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作家さんの新作発表
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この本の存在以前に、影木先生の存在自体を初めて知ったのは、某テレビ番組ト○○○の泉で、でした。
そこで、竹下元首相のお孫さんと、そのいとこさんが漫画家であること、総理大臣を主人公にした漫画があることを知り、それを読んだのが最初でした。その漫画が「世紀末プライムミニスター」でした。この漫画は一応男女の恋愛が主軸の漫画だったのですが、数年後、スピンオフの存在を知り、それがBL路線のこの「遺言」でした。
「世紀末・・・」においては、なかなか訳有りそうながらも、既婚者でもあったSPの涼一。それなので、まさかこっち路線のお話があったとは!!!!と驚きつつも、妙に納得。
何故なら、警護対象者でもある、総理大臣で同級生の岡崎彼方との友情っぷりや、親しいからこその2人の軽口なやり取りが、なかなか腐ゴコロをくすぐっていたからなのです。
それに、「世紀末・・・」男女の恋愛ものではあるのですが、今読み返してみると実は結構BL要素が散りばめられていたことが判明・・・一応男同士のキスシーンもあったし、彼方が義理の父親からとんでもない目にあっていたことを匂わせる記述もありました・・・。
もし、男女の恋愛ものに対して抵抗がなければ、「世紀末・・・」(全4巻)も併せて読むと、さらに妄想が広がって楽しいです。
表題作の遺言は、「世紀末・・・」の4巻で総理大臣である彼方をかばって被弾した涼一が、重体に陥った時のお話になっています。
意識不明になった涼一が、高校時代の話や子供時代のトラウマを思い出しているかのような形で進んでいきます。
時は高校一年生になりたての頃。
中高一貫校の高校の男子寮に暮らす涼一は、その顔と雰囲気からちょくちょく夜這い未遂にあっていました。
あくまで未遂だし、本人も全力で拒否るのでそこまで深刻な感じに見えないのですが・・・
しかし、涼一には幼い頃に見知らぬおじさんに犯されてしまったというトラウマがあって、その気持ちを紛らわすために中等部の保健医とセックスだけをする関係を続けているという秘密があったのです。
ある日涼一は、喧嘩に巻き込まれていた彼方を助けたことにより、喧嘩が強い事もばれて、学校から彼方のお目付け役を言い渡されてしまいます。面倒くさいと思いつつも、彼方の様子にどうにも気になる事があり、面倒を見てしまう涼一。
そして、ある日、涼一は彼方の秘密を知ってしまうのです。それは、義理の父親である上條議員に無理矢理抱かれているという事でした。その事を知られてしまい、取り乱し死のうとする彼方を、「俺も同じだから・・・大丈夫だから・・・」となぐさめる涼一なのでした。
そして、涼一は彼方い家を出て入寮するように進め、同じ傷を持つ同士一気に友情が深まるのでした。
寮で同室の2人。でも、涼一の方は知らず知らずどんどん彼方に魅かれていっていたのです。でも、ある夜眠っている彼方に思わずキスしてしまった涼一は、友情を壊してしまう可能性のある自分自身の行為に怯え、そこで一生懸命自分自身にブレーキをかけなけらばいけない・・・と気持ちを抑え込むのでした。
そこで涼一の意識が戻り、時は今(意識不明の重体で入院している病院のベッド)に戻ります。
ああ・・昔を思い出す夢を見ていたんだ・・・と、そして、その後のエピソードは今の涼一の脳内で語られます。
実はお互い両想いである事に気がついていた涼一、でも友情を壊したくなくて敢えて気が付かないふりをして、自分を慕ってくれた女の子(今の奥さん)と関係を持ち、子供も作り、わざと彼方から距離を置いたのでした。でも、未だにずっと好きな気持はあって・・・「お前と会った時からずっと愛しているよ」という気持ちを今わの際に遺言として彼方に伝えよう・・・というお話なのでした。
今思うと、両想いなのにこれは切ない・・・という終わり方でしたね・・・(結局2人とも伴侶が居るし・・・)
涼一から彼方への愛は、ある意味無償の愛なんですね・・・
さて、表題作のほかに、もう一つスピンオフとして「新世紀ラヴァーズ」という作品も収録されています。
これは、同じく「世紀末・・・」に出てきた彼方の首席秘書官でハーフの彩(実は上條の息子。本人は長らくその事を知らされていなかった・・・彼方に片想いしていたが、振られる。)と、彼方、涼一の同級生で上條議員担当の政治部記者の松元君とのお話になっています。「世紀末・・・」の4巻でうっかり勢いで彩に愛の告白をしちゃった松元君・・・その後のお話です。同居を始めた2人。元々ノンケの松元君は、勢いで告白しちゃったものの、今一つ自分自身で招いた関係を認められずにいました。
すったもんだで、2人はちゃんと両想いになりますが、基本的にこのお話はほのぼの甘々です。(Hシーンはありませんが・・・)
しかも、悪役の上條議員がちょっとコメディ担当っぽくて面白かったです。