ジュニパー
kininaru kuchibiru
こちらは同人誌です。
※1〜5巻のネタバレ含みます。
1(2013)〜5(2017)巻を合わせると約160ページの『気になる唇』。
舞台は男子校。同級生で、かなり身長体格差のあるふたり。
小柄な育実という男子が、クラスメイトに「キスしていい?」と聞くところから1巻は始まります。ずっと触ってみたかった彼の唇が目の前に。胸元つかんで背伸びしてキス。この校舎前の木陰がよくて…。最終話でまたこの場所が出てきた時はホッとしました。
<表紙のふたり>
◆育実(右・いっくん):笑顔も怒った顔も、しぐさも可愛い小柄な男子。一人称は「俺」呼びで、パッと見は色気ナシ。恋やエッチなことになると好奇心が止められず、意外と積極的。よく同じクラスの4人で行動していて、うちふたりが「お母さん」「お父さん」と呼び合い、いっくんを「うちの子」にした内輪ネタで遊ぶ。お母さん役の辻っちは、小学校時代からいっくんをよく知る頼れる友人。
◆洋一郎(左):長身で物静かな男子。唇がぽてっとして色っぽい。クラスメイトのいっくんに、ある日突然キスをせがまれる。祖父がカナダ人のクォーターだが家は純和風。中等部ではハンドボールをやっていた。中学時代に恋をした先輩男子が初めての相手で、当時のある出来事により過去を引きずっている。一人でいることが多い。いっくんのことは「育実くん」と呼ぶ。
キスから始まり、お互い意識して、毎日一緒に帰るようになって、エッチなこともあれこれしちゃってて…んんーもう両想いでいいじゃん!って思うんだけど、洋一郎のせいで(わかるんだけど…もうこう言っちゃう)そうはいかないんですよ。好きな人に酷いことをしてしまった過去の自分を悔やんでいる洋一郎。もう同じことを繰り返したくないからと心の奥のほうにカギをかけてしまっている彼は、無自覚に目の前のいっくんを傷つけてしまっていてー。
いっくんからしてみれば、理由がわからないわけで。その辛さが伝わってきてホント切なかったなぁ。だけどその切ないモノローグといっくんが心を痛める様子になお萌えます。毎度毎度、うまく行きそうなところで突き放されるいっくんと一緒に落ち込みながらも、きっと、いっくんの行動でなにかが変わるんだと期待して読み進めるんですよね。「自分と一緒にいて楽しいと思ってほしい」という気持ちが溢れているいっくん、こんな子に好きになってもらえる洋一郎がうらやましすぎる…と思いながら。
難しく考えればいくらでもぐちゃぐちゃになっていく頭のなかを、目の前の好きな子がまっすぐな気持ちと言葉で整理してくれる。言いにくいのを察していつでもそっと切り出してくれる。ふたりは恋人になったけれど、最強の親友でもあるなと思いました。しかしいっくんのまっすぐなところ、勇気、思いやり、包容力に私も惚れちゃいましたね。いっくんの背中を押してくれた辻っちもさすが。ここからのイチャラブが見たいところですが、心から笑顔になれたふたりが、これからいろんなこと一緒にしてくんだろうなぁ…というこの余韻も絶妙でした。
「大きな木の下で背伸びキス」とか「スクール水着でお姫様抱っこ」とか(まだまだたくさんあるのですが)、スレてない子たちならではの萌シーンがたくさんあって、どれも自然とエロにつながっていくからすごい(エロい)。ニヤニヤしまくりでした。それと、本の中の彼らはほとんど制服姿なので、時計・靴下・インナー(もちろんパンツも)など小物の色や、雨に濡れた描写などフルカラーが効いています。いっくんのお泊まりセットの巾着がめっちゃカワイくて〜♡近いうち、いっくん宅に洋一郎がお泊まりするんだろうなぁ。いっくんの家族見てみたい。
落ち着いていて、とってもやさしい子&じいちゃん譲りのいいカラダ。洋一郎も大好きです。洋一郎は、いつか先輩と、ちゃんと話ができるといいね。
ともあれ、笑顔になれたふたりに乾杯!なラスト、よかったです。
引き寄せ合ったふたりではないかもしれない、だからこそこのラストが響きました。
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