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国一番の騎士×恵まれない第七王子の、溺愛シンデレラストーリー!
dekiiai kishi to muku na aisai
母親の身分が低く庶子扱いだった第7王子イクセル(受け)は神官見習いとして神殿で静かに心静かに暮らしていました。ある日、父王から突然呼び出され、戦勝の褒美として手柄を立てた騎士に降嫁するよう言われます。
イクセルは、相手の騎士が王子というだけで何の後ろ盾もない自分が下賜されたことにがっかりし、形だけの結婚をすることになるだろうと諦観していたのですが、結婚相手の騎士は思いがけない人物で・・・
イクセルの母は国王の寵姫・第4側妃の女官でした。公爵家出身で気位の高い第4側妃は身分の低いイクセルの母を忌み嫌い、出産と同時に亡くなった後はイクセルにその憎しみを向けるのです。後宮を牛耳っている第4側妃とその息子・ルーゼルと娘・レーノアを中心にいやがらせや暴力にさらされ続けたため、それを心配した当時の女官長の計らいで10歳の時に神殿へと逃がしてくれたのです。
神に祈りを捧げ、薬草を育てる仕事をしていたイクセルは、穏やかに生活していました。そんな時に急に降嫁を言い渡され絶望します。
実際結婚式が終わると、結婚相手のジークヴァルト(攻め)は何故かはじめから全力でイクセルを甘やかします。イクセルがそれが不思議で何度も尋ねるのですが、明確な答えが返ってきません。
とある事件がきっかけで笑えなくなってしまったイクセルですが、毎日ジークヴァルトに甘やかされ少しずつジークヴァルトの傍が自分の居場所になってくるのです。
虐げられてきたイクセルの幼少期の話は本当に不憫でなりませんでした。よくも10歳までも生きていられたと思うくらい。感情移入してしまうのでこういう不憫受けは苦手で、涙ながらに読みました。
そして、父王の態度にはとても腹が立ちました。久しぶりに会う我が子に対しての態度も本当に他人行儀で父親としての愛情は一切感じなかったです。
英雄の嫁になるという栄誉を受けたイクセルが気に入らず再び絡んでくる義兄・ルーゼルと義姉・レーノア。彼らが何を仕掛けてくるかということが不安になりながらも話は進みます。
笑顔を無くしてしまったイクセルが本当に笑える日がくるのかも気になるところでした。
ジークヴァルトは商家の次男坊でしたが、王国騎士となり実家には勘当された身です。先の戦争での一番の功労者となり、褒賞に望むものを与えると言われて、イクセルを貰い受けるのです。
破天荒な人物で、上官に対しても物怖じせず発言しますが、上からも下からも慕われています。イクセルに対して愛情を惜しみなく与え、自分の愛情をイクセルが認めてくれるのを待つのです。時々暴走するのはご愛敬で(その時は怖い執事が止めてくれます)
読んでいてすぐに、どういう経緯でイクセルを貰い受けることにしたのかということがわかりますが、イクセルは最後のほうまで思い出せないため、何故自分を欲しがったのかがわからなくてなかなかジークヴァルドの愛情を信じられません。
それでも、惜しみない愛情に心が満たされていっているのが読んでいてわかるのが、読んでいてとても幸せになります。
思いがけない人物と結婚して溺愛されるという王道な話です。が、登場人物が比較的多い割に出てくる人物がみなキャラが立っていて、話の展開も面白く引き込まれました。
最後の事件がちょっと駆け足になりましたが、それでも一応の解決をみて二人が本当の意味で夫婦になることができるという幸せな終わり方でした。ただ、できればもう少しこの事件に対してじっくり読みたかったように思います。
わかりやすい悪役でしたが、最後のルーゼルのセリフには目を疑いました。びっくりして二度見したくらい。
なにもかもイクセルのせいにして、自分たちは何もしてない被害者のような態度にとても腹がちました。私はあの程度の処分で済んでるのが逆に不思議に思いました。
とはいえ、結局この話の元凶はイクセルの父親でもある国王なので、この男にもっとダメージがあってもよかったのではないかと思いました。それも残念です。
