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koi no yamai ni amaama trap
高校時代の親友同士の再会話です。
一人暮らしの受けは、ある日のっぴきならない事情により兄の3歳の子供を預かることになる。その子供には狐耳と尻尾があり、おいそれと他人には預けられない。仕事もあり進退極まった受けは、保育士をしている高校時代の親友を頼ることに。かつて告白のようなことをされ、その後付き合いの途絶えていた攻めは、子供を預かる間にもう一度受けを口説くと宣言して…。
鈴倉温さんの絵によるケモ耳ちみっこBLで、とても可愛らしい本でした。
絵柄は可愛いし、ちみっこも可愛いし、お話も全体的にほのぼのとしていて、それは大変よかったのです。でもちょっと話の構成や設定に無理やり感があり、多少違和感を覚えました。
特に、作者さんもあとがきでおっしゃっておられましたが、受けが保育士攻めを頼らざるを得ない状況にするために、預かる甥っ子をケモっ子に設定したのがすごく無理やりでした。いや、ケモ耳ちみっこは可愛いし、それに伴う騒動もハラハラ面白いんですが、これ普通の人間の甥っ子だった方が断然無理がなかったと思います。
母親が妖狐で、その母がさらわれ父(受けの兄)が取り戻しにいく、という本編よりもドラマティックな展開が、本編の陰に隠れて起こっていたため、あれっこっちのほうが主役っぽくない? みたいな気持ちになっちゃいました。
それに、いくら他に頼る人がいないと言っても、3歳のケモ耳ちみっこを一人暮らしの弟に押し付けていく兄や、いくら攻め自身がそうしたいと言ったからってケモ耳付き甥っ子を他人に全般的に世話してもらう受けにも疑問が。
てかケモ耳付きちみっこを数週間押し付けるって、普通だったら受けは仕事に行けず、まずクビになると思うけど、兄はどうやって責任取るつもりだったのかな。いくら妻の一大事とはいえ無責任すぎるんじゃないかな…。
あと攻めにも疑問でした。「甥っ子を預かる間、もう一度全力で口説く」と言って、めっちゃ受けやちみっこに優しく尽くしてすごく男前でしたが、昔も急に連絡を絶ったり、ちみっこが帰ってからも「口説いたけどダメだったし」みたいにまた連絡を絶つし、オールオアナッシング的ですごく両極端でした。
保育士の攻め×営業マンの受けの物語。
同級生で学生の頃からの知人。攻めは学生時代から受けの事が好きで、告白するもはぐらかされて疎遠になる。
兄の子でケモ耳という不思議っこな甥を預からなければいけなくなったから、保育士である攻めを頼り、攻めはそれにかこつけて受けを口説いていく。
ケモ耳な甥っ子が普通に人間じゃダメだったのかなと思ってしまいました。どうしても攻めを頼りにしないとというのでケモ耳になったというのですが、変にファンタジーが入ってきてちょっと入り込めなかったです。
受けの仕事からしても、子どもに合わせらせる生活ではないのが攻めとの距離を縮める良いスパイスにはなったのですが、友情から愛情への変化があっさりというか軽めでした。昔から好きだったって事でしたが、それにしては自覚するのが遅いというかモヤモヤしました。
ケモ耳の甥っ子は可愛いです。可愛いが故に2人の恋愛模様よりもそっちに力が入っちゃったのかなという気もします。
受けのお仕事ネタとか面白かったです。ドクターヘリについては詳しくなかったので「へ~」と楽しみながら読んでいました。
月東さんの作品という事で期待値が高すぎたのかもしれません。
つまらない訳ではないのですが、他に比べて読み進めるのが大変でした。
ヘリ運行会社でドクターヘリの営業をしている草哉(受け)は、勘当されていた兄が突然やってきて甥っ子を置いていってしまいます。母親が妖狐である風太は狐耳尻尾がついている子供で、容易に他人に預けることができません。まだ3歳なので留守番をさせるわけにもいかず困った草哉が頼ったのは、近くの保育園で保育士をしている親友の誠一郎(攻め)でした。恐縮する草哉に誠一郎は「いくらでも甘えていい。風太がいる間に惚れさせる」と宣言します。
