森に住む美しき異邦人×無垢で淫らな赤ずきん。官能童話第3弾!

赤ずきん王子

akazuki ouji

赤ずきん王子
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×219
  • 萌22
  • 中立5
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
12
得点
267
評価数
75
平均
3.7 / 5
神率
32%
著者
犬飼のの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
人魚姫の弟
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784041072370

あらすじ

ヴァルセント王国の王太子・リルは、母親代わりの祖母の女王から贈られた赤いマントを大切にしていた。そのお礼にお菓子を作るため、森に住む先代の料理長を訪ねるが、その途中で暴漢に陵辱されそうになった所を銀髪の美しい青年・クラウスに助けられる。異質な風貌の彼にも無警戒なリルを窘めるように、唇を奪うクラウス。その官能が忘れられず、リルは度々森を訪ね、逢瀬を交わすように。しかし国を脅かす悪しき狼に捧げる贄として、王族であるリルが選ばれてしまい…!?

表題作赤ずきん王子

リルを救った異国の美しい青年,猟師
16歳,ヴァルセント王国王太子

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数12

改めて面白いシリーズだなあと

赤ずきんモチーフのお話が、メインキャラ全員人外で、果ては異能バトルを繰り広げる展開になるとは。官能童話シリーズ、改めて面白いシリーズだなあと思った。

赤ずきん王子ことリルは、箱入りお坊ちゃまって感じの能天気な16歳。あまりに危機感の薄い反応や、今じゃないだろうという状況で発情して苦手になりそうだったけど、正体が明かされるとそれなら仕方ないかとなった。

BLの相手役となるクラウスは、容姿の素晴らしさは細かく描写されてても、中身は終盤まで謎。性格はふわっとしかつかめず、口が悪い印象があるくらい。「狼」を比喩的に使ってるのかそのままの意味で使ってるのか、狙ってふわふわさせてる感じ。
中盤はリルと密会してるだけなので、もう少し動きのあるエピソードが欲しかった。いちゃついてるだけでは萌え不足……。

そしてクライマックス、盛り上がる祖母と王子。存在感的にも、この二人が主役のストーリーな気がしてくる。で、忘れかけていたところにクラウス登場。こちらも設定を豪華に盛っていて、置いてけぼりにされないよう必死に読む。

少々のグロがありつつ、バトルは終了。一応上手く収まったのかな。山脈を守護する聖獣、神の使いといってもバターに釣られるものなんだなあと、森の中でのクラウスを思い出すとなんとも庶民的な聖獣な気がした。

エピローグはめでたしめでたしの後のお話。リルにとってのクラウスを、秘密の夫であり唯一の生餌と表現しているのがとても好き。力を失っても淫魔の相手は可能なようで何より。

面白かったけど、もっとクラウスの活躍が見たかったかな、という感想。
シリーズの他の作品にもちょこちょこ出てくる「血の月」には何か深い意味があるのかな。

0

官能童話第3弾

森に住む美しき異邦人×無垢で淫らな赤ずきん。
官能童話第3弾
ヴァルセント王国の王太子・リルは、母親代わりの祖母の女王から贈られた赤いマントを大切にしていた。
そのお礼にお菓子を作るため、森に住む先代の料理長を訪ねる途中、山の樵3兄弟に拉致され凌辱を受ける。
顔を見られて殺される寸前を、クラウスに助けられた。クラウスは獣人。

物語は、赤ずきんを土台にした、王道もの。
筋書きが王道で単調な文、頑張ったのか挿絵が超淫靡。
笠井先生の描画は、赤く塗りつぶしてもうっすら見える、この技法は浮世絵の春画の技法を意識しているように思う。
遊び心が入っていて、もの凄くエロい。

0

本物の狼王は?

