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香港ヤクザシリーズ第3弾。既刊の『傷口 -KIZU-』(シリーズ第2弾)の続編で、時系列的にも続き。
※香港裏社会モノ風味のBLというよりは、BL風味の裏社会モノと思って読んでください(*´∀`*)ノ ちなみに、これ単体でも十分読めます♪
このシリーズで一番好きな話かも…!!
『傷口 -KIZU-』の方で一度「新飛虎」を裏切って出戻ってきたワンがメインの話です。
ヒゲにグラサンで見ため的にもチャラチャラしてて、時折オカマ口調でフェイに「愛を捧ぐ」とか平気で言っちゃえるような言動的にもチャラチャラしてる男、ワン。
彼の過去と因縁が明らかになる話です。
個人的にワンというキャラがかなり好きで、ツボなんです。
日和見でチャラいオカマ口調の男が、たまに真面目な顔になったり必死になったりするのはみていて気分いいですよね!
で、そんなワンを乱すことができる唯一の男が、敵対組織のヒットマン・ダガーなんです。
ダガーはワンとは対照的に線が細く神経質そうな美人で、幼い頃にワンに救われたことから、別離の後も彼だけを心の拠り所にして生きてきた男です。
だけど、ボスの命令でワンのいる「新飛虎」を潰すために、重要人物を次々と暗殺していくことになり、当然、途中でワンとも再会を果たします。
でも、どうしてもワンを殺すことはできず、それを逆手にとったワンが、自分の身を呈して組織「新飛虎」の仮ボスである城仔(センヂャイ)を守る姿をみて、ワンとセイヂャンが恋人同士なんだと誤解したりします。
そんな感じで、ただでさえ敵対する組織に属する二人の関係はこじれにこじれるんですよね…。
この作品のテーマはふたつでしょうか。
ワンとダガーの過去のしがらみと、ワンとセンヂャイの新たな信頼関係作り。
過去の男と未来の男…ってわけじゃないですが、なかなか憎い構成になってます。ただ、BL的にはセンヂャンは白です。彼は純粋に同じ組織の兄弟としてワンと親しくなるだけです。
だけど、ダガーとの因縁が明らかになってく一方で、センジャイと新たな絆を結ばせることは、ストーリーを進める上でかなり重要な意味を持つんです。
それゆえ、最後に思わず泣きそうになりました…(;_;)
傷を追ったダガーと彼を後ろから抱き込んだワンが、同時に同じ方向に銃を発泡するシーンがあるんですが、もーね…ヤバいです…。涙もんです。切ない。
実際の濡れ場やキスなんてないんですが、よっぽど深い愛を感じました。
リアリティある香港ヤクザの世界観もさることながら、しっかりみせるストーリーと存在感の強いキャラたちに圧倒されます。
BLジャンルとしては、薄く感じるかもしれませんが、ほのかにでもBL要素を感じるからこそ萌るのでしょう…。
もし仮にガッツり濡れ場とかあったら、かなり薄っぺらい内容になったと思います。また、逆にBL要素をまったく排除した場合、カタイ読物なってしまうので腐女子は手を出せない気がします。
この、今ある絶妙なバランスがベストなんだ、と時間が経つほど思えます。不思議。笑
ワンという男が今まで以上に好きになった作品。ちゃらんぽらんで移り気で不真面目で、だけどすごくアツい男です。ほんと憎めないヤツだ。
エロがないとか、BL要素が薄いとか、表紙の印象が暗いとか…嫌厭されそうな要素はありますし、それもすごいわかるけど…、でもやっぱりいい作品なのでいろんな人に読んでほしいなぁと心から思います。
もっと読まれるべきだし、もっと評価されるべき作品。大好きです。
《個人的 好感度》
★★★★★ :ストーリー
不明・・・ :エロス
★★★★★ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★★・ :構成