例えば雪が融け合うように

tatoeba yuki ga tokeau youni

例えば雪が融け合うように
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神30
  • 萌×211
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
203
評価数
44
平均
4.6 / 5
神率
68.2%
著者
カサイウカ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
オークラ出版
レーベル
enigma COMICS
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784775529706

あらすじ

「……お帰り、久我」
帰ってこなくても仕方ない。諦めにも似た覚悟で待ち続ける充のもとに、久我は約束通り帰ってきた。事件の後始末を終え、改めてストリップ劇場・黄金座の従業員となった久我。そんな矢先、久々に黄金座を訪れたオーナーから今月をもっての閉館が告げられる。
充には清算すべき過去と向き合う時が迫っていた。
前作「例えば雨が降ったなら」の待望の続編! どん底バツイチ純情45歳×元美少年45歳のふたりの関係は初恋の先へ――

表題作例えば雪が融け合うように

久我達彦,45歳,劇場スタッフ
半田充,45歳,ストリップ劇場雇われ支配人

その他の収録作品

  • 春の訪れ(描き下ろし)

レビュー投稿数4

充のターン〜二人のアンサー編〜

受け攻め共に45才の元高校同級生。前作の『例えば雨が降ったなら』は久我視点の「初恋の人探し」がメインでした。高校生だったあの頃、久我も、初恋の相手だった充の方も、お互いに抱いていた思いが恋情だったことをしっかりと見届けられたかと思いきや……。久我が初恋の人を探すきっかけとなった理由の一つは、会社を共同経営していた友人による裏切り。その事後処理のために久我が一旦東京に帰るところでストーリーは終わっています。

続編となる本作は、充側の過去の清算がテーマ。鄙びた温泉街のストリップ劇場で久我が働いていたのはほんの短い期間だったのもあって、本当に彼が東京から自分のところへ戻ってくるのか自信が持てなかった充。けれども、雪が降る寒い夜に約束は果たされて…⁉︎

充は中学生の頃から性的指向に自覚的でかなり爛れており、初めて純粋な恋を経験をしたのは高校時代。その相手が久我で、唯一充が「寝なかった」男でした。多感な年頃でもあった久我にとって同性相手は認めがたく、充の思いは久我に拒絶された形で途切れた記憶のまま。

あれから30年。自分に応えてくれた久我と正面から向き合わざるを得ないかのように、充が過去に関係を持った男とのケジメをつける機会が訪れます。果たして久我は充の過去すらまるごと受けとめられるのか?二人の恋の続きは本当の意味で正念場を迎えることになるのですが…

はぁ〜。待った甲斐がありました(しみじみ)。何度も読み返しています。それなりに人生経験を重ねてはいても、美しい初恋を汚したくない一心でひたすら臆病なだけの久我と充が情けなくも可愛くて。そして彼らを取り囲む面子の鮮やかな名バイプレーヤーぶりたるや!とにかく誰もが二人の関係を際立たせる役目に徹しながら、絶妙な距離感で見守ってくれていてあったかい…。個人的には充にそっくりな姪っ子の光ちゃんの奥ゆかしき美少女ぶりと、劇場オーナーのキラリと光る存在感にシビレました笑

久我と充の結びつきを一層尊いものにしてくれているのは、このお話がプラトニックな初恋の「その先」にこだわって描かれているところなんじゃないかな。初恋成就のクライマックスが必ずしもエッチ一択じゃないよっていう演出にめちゃめちゃグッときました。初めて二人が結ばれるシーンは、におわせて終わり。キャラの年齢的なものもあっての引き算かもしれませんが笑、こういうところが大人のBLっぽいですよね。最終話ではちゃんと致してくれていますけど♡

カバーイラストにもこだわりを感じます。前作は、雨のイメージを取り入れたブルーの色合いがとても印象的でしたが、今回は主人公たちの人生のフェーズそのものを表すかのような黄昏色。しかもどちらも同じ場所にいる二人が描かれているということは…?フム、そこが本編でどういうシーンの時に出てくるかを追ってみるのも一興かもしれませんね!

はぁ~。オジサンの初恋は、尊かった…!!

