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シリーズという訳ではないので、この一冊だけでも楽しめる内容ではあるものの、いつものパターンでスピン作品が続いていきます。
私的には、年の差カプは好物なので良かったものの、ヤクザもの好きには物足らなかったです。
それも、2人の関係にヤクザ家業が直接関わってくる訳ではないので、どちらかといえばアットホーム的な雰囲気の色が強いお話でした。
家業が経済ヤクザという家に生まれた、三男の珠樹(16歳)。
父や2人の兄に可愛がれ、大切に育てられた珠樹は、幼馴染の兄貴分、カメラマンの智之(28歳)に恋心を持っていました。
ところが3年前、智之からのキスを境に、避けるように突然外国へ行ってしまいます。
どう見ても相思相愛な2人なんですけど、実は外国へ行ってしまう原因の一つとして、珠樹の知らないところで、兄達の妨害があったんです(笑)
再び帰国した智之に会いに行くも、拒絶され続ける毎日。
自分が子供過ぎるからいけないのかと思い悩んだ珠樹は⁉︎
大人宣言をし、護身術を習おうとしたり、ボディーガード付きを辞めさせたりと模索します。
そんな一途で一生懸命な珠樹…実は昔のある事件から、深いトラウマを抱えています。
珠樹のトラウマや学校の友達との距離関係、そして家族との関係の中で、珠樹なりに頑張り、成長の兆しが見えていきます。
そして、そこには智之という存在が珠樹には必要不可欠であること…
智之も珠樹が自分に分かってもらうために、頑張る珠樹が愛おしく、徐々に態度も軟化し始めます。
再びトラウマを抉るような事件がおき、医者のある言葉で腹を決める智之!
珠樹の実家を訪れ、頭を下げて『自分に預けて欲しい』と話をつけに行きます。
もちろん兄達は猛反対(笑)
でも父の反応は違っていました…。
この2人は、年とか家柄とか関係なく、お互い同士がそばにいることで強くなれ…逆にどんなに離れていても、お互いに信じていられる、強い絆で結ばれた存在なんです。
ただ、珠樹が智之に恋愛感情を持った理由は理解できるものの、智之が珠樹を好きな気持ちは伝わってくるものの、いつから…どうして珠樹に恋をしたかまでは綴られていないので、そこは残念に感じました。
珠樹が本当に可愛らしいタイプ。
皆に大事にされ、守られているので、子供っぽい印象が強く苦手に感じる方もいるかもしれません。
でも、ただ智之を一途に思い、好きになってもらおうと頑張る姿が愛らしく、成長していく姿は微笑ましかったです。
「世襲制は止めることにした。跡目は継がなくてもいい」ということで、父親の理解は一応得られたものの、末っ子を可愛がる兄達は智之にとって永遠のライバルになることは間違いなしといった感じでしょうか(笑)
でも可愛らしいけど、ある意味最強であろう珠樹がついていれば、どんな事が起こっても、この2人なら乗り越えていける気がします。
いろんな暗めの問題をストーリーの中に組み込みながらも、重いお話にはなり過ぎず、うまくまとめられていると思います。
でも物足らなさは残るかな〜といった印象でした。
エロシーンはあるものの、不破作品なのでソフトです。
次は、スピン作として珠樹の1番上の兄 • 炎が主人公のお話です。
『爪先にキス』こちらは、この作品とはガラリと変わり、大人の雰囲気が楽しめる、ヤクザ同士の恋バナになります。
(ちょっぴり子供っぽい所もありますけど笑)