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furotsuki kagutsuki iwakutsuki
逆表紙詐欺の印象のある北別府さん、
絵もストーリーもしっかりしてるのですが今回は結構普通の話でした。
潔癖性ではないけど人肌が苦手な23才攻めと部屋に住み着いた地縛霊、
色々ありつつ仲良くなって触れ合えるようになります。
何故なら体温が無いから、霊なのに触れるの?という疑問はあるけど。
ただ地縛霊になった原因が職場の先輩(♂)にある事が発覚、
それと同時に地縛霊でなく生き霊である事もわかりハッピーエンドです。
まるまる一冊表題作です。
攻めの健太郎は人肌の温もりが全くダメな新入社員。それが原因で23歳になっても童貞のまま。
会社の社員寮で暮らし始めるようになってから、ひんやり冷たいぬめりけを帯びた何かにしゃぶられるというやたら気持ちいい夢を毎晩見るようになります。
ある日、目を開けるとそこには素っ裸の由依と名乗る可愛い男の子が「15年前にここに入居して、15年前にここで死んだいわゆる地縛霊です♪」と言い出して…。
なかなか受け入れられない健太郎がつい無視しちゃうと、見えてるのに無視されるのは悲しい、死んでいても胸が痛いとポロポロ泣いてしまう由依。
幽霊だとしても泣かれるよりは可愛く笑っていてほしいとほだされた健太郎は、由依と狭いワンルームで仲良く(?)暮らし始めるんだけど、由依が若奥様みたいでかわいいです。
「恋とか愛とかどんなモノか知りたい」という由依の言葉で、何でもしてやりたくなった健太郎だけど由依のやりたい事はお家デートをしてみたい…という実にささやかなもの。いちゃいちゃしたりするのが夢だったんだ…という由依がいじらしい。
そして幼いころ母親が家を出ていった際、母親の手が離れて温もりを失ったことがトラウマで人の体温が受け付けなくなった健太郎。それ以来、病的な人肌の温もり嫌いだったのに由依の願いでセックスをしたときに由依の体温を感じられないことに涙するんです。ここが一番良かったな。
そんな健太郎の様子を見て、アリガトウ…という言葉を残して由依は消えてしまい….
ネタバレしてます。物語の核心に触れるところで知りたくない方は避けてください。
消えてしまった由依。うぉっ…成仏か?悲しい結末か?とひるみましたけど、ハッピーエンドですのでご安心ください。
実は死んではおらず、健太郎の上司(40歳)との出来事で心破れてから別の街で腑抜けのように生きてたようなのですが、偶然テレビに映った夢の中だと思っていた街並みと健太郎の姿を見て、あれは夢じゃないんだ…と気づき健太郎に会いにくるんです。
そしてセックスをして、その温もりや汗、香りといった生身に興奮する二人がエロかったし、生き霊時代はあの部屋から出ることが出来なかった二人が、手を繋いで街にデートに出かけるという希望に満ちた終わり方なので読後感も良かった〜。
沢山のコミックを出されている北別府さんですが、人外って多分、初めてじゃないかなぁと。
ただ人外と言ってもケモミミなど獣人化されている訳ではないし、お話も超ファンタジーって訳でもないのでとても読みやすいと思います。
北別府さんらしい基本ほのぼの路線に切なさがちょっと加わり、そしてエロきゅんもありで、うん、読んで良かったなと思える一冊でした。