泣き虫なサディスティック

大切なのは愛

「いじわるなハニートラップ」のスピンオフと、「運命の人」という中編の2作品です。
どちらもとてもキレイにまとまっていて、読み応えのある作品でした。

「泣き虫なサディスティック」
上司の美人弁護士・花村先生を崇拝し、いつしか恋愛感情を持ってしまった真面目な弁護士・大久保くん。独立する花村先生を追いかけ熱烈にアプローチするも、「僕、ドMなんだ」と宣言されてー・・・。

個人的には「いじわるなハニートラップ」より、こちらの方がより好みでした。
ドMの想い人・花村を満足させる為に、真面目な堅物・大久保が奮闘するお話です。
エロがいつもはアッサリめの作者さんだと思うのですが、今回はSMということで普段よりエロ濃厚です。特に花村がソフトSMで攻められるシーンは印象的。
しかし、なんと言っても萌えるのが、二人の関係性です。

花村を満足させる為、もともと性癖としてはごくノーマルな大久保がSとして頑張るワケですが、花村を痛めつけるのに耐えられなくて途中でボロボロ泣き出す。その涙に心を動かされた花村が、大久保と抱き合うと、何故か普通のエッチなのにすごく感じて満足感を覚える・・・。
大久保の一途さにキュンとさせられるのです。涙と鼻水で顔中クシャクシャにしながら「あなたを死ぬほど大事にしたいのに」て!!

SMが何たるかと言うのは詳しく無いので分かりませんが、一番大事なのはやっぱり愛で、それさえあればセクシャリティの問題は乗り越えていけるんじゃない!?と感じさせてくれます。

この後、やっぱりこの性癖によるすれ違いなんかもしっかり描かれていて、読み応えがあるんですね。
花村の意外に一途な所なんかにもキュンとさせられました。花村先生、こんな可愛いキャラだったのね～。

「運命の人」
昔気質な大学生・巌ちゃんは、酔って貞操観念のゆるい友人・樹と寝てしまい－・・・。

ビッチが実は一途で純情という設定に滾ります。あと、お互いを想って、それぞれ身をひこうとするのが切ない・・・。
こちらも切なさあり、キュンあり、最後は甘々でキレイにまとまってました。


どちらの作品も、最後はやっぱり「大切なのは愛」といったメッセージ性を感じます。素敵な作品でした！