら絶対に絶対に無理で、作家さんの発想力の凄さに改めて驚きました。
私は、勇気を振り絞って告白したり、振られた後でも、ありがとうとさよならを言いたくてお別れに駆けつける受けの値賀ちゃんの一生懸命な前向きさに好感が持てました。
そして振られたけれど、攻めとやり取りをしながら
「ずっとあとになっても、きっとこのときのことを何回でも懐かしく思い出す。素敵な人に恋をするのは、たとえ失恋しても価値があるんだとわかった。」
と思うこの一文が、心に沁み入りました。
受けの値賀ちゃんはかわいいし、先述の一文に出会えただけでこの本を読んで良かった!と思えたのだけど、その後の展開でトーンダウンしてしまいました。
死んだ元恋人が、死の真相を伝えたくて値賀ちゃんに取り憑いてあれこれメッセージを送るのだけど、それを信じない攻め。
ついに業を煮やした元恋人の霊は値賀ちゃんに降霊し、俺しか知らないプライベートを明かして俺だと分からせてやる!ということで、攻めの性癖大暴露をしちゃうんです。
この展開はキッツイ……と思ったし、受けの言う事をなかなか信じなかった攻めが招いた事態なので攻めにもムカつきました。
付き合う前に元カノから「あの人、顔射好きだし、顔面騎乗位とか縛るの大好きなんだよね」とか聞かされた日には、気持ちが複雑すぎてついていけないし、あ……なんか無理……と恋が冷める予感しかないです、自分なら。
前半の素敵な大人という印象から、一気にここで顔射大好き野郎という印象にチェンジしてしまった……。
あと、おばーちゃん。
せっかく能力を封印するのなら、ロングスリーパーも封印してくれれば良かったのに……
安西先生だから無条件購入。変わらずキラっとする言葉のある優しいお話でしたが、攻め受けとも清らか過ぎてちょっと刺さってこず、萌にしました。腐海突入したてのお姐様等には読みやすいのではと思ったお話、「本編210pほど+あとがき+攻め視点のでろあま後日談8P」です。
お話は、値賀(ちか)がふにゃふにゃ夢見ていたところを姉の有賀(ゆか)がたたき起こすシーンから始まります。値賀の家は代々降霊術を生業としている家で、有賀は少し能力がありますが、値賀は全くそんな力もなく、ただひたすら長時間睡眠を必要とするロングスリーパー。就職もままならず、現在実家にてフリーター状態です。せめてキリっとした美貌をいかすべく、ご祈祷を担当させてもらっていて、その日祈祷に向かった先で超好みのイケメンに出会い・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
有賀(受けの姉)、拓海(攻めの元恋人、故人)ぐらいかな。
**以下は大好きだった言葉等について
安西先生が選ぶ言葉が大好き。今回の一番好きな言葉は値賀が自分の暖かい想いに気付いた時の「初めて探し当てた扉が慕わしくて、いつまでもそこに立っていたい気がした」というもの。
わあああああ、こそばいーーーー(=くすぐったい)と萌え転げでした、この言葉。
そんな風にいくつか素敵な言葉はあったものの、攻めは優しくちょっとだけ意地悪になる程度のイケメンさんで、受けさんは清く正しくほわわん天然ちゃんなところのある可愛らしい子でしたので、インパクトが少し弱かったんです。いつも刺激物ばっかり求めてる訳でもないんですけど。
ちょっと対象年齢外だったかも・・と思ったお話でした。だけど安西先生は大好きだから、どんなお話でも絶対読むのさ!
あらすじは皆さん書いて下さっているので省略。
恋愛に至る(好きと認識する事だけではなく最後の展開が)説得力に欠けるというか、ラストのエロシーンまで少し速足な気がしました。
好きなのは分かるんだけど、感情移入して読めないというか・・・。
ファンタジー的な要素も現代モノの設定から少し浮いているような気がして、そこが残念でした。
キャラクターの好感度は高かったので、恋愛に踏み込んで書かれていればもっと評価は高かったように思います。
安心して読める点ではオススメです。