犬飼先生と笠井先生のタッグは最強だと思っています。詳しいストーリーは他の方にまかせて感想です。

てっきり贄に選ばれてしまったリルの元に現れるのはクラウスだとばかり思っていました。慈悲深そうに見えた女王の正体とクラウスによる屠られ方に、犬飼先生はやっぱり上手いと思ってしまいました。

クラウスとリルが結ばれた場面は一度きりしかありませんでしたが、王となったリルの後日譚のクラウスとの会話から、しっかりと関係してるのが分かりました。

王位を次の王に委ねたら2人きりで幸せになって欲しいと思いました。

笠井先生のクラウスが歴代攻めの中でも抜群にカッコいいです。リルも赤いマントの中の華奢な肢体がとても萌えました。

0

良い子と悪い子の言い訳にちょっとうんざり

ごめんなさい。本の半分まで読んでもひたすらエッチな事がしたくて頭がいっぱいのリルに共感できませんでした。

木こりに襲われあわや!というところにクラウスが現れ助けてくれて。でもなんだか不本意そうで、あれ?でもなんかエロいことはちゃんとしてって。

その後も良い子と悪い子のリルが葛藤し心の中で言い訳を繰り返してはクラウスにエロいことをしてほしくて、快感の先を体験したくて頭がいっぱいで。

君、王子だろう。箱入りすぎ!あとエロいこと好きすぎ!

半分まで読んでやっぱりクラウスを誘うリルにもう着いていけませんでした。

本の半分かかってエロいことしたいで頭がいっぱいのままで。
また気を取り直して今度こそ最後まで読もうと思います。途中でレビューしてすみません。こういう感想もあったということで…。

追記
最後まで読みました。
女王とリルとクラウスの正体、乗り越えた後の暮らし。なるほどなあ。クラウスの愛は思っていたよりもずっと深かったのですね。リルの成長を助けたり、その後のリルを生かしたり。
でもやっぱり評価はそのままかな。

3

相変わらずその発想に脱帽!

この『官能童話BLシリーズ』、
毎回犬飼さんの発想とアレンジに驚かされます。
大胆にアレンジされつつ、しかし元の童話からは決して外れない。

今回の「赤ずきん王子」も、元の童話とは全く違うお話なのに、
ちゃんと「赤ずきんちゃん」なんですよね。
更に官能もてんこ盛り!
敢えて『エロ』とは言わず、『官能』と言いたくなる絡みのシーンv

頼りなく色々と分別のつかないリル王子。
謎だらけでも逞しくカッコいいクラウス。

前半、読んでいてなかなか物語が先に進まず、
同じループが続いているように読めてもどかしくなるのですが、
後半はその謎も解け始め、一気に物語が進んで面白くなります!

『恐竜シリーズ』を彷彿とさせる大格闘シーンは迫力があります!
この辺も流石犬飼さんです!

ちょっと間違えば、嫌な子になってしまいそうなリル王子ですが、
私の中では不思議と最後まで健気で可愛く君臨していましたv

評価はちょっと迷ったのですが、
やはり犬飼さんの『創造力』に感服して『神』で!

5

いろいろ(笑)よかったです。

この作品はネタバレしてしまうともったいないので、1番書きたいところを詳しく書けないのがもどかしいのですが、クライマックスにきて、おお〰️っ、こうきたか!と思わせる展開があり、官能童話シリーズの中では1番おもしろかったと思います。

無垢で無知で無邪気さと、忌み嫌われる赤い瞳を持つことで苦しみを併せ持つ王子リルは、言いつけを守らず、寄り道をしたせいで最悪の事態になるところを、今まで見たことのない美しい異国人に既のところで救われ、二人関係は始まるのですが、まぁ〰️無垢な王子様のエロいことエロいこと。いくら好みの相手で、心臓ばくばくしちゃったとしても、なんで初対面の人間にこんなにも発情しちゃうのかなと驚くくらいの乱れっぷり。釣り橋効果なのかなぁ?などと、とぼけたことを考えながら読んでいたのですが、最後まできて「ああぁ~なるほどね」となりました。

一方の美丈夫の異国人クラウスも、リルに惹かれているのが言葉の端々から伝わってくるものの、犬飼作品には珍しく最後の一線を越えることもなく、ずぶずぶとはまるというよりはむしろ突き放し気味。さらには王子としての在り方などを示している姿におや?っというひっかかりを感じながら読み進めることになるのですが、途中で正体はおおよその見当はつくものの、終盤のどんでん返しで立場は変わってきたりと最後まで気を抜けない作品でした。

