腹を据えて下さい
作家さんには二つのタイプがある、と評者は考えます。
作品を作品として昇華できる作家さんと、作品の隙間から
自分の黒さを覗かせてしまう作家さんと。
この作品は、後者の作家さんによって編み出された、と
お考え下さい。
この作品を読むと言うことは、すなわち作家さんの抱える
どす黒い感情と向き合うという事です。
この作品はそう言う黒さの塊です。題材自体がいじめに
起因するトラウマですし。
そう言う作品も有るのだ、と言う認識で遠目で観ておくのも
ひとつの評価でしょう。
同時収録作二篇の内『甘い鎖』は表題作の原型となった
作品との事。