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netsujou no virtuoso
作家さんの新作発表
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音楽の世界、一度は挫折したピアニストとマネージャーが主人公ですが、これもまた非常に素晴らしい。毎度の事ながら、感情を前面には出さず、淡々とストーリーが展開する中で関係性を発展させていく、技ありのロマンスに脱帽です。それでいて、クスリと笑わせてくれるのが凄いですね!
ロレンツォ(受)の優美な容姿と繊細な性格がとても素敵で、ピアニストとして挫折した鍵三への熱い想いに、心打たれます。
音楽の世界を舞台にした作品は、どうしても才能の限界や音楽の持つ魔的な面へと関心が向いてしまい、変に感傷的になったり、嫉妬などで二人の関係がややこしくなったりしますが、ここでは全くその様なことはなく、人生として音楽を選択した男二人の葛藤が描かれるだけで、全然乳臭くありません。二人とも、凄く大人です。かといって、ロレンツォの危うい精神バランスを保つために、もう一度ピアノに向き合おうとする鍵造が熱くて可愛いです。結局みんな、ロレンツォにめろめろですね!壊れそうな繊細さと強さが、絶妙な色気と魅力を放っています。
作中で出てくる曲に「月光」と「熱情」がありますが、ロレンツォの想いを代弁しているかのようで、聞きながら読むと、かなり素敵な世界に浸れます。他にはない作品です。小笠原作品全体に言えることですが、やはり上級者向きであることは否めず、また最近の(H29現在)BLとは一線を画しているので、いきなりだと良さが分からない可能性がありますが、何時かは必ず読んで欲しい作品です。
タキシードや大きな帽子にフードなど、小笠原さんらしい衣装の美が楽しめるのも嬉しい点ですね!