草哉の座右の銘は「七転び八起き」です。どんなことがあっても前向きに生きてきました。誠一郎とは高校の時の親友で、そばにいるととても心地よく、癒やされるので一緒にいるのが大好きでした。そんな誠一郎に卒業式のときに告白されるのですが、今までそういった冗談をいっていたこともあって冗談だと返してしまいます。断られたと思った誠一郎が連絡を断ってしまったため、その後6年偶然同窓会で再会するまで音信不通になるのです。
草哉はパイロットになる夢が破れ、今はドクヘリ営業をしています。そのことが草哉のコンプレックスになっています。その為、きらきらしている草哉が好きだと何度誠一郎が言っても自分のどこにそんな魅力があるのかわかりません。
誠一郎は両親が営んでいる保育園で保育士をしています。親に進路を決められたことに対して思うところがあったのですが、表裏のない草哉の「保育士は誠一郎の天職だ」という言葉で吹っ切れて誇りをもって保育士をしています。高校の時から草哉が好きで、卒業のときの告白で諦めたつもりだったのに、草哉が甥っ子のことで頼ってきたので、ここぞとばかりに猛アタックを開始します。
二人の気持ちが噛み合わないままほぼ最後のほうまで進みます。恋愛対象は女性という固定観念に捕らわれているため、誠一郎のことは好きだけど触りたいと思わないという草哉と触りたいと思う誠一郎。
親友としてずっとそばに居てほしいと思う草哉と恋人として側にいたいと思う誠一郎。
こういった展開の場合、絆される形で意識するというのが王道なのですが、草哉は徹底的に鈍感なので、くっつくのかなと思うくらいそっちの方面では淡々とした感じです。話を盛り上げていたのは、風太を挟んだ疑似家族としての楽しい毎日と、草哉の仕事でのトラブルでした。
風太はとても可愛かったのですが、作者の方も誠一郎に預けるという口実のためにファンタジーにしたとおっしゃっていましたが、ちょっと無理があったような気がします。
まだ3歳児の風太が叔父とはいえ知らない人(会うのは生まれた時以来二度目)のところにいきなり連れてくるなんてありえません。草哉がニートとかならまだわかるけどサラリーマンですよ。母親側に預けられる人(狐)はいなかったのか。草哉の兄は高天原の神に攫われた嫁の妖狐を取り返すために孤軍奮闘していたようですが、山の神に仕えていて山から出られないからといって両親に挨拶もしなかったのに、山を出さない大事な妖狐を取り戻すのを人間である兄にさせる山神にも納得できない。
設定はもう少し現実的にして誠一郎に預ける方をちょっとこじつけにした方が良かったんじゃないかと思いました。
草哉の仕事であるドクヘリ運用に関するエピソードはすごく良かったです。今までドクヘリに乗るドクターの話は読んだり見たりしたことはありますが、パイロット側の話は初めてだったのでとても興味深いものでした。
が、山神や妖狐というファンタジー要素が加わってしまったため、話が散漫になってしまいもったいと思いました。どうせなら、こちらに集中できるようにして欲しかったです。
心無い人のせいで窮地に陥った草哉含むヘリ会社ですが、奮闘し疲弊する草哉を暖かく見守る誠一郎は男前でした。が、タイムオーバーになってしまい、兄が迎えに来てしまいます。そうなると、男前だった誠一郎は一転ヘタレに。今度は逃げないと言ってたくせに、返事も聞かずに自分で勝手に判断してまたしても逃げてしまうのです。草哉は実際やってみて初めて自分の気持ちに気がつく鈍感さんなので、草哉がどうしても誠一郎と一緒にいたいと思って追いかけなかったら終わってました。
最後の最後で両想いになれたのはよかったのですが、ここまでしないと気が付かないってどうなんだ。
絡みは一回だけです。離れていこうとする誠一郎をつなぎとめるために始まり、最後は自分の気持を確認することができたのは良かったのですが、これだけだったのが残念でした。せっかく両想いになったのだから、2人の両思いエッチが読みたかったです。