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eigou no sokubaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
中盤まで時々「まだ続くのか…」としんどくなる暗めな話ですが、
主人公の性格が男らしいので持ち堪えられます。
確かに過酷な状況ですが、設定が特殊すぎて絶望感にも共感しきれないのも
読み手としてはある意味バランス取れてて良かったかも。
ていうか陵辱やら痛い系の話は、もっと酷い物を読んでしまったので
何だかんだで受けはまあまあ大事にされてるし…とすら思いました。
それより!
ストーリーが暗くても、
主人公が痛い目に遭ってても
とにかく攻めがエロい。
作者さんもあとがきで仰ってますが、このお話の肝はそこにあるのではないかと。
そして笠井先生のイラストが
このお話にバシッと合っていて痺れました。
表紙で恐怖の大魔王(序盤は)なクロウもぽろりしていて
流石としか言いようがありません…。
ハッピーエンド!とは言いにくい終わり方ですが、
どん底を知っている2人なだけに、
狭い世界でも愛し合うお互いがいればそれで良い!って私はアリだと思いました。
人生何が起きるか分かりませんし…
ハルヲさんはもう痛くてたまらないお話を時折書かれますよね。
これ、そういうお話です。
評価が『中立』と『しゅみじゃない』が多いのも頷けるんです。
だって最後まで『悪は滅びず、主人公2人には解放が訪れない』からです。
正直言って、読後感は大変よろしくない。
2人の間に生まれるものも、恋愛と言うにはあまりにも甘くない。
実は私もレビューを読んで、手に取るのを躊躇っていたんです。
で、読んでみての感想なのですが、確かに途中までは非常に胸くそ悪かった。
友人の借金のカタに売り飛ばされた尚弥は、逃げ出すこともままならない豪華客船(出版社あらすじにはこう書いてあるけれども、超巨大ヨットだそうです。それもドイツ国籍の船なのよね)で、ゲスとしか言いようのない客を取らされ「何故、こんな地獄を生きていかなければならないのか」と何度も煩悶します。
そして絶望が深くなる毎に、どんどん感情が鈍くなっていくんです。
いやー、この辺は実に読んでいて苦しかった。
だからこそ、ラストが凄いな、と。
繰り返しますけれど「これ、恋愛と言って良いのか?」と思うのです。
あまりにも決意が深いと言うか「ギリギリなんだよなぁ……」と感じるのね。
今、思い浮かぶ言葉で一番近いのは同志愛(?)。いや、ちょっと違う気もするんですけれど。
ただ、愛は深いのよ、とても。
互いの名を呼び合って睦み合うシーンにはかなりグラッと来ました。
お話の中盤から尚弥の友人を使って彼を陥れた、荒瀬というヤクザが出て来ます。
こいつが実に悪い奴なんですけれども。
って言うか、こいつこそ諸悪の根源なんだろうと思うんですけれども。
でもさぁ、ごめん、この人の存在に萌えまくってしまったんですよ。
この人、クロウの苦しむところが見たい人なんです。
そこに執着していて、そのためなら何でもやる人。
……これねぇ、凄く歪んだ愛情に見えたのね。
ヤンデレ(デレ成分はほとんどないのですけれど)の極北!
尚弥を挟んで対峙している様に見える荒瀬とクロウですが『荒瀬→クロウ』という関係性が見えた時、激萌しちゃった(自分の鬼畜性に驚きましたが)。
痛さに耐性があって、過酷な状況の中での『一般的じゃない』愛の形を読んでみたいという方には興味深い1冊なのではないかと思ったのであります。
あらすじに惹かれて読んでみたものの、矢木とクロウの置かれた絶望的な環境にしんどくなりました。
どこにも逃げられない船の中という閉塞感と、例え陸に逃げたとしても普通に生きられない地獄のような運命に、いったいどういった決着をみせるのかと想像も出来ませんでした。
矢木を陥れた本当の人物である荒瀬が現れてからはバッドエンドまで考えてしまいました。
が、しかし終わりは呆気なくて肩透かしでした。あんなので荒瀬が納得してクロウと矢木に都合の良い終わり方なら、今までは何だったのかと思いました。
最後に矢木を騙して利用した大原がクロウの前に連れて来られて、ショーに出される事になったのはザマァでした。
クロウについての容姿は詳しく書かれてましたが、矢木については書かれて無かったと思うのですが…笠井画伯のイラストが美形でした。
ですが、辛すぎるぅ…!とまではいかない程良いさじ加減でした。
誰もが救われるようなご都合展開にはならないところも良かったです。
この作品も受けが売られる美味しいシチュがあります。
600万…結構妥当なのでは?と根拠もなくしっくりくる自分。
ノンケの子だったので嫌がるさまが激しく、諸々刺激的でした。
度重なる仕込みと客との行為に体は反応していきますが、快楽堕ちには見えないところも良かったです。
お話がお話なだけにエロ特化でありますが、だれずに最後までスイスイ読めました。
なんといっても逃げ場のない船の上。監視の目。
