クリスタル・クラウン(下)

crystal crown

クリスタル・クラウン(下)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×23
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

169

レビュー数
3
得点
32
評価数
8
平均
4.1 / 5
神率
50%
著者
久能千明 

作家さんの新作発表
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イラスト
沖麻実也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
青の軌跡
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344803077

あらすじ

新たに人員が補充されたことで、船内の人間模様は不穏なものになっていく。そんななか、三四郎とカイの心もすれ違ってしまい、さらに二人の間に入り込んでくる人物が…。「青の軌跡」シリーズ第5弾。新装版。(ill.沖麻実也)

表題作クリスタル・クラウン(下)

三四郎・マキノ、単純で直情型な傭兵・武官
カイ、プライド高く類稀な美貌のルナン・文官

レビュー投稿数3

昏い執着と、明るい愛着と。

シリーズ5冊目。
今回は下巻です。

艦内で些細な諍いが急増でしていた。
あまりに不自然な増加に作為的なものを感じて調査し始めたクルーたち。
そんな中、三四郎がある男によって窮地に陥れられ―――。

上巻ラストで三四郎に距離を置きたいと告げられたカイ。
表面上は平然を装っているが、その内心はグラグラで。
自分でも予想以上に三四郎の拒絶に傷ついていて。
ただでさえ人が多くストレスも多いのにどうすればいいのかわからない。
けれど、三四郎の瀕死の状態に動いたのはカイで。
それは普段のカイを知る者からすればカイらしくないともいえる衝動的ともいえる行動で。
それは月人であるカイにしか出来ない方法で。
そうして必死に三四郎を欲する姿は本当に三四郎を必要としているのだと感じられました。
三四郎がカイを求めるのよりも数段必死で、数段執着が強い。
三四郎を助けた後の妙なテンションである時も、それでも自分から三四郎に縋ることのできないカイが痛々しくもあり、らしくもあり。
なんとか自分を律しようとする姿にドキドキハラハラ。
一方で、そんなカイの想いなんか知ったものか!と言った感じの三四郎。
素直に欲し、素直に求め。
理由も何もかも簡単明瞭。
カイの持つどこか昏い執着とは別の、執着というか愛着のような感情をカイに抱く男。
生命の狭間で深淵を彷徨いながら自分自身の思いとカイの思いをも見てしまい、カイの抱え込むものの根深さに恐れ慄きながらも前へ進んで行こうとする男。
そんな男にだからカイも身を預けられるのだろうな。

さて。
今回のタイトル「クリスタル・クラウン」
上巻でクリスタルについての記述もあったし、カイの形容なんだろうなということはわかっていたのですが。
そうか…クラウンてそういう意味なんですね。
てっきり王冠の意味かと思っていました。
確かに王冠では意味が通じない(カイに相応しくない)のですが。
正解は道化師の意味のクラウンでした。

1

事件を通して浮き彫りになる、クリスタルのような心

下巻です。
カイと距離を置こうとした三四郎、それによって思いがけない程気持ちを乱されたカイ。
三四郎とカイの関係はどこに向かうのか?

そんな最中、不穏な船内に事件が起こる。
生死に関わる窮地に陥った三四郎を、忌み嫌う月人(ルナン)としての力で救うカイ。
その後の辛い状況のカイを、病み上がりの三四郎が自身の全てで受け止める。
甘くない、愛とも呼ばない、でも余人では決して代われない繋がりに萌えます!!

もともとカイは好きなキャラクター。
強い自己肯定の三四郎は、カッコいいなーとは感嘆してもタイプじゃないんですが
この巻の最後、「言うな、そんなことは言わなくていい」
「あんたの嘘は、それ以外全部許すから」のセリフに痺れました。

そして、極めつけは「セメント盛り」!!!!
うっわー、いいわ、三四郎!爆笑しました。
しかし、1000年も未来になってもセメントってあるんだね?

1

タイトルのクラウンは王冠だと思っていたら、全然違った・・

シリーズ三作目で今回はSF要素が少なめで、大きい事件も無く、上巻は三四郎のキャラにより
強引に話が進められていく状況でしたが、下巻は流石に内容が深く読み応えがありました。
SF面よりは、キャラの精神面を深く掘り下げていく事が、この先生の小説のスタイルのように感じます。

今回初めて飄々としていた三四郎がカイの内面と対峙し、葛藤する様子がリアルに描かれていて面白かったです。カイの性に対しても、生物の当然の営みや生理現象として捉える事が出来ず、何か意味付けないといられない繊細なメンタルの描写は、BLジャンルでないと見られない部分で新鮮でした。この正反対な二人のコンビは毎度いい味出していて、目が離せません。沖麻先生の昔の少女漫画風な挿絵も気に入っています。








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