カデンツァ(1) ~青の軌跡<番外編>~

カデンツァ(1) ~青の軌跡<番外編>~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×25
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
50
評価数
11
平均
4.5 / 5
神率
54.5%
著者
久能千明 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
沖麻実也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
青の軌跡
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344821781

あらすじ

ジュール=ヴェルヌの帰還後、植物学者のアーイシャから護衛の依頼を受けた三四郎だったが…。『青の軌跡』シリーズ番外編!!
(出版社より)

表題作カデンツァ(1) ~青の軌跡<番外編>~

三四郎・マキノ、単純で直情型な傭兵
カイ、プライド高く類稀な美貌のルナン

その他の収録作品

  • Ever Green
  • それから。

レビュー投稿数3

ずっと続きを待ってました!

読むのもったいない気しかしなくて、なかなか読めなかった本をようやく読みました。
この本は「青の軌跡」というシリーズの番外編。個人的には、今まで読んだBLの中で一、二を争う名作だと思っていたので、シリーズが終わってしまった時には本当に悲しかったし、これ以上続きが読めないんだって思うとものすごく悲しかった上に、ちょっと消化不良のところもあったので、続き読みたさに、作者さんに凸しようかと思うくらいモヤモヤしていたのですが、何せ公式ページが何もない上に、そんな痛々しいことをするのもちょっとどうかと諦めたくらいにこのシリーズが大好き。
一度好きになると周りが見えなくなるくらいに好きになりがちなので(あくまでくらいなので、他人に迷惑がかかるくらいまわりが見えなくなったことはないです)、もんもんとして日々を送っていました。
そこに発売されていたこの本を見て、食いつきましたよ!
慌てて買った上に、「1」って書いてあるから、これはきっと「2」も「3」も出るに違いない!と思ってきゃっほいしましたが、買ったはいいがもったいなくて読めない。
「読んでも減らない」というのは物理的法則に従って事実なんですけど、最初に読んだ「こうなるんだ!」とか「あーよかった」っていう心理的感覚は、一回読んだら二度と味わえないんだよー!だから読んだら減ります。一回読んだら、もう二度と一回目の気分で読めないからね!と思い続けて、発売日からつい最近まで、放置し続けました。
んで、ようやく読みました。
読むまでの中身に関係ない前置き長くてすみません。でも、それだけこのシリーズ好きなんで許してください。

読んでからはほとんど一息でした。ノンストップ。
一つ目は、ジュール=ヴェルヌに三四郎が乗っていた時に知り合った植物学者アーイシャが、成長し個人的に三四郎を雇う話。
実は、アーイシャは三四郎にずっと恋心を抱いていて、そのために三四郎をボディガードとして指名した、という下心付き。
ぬおー!私はカイと三四郎のいちゃいちゃが見たいのよー!ってなるくらいに、カイの存在は嫉妬まじりのアーイシャの言葉からしか出てこなかったんですけど、確かに幼いアーイシャがかわいかった記憶は確かに存在するし、精一杯「大人」になろうとしているアーイシャは確かにかわいらしいし、で、個人的には満足しました。
それよりも何よりも、この作者さんがうまいなーって思うのは、三四郎がアーイシャに初恋を振り切るように促した時に、「思い出作り」をしてもいいと暗に仄めかすシーンのその後がキレイに朝チュン状態で描かれてないこと。
個人的には絶対にやってる!と思うんですが、そこをあえてぼかすことで三四郎×カイしか認めない!という過激派にも優しい仕上がりになっています(そんな派がいるのかどうなのかは知りませんが)。
描いてくれた方がBLとしてはいいし、描かれてないことでちょっと欲求不満になったりもしたんですが、この後に続く物語のせいで、これはこれで有りなんだと思いました。

で、この次の話が個人的には、本題!
カイと三四郎が離れ離れになった後、三四郎がどうやってジュール=ヴェルヌに戻ったのか、帰路はどうだったのか。
それがわからなかったから、本編が終わった時にものすごくきーってなったし、思わず続きを書いてもらうためなら作者さんを脅してもいい!ってくらいの危険思想に走りそうになったんですが、それがーちゃんと書いてありました!
まさか番外編と書いてあるので、そこは明かされない謎のまま終わるんじゃないか、とかいろいろ考えたんですが、しっかり書いてくれてあったので。よかった。本当によかった。生きててよかった!ってレベルで個人的には大歓喜でした。
相変わらずカイはめんどくさいし、三四郎はそんなカイの気持ちにちっとも寄り添ってあげれてないんですけど、そこがこのカップルのいいとろなので、幸せ満載です。
本当に読めてよかった。おまけに「2」が出てることをまったく知らないまま数年を過ごしてしまったんですが、続きが出ているようなので、それもすっごく嬉しいです。
今度はカイ視点だと書いてあったので、楽しみに読みます。

