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ぼくはただの家庭教師で、 君とは体だけの関係でしかない。
asterisque
号外on BLUEで読んでいたのですが、描き下ろしが読みたくて購入しました。
攻めの七央は最初高校生でバレエダンサー、受けは七央の家庭教師でゲイの澤。
物語は高校生の七央が女の子ととっかえひっかえ付き合ってたりするのですが、七央に惹かれてる澤があるとき無邪気にオレ先生とセックスしてみたいかもとか言われて迫られて、もともと七央のこと好きだったのもあって関係を持ってしまいます。
好きな相手とセックスできて嬉しい澤と、多分最初は興味本位な七央。
関係を持った後も普通に別の女の子と付き合っちゃう七央。無邪気といえば無邪気だけどそれを見る澤のことを考えると切ない。
なのにHの方は彼女より先生とのほうがいいと言って、彼女いつつ澤を抱く七央の残酷なこと。
惚れた弱みなのか断れない澤。
七央はバレエで海外に行くことになります。それを見送る澤。七央からは何の約束の言葉もなくて出発する七央を見送ることしかできない澤。
本当に身勝手な七央に振り回されてばかりだけど、好きだからどうしようもないんですよね。
海外にいる七央から会いたい、すぐ来て先生というラインが来ても海外まで駆けつけちゃう澤が健気で、何の約束もしてない七央だけど、そこまでするほど好きなんですよね。
だけど、ある日お父さんが入院することになったと日本から連絡貰った澤は黙って七央の元から去ります。
さんざん振り回されっぱなしだったけど、自分から去った澤。
12年後七央が日本で凱旋公園をすることになって、記者になった澤が取材に行くことになって再会。
その間結婚も離婚もした七央だけど、それでも先生が必要だという。そしてもう一度付き合ってと。
もう傷つきたくないと思っていたけど、またしても七央のこと好きという気持ちが上回ったのか受け入れる澤が健気というか、こりないというか。それでも12年もたってから結ばれて良かったのでしょうね。
何されても好きだから許してきたし、がんばってきてやっとむくわれたのだから。
無邪気な最初高校生の七央の翻弄されっぱなしな澤。長くかかったけど幸せになれて良かったです。
自分の好みの傾向として、「再会」「年の差」「年下攻め」が有るんだなと、最近しみじみ感じていましたが、この作品にみんな揃っていました。
家庭教師の澤曜一の教え子の七央はバレエダンサー。この設定だけでも、かなり好きです。
七央は、高校生の時から立派なたらし。
あっさりと、曜一を抱いちゃう。
澤が、七央をとても好きな分だけ同じ気持ちを還してくれない、切なさを抱えているのが苦しい感じです。
だけどバレエコンクールに向かう七央は、秘かに澤のマフラーを持っていき、肌身離さずに護ってもらうように頬を寄せたり。
たまらないですわ…
海外と日本で離れても、澤の気持ちは七央に持っていかれたまま。『側には置いておけない男』と評された七央に心は、すっかり捕まれているんです。
ここら辺、すごくエロスを感じました。
イギリスにいる七央のメール一つで会いに行く澤。
いや~だけど七央の吸引力のある魅力には抗えないと思います。
目が離せなくて、輝く光のようで。傷付くのがわかっていても身に付けたいし、手許に置きたくなるアクセサリー。
でも身に付けるのや、眺めると眩しすぎちゃう時が来てしまう。澤が離れた理由も、解るなぁと。
作中に、一本のオールでは舟は漕げない、進まない、という風に、恋を表現していたイギリスマダムが登場するのです。
互いの気持ちが見えないと暗くてオールも見えなくなるというか。
比喩的な表現ですが、真理だわ…
ただ、大人にはなった七央の形振り構わない澤への接近は、良かった~❗
澤は頑なだったけど、昔も今も変わらない七央への気持ちをちゃんと覚悟をもって受け入れたのは、ほんとに良かった~
さすがの七央の、求愛❤️
舞台から、澤に向かってダイレクト求愛ですよ…
良過ぎでしょうよ…
2本のオールで互いに、同じ方向を見ながら舟を漕ぐ。
読み終わっても、ぐっと心に入り込む良い作品でした!
