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大切な祥文のため、婚活に同行する昴は…!?
ai wa dokoda
表題作+3作の短編が収録されています。
「愛はどこだ」
子供の時に誓った「僕がおまもりするよ」を、20代になっても真剣に守ろうとしている、ちょっと、イヤかなりズレてる昴(こう)が主人公。
昴は周囲に言われるまま、榊家次期当主である祥文の婚活に励むが…
もうこの2人がくっつく事は分かっているけど、一体どうやって恋愛が始まるのかを主眼に読むと、2人して婚活パーティに参加して、パーフェクト女性とうまくいきそうな祥文を見て叶わぬ想いを自覚する昴と、パーティを中座して帰る昴を追ってしまう祥文の、とても現代の(一応)大人の2人の恋模様とも思えないほのぼのぶり。でも疲れてる時なんかには癒されると思います。
エロは無し。キスでキュンキュンして下さい。
「いつか君と歩く時」
付き合ってる保宏と旬。保宏が帰省に旬を連れて帰る電車内。
旬はカレの実家訪問にビビって、テンパって、駅に到着する時に保宏を突き飛ばしてしまうけど、保宏は大きく大きく旬を愛してて、家族もごくごく自然に旬を受け入れるのです。
「だいだい色の」
ルームメイトの英一と喧嘩したまま里帰りする紀之。こわがりなのに安ツアーにつられて飛行機にして揺れて怖くて。隣に座った小さな男の子が色々話しかけてくれる。話しながら自分の小さい頃、出会った頃の英一を思い出し…
臨死体験がモチーフの驚きの展開。この1作は多分恋愛というよりもっと、例えば半身のような。
「パンが焼けたら」
BBQへのお誘いも色々かかってくる電話も全て無視して、ひたすらパン種をこね、クルミを入れてパンを焼く男。彼の頭に響くのは、パンを焼くのは愛と同じ、という言葉。
焼いて焼いてカゴにいっぱいにパンを焼いて眠り込む。そこに帰ってくる恋人。
ラストの一コマで恋人が死と隣り合わせの仕事・消防士であることがわかる仕掛け。余韻系です。
「その後」4編
それぞれの「その後」。それぞれのCPの、静かで深い愛情と信頼が描かれています。エロなし。
「真夜中のカフェでお茶を」を購入する際に一緒に購入。
中編と3つの短編が収録されてました。
それぞれに後日談の描き下ろしがついているのがうれしい。
【愛はどこだ】萌2
祥文が生まれたときから「お守りする!」と心に決めて、その通りに行動して来た昂。
祥文の大学進学で離れていたものの、卒業を機に戻ってきた祥文のために理想のご結婚相手を見つける!と奮闘する昂だが…。
若様に仕える家臣そのままに真剣に花嫁探しをする昂が何だか可愛くて。でも結婚したら自分はいらなくなると気付いてしまってからは切なさも味わえました。面白さと胸のちりちりのバランスが良い作品でした。
【いつか君と歩く時】萌
恋人の家族に紹介されるとなったら緊張するのは当たり前ですが、同性カップルの場合はもっと深刻に身構えてしまうよなあ、というお話。唐揚げと餃子が食べたくなります。
【だいだい色の】中立寄りの萌
里帰り前に同棲中の恋人とケンカ。意地で乗った苦手な飛行機で隣り合わせた男の子との不思議な会話。「だいだい色」という言葉に思い出した過去。男の子の正体は一体…?というファンタジー風味の話でした。
【パンが焼けたら】萌
天然酵母でじっくり発酵させて焼くパン。パンに込めた愛と祈り。その思いを受け取る人は…。という途中ちょっと不安な予感を感じるものの温かい話。
手ごねでパンを作るのは本当に大変だけど楽しいんですよね。食べてくれる人の笑顔があればなおさら。
終始ほのぼのしてます。
侍の時代は主従関係にあった榊家の次期当主(攻め)と、その家臣の子孫(受け)で、受けが執拗に攻めを御曹司扱いするので、なんちゃって主従関係のようになってます。ちょっと時代錯誤感はありますが、受けが押しが強いので、立場的には逆転してしまっている感じです。
ストーリーは、祥文(攻め)にふさわしい結婚相手を探してるうちに、祥文にずっと好きな人がいたことを昴(受け)が知り、しかもそれをショックに思っていることで実は自分が祥文のことを好きだったことに気付きます。そしてその好きな人というのは実は昴のことだった、という王道な流れでした。
あまりこれといった大きな展開はないですが、お坊っちゃんらしいちょっと天然系の攻めと生真面目な世話焼き女房の受けと、周囲の人間含め出てくる人が皆いい人で、終始ほのぼのした雰囲気が漂っており、好感がもてました。