ポッチ
一穂先生のデビュー10周年を記念して実施された全サ企画でいただけた小冊子です(残念ながら応募は終了しています)。
「一穂ミチファンブック long hello」についている応募台紙と、雑誌「小説ディアプラス・ナツ号」、もしくは「OFF AIR イエスかノーか半分か」についている応募券のどちらか1枚が必要で、+500円の自己負担金で応募できました。
2007年から2015年末までにブログで掲載されたSSやイベント無料配布SSが収録されていて、小説部分は288P、さらに書き下ろしもあり。タイトルには小冊子、と銘打たれていますが、文庫本ほどの厚みと分量のあるなんとも豪華な全サでした。実質500円で手にできる全サではないような…。一穂さんや出版社の方に、感謝感謝です。
内容はもちろん、装丁も可愛いです。カバーこそ掛かっていませんが、白い、ちょっとマットな手触り&色遣いの紙に、グレーとピンクで文字が書かれている。中を開くと、表紙の裏側はピンク色。めっちゃ可愛いです。
一穂先生の10周年記念、という事で、今までに刊行された先生の作品のほとんどの番外編が収録されています。基本的にSSなので1話当たり数ページという短編ばかりですが、どれもが甘くて、優しくて、温かい。非常に一穂さんらしい作品集だったと思います。短いがゆえに、ちょびっとずついろんな作品が味わえるというナイスさです。
数多くの一穂作品の「その後」が読めたのは非常に嬉しかった。一穂作品は等しく好きではありますが、やっぱり特に好きという作品も存在していて、個人的に「ナイトガーデン」や「アイズオンリー」が好きなので、彼らに再会できてニヨニヨしながら読んでしまいました。
あとがきで一穂さんが「別のかたちで再録するかもしれないシリーズものなどは見送っていますが」と書かれていますが、「雪よ林檎の香のごとく」、「ふったらどしゃぶり」、「イエスかノーか半分か」の3シリーズに関してはSS等の収録はなく、その代わりに描き下ろしが1本ずつ。「新聞社シリーズ」に関しては収録はありません。これらの作品は人気作品ですし、SSの数も多いと思うので、また別に刊行されるのかなとちょっと期待しています。
タイトルの「assort」に表現されている通り、一穂作品の番外編を様々取り揃えられた、一冊で何度も美味しい、非常に素敵な全サでした。