私としては攻めも受けも好きなものでまとめられていたので、テンションは上がりつつも、欲張りだとは思いますが、せっかくこうきたなら、もうちょっと「もふ」にきりきりと絡み付く姿でもエロエロ楽しみたかったなぁ~(笑)

6

めっちゃ赤ずきんちゃん

童話シリーズ4作目。お話としては「おお」と思ったのですが、特に冒頭、受けさんにイラっとしてしまったので、すいません、萌です。本編230P+あとがきです。

お話は、山脈からひときわ高くつきだした雪の王国ヴァルセントが舞台。年中雪のあるこの国は、ストロベリースノーと呼ばれる紅い雪で結界をはり、魔力をもつ狡猾で巨大な狼から国を守っているという設定。16歳の誕生日を迎えたリルは祖母から新しい夏用の赤いマントをもらって祝ってもらうシーンから始まります。リルを産んだ時から母(第一王位継承者)は病んでしまって会ったことがなく、また真っ赤という特異な目をしているため、唯一愛してくれていると信じられる祖母の事を、リルはとても愛しています。その祖母を喜ばせるプレゼントをしたいと考えたリルは、祖母の大好物であるクッキーの作り方を教わるべく、引退した料理長のところへ・・・。赤ずきんちゃんのお出かけです♡

攻め受け以外の登場人物は
ヴァルセントの女王(リルの祖母)、リルに事実を伝える木こりたちぐらい。ほぼ祖母と攻め受けの3人でお話は進みます。

**素晴らしいと思ったお話とイラっとした受けについて

赤ずきんちゃんのお話を非常に生かしていて、感動でした。今までの童話シリーズの中で、もっとも「おお!」と感じたと思います。ネタばれにならずに読んだ方が絶対面白いと思うので書きませんが、最後に真実が明らかになるところは、「おお、そうきたか!」と驚きで嬉しかったです。

なんだけどー。
赤ずきんちゃんが、どうにもこうにもダメでした。先生のあとがき読んで、「ああ確かに、赤ずきんちゃんのダメっぷりを読んで我が身を振り返るってことだよね」とは思うものの、ダメダメ王子に萌えるかというと、萌えなかったです。
色っぽいシーンはツユだくだく、ねっとりまったりで、その役目(どんな役目だ)を120%以上果たしていると思いますが、いかんせん、受けがすっとこに感じられて最初に躓いてしまったため、最後まで立ち直れず・・・

めちゃくちゃ残念でした・・・お話は最高に面白かったです!

3

赤ずきんちゃんは悪い子

フルール文庫刊のものと合わせて、ルビー文庫でシリーズ化しつつある犬飼さんの官能童話BLも今回で4冊目。
題材にされている童話本来の赤ずきんちゃんの話が残酷なんだかエロいんだかきっちり把握していないままに、さて犬飼さん版赤ずきんちゃんはどんなふうにアレンジされているのかな?…と期待して読んでみた。

読み進めていくと、一目でリルの本質を見抜いた謎の異国人・クラウスの正体や、リルにいい子でいる事を望んでいるおばあ様の真意が物語の鍵になるってのが解ってくると思う。
ちなみに、クライマックスのシーンはスプラッタ―沙汰なので、血とエグい描写が駄目な人はご注意を。

今回の赤ずきんちゃん・リルはとある山脈沿いの小国の王太子となっているが、どうも生まれながらの王子さま気質といったものを感じ取り辛かった。
先天的、というならば<高貴さ>よりも<天性の淫らさ>を重視してったほうがスッキリと割り切れる。
16歳になったばかりで幼さが隠し切れず、それまで知らなかった”悪しき狼”への贄への処遇の改善を求めるくだりはどうも無理があった気がするので、健気受けというにはピンとこない。
王族としての務めよりも一目惚れしたクラウスとの淫猥な逢瀬での妄想を膨らませたり、バターを口に含んでクラウスに舐めてもらうのを待っていたりと、誰も教えていないのにリルが性知識に長けている辺りには驚くが、この淫らさこそが淫乱受け萌えとしてゾクリとくるものがある。

