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kimi heno josou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
初めて読んだ作家さんだったのですが、画面の暗さに驚きました。
ベタが多いとかトーンが多いとかそういうことではなく、登場人物たちが暗くて怖い印象を受けました。
ただそれが悪いというわけではなく、ものすごい良い味になっていて感動しました。
青臭いまだまだ成長途中の2人が、先に身体から繋がるような感じで話は進みます。
じっとりと汗をかくような、湿気を感じるお話です。
この青臭いところが、暗い表現にぴったりと合っていました。
萌えを摂取するというよりは、すごいなあと感心したので神。
受けのツンデレ具合が可愛くて、それは結構良かったです。
表題作のみの長編です。
バス停で時折見かける背が高く猫背の女の子に淡い恋をしている南野。
いつも俯いているから顔も良くわからず、話しかけることなんて夢のまた夢……。
ある日、その子が落とした生徒手帳の中身を見たところ、何と正体は口うるさくて嫌味なクラスの委員長(男)・北原で……。
鈍感ノンケ攻め×神経質でツンデレクールビューティーな女装受けとあとがきにはありますが、攻めは鈍感とはあるけど、人を傷つけていることが気付かないような鈍感タイプではなく、混乱しつつも判らないなりに受けに向き合って、きちんと自分の気持ちを見極めていこうとするタイプなので好感がもてます。
ずっと攻め視点なので委員長の気持ちが見えにくいです。
南野のことを好きになったから女装したのは確かだけど、好きになった南野をゲットするために女装をしてみたというわけではなく、男を好きになった自分の気持ちと向き合うために女装してみたら南野がホイホイされちゃった……というところが萌えるような萌えないような……。
そして既に経験済みという隠れビッチなところも人によっては残念ポイントになるかもしれないです。
しかし委員長の姉がすごい……。
予想外のキャラで、ええっ??となりました。
お兄ちゃん時代のカッコいい姿も見たかった……。そして彼女はどんな恋をしてるんだろうって気になった。
そんなお姉ちゃんの言う「本当の自分になるのは人生の修行」という言葉がいいです。
二人とも若くて、青くて、あれこれ模索していている最中で、この先ずーっっと未来永劫一緒にいるかはどうかは判らないけど、お互いの気持ち、そして自分自身に向き合ったこの恋は決して無駄にはならないだろう、未来の自分へと繋がるだろうと思わせるような描き方が良かったです。
すっごくお久しぶりの野火ノビタさんのBLですが、どこか漂う薄暗さは健在でした。
そして助走と女装をかけているのかなぁ?と。
表紙は助走した先輩。これはタイトルにかかっているのでしょうか?
お話としては少女漫画に近いかな?という印象を持ちました。
攻めの南野は、朝バスで会うかわいい子がずっと気になっている。でもそれは、いつもクラスで自分に冷たくあたる委員長だった。。
委員長、北野の、この時期だからこその複雑な心境がよく出ていて良かったです。攻めの南野が朴訥としていて、でもちょっと気になる自分の気持ちから逃げずに、最終的に委員長のことをあきらめないところがいいですね。
そうでないと、こんな引っ込み思案の屈折した男の子とはうまくいかないかも。
女装してみたり、好きな南野を慣れている振りをして誘ったりと、必死な北野。でも、南野はとまどいながらも、かわいい女の子ではなく、そんな必死な北野委員長自身をもう一度好きになる。
キューピッド役の北野姉(兄?)が、爽やかな青春恋愛ものの中でキーマンでした。