イクセルが第4側妃たちにされることは本当に腹立たしいかったですが、ジークヴァルトに溺愛されるところは甘々でした。人前でもキスしまくりでイクセルを大いに戸惑わせ、手厳しいくも理解ある上司や執事たちに無体なことをしないようにと何度も釘を刺されているのがとても楽しくて、この楽しいシーンをいろいろなシチュエーションで見れたのはよかったです。
読み終わるのが少し残念なくらいで、もう少しこの魅力的なこの人達の話を読みたいと思いました。
電子特典SS 「番外編」
ジークヴァルトの末の弟・ギルバート視点。
ギルバートは、国の英雄になったジークヴァルトと元王子イクセルを商売に利用しようとする父親の意向により、長らく音信不通だった兄に和解を申し出るため砦を訪れます。
政略結婚で情もうつってないだろうから年の近いギルバートがイクセルと仲良くなって来いという命令です。
意外にもジークヴァルトは父親に難題を押し付けられたギルバートに同情してくれ、ギルバートの責にならないよう配慮してもらうのです。
が、知らせを受けたイクセルが現れて、ギルバートはその美しさに見惚れていると、突然「見るな、減る」といきなり牽制するジークヴァルト。
二人がちゃんと愛し合っていることを確認して、父親の思い通りには絶対ならないだろうと思いながら帰っていくギルバート。
弟の目線でジークヴァルトとイクセルの仲睦まじい様子とジークヴァルトの嫉妬深い様子が見える楽しいSSでした。
こちら、デビュー作との事でおめでとうございます。
角川ルビー小説大賞で、優秀賞と読者賞をW受賞した作品になります。
個人的に、この読者賞を受賞した作品と言うのは、たいてい好みにあって面白いのです。王道で、ストーリーがしっかりしていて、求めている萌えがきっちり入ってる!
そのままですが、「読者の目線」で選ばれてるからですかね?
ちなみに受賞時には「英雄は第七王子を所望する」と言うタイトルでした。それを今回のタイトルに改題されたみたいです。
溺愛に騎士に無垢な愛妻と、もうこれでもかと好きな単語が入っています。
まずこのタイトルで惹かれたので、やっぱ分かりやすくて興味をそそる題名と言うのは大切なんだなぁと思ったりして。
内容ですが、超王道の花嫁もの。
タイトル通り、大変甘くて可愛い作品になります。
母親の女官と言う出自故に冷遇され、神官見習いとして生きる第七王子のイクセル。
ある日突然、王命により英雄の花嫁となる事が決まります。
そんな折り、抜け出した王宮の敷地内で、黒髪の騎士と出会うイクセル。朗らかな騎士との交流に安らぎを感じるようになります。
そしてついに披露宴当日、対面した花婿の正体はー?・・・と言うものです。
まずこちら、大らかで包容力のある騎士・ジークヴァルトと、健気で臆病な庶出の王子・イクセルと言うカップリングです。
で、王子であるイクセルがかなり不憫なんですね。
王宮では異母兄弟である他の王女や王子に苛められ、使用人達からも冷たい仕打ち。
見かねた女官長が神官見習いとして神殿に行けるよう手配してくれたと言う経緯があります。
そんなワケで、王宮に戻ってからも当然周りは冷たい仕打ち。
そんな折り、夜明けの王宮内で「黒髪の騎士」と出会う-。
そして、いよいよ披露宴当日、初めて会う花婿は・・・と超王道なのです。
この王道と言うのは下手すると既視感あふれるありきたりなものになってしまうのが難しい所なのですが、こちらは面白くてグイグイ読めました。
登場人物が多いのですが、それぞれがすごく魅力的な事と、細かい部分まできっちり作り込まれてるのがドラマ性があって良いのです。
主役二人のみならず、イクセルの行儀作法の先生に、お茶目な執事(?)に、やんちゃな部下(ジークヴァルト)に手を焼く苦労性の上司。
また、分かりやすい悪役である異母兄弟の王子達にさえ、心を動かされる部分が書かれてたりして。
う~ん・・・。面白いです。
あとですね、私は不憫な受けが好きなのです。
受けが辛い目に遭ってるのが好きなのでは無く、不憫な受けが報われると言うのに異様な高揚を覚える。
で、最初は辛い状況のイクセル。
ここから黒髪の騎士と出会い、自分を溺愛するジークヴァルトと結婚し、使用人達は皆温かく受け入れてくれと、彼が幸せを掴んで行くのに萌えて仕方ない!!