6

お互いにお互いを救済する話

前作で気になってた件が片付く続編…と思ってたら、久我は1話で即終わらせて帰ってきました。充視点で始まったので、なんとなくなかなか帰ってこないパターンかなあと思ってましたが、メインはその後の充の過去清算でした。
それにしても帰ってきた久我!雰囲気がガラっと変わって、常に穏やかな笑顔です。やつれもマシになって、心なしか髪もツヤツヤして見える…。久我が帰ってきたときの充の反応もめちゃくちゃ良かったです。衝動でヤっちゃった~ってはっとして照れて泣いちゃうおじ感。萌え。
で、劇場の方もいろいろありつつ充の話。間に久我のもだもだを挟んであって、読むのに覚悟が必要なほど凄惨な描かれ方はしてなかったです。ラスボスとはお互いに情があったのかと思える静かな決着。前作同様、裏社会の人間にしてはあっさりめな展開で、感化されて納得して引き下がり、切なさを残していく感じでした。
最後の描き下ろしで、やっと充の晴れやかな笑顔が見れて一安心。おじ二人がお互いにお互いを救済する、情緒のあるお話でした。

0

今は幸せだ。そんな人生の話

「例えば雨が降ったなら」の続編/完結編です。

思いが通じ合い、さてこれから。
そして久我の破産の原因となった持ち逃げ事件の犯人が他の犯罪で捕まり、久我が一度東京に戻ることになり…
…の続きから始まります。
事後処理等は思ったより長引き、便りが途絶えたままの半年間。
ストリップの姐さんたちは「もう戻らない」「いや戻ってくる」の半々。
光ちゃんと半田は自分たちの感覚に素直になって、ただ待つ。
而して。
久我は帰ってきます。
半田は随分可愛く素直になりましたねぇ…それはハラを括った強さでもあるのですね。
久我と一緒に昔愛人をしていた男(ヤクザ)に会いに行く。
もう2度と元の世界には戻らない、久我との世界に歩いていく、と宣言するために。
一方そのヤクザの方も言葉にできないある理由と想いがあったのです。
半田は何かをやり直す/生き直す時にそばに置いておきたい磁力のある男、なのでしょうか。
それが「陰」に出れば多分「魔性」なのだろうし、久我の「正/陽」と共に、となると久我のパワーの源ともなるのでしょうね…

本作の終盤は、見た目もすっかり「普通の中年勤め人」のような2人の、至極真っ当な生活模様の描写です。
ただ、2人は同居して、愛し合ってる。
穏やかな笑顔と安心した寝顔を見せる半田は、「〜雨が降ったなら」の乾いた半田とは別人のよう。
少年の時に描いていた未来とは違うかもしれない。でもこんな幸せを今過ごしている…それでいいじゃないか。
そんな物語を読んだ。そう思いました。

1

人それぞれにドラマはあるものよ

会社の金を持ち逃げした友人の逮捕を受け1度街へ戻る決意をした久我とチンピラとのイザコザから発展した昔の拗れた関係を清算した充


なんですかね  すれ違った時間は埋まってないのにあの頃より近くなってるふたりの関係

求め 受け入れ 受け止め って
そうこうしてたら新たなおじさま投入に また一波乱ありそうな?

濃いッ! 恋よりも濃い!
びっくりだよ 充の抱える過去より 最期に会いたくなるのが必ず充だってのに

重いわッ! どいつもこいつも
弱る心が会いたくなるのは忘れられない最愛の人だったりするのかしら?

人生の帰路に立った人達が見つける悔いのない生き方

本人たちのセックスは最後だけ 甘さも激しさもなかったけど
充の顔を通して満たされるものはしっかり描かれててよかったな

たかがおっさん同士の拗らせた初恋のお話ってだけの ギトギトしたものもグズグズもなかったし 過去との決別があっさりすぎて若干物足りなくはあるし みんな上手いことまとまりすぎじゃね?とは思うんだけど なんとも清々しさが勝っちゃってるんだよね

うーーん いいッ


はじめましての作家さまなだったのに読んだつもりで箱詰めしちゃっててごめんなさい
突然始めた本棚整理 読みたい方向迷子なとこでもあったので見つかってくれてホントありがとぉお

別におじさま同士が読みたかったわけではなかったけど 神のお告げ的に現れたお話大変美味しゅうございました

うん 余は満足じゃ ←ダレヤ

0

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