攻めの受けへの対応は若いからゆえなのか、元来の屑さゆえなのか、いろいろと考えながら読みました。
受け視点からみる攻めは、本当に残酷でむかつきます。
でも受けはそんな彼が大好きなので、やきもきさせられます。年下攻めに対して、とても健気です。
そういう攻めに対してちょっとむかついていたため、受けから関係を断ったところはざまぁ...と思ってしまいました。
すかっと感があります。
物語を通してとても内容が濃く、映画を見ているような気分でした。
若い時の2人と、少し時間を経たあとの2人。
お互いに成長したあとの吹っ切れ具合は心地よいです。とても楽しく読むことができました。
バレエダンサーの七央と、家庭教師から会社員になった澤の物語。
この作品は物凄く好きで、何度も読み返しています。沢山好きな所があるので、上手く感想を書けない。
titleのアステ(タ)リスク「*」の意味は「小さい星」(ラテン語経由の古代ギリシア語)
=七央にとっては星は澤のこと。「耀一」を輝く星と解釈している。
=澤にとって星は、どこに居ても光って見える七央のこと。
と、こんな風に相思相愛の二人なのだけど、澤が七央から逃げてしまって中々意思疎通できない。
二人の関わりは、七央が留学した英国へ澤が訪れて、風邪の看病をしたときに、女性コーチが澤に言った言葉が鍵で、粗筋の意図するところだと思った。
「あなたが、七央の【安心毛布】なのね」
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【安心毛布】:英: security blanket 「ライナスの毛布」移行対象、過渡対象
人が物などに執着している状態を指す。
幼児は何かに執着することで安心感を得ている。こうした対象は、乳幼児が「自分は万能ではない」という現実を受け入れていく過程を橋渡しし、母子未分化な状態から分化した状態への「移行」を促す。
成長するにつれ、幼児の時に執着していたものから離れていくが、大人になってからも執着することがある。
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帯には
「好きと言えない。ぼくはただの家庭教師で、君とは体だけの関係でしかない」
と書いてます。
「あなたが ナナオの安心毛布 なのね」とコーチから聞いた後、
父の入院の知らせを受けた澤は、書置き一枚置いて、英国の七央から逃げるように去って、帰国したあと、住所も電話番号も変えて消えてしまう。
でも、七央はその日、澤にきちんと告白するつもりだったのに、すれ違ってしまった。
鳥野しのさんの同性の恋愛をテーマにした作品は他に「オハナホロホロ」を読んだのだけど、ヤッパリすれ違いのタラレバの筋書きになっていました。多分、「アステリスク(小さな星)」も、同じ路線だと思う。
「オハナホロホロ」は、圭一に瓜二つの遺児ユウタを挟んだすれ違い。
「アステリスク」はバレエを軸にしたすれ違い。
澤が、「好きとは言えないの」訳は、
どんどん才能が評価されて高名になっていく七央の様子を見て、「ナナオに愛されていない」自分は身を引くべきだとと逃げた。これ以上傷つくのが辛かった。
再開後、「一緒に来て」と言われて、「もうどこにも行かない、覚悟を決めた」と言いながら、七央と同行することを澤が承諾しなかったのは、我儘でどこか子供っぽい七央の澤への「安心毛布」の依存を断ち切って、「安心毛布」の卒業を促して精神的な自立を誘導したかったのだろうと思う。
印象深い場面の言葉
七央「おれは何かが欠けたままなんだ」
「オレの小さな星、もう二度と見失わないように」・・と、ずっと一緒にいて欲しい七央が公演後に澤に告白した後、
澤は、七央に酷いことをしたと、逃げたことを謝って告げて、語ります。(この場面残念だけど、絵が雑。デッサン力弱くて落書きみたいで残念。)
「離れていても、想っている。もう逃げない」
「そばにいないおれなら要らない?」
・・澤は、どんな時でも、七央の背中を押して励ます存在なんだなー。暖かい。
芸の深みは、七央が精神的に成熟しないと、踊りの表現に出てこない。
澤は、七央の円熟を促したかったのだと思う。
澤は、ナナオをもっと光らせることが出来る人。・・と信じたい。
色々な愛しかたがあるんですね。
七央に一見振り回されているように見える澤が、七央の精神の「安心毛布」で、成長のカギになっていた物語、と私は解釈して、読み返しては感動しています。澤の虹色の瞳がとても優しくて綺麗。
七央と似た天才型ダンサーは、バレエ界の反逆者とか、世界一優雅な野獣と言われるセルゲイ・ポルーニン(Sergei Vladimirovich Polunin)が居るけれど、七央はそこまで行けてなさそう。ポルーニンの写真を見るとどこから見ても綺麗なポーズをとれる人。七央もそうなのだろうか??
買ったまま読まずに仕舞ってあった本の中の一冊で、やっと発掘して読んでみました;
とてもドラマチックで素敵なお話で、遅くなったけど読めてよかったと思っています。
自分勝手でお子様な七央と、そんな七央が大好きで、振り回されていると分かっていても尽くしてしまう曜一。
「好き」の一言で繋ぎ止められる関係なのに、それにも気付かない自己中な七央に腹が立ちつつも、才能あふれる自由なところに惹かれる気持ちも理解できたり……。
失って初めて気付く大切な恋──この典型のようなストーリーで、切ないけど素敵なハッピーエンドに胸がときめきました。
女性ホルモン出まくったと思う(笑)
曜一に捨てられて12年後に再会した七央が言った、「あなたがいなくても生きていけるけど、あなたがいないと何かが足りない」という言葉。
この言葉を聞いて、七央はすごく誠実でいい大人になったなと思いました。
一本ずつオールを持って、息を合わせて未来へと漕ぎ出す二人に胸アツ。
七央の公開告白もキュンとしたし、とても清々しい読後でした。
鳥野先生、もっとBL描いて欲しいなあ。
若いって子供って残酷ですね。
でも何歳差なんだろう。離れてても4-5才ですよね。
澤は家庭教師の生徒七央が好き。でも彼にはいつも彼女がいて。
ある日七央が先生とセックスしたいなって。子供の好奇心と寸前で彼女に逃げられた性欲からなのでしょうか。
歴代彼女たちは七央のタイツ姿や留学の話を聞くと別れたり、コンクールも見に来てくれる子はいなくて。澤だけがどんな七央も受け入れてコンクールも見に行って応援してくれて。
澤とセックスしながら彼女がいる七央。この頃の彼が身勝手で残酷で辛かったです。
イギリスまで会いに行く澤。でももう潮時だったのかな?家のこともあり置き手紙を残し去ります。家も連絡先も変えて。
七央も一度も好きとも約束も口にしなくて澤はとうとう離れていき、十数年後仕事で再会します。
大人になった七央は澤を必死で追いかけて。
やっと読んでいるこちらも溜飲が下がります。
安心毛布の存在も。
七央にとって澤は大切な存在だったんですね。失って自分の身勝手さに気がついて。
澤は七央についていくことはしませんが七央が帰ってくる場所になれましたね。
イギリスから日本での再会の後半が感動しました。喉がぐっときてます。