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以前から絵が綺麗だなと気になっていた作家さんだったのですが、漫画も出版されているとは露知らず・・・。
最近、なんとなく時代物が読みたくて手に取ったのですが、かなり私のツボにハマった作品でした。
過去のトラウマ、幼馴染・再会ものときて、切ない。
主人公を囲む脇役にもいい人が多くて、魅力的。
そして絵がとても綺麗。背景まで丁寧で日本家屋とかも細かくて。
時代物の絵は難しいと言われているようなんですが、和服や髪型、とても描き慣れていらっしゃるように思えました。
小説でも時代物の挿絵をされているようなので、そちらも読んでみたいと思いました。
時代物で、過去に過ちを犯した黒重・吾妻がひょんな事から再会し、気まずい雰囲気の中、また昔の様な関係を、それ以上の関係を取り戻していくお話。切なく重めの話ではありますが、誤解…の様なものが解けた後は互いに互いを、そして自分を許す事で丸くおさまりました。
過去の過ちを完全に消し去る事何なんてどうしたって出来ないけど、互いに向き合って前に進む事で、少なからずとも光は見えてくるものなのだと。脇役の辰巳が二人を支えてくれます。黒重と吾妻も、分かってはいた事だとは思うんですが、ちょっと時間が掛かりすぎてしまったようですな。
収録されている「風冴ゆる」では、黒重の父親も登場。そんな状態の黒重を怒鳴りつつ、親子ならではの言葉も掛けてくれる…そんな二人のやり取りには凄く和みました。
線が細い所と太い所とあって何事かと思ったけど、使い分けが上手いので自然な流れで読めました。佐々木さんスキーさんは読んで損なしな一冊かと思います。
※以下多少ネタバレ有
正直、双方の過去の罪に対しては何とも言えない状況です。吾妻は過去、叔父に陵辱されてしまった事があり、その姿が黒重に重なってしまい刀を抜くハメになったと…。それでもその切り落としてしまった腕を墓に埋め、毎日墓の手入れをしている吾妻が何とも健気で…この事実には流石の黒重も吃驚。ニヤニヤする辰巳と照れた顔する黒重のコンビは面白いものです。
番外編で出てくる吾妻大好きなお子ちゃまも強気で可愛いです。黒重に対して反抗心剥き出しにしてる所がまたなんとも。黒重も大人気ないもんだ。
時代物って丁髷さんや丸坊主さんが多い為、この作品にもそれなりに出てくるのですが、ここで佐々木さんの実力というのを改めて思い知った感じがしました。頭を丸く描くのって、難しいと思うんですよね。それに等しく着物ばかりの世界なので、それを綺麗に描きこなす面でもやはり良いなあと思いました。
私はこの本の中じゃ辰巳が一番好きなので、辰巳にも幸せになってほしいです。団子屋(?)の娘さんとでも。
小説のイラストとして大好きな作家さんでしたが、漫画も好みでした。
時代物です。絵的に攻めがカッコよくて好きでしたが、お話もなかなか切ない!
5年前に何があったのか。黒重(攻め)の片腕がないのはなぜなのか。読み進めるうちにわかってくるのですが、まぁその過去が切ないこと。
一度読み終わったあとに、もう一度読むとまた物語が違ったように見えて、楽しめました。
この方の時代物、もっと読んでみたいです。というか、挿し絵もいいですが漫画も読みたいですね~。
吾妻と辰巳は幼なじみで、吾妻は町医者の助手、辰巳は岡っ引きをそれぞれの生業にしています。そんなある日、吾妻が勤める町医者に、二人の幼なじみであり、音信不通であった黒重が患者として運ばれてきます。
昔は3人とも親友だったのに、黒重は盗賊の一味に成り果てているし、特に仲が良かったはずの吾妻ともぎくしゃくしているのです。
吾妻の起こした不幸な事件から、3人の関係は変わっていったと分かりますが、事件後も黒重を引き留めてしまう吾妻が何だかとっても切なかったです。
最後に、吾妻と黒重の番外編が収録されています。寺子屋で教えていた吾妻が黒重に交代するお話なのですが、子ども達からは黒重の評判は悪く、特に、吾妻を慕っていた男の子からは、かなり嫌われてしまいます。吾妻と黒重の仲を知って、この男の子は成長していくんだななんて思いました。
江戸時代が舞台です。
佐々木先生の和装イラストが素敵です!
裏表紙では吾妻が花を頭につけており女性っぽい雰囲気ですが、作中では髪を下した姿も私は女のコのような印象は受けませんでした。
「月暈」
吾妻(受け)が主人公。武家の息子だったが、黒重(攻め)の父親の跡を継いで医師になります。5年間行方不明だった黒重と恋人同士になるまでの話です。吾妻が黒重の腕を切断したのにビックリでした。
「月暈 風冴ゆる」
黒重が主人公。旅から戻った父親と再会します。誤解も解けて吾妻を抱くこともでき、薬種屋を始めることもでき、幸せを感じる話です。
「月暈 番外編 其の一」
吾妻が好きな寺子屋の子供と、黒重の話です。二人に自然になっている房事にニヤけてしまいました。
「月暈 番外編 其の二」
吾妻と黒重の友人、役人である辰巳が主人公。二人が幸せになり、喜ばしいけれど取り残されたような空しさを感じる辰巳と、お団子屋の娘さんとの初々しい出会いです。
黒重が腕を斬られた流血場面、吾妻が伯父に強姦される場面があります。どちらも短いですが、苦手な方はご注意ください。