またジークヴァルトがいい男なのです。
大らかで、ちょっぴりやんちゃで、周囲からはこきおろされながらも愛されている。
そんな彼だから、クセが強くも魅力的な人物が周囲に集まり、だからこそイクセルが温かく受け入れられる・・・。
私は受け大好き人間ですが、今回は攻めの魅力に恐れ入りました。
あと、個人的に萌えた部分。
普段は余裕があって格好いい彼が、イクセルにデレデレになってる時の描写も最高でした。
いや、無垢な受けの何気ない言動に、攻めが煽られると言うのが個人的にツボなので!!
彼がイクセルに惹かれた理由と言うのがしっかり納得いくエピソードで語られてるのも良かったです。
これまでの環境から、とても臆病で全てを諦めていたようなイクセル。
ジークヴァルトとの出逢いにより、そんな彼が少しずつ変化してゆくのにもジンワリさせられました。
実は主人公成長ものでもあるのです。
終盤がちょっぴり駆け足と言うか、とある事件があっさり解決し過ぎる気はするのですが・・・。
個人的には、もうちょっとこの部分をしっかり書き込んでもらえると、より山場がドラマチックで盛り上がったと思うので残念。
とりあえず、超王道でとっても甘くて可愛いです。
正統派がお好きな方におすすめしたいです。
初めましての先生だなーと思ったらデビュー作だったんですね、すごく読みやすく、お互いの心情が伝わってきて超ニマニマ読了でした。驚きです。次回作もとても楽しみにお待ちしたいと思う先生でした。お話が王道基本路線だったので萌2にします。ルビーさん、そんなにハマる方ではないと思っていたのに超不思議。ルビーさんハマったことないわ、という方でも一度お試しいただいてもよいかもしれないです。本編のみ220P弱+先生のあとがき。ポイントは、受けが「超ど天然うぶうぶ」に感じられることでしょうか。
お話はフリュデン王国の王都の郊外にある古ぼけた神殿にいるイクセルのもとに、王からの使いがくるシーンから始まります。身分の低い母から生まれ、第四側妃から大変疎まれていた第七王子のイクセルは、ろくに面倒も見てもらえず11歳にして神殿に追いやられてしまったのですが、突然、国の英雄と称えられる男の元へ嫁げと命じられ・・・と続きます。
登場人物は
受けさんの義理の兄、姉、受けさんの行儀作法の鬼教師(♀)、攻めさんの上司、部下、使用人(一癖あるタイプでいい感じ)等々。結構います。
********以下はハマった理由
受けが大切に育てられなかったという過去があってか、あまり自分を大切にする方ではないです。自分には価値がないと思っているのですが、あまりにも天然で可愛く感じられたせいか、イラっとしなかったんです。とにかく可愛い。呼び方をなんとかしろと言われて考えた末に「だんな様・・?」と呼んでみたり、痩せてるからもっと太れと言われたら「頑張ります・・」と言ってみたり、言動一つ一つが萌ツボ直撃。それを受け止める攻めも嬉しさを隠さず「お前可愛すぎるだろ」だの「良い子だ」とチュだのするもんで、私は珍しく攻め視点で受けを愛でてる心地でした。
攻めの周囲にいる方も、ちゃんと受けを大切にして二人を見守ってあげて、なんだか微笑ましい・・・
悪党はいるっちゃいるのですが、ちゃんと始末がつくし、最後にはあら、そういうことだったのという救われた感もあり、安心、納得ーなお話でした。
ルビー小説大賞優秀賞、読者賞というだけあるわ!と思った一冊でした。来月ももうお一方デビューされるみたいで、楽しみです。
タイトル買いのデビュー作家さん。
帯の『読者支持率NO.1』という文言にへぇ~!と 思いながら
読み始め、あまりの面白さに一気読み。
デビュー作でこんな!?と、次作からも期待したい作家さんです。
受けさんのイクセルは、実母は早くに死に実父は国王であり数えるほどの面識しかなく
義兄姉に疎まれ義母に疎まれ…という、冷遇される身。
辛く当たられ落ち込んでた最中出会った騎士と交流を繰り返すが
婚姻の場に現れた相手が攻めさんであり、幾度も逢った騎士のジークヴァルト本人で…
と、話の初めは結構辛いです。
イクセルの小さい頃の回想シーンなんて、痛くて読むのも辛かったです。
ですが!
