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樹生かなめさん、やっぱ好きだなァ。
相変わらず、奇妙でシュールな世界観のなかで展開されていくストーリーなんですが、たまにツボに入ってクックックッと肩を揺らして笑ってしまいます。
虫眼鏡を持ち出して、受けのアナルのシワの状態をじっくり観察して、浮気チェックしてるアホアホ攻めに、笑ってしまいました。
舞台は病院です。
主人公は36歳のゲイの外科医(受け)。
攻めは、製薬会社の営業マン。
製薬会社の営業マンたちは、医者に取り入るために必死になっている世界です。医者のために草むしりから運転手、女の世話までつとめて、男芸者と呼ばれているのだ。
これまで清廉潔白に生きてきた外科医は、ある事件の揉み消しを製薬会社営業マンに頼んだことをキッカケに、身体の関係を結ぶ。
医者と製薬会社の談合はリアルでも有名ですが、樹生かなめさんはそれを題材にして、極端でシュールでブラックなラブコメディを作りあげてました。
万人向けのお話ではないと思います。
でもオモロイ。
外科医が弟と近親相姦してたダークな過去を、作中ではサラッと流してたのが肩透かしなようで。いやでもそれが樹生かなめさんらしくてイイw
どちらかというとエロ少なめな樹生さんの作品。
でも、これはピアスノベルスですからぁ~たぁっくさんのエロシーンがぁ~でもやっぱり樹生さんです!
面白かった、エロシーンなのにおかしい!これ重要です!!
どうしておかしいのかな?と思うと、モノローグとか主人公の気持ちを描写する文章が少ないんですよね。科白のやりとりがメイン。
で、エチになってもセリフのやりとりが淡々と、描写がそんなに詳しくあるわけでもなく。
そう、ボケとボケが会話してるからおかしいのですよ。
清孝が弟・義孝に甘いのは、後ろ暗い過去があるから。
なんと、性に目覚める前の弟にいたずらしちゃって、それから弟と関係していたという、デープな過去。
でも、弟は甘ったれで年上の女狂いの大人になっているし、清孝も天然なのかその過去に対して後ろ暗さをさほど感じている気配もなく。
さらっとしているからいいのです。
自社の薬を扱ってもらおうと熾烈なMR営業合戦が繰り広げられているにもかかわらず、営業成績そっちのけでMRの一人・南は清孝一途の姿勢。
弟の不始末の処理を頼んだことから清孝は南と同衾することになってしまうのだけど、南には枕営業、枕芸者なんだろうかと思いきや、真剣の本気。
余りの一途さに変態な面も垣間見え。
ライバルMR黒岩が、ヤキモチをやいて清孝を襲ってしまうに至っては、怒った南が鼻水・涙を流しながら先生とやっちゃう絵が・・・ドン引きするか萌えるか?
あげくに虫めがねでお尻の穴を点検して、くわしく報告するくだり。
変態に近いのは南ではなくて、ひょっとして作者の樹生さんなのでは?
どんなことがあろうと、明るく生きるポジティブ(ボケともいう)主人公達がかますエロは楽しいのだ。
電子書籍で読了。挿絵なし。扉絵すらありません。「BL小説にはイラストが不可欠」ではない私ですら、これはちょっと寂しい。
『答えて姐さん』でトンチキBLとしてご紹介いただいた一冊。
かなりニヤニヤ笑いました。
攻めの南くんは、営業のためなら殺し以外は何でもする(この設定自体がもう既に恐ろしい)MRなのに、佐伯先生を好きすぎて暴走する様がトンチキ過ぎてむしろ清々しい。
素晴らしい純愛ぶりです。トンチキな純愛がこんなに笑えるものだとは!
佐伯先生の弟に絡む後ろ暗い過去も、病院不祥事に絡む大声で言えない現在も(先生自体は立派な医師なのですが、親族と同僚に問題がありすぎる)遙か彼方に吹っ飛ばしてしまうくらいの勢い。
エロシーンは多めなのに、あまりにもぶっ飛びすぎていて萌える暇がありませんでした。心情描写が少ない所為なのかドライなんですよ。何と言うか、ジェット風船を握りながら「かっとばせっ!かっとばせっ!」っていう感じ?(我ながら何を言っているのか解らない)
かなり激しい運動をした後の様な読後感です。
銀河の彼方に吹っ飛んでしまいました。