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s no honsyou m no honnou
電子配信された3作品+9頁の表題作描き下ろしを収録。表紙から受けるイメージとは違うなぁという印象で、裏表紙や帯についても、中身とのギャップにうーん…と思ってしまった。お話にいまいち入り込めず気が散ってしまうのは、人物の顔が各作品で違いすぎるように感じられたからかもしれません。短編集でキャラのビジュアルが皆違えば好印象なはずなんですが、絵のタッチが違うというか、一体どれが作者らしい「主人公の顔」なんだろうと疑問で、結局最後まで気になってしまいました。そうは言っても2度は読んでいて…評価は迷いましたが中立で。※以下、ネタバレ含みます。
◆『Sの本性×Mの本能』(表題作・約70頁)
予想よりかなり愉しげで軽い作品でした。スナック感覚で楽しめるお話だと作者ご自身もあとがきでおっしゃっています。平凡なリーマン・士(表紙後方)が後輩の冗談にも気づかずM性感のお店に出向き、サービスされて未体験ゾーンが広がっていくお話。担当キャスト(表紙手前)が、実は自分の職場で顔を合わせたばかりの男で…っていう設定なんですが、なんだかどのシーンでも違和感が拭えずという感じ。暴いてほしそうなタイトルだと思いましたが、本性とか本能とか、SとかMとか、追求しているものではなかったですね。描き下ろしは日常のかわいいお話で好きでした。
◆『夜這婚~鬼畜教師のドSなアソコ~』(約80頁)
花道の家元に生まれ、やんちゃとはかけ離れたタイプの高校生・慶華と、仲間を大事にする金髪のルームメイト・龍二。ここに陰気な雰囲気の教師が出てくるのですが、この教師が生徒をレイプ、寮から誘拐。実はこの教師がとある村の当主で、誘拐された慶華が着替えて出てくるなり即結納…って、おい!となりました。よかったのは、純粋おバカなヤンキーくんの龍二。この子が助けに来てふたりは結ばれるので読後感は悪くないのですが、教師の存在がなぁ。彼の過去やその後にスポットが当てられ、そこがキーになっているのでしょうが…。対立してるヤンキーとか、わかりやすい悪者キャラだったら、この場合は萌えがあったかもと思いました。あ、でもタイトル見ると、教師が主役なんですね。
◆『狐の嫁入り~褌に隠された恋心~』(約40頁)
大正ものです。軍人・源と、狐のお面をかぶった美しい男・シロの恋のお話。もしかするとこちらが一番作者らしい作品なのかな?と思いながら読みました。これシロはかなり女の子っぽいんじゃ…と読み進めると、女々しくもなく、攻めの源さんによく懐いていて、ふたりの時間が甘いのに毎回笑えるポイントがあって楽しかったです。他からもらったやさしさや愛情で成長していく心。それが巡っていく…これも愛ですね。その1日をただたくましく生きている者の姿は、現代のお話ではないからこそスーっと心に沁みました。