やっぱ見てくれてる人は居るんですね!という、希望を持てる展開で。
笑えなくなったイクセルをこれでもか!と溺愛する旦那様、素敵です。
羞恥心の欠片もなく、嫁を見せびらかす旦那様、可愛いです。
完全無敵のはずなのに嫁にはとことん翻弄される旦那様が好きです。
最後は義母や義兄姉ザマア展開で
旦那様の屋敷に務める住み込み使用人達のキャラ具合もいいスパイスとなり
本当に最後まで楽しんで読めました。
強いて言うなら、
ダニエルには足を引きずってた事に対するあれこれは聞いたのかな?とか
副隊長のホードとは少しでも良好な関係に戻れたのかとか
ジークヴァルトがイクセルを娶った理由が曖昧でよく分からないとか
モヤモヤしたものはあります。
でもまあ、溺愛うまうまで読ませてもらったので案外読後感スッキリです。
「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」を読んだあとで、貫井ひつじ先生の過去作を調べた時に、こちらの作品が一番評価が高かったので読んでみました。
デビュー作で優秀賞と読者賞をW受賞した作品だそうですが、なるほどと思いました。
勢いがあるし、キャラは魅力的だし、ストーリー展開も凄く面白かったんです。
不憫受けのイクセルは健気だったし、ちょっと不遜なジークヴァルトがイクセルを溺愛する様子にとても萌えました。
ただ、もっとジークヴァルトがイクセルを選んだ理由を書いて欲しかったのと、あの意地悪で自分勝手な義姉の王女が建前上は急な病で亡くなったとありましたが、本当は何故亡くなったのかが知りたかったです。
彼女の母親の側妃や義兄が後宮を出たのは、国王からの処罰では無いのが不思議でした。その辺がモヤっとしたので萌2です。
このモヤモヤが無いスカッとした作品が「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」なのですが、こちらのデビュー作もその片鱗を示してように思います。
そういえば神官ものって意外と多いですね。神に身を捧げ清廉潔白で慎ましく、確かに健気受けの要素がもりもりです。
王の第7王子のイクセルが不憫で。
母の身分によって妃や義姉義兄から振るわれる悪意や悪行の数々。こっちこそ何をしたっていうの?ですよね。
後宮で散々酷い目に合わされ、なんとか抜け出し神官として神殿で暮らして。そんなイクセルの元に突然王からの呼び出しがあり…。
英雄が王の子を娶りたいと言うから、お前頼むぞと。
もう途中まではイクセルが可哀想で。
そして名も知らぬスキンシップ過多な騎士さまと出会ってからは幸せな予感が。
結婚相手の国一番の英雄はやはりあの人で!
なぜだか英雄はイクセルを大好きなようで溺愛されて大事に大事にしてくれ。
しかしそんな甘くて平和な日々も突然急変し…。
とにかく王室でのイクセルの扱いの酷さ。
義姉義兄の下衆さ。かきまわしてきます。
そして英雄ことジークがなぜここまでしてイクセルを娶ったか。愛してるか。
いきさつはまあわかるけど、それでここまで愛せるのかな?5年前に少し言葉を交わしただけなのに。
でもイクセルを自由にしてくれて、色んな感情を持てて良かったですが。
最後の数ページが駆け足で。先生ともそんな繋がりが!?
ジークとイクセルももうちょっと当時の話をしようよ。
急にイクセルが閨のお誘い?
良いお話なのですが、なんかこう少しずつ惜しい(何様?ですが)ような気がします。
ジークが何も知らない真っ白なイクセルに、こめかみを押さえて、くっ!可愛いなお前!ってのが良いですね。
貫井ひつじ先生の「狼殿下」シリーズの大ファンです。
今回読んでみたこちら、なんと先生のデビュー作とのこと。
単純な溺愛攻め×不憫受け様のストーリーではなく、そこに攻めの親友などのストーリーが加わり、いくつもの層が重なった、深く心に沁み入るお話でした。
受けのイクセルも、不憫ではあるけれど立ち向かおうとする一本の芯のようなものがあり、弱々しいだけじゃないのが良い!