でも、一つ思うのが、三四郎の帰還話は本編に入れてくれてもよかったんじゃないかってことなんですが、まあ作者さんの判断なので余りつっこまないようにしておきます。

1

三四郎の与える影響のカタチ。

番外編第1弾は三四郎編。
三四郎にまつわるお話が2話入ってます。

「Ever Green」
バディ航行も終えて元の環境に戻っていた三四郎の元へ舞い込んだ依頼。
それはかつて船の中で出会ったアーイシャからのものだったのだが…。

アーイシャが大人になってました!
でも、中身は変わってないのかな。
早く大人にならなきゃ大人にならなきゃと頑張ってきた努力の後は見えるけれど。
それもこれも全て三四郎に憧れていたせい。
憧れはどこか美化されたようでもあって。
それでも、単純に純粋に三四郎を好きな気持ちも感じられて。
でも、三四郎にはそれは伝わらなくて。
ひたむきに向けられる想いがなんだかせつないです。

そんな本編のスミっこの情報にもちょっとびっくり。
三四郎とカイとの距離は航行終了後、それぞれの道に戻ったようで「それもそうか」と思える部分はあったんだが。
ロードとサンドラは結婚したんですね!
子供までいるなんて。
でも、なんか明るくて穏やかで優しい理想的な家族になってるような気がしますね。

「それから。」
最後の事件の後の三四郎。
「必ず帰る」という約束を守るために彼がしてきたことが彼の口から語られて…。

三四郎らしいといえば実に三四郎らしい帰還するための手段だとは思いましたが、まさかあの傷が自らの手で行われたことだとは驚きでした。
本当に肝が据わっているというか…。
それとも、カイとの約束があったからそこまでできたのかな?
一方のカイの変化もまた新鮮というか。
表面には出さない性格であるのはわかってるけれど、自分の中に溜めこんできたものがここまで脆くしているとは思いませんでした。
「揺り返し」と表していましたが、それだけ近くにいられる存在になっていたんだなぁと。
物理的な距離ではなく心理的な距離で。
それまでの不安が大きすぎて現物を信じられないほどになってしまったカイがすごいとさえ思えました。
そして、そのことを2人で打ち破っていく行為は実に三四郎らしくて。
最後にちゃんと三四郎がどうして帰って来れたかをカイに話してくれて、カイが涙を流すことが出来てよかったなぁと思いました。

5

"三四郎" tempo rubato

青の軌跡番外編、三四郎編です。

最終章「タイトロープダンサー5」は、まるでジェットコースターのようで、
息をつく間もなく疾走し続けたまま終了!
面白かったし満足度も高かったんですが、一方で「ええっ?一体どうなっちゃったのー?」と
煙に巻かれた感じも残ったし、何より「え?これBLだったよね?」(笑)と
愛も余韻も情緒もなく終了だったので、この外伝はその補足として必要でしょう。
 
                :

まずは、それから数年後の『Ever Green』。
仕事の為に木星の空港に降り立ったとたん、ドンパチに巻き込まれる三四郎。
彼は戦う場面に身をおいてこその男なので、これはやはり楽しい。
そして、誰だか分からない程すっかり育って大きくなったアーイシャ坊や登場ですが、
相変わらず中身はお子ちゃまで私は嫌いなので、この話は割愛。
あ、サンドラとロードが結婚していたという話題には、思わず笑みが…

『それから』
本編で絶体絶命のなか残された三四郎が、一体どうやって生きて生還したのか?
あっさり戻って来て「えええ~?」だった部分を埋める、凄惨なサバイバルの顛末。
SFとして考えると苦笑せずにはいられない杜撰さもあるんですけれど、
まぁ、いいや、面白いから許す。

絶望的な状況の中待っていた時間が、あまりに苦しかったカイは、
三四郎と再会してからも、現実感が持てずに不安を抱え続けている。
そんなカイに三四郎が言うセリフがカッコ良い。
そして甘く熱い一時。

あ、ところで、隻眼って個人的に好みなんです~♪
三四郎、治さなくてもいいよ、その向こう傷!(笑)

3

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う