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ミステリー仕立てで、BL要素はほぼない作品です。
ある夏の日、ひとりの少年が海のある街の坂の上の喫茶店にやってきます。
少年は閉店時間になってもずっと窓辺の席に座ったまま。
店長が声をかけると、「ひとを待っている」と…。
という始まりで、伊乃里(少年)が待ち人に会えるまで、喫茶店の2階の一室を貸して、昼はバイトとして雇うのですが、小出しにされる情報と謎が気になって一気に読んでしまいました。
ピアノの才能があった伊乃里の兄とその友人、兄と家族の関係。
店長の方も、代理で喫茶店を開けている理由、夜眠れないことなど、とにかく謎が多くて、ここからどう展開していくのか、ぐいぐい引き込まれました。
みんながそれぞれに抱えているものが「今は会えないひと」にしか解決できないというのが切なくて、でも最後はじんわりとしあわせな光が見えるような終わり方でした。
すごく気になるのは、伊乃里が店長に宛てて書いた手紙の内容です。
中身を見せてくれない!
知りたい!
これからもふたりの縁は続いていくのか、それとも前を向いてそれぞれの道を歩んでいくのか。
それは読者の想像に任せるという憎い手法に、ちょっと鳥肌が立ちました。
結構重い内容なので軽くは読めませんが、ほんのりと香る尊敬か憧憬か恋心か線引きが難しい感情の揺れ動きを、謎の解明と共に静かに楽しめる作品ではないかなと思います。