問題をおこせばそこにいたるまでの中身はどうであれ待つのは死のみ。
解放されることはなく、希望を抱く余地がまるでない。
起きてご飯を食べて、ベッドしかない部屋で客に呼ばれる夜をひたすら待つだけ。
それが死ぬまで繰り返される…。
と絶望度高い状態を維持したダークなお話でした。
救いが来い、と思わなくもないけどこの重さが癖になるんですよね。
あらすじとしてはBLアルアルそうなお話かと思いきやオリジナリティあったと思います。
ハルヲさんに笠井さんというタッグ。そしてちょっと話題にもなった肌色率の高い表紙。という事で発売を楽しみに待っていました。
内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
主人公は尚弥。
広告代理店に勤めるリーマンで、順風満帆な生活を送る日々。いわゆる「勝ち組」に分類されるだろうと自負しています。
そんなある日、大学時代の友人・大原と再会します。自分は「勝ち組」だと思っていたのに、大原は自分とは別次元の煌びやかな生活を送っている様子。芸能人のたまごやきれいな女性と関係できるといわれ爛れた性生活を送るようになる尚弥ですが、実は大原は多額の借金を抱えていて、その借金返済のために尚弥は娼館へと売られてしまう事に…。
というお話。
その娼館には通称クロウと呼ばれるリーダーがおり、彼が売られてきた人間を娼館で働かせるか臓器を売らせるか、はたまた違う仕事をさせるか、と仕分けしています。
尚弥は売られたその晩にクロウに抱かれ、仕込まれ、客を取らされて。
その後も逃げようとすれば折檻され、客からは性欲処理の道具のように抱かれ、と絶望の日々を過ごすのですが。
尚弥とクロウの、温もりはないけれどそれでも確かにそこにある意思の疎通。
クロウが尚弥を抱くときに射精までしない理由。
尚弥が娼館に売られることになった、本当の理由。
娼館が、ギガヨットと呼ばれる要塞のような大きさの、でも「ヨット」であること。
設定も凝っていて、ストーリーとしては面白くテンポよく進みます。結末が気になりページを捲る手は止められませんでした。
なのですが。
いかんせん痛すぎる…。
こういう男妾モノって、仕込みをする人間(この話ではクロウ)以外には抱かれないとかそういう甘い雰囲気もあったりするものも多い気がしますが、尚弥はがっつり客を取らされています。また、クロウの指示によって尚弥自身は本当に酷い事はされないものの、ほかの男娼たちが客に嬲られたりするシーンはかなり残酷。
臓器を売るとか暴力を振るわれるとか、人を殺めるとか、そういった描写もかなりあって萎えることしばしば。
終盤に、クロウがなぜ尚弥に優しくしていたのか(といってもクロウ基準。客観的にはかなり痛いことをされてます)わかってきますが、それもなんだか説得力に欠ける。ページ数の大部分が尚弥をいたぶることに割かれていて、クロウの過去の話がサラリと流されているだけだからかな、と思ったりしました。
クロウの過去や、彼がかつて愛した人とのエピソードがもう少し盛り込まれていたなら、クロウの気持ちに寄り添えた気がします。
娼館にやってくる客のプライバシーを守る、という意味合いからそこで働かされた人間が本当の自由になることはない。尚弥とクロウ、二人にとっては丸く収まる結末を迎えますが、物語としてはかなり後味が悪い結末なんじゃないかな。
ハルヲさんは割と武骨な男たちが出てくる男くさいストーリーを描かれる作家さん、のイメージがありますが、それでもハルヲさん×笠井さん、という事で甘くてエロいストーリーをイメージしていたので、ちょっと予想外のお話でした。
痛い話があまり好きではないこと。
甘さがあまりないこと。
残虐な描写が多いこと。
などから、萌えはほとんど感じませんでした。ごめんなさい。完全に好みの問題だと思いますが。
正直「趣味じゃない」評価なのですが(ごめんなさい)、笠井さんの美しい絵柄におまけして☆2つで。
表紙はかなり攻めている絵柄ですが、中の挿絵はいつもの笠井さんのエロ度よりもやや控えめな印象。
てか、表紙…!
リアル書店では手に取りづらい。ついでに言うと、表紙をめくってすぐのカラーの口絵もがっつりエロかった。
綺麗なんですけどね。うん。
笠井あゆみ先生の綺麗な表紙に惹かれて買いました。
結局は攻めも受けもかわいそうで、船から降りられずヤクザに飼い殺しにされる運命かと思うと、救いがないような気がしてしまいます。
途中から出てきた受けを可愛がっているようにみえたヤクザが受けを嵌めた張本人で、鬼畜で嫌なヤツでした。
最後、ヤクザを選ばすクロウを選んだのは良かったですが、船から降りられないのは悲しいです。
攻めも受けと同じように船に連れてこられて、15年も船を降りていないのなら、いっそ攻めと受け2人が船を逃げ出すとかならもっと萌えたかもと思いました。
受けを騙した友人が最後痛い目にあったのは良かったです。
人身売買の世界をリアルを求めて書いたのかもしれませんが、殺人やショーの様子などリアルすぎて残酷で萌えられませんでした。