ジークとイクセルとの最初の出会いは決して喜ばしいものではなく、イクセルにとってはある種トラウマであり「笑えない」ことの直接的な原因ともなるものだったけれど。
ジークの妻となった今は、きっと少しずつ少しずつ、笑みを取り戻していっているのだろうな、と思える素敵なラストでした✨
そして何よりも驚いたのが、イクセルの家庭教師・シーデーンがまさかの…!!
もう、貫井先生の仕掛けられた伏線の素晴らしさに、思わず「おお…!」と声をあげてしまいましたよ。。そこが繋がるとは…感動的だわ。。
貫井先生の溺愛ものにハズレなし。
そんなことを確信した、こちらの一作でした。
今回は国の英雄で国境警備部隊長である騎士と
神官見習いだった第七王子のお話です。
不遇な境遇だった受様が
攻様に大切にされて幸せを掴むまで
受様は王が後宮の女官に
戯れで手を付けた出来た子で
現王の第12子で末子になります。
その上生母が出産で命を落とし
何の後ろ盾も無かったために
受様は幼いころから側室や兄王子、姉王女に
冷遇されて育ちます。
母親と久しくしていた後宮の女官長が
そんな受様を案じて神殿へと移り
神官見習いとなります。
王城を出て8年後、
受様は薬神神殿で薬草作り等をしていましたが
突然王城の使いが受様を訪れます。
2年間続いた隣国との戦いで
大将を討ち取って戦を終結させた騎士が
王からの特別報償として御子との婚姻を望み
受様に白羽の矢が立ったと言うのです。
この国では同性婚も認められおり
王宮に戻った受様は
自分を苛め抜いた側妃や兄姉から
冷たい視線を浴びせられますが
受様は更に気持ちが沈みます。
不安な気持ちで翌朝を迎えた受様は
長年の習慣で神殿で祈ろうと
離宮を抜け出し
ある1人の騎士と出会います。
その騎士は何も訊かずに受様を
礼拝堂へと導きます。
彼こそが今回の攻様になります♪
以来、受様の朝の祈りに
付き合うようになるのですが
受様は式典で花婿と対するまで
攻様が結婚相手である事に
気づきませんでした。
降嫁した受様を待ち受ける未来とは!?
角川ルビー小説大賞の
優秀賞と読者賞をダブル受賞したお話で
不憫で健気な受様が強気で男前な攻様に
溺愛されて幸せになる王道ストーリーです♪
生母の身分が低かったために
側妃や兄姉を始め彼ら使用人達にも
見下されて育った受様は
自分の意思で生きる道を選べず
示された生活の中で生きてきただけで
自己評価もとても低いです。
対する攻様は商家の放蕩息子でしたが
親友が騎士を目指していた為に
一緒に騎士を目指したという男で
受様とのは過去に邂逅していて
それをきっかけに攻様は
受様を嫁にできるだけの手柄を目指して
大変な努力をした模様なのですよ♪
受様を嫁にすることは
攻様の中で既に決定した未来だったので
王に望んだ報償は受様本人であり
嫁にしてからは正にデレデレなのです。
頭は悪くなくても世間知らずで天然な受様は
攻様の事情を知る術もなく
攻様は仕方なく自分を嫁にしたのだと
思い込んでいるので
受様は攻様に花嫁として可愛がられても
なかなか受け様自身が望まれている
という事に気づけません。
そんなジレジレな関係も
読者には美味しい萌えポイントですよね♡
しかし見下していた受様が
自分よりも幸せになる事を
高慢な側妃や兄姉が許すはずもなく
姉王女は自身が受様に取って代わるべく
暗躍します。
受様大事な攻様がそれを見逃すわけはなく
全ての悪事が詳らかになり
受様が自然な笑顔を取り戻すまで
攻様の思惑通りというか
予定調和な流れではありますが
とても楽しく読めました。
私は受様には
攻様より男前であって欲しいので
立場の弱さがあったとはいえ
流され気味な受様が
出来る攻様に溺愛されるだけな展開は
あまり好みでないので
山場まで引っ張られましたが
受様が姉王女に否と言えるほどに
強く成長できての大団円で
良かったです。
護られているだけなら
BLな必要ってないですよね。 (^_-)v
また攻様の友人と後宮の女官との
意外な接点も意外なびっくりでした。
今回は同じく角川ルビー小説大賞の
