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表題作と続編の中編2本が収録されています。
どちらも向坂の目線で進んでいきます。
「桜のように」
向坂(受け)が大学生の頃、料理教室で雅嗣(攻め)と出会い、二人は恋に落ちて抱き合う。だが、雅嗣が大学の友人・光一の父親であると知ってから、別れを選んだ。それから4年後、偶然再会した光一から、雅嗣が再婚をすると聞かされて…。
「花冷え」
恋人同士になった二人。雅嗣は息子である光一に、二人の関係を告げるが、光一は反対して家を出てしまう。光一を不幸にする事に苦しむ向坂だったが、実家から電話が入り…。
向坂は悩み、苦しみ、自己犠牲の精神を発揮し、雅嗣から離れようとします。真面目な分、思考が固くて、読んでいて重苦しいです。誰かが死ぬとか事故が起きるとかキツい展開はないのですが、全体的に暗い印象の作品です。雅嗣がずっと向坂を大切に思って求めているのが救いでした。ラストの光一との和解でようやく光明が射したかのように感じました。
「桜切るバカ梅切らぬバカ」「椿の花を落とさないで」「花を散らす」「花に嵐」など、雅嗣は向坂を花に例えての言葉をよく言います。ちょっとお洒落なおじさまでした。
本間様の初期のコミックを髣髴とさせるイラストも、内容とぴったりでした。20歳の年の差カップルがお好きな方にお勧めします。