結果としては、期待値以上の官能童話BLに仕上がっていてさすがは犬飼さんだとは感じるものの、今回はちょっと評価に戸惑ってしまう。
自分が一番強く感じたリルの印象って、王子さま気質でも未熟で迂闊な赤ずきんちゃんでもなく、生まれ持った本質を隠す為の『淫らなのは悪い子』って背徳感の植え付けで育ったのに、呆気なくその教えに背いていった子なのだった。

4

バター、おいしそう

凶兆の赤い瞳の王子様は、女王であるおばあ様に愛されて、季節ごと、誕生日ごとに、瞳の色と同じ赤い王族の色のマントをプレゼントされてきました。
そして、16歳の誕生日にもらったのは、今までにない長い裾に、たくさんのルビーや金糸の刺しゅうを施した、フード付きの豪華なマントでした。
赤ずきんちゃんは、ちゃんと王族の自覚と誇りを持った王子様なので、恋をしたら、それがたとえ神に背くような恋だとしても、実に前向きに努力します。
でも、快楽にはめちゃくちゃ弱い。
この「快楽に弱い」と「王族としての自覚と成長」がうまく両立している所が凄い。
これも、ちゃんと理由があってのことなのですが、、、。
それにしても、カバーイラストがエロい。
更に表紙をめくると、カラー口絵がもっとすごい!

7

恋をして、その困難を受け入れて、大人になる

このシリーズは相変わらず面白いですねぇ。
ストーリーだけではなく、童話が持っている残酷さや理不尽さを消さないまま、犬飼さんの新たな解釈を入れていくという点では『パスティーシュの名作』と言っても差し支えないのでは。
タッグを組むのが笠井画伯というのもバッチリ合っています。

今までの官能童話シリーズの中では今作が一番好きです。
私、そもそも『赤ずきん』という童話を「女の子は男に喰われないために細心の注意を払って生きていかなければなりません」という教訓話として読むのが嫌なんです。
「お花畑で寄り道しても良いじゃないの。綺麗なものを愛でることの何が悪い」と思いますし「そもそも、おばあさんの家でおばあさんのベッドに寝ている人(この場合、狼なんですけれど)をおばあさんだと思うのは当たり前じゃん」と思うのです。それをですね、まるで赤ずきんが馬鹿な子の様に伝えるのはおかしいと、それこそ子どものころからずーっと不満に思って来たのです。

このお話の赤ずきんことリルは、そんな不満を軽々と飛び越しちゃうんです。
彼は自分からクラウスに恋をして、精神的にもフィジカルな面でも彼に求められたいと願います。何もできないままただ喰われちゃうんじゃないんです。
このお話、10日間の出来事なんですけれど、たった10日間でリルの成長の著しいことと言ったら!
無垢で素直で『いい子』だった、でも裏返せば『それだけ』だったリルが、恋した相手に認められたいと願い、国のしきたりに進言し、大好きなおばあ様(女王陛下なんですけれど)に秘密を作り、神の言いつけを破ることに恐怖を感じながらも自分の気持ちを貫く勇気を持つなんて、これはとんでもない成長物語です。

それも、全ては恋のなせる業。
うわー、なんてロマンティックなの❣
現代の赤ずきんはこうでなくっちゃっ!(鼻息が荒くなってごめん)

またね、クラウスが見た目だけじゃなく、いい男なんですわ。
リルが一人でやらなければならない部分はちゃんと突き放すし、でも窮地に落ちた時には助けに来るし、何と言っても、一緒に堕ちてくれるんですよ(この辺は本編を読んでくださいね)。
その愛情の深さに、もう……もう……(再び、鼻息が荒くなってごめん)

「大人になるってこういうことだ」と思います。
今作が全般的にエロエロなのも、大人になるお話だから。
その整合性に頭が刺激されるのと同時に、ロマンスを求める乙女な心も満足させてくれる素敵なお話でした。
欲を言えば、変身後のリルのお姿を笠井画伯のイラストで見たかったなぁ(はい、ごめんなさい。欲張りすぎと解っています)。

12

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