ダブル受賞作家・御堂なな子さんの
『戀のいろは』をおススメします。
こちらの受様も健気です♪
新刊の「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」がとても良かったので、こちらも読んでみましたが「狼殿下〜」と同じ系統だなと。
ただし「狼殿下〜」の受けと同じく庇護欲をそそられる受けではあるんだけど、ぶっちゃけ「ちょい弱っちいな」と思ってしまったんですよね。
性格もそうなんだけど、人酔いしちゃったりピンチで気を失ったりするので……。
もちろん不遇な境遇ゆえだというのは重々理解してるんだけど、もうちょい気概が欲しいというか。
その一方で、攻めから「好きなように過ごせ」「何がしたいか」と聞かれても、自分の希望を抱くことすらなく生きてきた受けには答えることができないんですね。
その不憫さには、胸がキューっとさせられました。
攻めが、何故そんなに受けを所望するようになったのか、はっきり書かれていないところが不満でした。
というのも、あの過去がきっかけなのはわかるけど、受けにとっては笑顔が消える原因となったトラウマでしかないんですよね。
受けの心には傷が残った一方で、かたや攻めの心にはラブが生じたとするには、ちょっと理解しがたいというか……。
おまけに、あの時の攻めは、親友の死で半ば錯乱状態だったとはいえ、全く罪のない受けの頬を引っぱたく姿に、えぇ?マジで?!何この男?!と思っただけに……。
せめて胸ぐらを掴む程度にしておいて欲しかった。
攻めが何故自分を娶ったのかを理解できない受けが、戸惑うところもなんだか可哀想でした。
そりゃ当然ですよね。
だって、ほぼ知らない相手から「結婚したい」「好き好き」言われても、すぐに信じられる人っていないもの。
だから、攻めには受けに惚れた理由をとっとと教えて欲しかったのだけど、「お前が笑えるようになったら教えてやる」と言う攻め。
受けが笑えなくなったのは、あの日のあんたの言動が一因なのに(罵られた&頬をぶたれたのは表面的な問題にすぎないのだけど)あんたがそれ言うの?と。
だから「笑えなくなった」設定はいらなかった気がします。
そして攻めは、使用人や家臣たちの前でもおおっぴらにキスしたりするんですね。
神官見習いの超〜無垢な受けは、その都度真っ赤になって顔もあげられないんですよ。
普通ならそこも萌えなはずなのに、この受けに限っては、なんか可哀想……公開処刑みたい……と思ってしまいました。
「もう!やめてください」とか言えるキャラだったら可哀想とは思わなかったけど、そんなこと言えるキャラではない&死ぬほど恥ずかしがるのを十分承知のうえで、あえてやってくる攻めが単に悪趣味としか思えなくて……。
これがデビュー作だったんですね。
「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」と同じ溺愛×不憫健気受け プラス花嫁要素という事で、なるほど!と思わせるものがありました。
ツッコミどころが幾つかある当作品に比べて「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」が文句なしの神作品だったので、作家さんとしてすごく成長されたんだなぁ
と感心させられました。上から目線でごめんなさい。
不憫な受を救い出してくれる攻という好みな作品なのですが、攻が受を嫁にするまでになった心境をもう少し詳しく知りたかったですね。
受視点ということもあるのでしょうし、描かれていないところで、例えばアルビン・リースの墓参りの時に初めて合った時のことや、謝罪してから再会するまでの間に受のことをどのように思っていたのかなどが攻の口から語られていたのかもしれませんが、そういった攻から見た受のことも読者にも分かるように描いて欲しいと思いました。
それと攻受の会話に「え?」や「あの」が多いのが気になりました。
小説ではそういった台詞は極力省いて地の文で表現してもらいたい派なので、文体が私には合わなかったというのもあってこの評価とさせてもらいます。