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boukyaku no yume
作家さんの新作発表
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日輪さんの作品で、2番目に好きな『傾城秘話シリーズ』第3弾です。遊郭で逞しく生きる少年たちのお話です。今回から夕霧が中心のお話になります。ちょっとシリアスな部分が多くなります。
大切な人を殺された常盤と色子の夕霧、そして夕霧の客の緋星。3人の思いが交差して、ストーリーは進みます。
復讐だけを生きがいに、毎日過ごしている常盤が切ないです。常盤の役に立ちたい、復讐なんてやめさせたい、奥さんを忘れてほしいと切に願う、夕霧の姿に胸がキュンキュンします。そして、夕霧を想う緋星。
それぞれが違う相手に片思いしていて、幸せな未来が見えずに胸が痛いです。
明るい話では、珊瑚が大きくなって医者(見習いだけど)として働いていたのが良かったです。猫柳ともラブラブな様子にニヤニヤしました。
『籠の華』と同じように、中国や中華風の作品を探していた時に知りました。
『忘却の夢』、『真実の空言』、『たったひとつの』、『薄闇の紅』
兵士の常磐と、色子の夕霧のお話です。
亡くなった奥さんのことを想っている常磐に
密かに思いを寄せている夕霧がとても切なかったです。
玉鈴楼の主人の「死人には勝てない」「そういうもんだよ」
っていうセリフは深いなーと思いました。
夕霧の恋の難しさや立ちはだかる壁が、
その一言に凝縮されていると思いました。
夕霧の常連客である緋星が途中で暴走してしまったので、
これから三角関係が複雑に拗れてしまうのか?
と気になりました。
『逢引』
猫柳と、医者の卵で医学を勉強中の珊瑚の番外編です。
タイトル通り、逢引のお話です。
終始 甘々で、ご馳走様ですって感じです。
あとがきの4コマ漫画「彩乃屋の主人と玉鈴楼の主人」が
面白かったです。
常磐が色々と想像してしまったのですが、
私も彩乃屋の主人と玉鈴楼の主人の
2人の関係が気になっていました(笑)。
あとがきで、
「表紙絵を塗っている時に猫がカラーインクを
原稿に飛び散らせてしまった」
と書いてありました。
それまで全く気が付かなかったので、
表紙絵をよく見てみると、確かに跡が残っていました。
というか、あれはスパッタリングやエアブラシなどの
技法で描いていたのだと思っていました。
この跡も、けっこう良い味を出しているので、
跡の残った表紙絵は、私は良いと思います。
今回の評価は「萌」と「萌×2」で迷いました。
気持ちは「萌×2」に近い「萌」です。
男娼の夕霧と怪我をして倒れていた常盤のお話。
夕霧が男娼という仕事をしているんだけど
決して卑下する事なくとっても明るい。
だからか、暗い重い雰囲気ではなく読めます。
でも途中はとってもせつないです。
夕霧の気持ちや常盤の気持ち。
それに夕霧を買いにやってくる緋星の気持ち。
みんなが色々なものを抱えて、
周りの事を考えて我慢して。
読んでいるとその気持ちが見えて
せつなくなります。
壱・弐の主人公である珊瑚と猫柳のストーリーも有り。
こちらはちょっと笑えます。
時代背景としましては中東?日本じゃないけどアジア風味というところでしょうか。
各地で戦乱が繰り広げられ、飢える人も多い中、金持ちがのさばる~みたいな時代。
そんな時代、色街に行き倒れる男が居た。それが常盤。
ソレを拾ったのが色子として働く夕霧だった。
時代が時代だけに生きるのに必死なわけですよ。
常盤は、もともとは普通の百姓だったんです。少しでも生活を良くしようと戦場に出たわけね。でも、村に戻ってみれば村討にあい、村は無残な姿になっていた。愛していた妻も殺され無残な姿で。
んで、敵を討ちたいと思ったまま、行き倒れ。
夕霧は色街で働く男娼。小さい頃に口減らしで働きに出された先で犯され、その犯された男の下に見受けされたんだけど、飽きたら娼館に売られて~今に至ると。
それでもケナゲに毎日働いているわけです。
そんな二人~な話。
ちょっと複雑な時代背景のせいで、暗く残虐な世界の中で生きる二人が凄く上手く描かれた作品です。
身売りする男娼とか、凄く切ない設定がおおいなか、今回も叱りです。しかも、恋をしてしまったのは、夕霧。
ボロボロ泣きましたこの作品。
明るく振舞う夕霧の本当の気持ちにボロボロ(;w;)
続き物なので、4を用意してお読み下さい。