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cadenza
最後にこのシリーズを買ったとき、なかなか終わらないと続きが出ても内容を忘れているなと思い、完結してからまとめて読もうと決めて数年…。
最終巻がまとめて刊行されてほんとによかったです。
買ってない巻を全部買い揃え、最初の方は読み返して…やっぱりけっこう忘れてましたね…。作者さんでさえ、忘れていたと書いてるくらいなんだから。
ラブストーリーならともかく、これはSFでアクションもので政治ものでもあります。なので流石に細かい部分までは覚えてなかった。
でもここにきて、一気にストーリーが進んだ感じですね。進んだというより、テーマがほんとに終わるのか…?みたいな壮大なものだっただけに、具体的な終わりが見えてきたというか。
でもここでようやく、カイらの計画の全貌、やっと何をしようとしてるのか明かされるというのも遅い気もしますが。
殆どのキャラは出揃って、その思惑も見えて、黒幕もわかって、作戦の終わりも見えてきた。あとは伏線を回収して、カイと三四郎の関係の行方を見届けるだけ・・・なのですが。
しかしリリアンっていう脇キャラが可愛いです。8歳なのに頭が良くて演技力があり、子供だから誰も警戒しない。
この子がいなければカイの計画は成功してないかも。
脇キャラが魅力的なのもこのシリーズの素晴らしいところですね。
三四郎とカイの仲は進展しておらず、後退もしていない。
もともと第一作目は、いがみ合っていた二人が、何者かに軌道を乗っ取られた宇宙船をなんとかするため奮闘しているうちに互いを認め合う、というストーリー。
目的に向かって進むなかで、恋愛部分が自然に発展していくという展開は好きなのですが、しかしこの番外編、だんだん書きたいことを書くのに時間を費やしすぎてる気がするので、そこがなんとかなればなあ…
カイが三四郎に何か問われて一言返すのに6ページくらい心の葛藤があったりして…それも、ん?この葛藤前もしなかった?みたいな感じです。逆に今回は三四郎が珍しくぐるぐる葛藤するシーンも多いので余計にです。
心の葛藤が長い、とか心の葛藤を第三者が論理的に説明しようとする、という部分はこのシリーズではよくあることで、好きな部分ですが、流石に何回も同じことを繰り返していて長い感じが…巻数が長くなりすぎてる弊害だと思います。
なので、最終巻2冊をまとめて出してくれたのはほんとによかったと思います。